【感想・ネタバレ】木挽町のあだ討ち(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏手で、菊之助なる若衆が果たした見事な仇討。白装束を血に染めて掲げたるは父の仇、作兵衛の首級(しるし)。二年後。目撃者を訪ねる武士が現れた。元幇間、立師、衣装部屋の女形……。皆、世の中で居場所を失い、悪所に救われた者ばかり。「立派な仇討」と語られるあの夜の〈真実〉とは。人の情けと驚きの仕掛けが、清々しい感動を呼ぶ直木賞・山本周五郎賞受賞作品。(解説・中島かずき)

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Posted by ブクログ

これは面白い。
ただの仇打ちの話だと思い、最初はそこまで面白いと思わなかった。
しかし、読み進めるうちにこれはただの仇打ちではないぞ、何か裏があるな、と少しずつ情報が解放されていく。
また、話は誰かが木挽町の人々から話を聞いている内容で進められるのだが、その人々の背景も全て面白い。
なぜタイトルがあだ打ちなのか、最後まで読み終わった時の爽快感が半端ない。
久々にいい小説を読んだ。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

時は江戸。歌劇座がひしめく一角で、朗々とした口上とともにあだ討が成された。
仇は悪名で鳴らした博徒で、それを打ち取ったるは色白の美少年である若殿。
父の仇である博徒を打ち取った若殿は仇の首を持ち上げて、ここにあだ討は為されたことを宣言すると夜の闇に消えていった。

そんな事件から2年が経ったころ、あだ討が成された通りにある歌劇座に一人の武士が訪れる。
なんでもその時のあだ討の様子だけでなく、話し手の来し方も聞きたいという珍妙な客であった。

と、この珍妙な客に応対する様々な人の答弁という形で話が進んでいく。

話の進み方。ミステリー要素。そして何より喜悲こもごも綯交ぜにした人情劇。
見事という他ありませんでした。
時代劇好きにも是非オススメしたい作品でした。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

いい話だった!とても清々しい良い気分で明日を迎えられそう。仇討ち話が多面的に語られる中で、少しずつ仇討ちの本当の姿が見えてくる構成も良かったです。仇討ちを語るそれぞれの人物の過去を聞いていくことで、菊之助に皆が力を貸したくなる気持ちに共感して、ますますラストの感動が高まるのでした!ご都合でもいい、こんな話が私は好きです。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

最初は少し難しいというか、読みにくい印象だった。途中から流れが分かり、それぞれの登場人物の背景を深掘りしながら、最後のどんでん返しは流石でした。やっぱり物語の終わり方はハッピーエンドの方が良い。

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2026年05月05日

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武士の哀しさと芝居小屋の江戸っ子の意地。緻密に張り巡らされた伏線の末のあっと驚く結末。

2年前に芝居小屋野前で起きた仇討ちを、目撃した芝居小屋の関係者を訪ねて回る一人の武士。複数の視点から次第に明かされていく仇討ちの真相。

題名含め伏線が見事。クライマックスに向け読者の感情も盛り上がる。

さすがの直木賞受賞作で映画化された作品。芝居がテーマかと見間違うほどディテールにも凝った素晴らしい作品でした。

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2026年05月03日

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面白かった。
江戸の風景が、芝居小屋が、語り手たちの人生が本当に目に見たように浮かんでくるようだった。

時代小説苦手かもなんて思ったけど、
むしろ好きかもしれない。
今より縛りが多い時代だからこそ
生き様や信念が苦しい中でも豊かに生きる術になっていたのではないかと思った。

今さら過ぎるけども映画も気になる。

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2026年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

木戸役者の口上に耳を貸したら、気づけば枡席で極上の芝居を見入っていた。

とてもいい小説だった。粋でありながら、軽やかだ。古いけど新しい。昔ながらの歴史小説家には怒られるかもしれないが、歴史小説初心者の僕にとっては非常に読みやすかった。

まず文章がいい。本当に小気味よく頭に入ってくる。語り部によってその読み口が異なるのだけど、どれも味わい深い。特に『枡席の場』は格別だった。

森田座の人たちの来し方もいい。時代背景は違うはずなのに、不思議と胸を打つエピソードがいくつかあった。人が何かに悩み、それを乗り越えることはいつの時代だって同じなのだと勇気づけられた。

