【感想・ネタバレ】木挽町のあだ討ち(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏手で、菊之助なる若衆が果たした見事な仇討。白装束を血に染めて掲げたるは父の仇、作兵衛の首級(しるし)。二年後。目撃者を訪ねる武士が現れた。元幇間、立師、衣装部屋の女形……。皆、世の中で居場所を失い、悪所に救われた者ばかり。「立派な仇討」と語られるあの夜の〈真実〉とは。人の情けと驚きの仕掛けが、清々しい感動を呼ぶ直木賞・山本周五郎賞受賞作品。(解説・中島かずき)

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Posted by ブクログ

2023年初版。著者の作品は初めて読みました。面白かったなあ。人情小説のようで、謎解きサスペンスです。あだ討ちの目撃者に、仇を討った若侍の縁者の侍が、目撃した人物に状況を尋ね歩くという物語。目撃者たちの証言と目撃者たちの生い立ちが読めます。どの目撃者も、いろんな苦悩を抱えながら芝居小屋に辿り着いています。ホロリとします。来年、劇場公開とのことなので楽しみにしています。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ


ある雪の降る睦月晦日の戌の刻
木挽町芝居小屋の裏手にて1件の仇討ちあり…
「我が父の仇、討ち取ったあり〜」
これが世にいう「木挽町の仇討ち」ィィ〜

何?この仇討ちについて知りたいとな?
参拝交代でやってきたという若侍に、この仇討ちを見ていたという芝居小屋の関係者がリレー式に語りだす
呼び込みの口上の木戸芸者の一八
役者に剣術の振り付けをする与三郎
衣装係の芳澤ほたる
小道具係の久蔵…代わってお与根 (笑)
戯作者の篠田金治
まぁ、みな喋る、しゃべる
仇討ち以外に、それぞれのこれまでの自分の生き様まで…
いやいや、仇討ちの真相だろっ!
と思うのだが、な〜に気がつくとその語りに引き込まれていたねぇ…
そして終盤になって、この作品がミステリーであることにやっと気がついたよ…
こりゃぁ、やられたねぇ…
役者は揃ってた!って訳かい!(笑)
お江戸の人情話にミステリーとは…
いやいや、これはおもしろかったってもんさっ〜
きっと時代物が苦ってってお方も読みやすいんじゃないかい!
ぜひとも読んでもらいたいねぇ~

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2025年12月15日

Posted by ブクログ

読み始めの時はこれどうなんのかな?と思って読み進んで途中からこうなるんじゃないかなと予測を立てながら読み込んでいき、ラストは予想の上をいってくれてとても良かったです。
読後はスッキリしていますし、続きも気になる書きぶりが素晴らしく一気に読めました

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2025年12月14日

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ネタバレ

2025/12/14
おもしろかった!もったいないからゆっくり読んだ。
展開が憎い!うまい!
テンポよい語り口で引き付けて、でもちょっとだけ違和感を残す。
あれ?と思ってるうちに次の人。
またテンポよく話に引き込まれ、あれ?あれ?
めっちゃ気持ちいいい。
最後まで読んでも気持ちいいまま本を閉じた。
最高じゃない?東映さん、映画化頼むよ…

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

ある箇所から、「もしやこのあだ討ちは…」と、想像してしまったが、それ以上に内容に引き込まれ、読み終わりの清々しさは格別だった。

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2025年12月14日

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直木賞と山本周五郎賞、さらに映画化と知って読んでみた。
結果これは大当たり。ラストをあれこれ想像しながら楽しんで読めた。

悪所とよばれる芝居小屋に流れ着いた人々。
元幇間、立師、衣装部屋の女形、小道具係、戯作者。
彼らが2年前に木挽町で菊之助が成し遂げたあだ討ちについて語っていく。聞いて回っているのは菊之助と同じ年頃の武士。身の上話もしきりと聞きたがるので、少しずつ語るうちに彼らの来し方と人柄がわかってくる。
当時あだ討ちをたてたら届け出て、成すまで自分の藩に戻れなかったという。相手が見つからずにそのまま流れ者になってしまうこともあるのだと。ようやく親の仇に出会ったら名乗りをあげて討ち合い、証明するために首級を持ち帰る。
それを若者に強要するとはなんと苦しい制度だろう。
時代はどうやら『べらぼう』と同じ頃。
悩む菊之助に江戸の人情は厚い。彼らは魅力的でとても粋だ。

