あらすじ
雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏手で、菊之助なる若衆が果たした見事な仇討。白装束を血に染めて掲げたるは父の仇、作兵衛の首級(しるし)。二年後。目撃者を訪ねる武士が現れた。元幇間、立師、衣装部屋の女形……。皆、世の中で居場所を失い、悪所に救われた者ばかり。「立派な仇討」と語られるあの夜の〈真実〉とは。人の情けと驚きの仕掛けが、清々しい感動を呼ぶ直木賞・山本周五郎賞受賞作品。(解説・中島かずき)
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Posted by ブクログ
Audibleにて
映画化されると聞き、読んでみることに
時代物が好きでよく読むが、映画化されるとなると自分の好きな地味ぃな普通の人の人情物ではないのかな、でも聞いてみるかなー で期待せずにスタート。
が、
いやぁ、読後感の炭酸水を飲んだあとのようなスカっとした良い気分、面白かったぁ!
とんでもなくびっくりするようなすごいどんでん返しとかがあるわけじゃない、読み進めて行くうちになんとなく、「あ、やっぱりそーゆーこと?!」と驚きはするけれど、それがまた人情物好きにはたまらないどんでん返しで顔がニヤニヤしてくる。
映画化が楽しみな作品です。
Posted by ブクログ
今年最高!(今年まだ10日しか経ってないけど)前から気になってたけど、映画化の前のは絶対読もうと。江戸の人情に、サスベンス要素にと、最高に良かった。
Posted by ブクログ
読み終えると「一本取られた!」と膝を打ちたくなった!読み終えたときに、その真価が発揮されて「読んで良かった!」と思える素晴らしい作品。ただ正直なところ、面白くなってくるまでにやや時間は要します(個人評)。面白さバロメーターは若干スロースタート。それは歴史小説であることや登場人物たちの語り口が江戸っ子言葉であることによるもので、現代人には馴染みがないゆえに、文章がスッと入ってはこないからなんだと思う。でも、途中から「ん…?これはミステリ…?」と気付き始めてからはグイグイ引き込まれるし、最後に全てが繋がる痛快感と、その真相のありようには心が震えた。木挽町で起こった仇討ち事件について、目撃者それぞれの視点から事のあらましが語られる叙述的な構成。最後まで読み切ると、帯に書かれている「人情と驚きが感動を呼ぶ傑作」というのがまさにその通りと感じるし、タイトルの意味も分かる(そもそも読み始める時点で疑問を抱くようなタイトルではないのだが、読み終えると、もう一つの気付きがあるのです、笑)。崇高さや高潔さって美しいけど、もっとしなやかに生きることもまた素晴らしいんよなーと思わされた。とにかく木挽町の人たちが愛おしい!笑。読書好きにはぜひ薦めたい一冊。映画化されるようなので、それも絶対見たいな!
Posted by ブクログ
完璧!パーフェクトなエンタメ江戸時代小説でした!ストーリーも構成も登場人物も全て素晴らしかった。時代背景が過去だからこそ出来るミステリー。やれ伏線だの、やれトリックだの、といちいち粗探しされる昨今の窮屈なエンタメ界隈に『野暮だねぇ』と一蹴してしまう『とびきり粋な』作品でした!
Posted by ブクログ
菊之助のあだ討ちについて、本人ではなく、周りの人々からの描写を通じて真相が明らかになっていく、いつの間にかそのそれが大きなうねりのように見えるようになる構成が素晴らしかった。
人の目を気にしすぎることはよくないけれど、人からどう捉えられるかで評価が決まってしまうのもまた事実。だからこそ、人々が菊之助のことをどう気にかけて見守っていたのかが分かった時に、胸が熱くなりました。
Posted by ブクログ
素晴らしい作品でした。
芝居小屋の人々の暮らしや、芝居小屋に来るまでの経緯、芝居人としての矜持をたくさん詰め込んだ作品でした。
最後の「国元屋敷の場」はすべての答え合わせがドミノのようにカタカタと倒れていくようで最高でした。
時代小説は私たちが最近置いていってしまっている、粋や人としての筋というものを思い出せてくれる。
2026年もいいことも悪いことも色々あると思います。時々、自分が生きる世界が嫌になるけどそういうものを飲み込んで生きている人たちの健気な姿がこの小説にはありました。凄く救われました。できるところまでやってみようと思います。
Posted by ブクログ