そしてなんといってもあだ討ちに秘められた絡繰りが素晴らしい。綺麗にふわりと投げられて気持ちよく宙を舞うことができた。最高の読後感だ。

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2026年05月02日

Posted by ブクログ

芥川龍之介の「藪の中」を思わせる群像劇。大河ドラマのべらぼうの時代とほぼかぶっていて、江戸時代のサブカルの世界が、蔦重とは別の世界で地続きに繋がっているような感覚。物語は、「仇討ち」ではなく「あだ討ち」であることに読者が気づいた時点で、一気に加速する。謎が解けるにつれて、主人公が不条理な世界から解放されていく展開が良かった。

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2026年04月29日

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大好きな作家さんがもう1人増えました。何故"仇討ち"ではなく"あだ討ち"なのか?語り部となる木挽町の人々の来し方と菊之助の仇討ち、読み進める毎に裏にあるストーリーが明らかになり止まりませんでした。そして読み終わった後の爽快感がたまりません。厳しさや世の無情さの中にある人の暖かさを感じられました。暫く余韻に浸りたい気分です。

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2026年04月27日

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江戸前?講談を聞いているような小気味良いテンポで物語が進む、非常に読みやすい!
インタビュー形式で「仇討ち」の全容と、登場人物それぞれの人生と時代背景を知る、哀愁という言葉では表せない物語が深く心に残る。
後半になると「そうあって欲しい」と、自分が唱えるような想いになる気持ちの変化が読後、どこか晴れやかな余韻に満たされる。
評判通りの好印象、楽しみながら読み終える!
ネタバレになるのかな?「竹中半兵衛」というキーワードが思い浮かんで仕方ない

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2026年04月25日

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題名から、よくある時代小説の仇討ち人情物語だろうと思い、あまり期待せずに読み始めたが、いい意味で裏切られた。これはめちゃくちゃ面白いミステリだった。

語り手が一人称で次々とバトンタッチしていく構成が巧みで、それぞれの視点にぐいぐい引き込まれる。

スッキリ痛快な結末を予想していたが、最後の一行で「え?この人誰?」と疑問が残り、ちょっと読み返す羽目に。自分で繋げて完成させるのがいい余韻になった。

武士道の「正しさ」と芝居小屋の軽やかな生き方の対比が印象的で、こうした共同体にホッコリ惹かれるいい作品だった。

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2026年04月23日

Posted by ブクログ

チラッと見た映画の番宣でミステリーかと
おもいきや、出会った人の人生語り。
何の話なのかと読み進めてましたが、
最後なるほどなぁと。

確かにミステリーだし、人情もの。
タイトルも考えましたね(笑)

時代もので、こんな爽やかで
すっきりした読後感の話は
なかなかないですね。

よい本でした。

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2026年05月10日

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テンポよく、芝居小屋の人々の人生を垣間見ながら話が進む。色々な人生と人間模様。
江戸時代ものはこうでなくちゃ。と思えた。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

映画を観た人が面白かったと言うのを聞き、読んでみました。

面白かったです!

国元から出てきた侍が、あだ討ち事件について関係者から聞き取っていくルポスタイル。

各章で話し手が変わり、それぞれの視点からの事件のあらましを語っていくのだけど、後半で全てが繋がっていき、「あだ討ち」の意味がわかった時の快感といったら!!
爽快!!

映画も観てみたくなりました。

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

傍目には立派だと称賛された仇討だが、実際は・・・。目撃者を次々と訪問し当時の様子を聞き出していくうちに、徐々に真相が明らかになっていく展開は、じわじわとそれでいて拙速ではない心地良さで満足。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ


諦観が分かりやすく描かれる
・一八 「もちろん、芝居小屋にも苦さも暗さもありますよ。〜〜手前もそんなはぐれ者に過ぎません。ただ〜〜手前の胸のドン付きにしっくりくる生業ってのにたどり着けたような心地がしたんですよ。」
・与三郎 「まずは御身を大切に。腹を満たして笑うこと。それでも割り切れぬ恨みつらみもありましょうが、そいつは仏にお任せするのも、手前どもほ処世術というもので」
・ほたる 「人を見下す野郎だって、いずれ流れて骨になる」「私は手前が辺りを照らす赤姫にはなれやしない。でもね、赤姫をほんのり照らすほたるにはなれるのさ」