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2025年12月11日

Posted by ブクログ

面白かったです。
時代小説だけど、難しい言葉も使われておらず読みやすかった。
数人の登場人物へのインタビュー、最後にはあだ討ちした本人の語りで締めくくり。最後にいろんな物事がつながって、そういうことか!と気持ちが明るくなりました。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最近読んだ中で群を抜いて面白かった。
それぞれの人生を見られ、芝居小屋でしか繋がってないかと思っていた点が急に線になり、板のように厚くなり、菊之助を支えていた。

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2025年12月03日

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第169回直木賞受賞作。

木挽町のあだ討ち。
木挽町で起こったあだ討ちの場面を、
堅物の武士が、どうやら聞き込みをしている。
聞き込みの相手は芝居小屋を仕事場とする面々。
それぞれの視点から、事の顛末を聞き届ける。
そして、それぞれに暮らしてきたこれまでがある。
人生と人生が寄って縒れたところ。
選りにも縁っての芝居小屋。
これぞ直木賞受賞作という作品だった。

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2025年12月02日

Posted by ブクログ

時代小説は嫌いじゃないんですが、なかなか手が伸びないジャンルのひとつです。しかし、「直木賞」と「山本周五郎賞」ダブル受賞と言われるとさすがにおおおお!?ってなりますよね。
仇討ちというテーマに対してかなり控えめな、美しいデザインの表紙、さてどのようなお話なのかとページをめくってみると、仇討ちそのものは序盤であっさりと終わってしまいます。そこから物語は仇討ちを見た人たちの話に展開していきます。
久しぶりにとても面白い小説を読みました。時代小説なので所々難しい漢字や見慣れない言葉が出てきますが、気合いでいけます(電子なので都度検索しましたが)。
映画化もされるらしいですが、これは表紙含め文字で味わった方がいいのではないでしょうか。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

『立派な仇討』を芝居小屋の目撃者が自身の来し方も含めて語る。
一人ひとりが『立派な仇討』を語る中で見えてくる真実がじんわりと心にあたたかさをもたらしてくれました。

こういう作品だとは知らず、少し構えて読み始めましたが、読みやすくて登場人物の人情に触れるたびに救われる。
留めておきたい言葉も多かったです。

-作兵衛…
共にやってくれるか。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

第169回直木賞受賞作。

あ〜清々しい面白さ!
感想を書くとネタバレになってしまいそうなので、とにかく清々しい読後感でした。

あるあだ討ちを芝居小屋の面々が訪ねてきた武士に語っていく。話し口調が人情味あふれてサクサクと読み進められる。

題名からは想像もつかない面白さ。

映画化もされるようでそれも楽しみ。

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2025年11月07日

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木挽町って今も聞くよね、と、古地図アプリで検索。東銀座あたりか、と、知ったかぶりしながら読み進めたら、展開がテンポよくどんどん読める。
あだ討ちのあった木挽町界隈を、まったく新人の若手刑事が聞き込みしているよう。「義理人情」たっぷりの大人達が応えていく。
美しくも劇的な菊之助のあだ討ちは、なぜ、木挽町だったのか、なぜ、芝居小屋に関わるみんなが見守っていたのか。自分が江戸の芝居小屋に入り込んだ気がしたので、また古地図アプリを検索してみる。

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2025年11月04日

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人の良心を描いた清々しい作品だった。
あるあだ討ちを芝居小屋の人たちの視線で訪ねてきた武士に語って聞かせるという体裁になっている。
それぞれに人生がありあだ討ちをした侍との交流があり面白かった。

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2025年10月27日

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雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏手で、若衆が果たした見事な仇討ち。「立派な仇討ち」と語られるあの夜の《真実》とは。直木賞・山本周五郎賞受賞作品。

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

単行本が出た時から気になっていたので、文庫になって即購入!

