あらすじ
雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏手で、菊之助なる若衆が果たした見事な仇討。白装束を血に染めて掲げたるは父の仇、作兵衛の首級(しるし)。二年後。目撃者を訪ねる武士が現れた。元幇間、立師、衣装部屋の女形……。皆、世の中で居場所を失い、悪所に救われた者ばかり。「立派な仇討」と語られるあの夜の〈真実〉とは。人の情けと驚きの仕掛けが、清々しい感動を呼ぶ直木賞・山本周五郎賞受賞作品。(解説・中島かずき)
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Posted by ブクログ
映画は物の見事にスパーンと纏まっていて鑑賞後も興奮冷めやらず余韻に浸るって感じだったのに対し、原作小説は各章で芝居小屋で生きる一人一人にスポットライトが当たって、各々の生い立ちとバックボーンが‘‘菊之助を救いたい’’という想いに繋がっていく様が丁寧に描かれている。特にほたるさんと久蔵の話がもう泣けて泣けてしょうがなかった。
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久々の時代物。冒頭から仇討ちが始まり、関わる人の人生を聞きながら物語が進む。人々の苦労や江戸ならではの人情があり、終盤は『そういう事だったの!』と心温まる物語でした。面白かった!
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☆4.5
たまたま講演を聴く機会があり気になって読んでみた。
時代小説というかはわからないが、はじめは読みにくかったものの慣れてくるとスイスイ読めた。
あとがきにもあったが、作者の人柄が出ているのかとても暖かい小説だったなと思います。
別の作品も読みたいです。
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とても良い小説だった。江戸中期、松平定信の改革の頃、江戸・木挽町の森田座近くで仇討ちがあった。父の仇討ちを成し遂げたのは、元服前の若侍、菊之助。事件から1年半後、この仇討ちの真相を探るべく、菊之助に縁のある加瀬総一郎が森田座を訪ねる。読者は、加瀬の立場に立って、木戸芸者の一八、立師の与三郎、女形のほたる…と5人から話を聞いていく。菊之助との関わりと5人の人生が語られるなか、徐々に真実が明らかになる。滑らかな語りかけるような口調の文体がとても読みやすく、人々の優しさと正義に触れ、温かな気持ちになった。
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初めての時代小説
読めるかな? 映画化されてるし
おもしろいかも…と手に取る。
木挽き町の芝居小屋の近くで起きたあだ討ち。
その目撃者たちの証言から始まる物語……
第四幕くらいから
あ〜もしかして〜? となるワクワク感。
そして終幕
主人公と一緒に目撃情報、それぞれの来し方を
聞いてきたからこその
この伏線回収には心から感動。
悪所といわれている木挽き町の芝居小屋の人々の
温かい人情にうるうる
初めての時代小説は
涙と感動の
最高におもしろい1冊。
Posted by ブクログ
映画を先に観てから読みました。普段は、原作→映画のパターンですが今回は結末を知りつつ、登場人物は映画のキャストをあてて読む…という感じでしたが、最初のあだ討ちのシーンは映像のおかげかよりイメージが深まりました。
設定は若干異なるものの、最近の江戸時代マイブーム(蔦重)もあり芝居小屋や悪所と呼ばれる場所の背景が理解できた上で読めたのは良かったな。
武士としての矜持、木挽町の人々の人情、芝居小屋のこと、舞台に立つものと支えるものの絆みたいな。
でも結局は、どんな場所で育っても、地位が違っても、人と人なんだなと思わせてくれる、真剣に付き合って向き合えばわかりあえると信じられる物語でした。
あだ討ちに向かってそれぞれの持ち場の仕事をする悪所の人々。プロフェッショナル過ぎる!