あっという間に読み終えました。非常に面白かったです。池波正太郎先生の短編を読んだ後のような、爽やかな読後感を得られました。話の構成もユニークな構成で、クライマックスをさらに盛り上げてくれたと感じました。あと、各登場人物に対する愛にあふれていますね。
Posted by ブクログ
大変おもしろかった。
章ごとにいろんな人のいろんな話を聞いているうちに、「あだ討ち話」がどんどんと膨らんで色鮮やかに、最後には何回も聞いたあだ討ちの場面がありありと目に浮かぶようでした。
人の優しさや愚かしさとか人生のうまくいかなさとか、綺麗に昇華させて、あと味もスッキリです。
Posted by ブクログ
「昔特有の言葉遣い。読み進めるのに苦労しそう。」そんな印象を持ちながら読み始めた。躓く箇所は確かにあったけれど、語り手が伝える彼らの歩んできた人生の背景を知るにつれ、ページを捲る手が止まらなくなった。
各章で格言のような文言が登場し、お気に入りのフレーズを見つけることもできた。
じわっと胸に沁みる場面も多々あり、感情を揺れ動かしてくれた作品。来月に映画化されるとのことで、映画館で各登場人物を観れるのが非常に楽しみです。
Posted by ブクログ
初読みの作者さん。
皆様の★も高いし、直木賞&山本周五郎賞受賞ということで期待値も上がる。
どんな話かも知らずに読み始めたが、仇討ちから2年後にそれを果たした武士の縁者という若侍が現れ、仇討ちを目撃したという人たちにその時の様子に加え、それを語る人の“来し方”を聞いてまわるというお話。
なんだ、仇討ちそのものの話ではないのかいと思ってしまったが、木戸芸者、立師、衣装部屋の女形に小道具係、そして筋書と、芝居小屋に身を置く5人の語りは、落語か講談を聞いているようなリズム感が心地良く、そこに流れ着いた顛末はどれもがそれぞれ面白い。
そうこうしている内に、このあだ討ちにはなにやら裏があることが知れてきて…と、いやいや、よくできたお話だった。
特別エッセイを寄せられている方が単行本の帯に書かれた推薦文を『ミステリ仕立ての趣向に芝居町の矜持が浮かび上がる。なんとも気持ちのいい小説だ』とされたそうだが、まったくその通り。
木挽町は現在の歌舞伎座がある辺り一帯のようだが、そこで舞台に生きる人たちの恬淡闊達な生き様が清々しく、武士の世にあって河原乞食と蔑まれる身ではありながらも、仇討ちというしきたりの中で苦悩する若い武士に寄り添う姿がとても好ましかった。
Posted by ブクログ
2023年初版。著者の作品は初めて読みました。面白かったなあ。人情小説のようで、謎解きサスペンスです。あだ討ちの目撃者に、仇を討った若侍の縁者の侍が、目撃した人物に状況を尋ね歩くという物語。目撃者たちの証言と目撃者たちの生い立ちが読めます。どの目撃者も、いろんな苦悩を抱えながら芝居小屋に辿り着いています。ホロリとします。来年、劇場公開とのことなので楽しみにしています。
Posted by ブクログ
ある雪の降る睦月晦日の戌の刻
木挽町芝居小屋の裏手にて1件の仇討ちあり…
「我が父の仇、討ち取ったあり〜」
これが世にいう「木挽町の仇討ち」ィィ〜
何?この仇討ちについて知りたいとな?
参拝交代でやってきたという若侍に、この仇討ちを見ていたという芝居小屋の関係者がリレー式に語りだす
呼び込みの口上の木戸芸者の一八
役者に剣術の振り付けをする与三郎
衣装係の芳澤ほたる
小道具係の久蔵…代わってお与根 (笑)
戯作者の篠田金治
まぁ、みな喋る、しゃべる
仇討ち以外に、それぞれのこれまでの自分の生き様まで…
いやいや、仇討ちの真相だろっ!
と思うのだが、な〜に気がつくとその語りに引き込まれていたねぇ…
そして終盤になって、この作品がミステリーであることにやっと気がついたよ…
こりゃぁ、やられたねぇ…
役者は揃ってた!って訳かい!(笑)
お江戸の人情話にミステリーとは…
いやいや、これはおもしろかったってもんさっ〜
きっと時代物が苦ってってお方も読みやすいんじゃないかい!
ぜひとも読んでもらいたいねぇ~
Posted by ブクログ
読み始めの時はこれどうなんのかな?と思って読み進んで途中からこうなるんじゃないかなと予測を立てながら読み込んでいき、ラストは予想の上をいってくれてとても良かったです。
読後はスッキリしていますし、続きも気になる書きぶりが素晴らしく一気に読めました
Posted by ブクログ
2025/12/14
おもしろかった!もったいないからゆっくり読んだ。
展開が憎い!うまい!
テンポよい語り口で引き付けて、でもちょっとだけ違和感を残す。
あれ?と思ってるうちに次の人。
またテンポよく話に引き込まれ、あれ?あれ?
