あらすじ
月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行なわれた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。生物学的には現代人とほとんど同じにもかかわらず、5万年以上も前に死んでいたのだ。いったい彼の正体は? 謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。調査チームに招集されたハント博士は壮大なる謎に挑む……。ハードSFの巨匠ホーガンのデビュー長編にして、不朽の名作。第12回星雲賞海外長編部門受賞作。/解説=鏡明/*本電子書籍は『星を継ぐもの』(創元SF文庫 新装新版 2023年7月7日初版発行)を底本としています。
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Posted by ブクログ
月の裏側で見つかった5万年前のものとされる宇宙服を着た死体。現存する人類の前に築かれた文明があったのか、はたまた他惑星からの宇宙人なのか。調査が進むにつれて出てくる新たなデータを組み合わせ、仮説を立案してそれを証明していく過程はパズルのようで、かつ科学ロジック的な面白さもあり、また、2020年代後半をイメージして書かれているが、技術的な記述も違和感なく受け入れられるものも多く、70年代の小説とはとても思えないものだった。「SFの金字塔」とかなりハードルを上げて読んだが、その期待にしっかりと応え、また翻訳小説という点でもスッと受け入れられたので、かなり洗練されていることが伺えた。シリーズになっているということで、続編も読んでいきたい。
Posted by ブクログ
すごく面白かった。
主人公のハントにおいて余計なストレスが無いのが良い。用語や知識が難しかったけど翻訳の人が上手いのかすんなり入ってくる感じ。でも漢字とかは難しいので調べつつ読みました。
ロブ・グレイはもっと相棒みたいな感じで出番があるものかと思ってました笑
Posted by ブクログ
月の洞窟から見つかったのは、五万年も前に死亡したと思われる死体。宇宙服を着たその死体は、現生人類と何ら変わらぬ特徴を備えていた。原子物理学者であり何でも透視できるスコープの開発者でもあるハントは、その謎の解明のために借り出される。死体は月で見つかったことからルナリアン、そして個体名としてチャーリーと名付けられる。チャーリーの装備品からも、ルナリアンは高い文明を築いていたことが窺える。果たしてルナリアンは地球外生命体なのか、それともかつての地球に存在していた人類なのか。さらに、ルナリアンや現代の人類とは似ても似つかないガニメアンなる巨人の存在も明らかになる。しかもガニメアンはルナリアンよりもさらに遡った時代から存在していたらしい。
ルナリアンのルーツを地球だと考え続けていた生物学者のダンチェッカーは、ガニメアンが遠い昔地球にやってきて、まだ進化前の段階だったルナリアンを自分たちの星であるミネルヴァに連れて帰ったのではないかとの仮説を立てた。つまり、ルーツは地球だがその後の進化はミネルヴァでのものだというのだ。しかしこれにも反証が出てくる。
言語学者によって、チャーリーが月で記した日記が解読されたのだ。それによるとルナリアンたちは二つの陣営に分かれて大規模な戦争をしていたという。彼らは月に設置した兵器によってミネルヴァの敵陣を攻撃していたのだ。だが、月とミネルヴァはあまりにも遠く離れているため月から攻撃を仕掛けるなど到底不可能。そこでハントは、ルナリアンたちが言うミネルヴァは遠く離れた太陽系の星などではなく、地球なのではないかと睨む。これは再び大きな論争を呼ぶことに。
ついにハントは、調査のために木星へと旅立つ。そこで真相を知る。
現在地球の周りを回っている月は、かつてミネルヴァの衛星だったのだ。ルナリアン同士の戦争によりミネルヴァが破壊されたことにより引力を失った月は、遠く離れた同じ太陽系に属する地球まで飛び、地球の引力に引かれて衛星となったのだった。
たがその仮説にも反論が出る。
現在地球にいる人類のルーツこそがルナリアンにあるというものだ。五万年前、月でチャーリーが死んだとき、一部のルナリアンは生き残った。ミネルヴァを失った月は地球に辿り着きそこで地球の衛星となった。わずかに生き残ったルナリアンは残った宇宙船で地球に降り立ったのだった。そしてネアンデルタール人らを駆逐し、現生人類として地球の支配者となったのだった。
仮説と検証を繰り返し、少しずつ真相に迫っていく。
チャーリーとコリエルの悲惨な行軍。プロフェッショナルたちによる熱い激論。反証という名のどんでん返しが心地良い。
この作品が刊行されたのが1977年、ハントたちの時代が2020年代後半。著者が思い描いた近未来を今自分たちは生きている。それだけでもワクワクする(残念ながら月旅行はまだまだお手軽ではない)
Posted by ブクログ
・面白かった。
・宇宙にあまり詳しくないので、単語を調べながら読んだ。宇宙の基礎知識は知っておいた方がより楽しめると思う。
・キャラクター個人の性格や関係性はそこまで深く掘り下げられないが、それでも不思議と魅力的に感じられた。
・一つ謎が解明されると新たな疑問点が浮かび上がり、ミステリー要素がある。最後の真相は予想出来てしまったが、謎解きのわくわく感があってかなり楽しめた。
・すべての謎が解明され、読後感はよい。と言いたいところだが、最後だけ胸糞。許すまじ。
Posted by ブクログ
買うつもりは無かったが、大々的に陳列されていたので、つい手に取った。あらすじだけで自分好みの物語だと確信して購入。ほんとうにおもしろかった。
大きな謎を解き明かそうと異なる専門家たちが色んな視点で試行錯誤するのが大半で、聞いたこともない用語が多く出てくるのだが、説明がちゃんとあるので意外と理解できた。
その大きな謎が解き明かされた先にまさか大前提とされていた事柄がひっくり返される事実が明らかになるなんて。読みながら震えたし、まだ飲み込めていない気もする。
忘れた頃にまた読みたい。
今までここまでのSF小説って読んだことがなかったな。
Posted by ブクログ
人類の起源にも繋げた壮大な物語
今でも月は謎の多い衛星だと言われている点も納得してしまうような、、
フィクションなのに真実かと思ってしまうような、、
専門用語が難しく流し読みしてしまった部分もあるけれど
読めて良かったと思えた
プロローグのコリエルとチャーリーのくだりを読み返し切ない気持ちになった
続編があるだって?!気になる。