どこへ向かっていくのか予想出来ない筋書きで面白かった。
そして最後は清々しく。あだ討ちを成し遂げた菊之助はきっと視野が広く公正な人情味溢れる武士として生きていけるだろうと。今必要なのはこういう指導者なのかな。
Posted by ブクログ
寝る前の寝落ち寸前を読書タイムに当てていて、読破まで時間はかかったけれど、読みやすく内容も分かりやすく、なるほど なるほどと読み進めていけました。
読み返すとしたら…仇討という意味やその成り立ちなどをじっくりと読みたい。
Posted by ブクログ
これは面白い。
ただの仇打ちの話だと思い、最初はそこまで面白いと思わなかった。
しかし、読み進めるうちにこれはただの仇打ちではないぞ、何か裏があるな、と少しずつ情報が解放されていく。
また、話は誰かが木挽町の人々から話を聞いている内容で進められるのだが、その人々の背景も全て面白い。
なぜタイトルがあだ打ちなのか、最後まで読み終わった時の爽快感が半端ない。
久々にいい小説を読んだ。
Posted by ブクログ
途中で話の筋が予想できたがそれでも面白かった。
金治の
「これから奈落を見せてやるよ
面白いカラクリが見られるぜ」
それは周り舞台を動かす装置のカラクリの事ではなく、この仇討ちのカラクリを言っていたのだと最後にわかった。
いつか参勤交代で菊之助が再び江戸にきて木挽町の人々、そして「権太」と再会してほしい。
Posted by ブクログ
時は江戸。歌劇座がひしめく一角で、朗々とした口上とともにあだ討が成された。
仇は悪名で鳴らした博徒で、それを打ち取ったるは色白の美少年である若殿。
父の仇である博徒を打ち取った若殿は仇の首を持ち上げて、ここにあだ討は為されたことを宣言すると夜の闇に消えていった。
そんな事件から2年が経ったころ、あだ討が成された通りにある歌劇座に一人の武士が訪れる。
なんでもその時のあだ討の様子だけでなく、話し手の来し方も聞きたいという珍妙な客であった。
と、この珍妙な客に応対する様々な人の答弁という形で話が進んでいく。
話の進み方。ミステリー要素。そして何より喜悲こもごも綯交ぜにした人情劇。
見事という他ありませんでした。
時代劇好きにも是非オススメしたい作品でした。
Posted by ブクログ
いい話だった!とても清々しい良い気分で明日を迎えられそう。仇討ち話が多面的に語られる中で、少しずつ仇討ちの本当の姿が見えてくる構成も良かったです。仇討ちを語るそれぞれの人物の過去を聞いていくことで、菊之助に皆が力を貸したくなる気持ちに共感して、ますますラストの感動が高まるのでした!ご都合でもいい、こんな話が私は好きです。
Posted by ブクログ
最初は少し難しいというか、読みにくい印象だった。途中から流れが分かり、それぞれの登場人物の背景を深掘りしながら、最後のどんでん返しは流石でした。やっぱり物語の終わり方はハッピーエンドの方が良い。
Posted by ブクログ
登場人物それぞれの人生が濃く描かれていてとても引き込まれた。生い立ちや生き様から身分の違いや江戸の町をより鮮明に感じられた。
菊之助がやっぱり良いなぁ。清廉。森田座の方々が守りたくなる気持ちがよく分かる。
Posted by ブクログ
「藪の中」のような手法の話に少し似ているのだろうか。1話ごとに話し手が変わり、徐々に真相が見えてくるというミステリー。
ミステリー要素強く、悲しい話なのかと思ったら、江戸の人情物要素のほうが強く感じられ、人の温かさを思い出させてくれた。
菊之助が仇討ちをする描写はうつくしく、脳裏に赤と白のあざやかな光景が浮かび上がった。
登場人物誰も不幸になってほしくないという気持ちになり、最後は温かな真相が明かされて晴れやかな気持ちになった。
「藪の中」のような手法の話に少し似ているのだろうか。
Posted by ブクログ
芝居町で行われた仇討ち。目撃した芝居小屋の面々の語りで物語が進んでいく。それぞれの人物が魅力的で引き込まれるうち真相が明らかになっていく展開に魅了されました。赤と白の場面が繰り返しイメージされました。映画も観てみたいです。
Posted by ブクログ
素直に面白かった。
最初はミステリーの感じがしなかったが、
ラストで納得。
出てくる登場人物達に魅力がある。
それに意外に伏線があるのがいいし、読み応えがある。タイトルに納得。
映画はどうなんだろう?
26/05/21 26冊目
Posted by ブクログ
2026/05/20
ラストの仕掛けに気付いた時、思わず「すごい!」と声が出た。
初めは、この話は一体どう展開していくんだろう…と手探りで読み進めていた。
ある一つの仇討事件。
それぞれの目撃者の証言と、生い立ちからなる章のストーリーは面白くて、段々と登場人物達に愛着が湧いてくる。
特に四章の「長屋の段」では子どものかわいそうなお話に涙…
と思っていたら、これが伏線になっていたとは!