めっちゃ気持ちいいい。
最後まで読んでも気持ちいいまま本を閉じた。
最高じゃない?東映さん、映画化頼むよ…
Posted by ブクログ
直木賞と山本周五郎賞、さらに映画化と知って読んでみた。
結果これは大当たり。ラストをあれこれ想像しながら楽しんで読めた。
悪所とよばれる芝居小屋に流れ着いた人々。
元幇間、立師、衣装部屋の女形、小道具係、戯作者。
彼らが2年前に木挽町で菊之助が成し遂げたあだ討ちについて語っていく。聞いて回っているのは菊之助と同じ年頃の武士。身の上話もしきりと聞きたがるので、少しずつ語るうちに彼らの来し方と人柄がわかってくる。
当時あだ討ちをたてたら届け出て、成すまで自分の藩に戻れなかったという。相手が見つからずにそのまま流れ者になってしまうこともあるのだと。ようやく親の仇に出会ったら名乗りをあげて討ち合い、証明するために首級を持ち帰る。
それを若者に強要するとはなんと苦しい制度だろう。
時代はどうやら『べらぼう』と同じ頃。
悩む菊之助に江戸の人情は厚い。彼らは魅力的でとても粋だ。
Posted by ブクログ
面白かったです。
時代小説だけど、難しい言葉も使われておらず読みやすかった。
数人の登場人物へのインタビュー、最後にはあだ討ちした本人の語りで締めくくり。最後にいろんな物事がつながって、そういうことか!と気持ちが明るくなりました。
Posted by ブクログ
最近読んだ中で群を抜いて面白かった。
それぞれの人生を見られ、芝居小屋でしか繋がってないかと思っていた点が急に線になり、板のように厚くなり、菊之助を支えていた。
Posted by ブクログ
もう、これは素直に面白かった!!!
これまでのミステリーとは比べ物にならないくらいスッキリとした読後感で、これだけで満足できる贅沢な一冊だった。
タイトルの伏線回収もさることながら、一つ一つのエピソードも重厚で、読んでいて最後まで飽きなかった。
Posted by ブクログ
直木賞受賞作を読むシリーズ。ミステリー要素あり、登場人物たちの人生や感情がいきいきと描かれていて、ハッピーエンドのすっきりした話で良かったです。登場人物それぞれの生い立ちの話がメインという感じでした。傑作で直木賞納得という感じです。
Posted by ブクログ
最後まで読むと「なるほど!そうきたか」と気が晴れる心地。最初は何の話なのか、どうなっていくのか見えないけれど、個々の話が仇討ちの詳細を明らかにしていく様子にどんどん読み進む。人情や市井の人々の生き様の話に心打たれ、全体ではミステリー風でおおっと驚く。泣けるし面白かった。
Posted by ブクログ
仇討ちの物語として始まるけれど、読み進めるうちに目に入ってくるのは、人が生きてきた時間の重さでした。
それぞれの語り手が抱えてきた選択や諦めが、静かな言葉の裏に滲んでいて、差し出される人生の断片に思わず涙がこぼれました。
誰かを裁くためではなく、ただ生きてきた道のりを受け止めるための語り。
その厚みのある人生芝居の幕が降りたあとには、私の胸には冴えわたる柝の音が快く響いたのでした。
Posted by ブクログ
2026.01.01
温泉でたらたら過ごしながら
べらぼうを完走し、爆烈忠臣蔵を観て
いま読むからこそ思い描ける絵があったと思う
作兵衛について詳らかになるにつれて
おおよそ筋というか顛末は読めるのだけど
読めてもなおページを繰る手が止まらない
この木挽町にいる一人ひとりが
様々背負ってなお人として生きる姿に
読んでよかったと思える
2026年の幕開けに相応しい爽やかな筋
Posted by ブクログ
映画化されることを知り、読み始めました。
ストーリーの大筋は序盤でなんとなくわかります。
大筋を補完していく上で登場してくる人物が魅力的です。
人情ものは心に沁みます
どんどん引き込まれ,あっという間に読み切りました。
読後感は良いです。
Posted by ブクログ
雪の夜、木挽(こびき)町の芝居小屋の裏手であった見事な仇討ち。その真相を尋ね歩く1人の侍のお話。
登場人物がこちらに語りかけてくる口調で書いてあり、自分が物語の主人公になったような感覚に没入してしまい一気に読んでしまった。
少しずつ見えてくるあだ討ちの真相。でもどこが腑に落ちない。語り部の町人たちが"知っている"ことと"見た"ことは同じなのか?
町人たちの優しさや温かさを感じられる時代劇ハートフルミステリー。
Posted by ブクログ
森田座という芝居小屋の職人や芸人が語る「あの日の仇討ち」
てっきり、語り手によって仇討ちの場面が肉付けされ立体的になっていくものだと思っていたら、どうやら1つの真実も隠されていそう。
それぞれの語り手の半生の話も面白くどんどん引き込まれていき楽しく読み進めたが、その分仇討ちの場面は薄まっていたように思う。
1人の青年を放っておけない大人たちが打った一世一代の夢芝居。優しくて温かい物語だった。
欲を言えば、最終場の答え合わせの語り手が別の人だったらなと思いつつ、この人しか語る人が居ないというのが、温かい真実なのかと余韻を楽しみつつ感慨にふけることとする。