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2026年05月01日

Posted by ブクログ

圧巻でした。
木挽町にある芝居小屋 森田屋の裏であったあだ討ちについて、芝居小屋の人々の視点で語られていく。あだ討ちを成した菊之助と目撃した人々の過去と現在が交錯し、徐々にあだ討ちの全容が見えてくる。

芝居に影響を受け人生をかけた者たちの、支え合い、人情に溢れた物語。

「あだ討ち」あらため「徒討ち」。
お見事。

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2026年04月29日

Posted by ブクログ

映画の評判はなかなか良かったようだが、私はもちろん観ていない。ただ、この原作が秀逸だったので余程の下手が作らなければ当然映画も面白いだろう。
最初はタイトル通り'仇討ち'の話だと思って読み始める。芝居小屋に関係する人物の生い立ちを読んでいくうちに徐々に「何かちょっと変だぞ」と違和感を持ちはじめ、そのうちこれが時代物ミステリではないかと気付く。そして最後の謎解きでスッキリするとともに、タイトルが「仇討ち」ではなく何故「あだ討ち」なのかの理由も判明しカタルシスを感じるという具合だ。直木賞受賞も納得の傑作。
とにかくこの時代(松平定信の寛政の改革時期)の庶民の様子がとてもよく描かれている。各人の生い立ちが語られる中で今まで知らなかった言葉が何度も出てくる。例えば火葬場で働く人を指す「隠亡」とか、少年娼窟の「陰間茶屋」とか。今では信じられないようなことだが、当時の役者(例えば團十郎など)はいくら人気があっても、芝居小屋は吉原などと同じような「悪所」と呼ばれており、生い立ちを語る彼らは最終的にこの「悪所」に身を落とすが、生きる場所を得て幸せに暮らしているという事がよく分かり非常に面白い。

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2026年04月28日

Posted by ブクログ

なるほど〜…だから木挽町。
映画はまだ観てないけど確かにエンタメ感あり。
章のタイトルが『〇〇の場』というがいい。すぐ読めるのでおすすめ!

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2026年04月25日

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映画が面白かったため、原作を読みました。
映画では語られなかった芝居小屋面々の細かなエピソードまで知ることが出来より感情移入しました。
真のあだ討ちの意味も改めて知ることができました。

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2026年04月25日

Posted by ブクログ

木挽町での仇討ちをめぐる、武士の若様と芝居小屋の人々の物語。それぞれの登場人物が一人称で語るかたちでだんだんと真実が明かされていく。読み終わった後も気持ちよさが残って、誰にでも好かれるお話です。

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2026年04月25日

Posted by ブクログ

時代小説は苦手なのだが、語り手ごとに章がわかれており読みやすい。すんなり入ってきた。

結構早い段階で展開は読めてはいたのだが、予想通りの着地点で気持ちのいい終わり方。
タイトルまでも伏線だったのですね。

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2026年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

★4.5
裏切らない直木賞作品…!

5人?の視点から物語が語られるわけなんだけれども、しかも昔の時代なので、語り口調もなれなくて、読みづらいなとか思ってたのに、めっっちゃ物語にのめり込んでしまった…

正義に殺されなくてよかった。

「己の想いを貫くことの難しさも、道理のままに行かぬ割り切れなさも、この世の中には多数ある。それを嘲笑うのではなく、ただ恥じるのでもなく、しなやかに受け止め、生きる人々がいる。そのことが私の背を押し、己の心に従う力を与えてくれた。」

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2026年04月23日

Posted by ブクログ

時代ミステリとして十分面白い……‼︎ けれど、コレをああいう風に映画化したの、凄すぎない⁉︎ このエピソードをあの可愛げで表現させた長尾くんには感動。他メンのスピンオフざたくさん読めた気持ちでお得。

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2026年04月22日

Posted by ブクログ

これはどういう話なんだろうと読み進めつつ、中盤を超えた辺りでこういう話なのかと気づく。
後半から実はミステリー要素があるのではないかという期待を抱かされ始め、そこから面白さが加速した。
予想できたといえばできたラストではあるものの、気持ちのいい読後感。

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2026年04月22日

Posted by ブクログ

文庫化を機に購入。
映画が公開されるまでに読み終えるつもりでしたが、間に合わず…( 'ᵕ' ; )
この頃読まれている方がすごく多くて、みなさん高評価なので期待値上がっておりました✧*。

雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏で見目良い若衆が果たした見事な仇討。その二年後、事件の目撃者を訪ねる武士が現れ、彼らから証言を得ていく。果たして、あの夜の真相とは…?