読後感がすごく良かったし、ラストを知った上でもう一回読み返したい。
Posted by ブクログ
途中でなんとなく真相は分かってしまったけど、それを残念とは思わず「貴方の話、聞かせて聞かせて!」となってページを捲る手が止まらない軽快な読み口、個性的な登場人物それぞれのエピソードや心情も面白くて気持ちの良い終わり方が最高!
Posted by ブクログ
「映画が本当に面白かったから」と人に勧められた本。誰がどの役、などのキャストもあまり知らなかったので、あえて何も入れずに読んだ。
義理人情、どうしようもないやりきれなさを、抱えたことのある人間がもつ優しさが心地良い。
そしてとにかく読後感が良い…!わたしの考える「江戸の良さ」が詰まっていて、気持ちが良い「あだ討ち」だった。
Posted by ブクログ
推しグループ、なにわ男子の長尾謙杜が出演した「木挽町のあだ討ち」
映画見ました。
絵から出てきたような見目麗しい青年。菊之助。
うんわかる…わかる!!
推しの贔屓目かもしれないけど、ナイスセッティングだと思う ✧ (*´ `*) ✧ °
小説と映画の設定・構成は多少ちがえど、国宝と同じで両方見て読んでなおよし!!
尊敬していた父が乱心し息子の菊之助に切りかかる、それを助けた側近の作兵衛。
小さな頃から側にいてくれた作兵衛…
いくら自分を守るためと言え、故意でないとしても、殺人を起こしてしまった作兵衛に仇討ちしなければならない…若干17歳の心優しき菊之助…
作兵衛を追いかけ江戸へ…たどり着いた芝居小屋。
個性だらけの芝居小屋の人々。
タイトル「木挽町のあだ討ち」
「あだ」がひらがなな訳…
また、映画みたいなー
Posted by ブクログ
職場の方に薦められて読みました。
口上から始まる独特の語り口に、最初は少し読みにくさを感じましたが、登場人物たちがとても魅力的で、気づけば物語の世界に引き込まれていました。まるで映像を観ているような感覚で楽しめました。
タイトルにある「あだ討ち」という言葉から、もっと重い物語を想像していましたが、人の思いが丁寧に描かれていて、印象が違いました。
Posted by ブクログ
チラッと見た映画の番宣でミステリーかと
おもいきや、出会った人の人生語り。
何の話なのかと読み進めてましたが、
最後なるほどなぁと。
確かにミステリーだし、人情もの。
タイトルも考えましたね(笑)
時代もので、こんな爽やかで
すっきりした読後感の話は
なかなかないですね。
よい本でした。
Posted by ブクログ
映画を観た人が面白かったと言うのを聞き、読んでみました。
面白かったです!
国元から出てきた侍が、あだ討ち事件について関係者から聞き取っていくルポスタイル。
各章で話し手が変わり、それぞれの視点からの事件のあらましを語っていくのだけど、後半で全てが繋がっていき、「あだ討ち」の意味がわかった時の快感といったら!!
爽快!!
映画も観てみたくなりました。
Posted by ブクログ
傍目には立派だと称賛された仇討だが、実際は・・・。目撃者を次々と訪問し当時の様子を聞き出していくうちに、徐々に真相が明らかになっていく展開は、じわじわとそれでいて拙速ではない心地良さで満足。
Posted by ブクログ
文庫化を機に購入。
映画が公開されるまでに読み終えるつもりでしたが、間に合わず…( 'ᵕ' ; )
この頃読まれている方がすごく多くて、みなさん高評価なので期待値上がっておりました✧*。
雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏で見目良い若衆が果たした見事な仇討。その二年後、事件の目撃者を訪ねる武士が現れ、彼らから証言を得ていく。果たして、あの夜の真相とは…?
登場人物たちの語り口がとても心地よくて、まるで自分が武士になったかのような気持ちだった。
途中までは仇討ちそのものよりも、それを目撃した人たちの来し方、彼らの生き様が胸にグッときたり、ジーンとしたり…。
特にほたると久蔵の話には涙を流さずにはいられなかった( ・ ・̥ )
想いを貫くことの難しさ、道理のままに行かぬ割り切れなさをしなやかに受け止め、生きていく彼らの姿に勇気づけられた。
胸の内を語ること、恥を忍んで周りに助けを求めることが、人をどれだけ救うのかということを改めて感じたし、黙って耐えることが美徳とされがちな時代や価値観の中で、「言葉にする」「頼る」という選択をできることが、実は一番の強さなのではないかと気づかされた。
そしてあの夜の真相とタイトルの「あだ討ち」の「そういうことだったのか…!」という腑の落ち方よ…!