登場人物たちの語り口がとても心地よくて、まるで自分が武士になったかのような気持ちだった。

途中までは仇討ちそのものよりも、それを目撃した人たちの来し方、彼らの生き様が胸にグッときたり、ジーンとしたり…。
特にほたると久蔵の話には涙を流さずにはいられなかった( ・ ・̥ )
想いを貫くことの難しさ、道理のままに行かぬ割り切れなさをしなやかに受け止め、生きていく彼らの姿に勇気づけられた。

胸の内を語ること、恥を忍んで周りに助けを求めることが、人をどれだけ救うのかということを改めて感じたし、黙って耐えることが美徳とされがちな時代や価値観の中で、「言葉にする」「頼る」という選択をできることが、実は一番の強さなのではないかと気づかされた。

そしてあの夜の真相とタイトルの「あだ討ち」の「そういうことだったのか…!」という腑の落ち方よ…!
派手ではないけれど、静かに深く心に残る作品だった。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

中盤あたりから一気に面白くなり、読み終わりはすっきり爽やか。想像以上に軽快で爽快でにんまり。
タイトルも含め、様々なことが「なるほどね!」と腑に落ちる。読みやすく、江戸っ子感?もあり、エンタメ感抜群。
これが木挽町で実際に歌舞伎になっているというエピソードも含めて興奮。演劇界もにくいことするなあ。

あと、これくらいのライトさでも直木賞や山本周五郎賞は貰えるのかと思うと、時代が進んでいるなあと思った。何様だ。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本の感想とは直接関係ないのだが、ちょうどこの本を読む直前に歌舞伎座に歌舞伎を見に行き、赤姫の演目を見たのに加えて、通り道で現在の木挽町も見たので、どことなく親近感を持って読んだ。赤姫の姿をして作兵衛の前に現れて、振袖を脱ぎ捨て、白装束になる菊之助の姿に、歌舞伎で見た赤姫の姿を重ねて見ることができたので、まさに、仇討ちという芝居のイメージがよく湧いた。
うちの母は、とてもいい話だったと絶賛していたのだが、よくできたいい話過ぎて、やや冷めて読んだ感じではあった。悪所と言われる芝居町に流れ着いた人たちの、それでも温かい人たちに支えられて生きている様に、どの程度、共感して心温まるかで、読み進み具合が変わってくるかもしれない。自分は割と、途中で飽きて、読み進まなくなってしまった感がある。

仇討ちの場で作兵衛に付き従う従者の役目を担った木戸芸者の一八。殺陣の指南をした与三郎。衣装を見繕ったほたる。偽の首を準備した久蔵に、仇討ちの目撃者となったお与根。狂言としての仇討ちという筋書きを書いた戯作者の金治。
一人ひとりのキャラクターの背景が、全部、最後の仇討ちの伏線になっていて、読後の納得感がすごくある。綺麗に伏線が回収されるので、気持ちがいい。うちの母なんか、そういったところが、いたく気に入ったようである。
ただ、各キャラクターに役割があったというだけでなく、それぞれのキャラクターが、自分の芝居小屋に流れ着くまでの来歴を語るということが、菊之助の仇討ちの決断につながっているところも見事である。ただのキャラクターの裏話で終わらずに、ストーリーの本筋にしっかりとその話が関わってくるのがすごい。

伏線を張って、きちんとそれを回収するということが、ここまで綺麗にされているのを見ると、ただのエピソードの垂れ流しみたいな私小説的な小説なんかが、怠慢に見えてくる、というようなことを、作家の阿部和重が言っているのを最近読んだが、この『木挽町のあだ討ち』なんかを読むと、その言葉より重く聞こえる。物語の中で、一人ひとりの語り手が語ることが、きちんと本筋に生きてきて、本当に無駄がない小説だと思う。
そのよくできている感が、あんまり響かない人には響かないのかもしれない。とはいえ、この読後の爽快感は、多くの人に味わってほしい。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

期待以上の面白さ。
やはり、映画化されただけある作品。
あだ討ち、の意味を後から噛みしめる心地良さ。

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2026年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中ですぐにミステリ要素は判明するので、これが直木賞というにはゆるい気がするが、この温かさが今の時代に受け入れられるのはわかる。

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2026年04月25日

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