派手ではないけれど、静かに深く心に残る作品だった。
Posted by ブクログ
★3.5
ある1夜に行われたあだ討ちについて 見た人に話を聞くとそれはなんと見事なあだ討ちだったという 様々な人物に当時をインタビューしていきながら見えてくる謎は一体…?
みたいなあらすじ
人物描写はすごく良くて、人の生き様や葛藤や心の揺れ動き方は目頭が熱くなること間違いない
ただ残念なのが設定の甘さというか1章時点でオチまで読めてしまう裏切りの無さ 王道とは違って話のオチが読めやすすぎた。 物語の中で1人は嘘偽りない存在のはずがこのせいで全員がフィクションのように感じられて残念だった…
なんであだ討ちの話をインタビューすることになったのか その設定だけは違和感ないものを用意してほしかった;; 2年前の美談とされたあだ討ちをなぜいきなり聞くことになったのか それがないから場所が場所なだけにあぁそういうことなんだろうな… が20ページぐらいでわかってしまって残念 各章の人物の生き様については本当に良かっただけに 話を合わせてるなってのもわかってしまうのは勿体ないと思う。
Posted by ブクログ
中盤あたりから一気に面白くなり、読み終わりはすっきり爽やか。想像以上に軽快で爽快でにんまり。
タイトルも含め、様々なことが「なるほどね!」と腑に落ちる。読みやすく、江戸っ子感?もあり、エンタメ感抜群。
これが木挽町で実際に歌舞伎になっているというエピソードも含めて興奮。演劇界もにくいことするなあ。
あと、これくらいのライトさでも直木賞や山本周五郎賞は貰えるのかと思うと、時代が進んでいるなあと思った。何様だ。
Posted by ブクログ
本の感想とは直接関係ないのだが、ちょうどこの本を読む直前に歌舞伎座に歌舞伎を見に行き、赤姫の演目を見たのに加えて、通り道で現在の木挽町も見たので、どことなく親近感を持って読んだ。赤姫の姿をして作兵衛の前に現れて、振袖を脱ぎ捨て、白装束になる菊之助の姿に、歌舞伎で見た赤姫の姿を重ねて見ることができたので、まさに、仇討ちという芝居のイメージがよく湧いた。
うちの母は、とてもいい話だったと絶賛していたのだが、よくできたいい話過ぎて、やや冷めて読んだ感じではあった。悪所と言われる芝居町に流れ着いた人たちの、それでも温かい人たちに支えられて生きている様に、どの程度、共感して心温まるかで、読み進み具合が変わってくるかもしれない。自分は割と、途中で飽きて、読み進まなくなってしまった感がある。
仇討ちの場で作兵衛に付き従う従者の役目を担った木戸芸者の一八。殺陣の指南をした与三郎。衣装を見繕ったほたる。偽の首を準備した久蔵に、仇討ちの目撃者となったお与根。狂言としての仇討ちという筋書きを書いた戯作者の金治。
一人ひとりのキャラクターの背景が、全部、最後の仇討ちの伏線になっていて、読後の納得感がすごくある。綺麗に伏線が回収されるので、気持ちがいい。うちの母なんか、そういったところが、いたく気に入ったようである。
ただ、各キャラクターに役割があったというだけでなく、それぞれのキャラクターが、自分の芝居小屋に流れ着くまでの来歴を語るということが、菊之助の仇討ちの決断につながっているところも見事である。ただのキャラクターの裏話で終わらずに、ストーリーの本筋にしっかりとその話が関わってくるのがすごい。
伏線を張って、きちんとそれを回収するということが、ここまで綺麗にされているのを見ると、ただのエピソードの垂れ流しみたいな私小説的な小説なんかが、怠慢に見えてくる、というようなことを、作家の阿部和重が言っているのを最近読んだが、この『木挽町のあだ討ち』なんかを読むと、その言葉より重く聞こえる。物語の中で、一人ひとりの語り手が語ることが、きちんと本筋に生きてきて、本当に無駄がない小説だと思う。
そのよくできている感が、あんまり響かない人には響かないのかもしれない。とはいえ、この読後の爽快感は、多くの人に味わってほしい。