リズミカルな文体で引き込まれました。
仕方ねえから案内してやらあ。これから奈落を見せてやるよ。
面白い絡繰りが見られるぜ。
まさにその通り。
菊之助に関わった皆の来し方を知る事で、苦労や苦悩の中から生き様が見えて来る。
よき幕引きでありました。

市川染五郎くんの菊之助観ておけば良かった…

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2025年10月21日

Posted by ブクログ

もう、これは素直に面白かった!!!
これまでのミステリーとは比べ物にならないくらいスッキリとした読後感で、これだけで満足できる贅沢な一冊だった。
タイトルの伏線回収もさることながら、一つ一つのエピソードも重厚で、読んでいて最後まで飽きなかった。

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2025年12月06日

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 今年一の満足度。菊之助に関わった人々の来し方を語る前半から中盤だけでも読者を惹き付ける物語性と人情味にあふれていて十分面白かった。が、本作はミステリ仕立てということで終盤ネタバラシも予想を越えてきた。他の役者の過去が壮絶であることが今回の結末の上手い隠れ蓑になっていたと思う。簡単に人が死むこの時代、況や仇討ちをや、と。見事に策に嵌められ、嬉しい気持ちが大きい。
 何でも映画化するこの時代。読む前は反対だったが、映像化により別の魅力を醸し出せるのではという期待がある。金治は、「べらぼう」の影響か、安田顕にやってほしい。

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2025年10月12日

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語り綴られていくうちにどんどん引き込まれる。救われるような回収とその展開は、アガサ・クリスティの名作を彷彿させる。映画の公開が待ち遠しい。

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2025年12月21日

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ネタバレ

「ミステリー仕立ての中に、芝居街の人々の温かさが混じり合う」なんとも綺麗な終わり方でとても感慨深く読ませて頂きました。

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2025年12月03日

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よい話だった。
日々誠実に生きること、自分の仕事をしとげることの大切さを考えた。出自を超えて、人間同士の響き合いが素晴らしい。

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2025年11月30日

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直⽊賞&⼭本周五郎賞ダブル受賞作品。
久しぶりの時代小説だったので、古風な言い回しや表現に慣れず戸惑いましたが、ジワジワと真実が見えてくる感じはまさにミステリー。人情物語でもあり、映画も面白いはず!

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2025年11月27日

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ネタバレ

主軸となる仇討の顛末もさることながら、一人称で語られる木挽町の人々の人生もじんわりと良かった。清々しく温かい物語。

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2025年11月23日

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ネタバレ

木挽町で起きた仇討ち事件を、木挽町にある芝居小屋の住民たちから聞いた話をまとめたものだが、最後に実はこの仇討ちが本当はいわゆる仇討ちではないことが解き明かされる。この展開は痛快ではある。

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2025年11月20日

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江戸の芝居小屋を舞台に、木挽町で起こった「立派な仇討ち」が、目撃者の視点から語られる物語。仇討ちを成し遂げた菊之助の縁者が、彼と関わりのある人物を訪ね歩きながら、その真相に迫っていく。

物語は目撃者へのインタビュー(独白形式)で進行するが、この構成が非常に面白い。湊かなえの『告白』や『カケラ』を読んでいるような感覚を覚えるが、それを時代小説の枠組みで味わえることが新鮮だった。

本作は、仇討ちの真相に迫る過程がミステリー仕立てになっている。結末も十分に面白いが、真の魅力は、登場人物それぞれの人間ドラマにあるように思う。

五人の目撃者は、仇討ちの一部始終だけでなく、自らの生い立ちについても語る。皆、辛い過去や儘ならぬ世の中に翻弄されながら、悪所と呼ばれる芝居小屋に流れ着いた者たちだ。痛みや悲しみを知り尽くした彼らだからこそ、菊之助に何かを感じ取ったのだろう。その感情は優しさへと変わっていく。

江戸の「人情」と「粋」が詰まった、心に残る物語である。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

直木賞と山本周五郎賞の同時受賞作品だが、歯に衣着せぬ感想を言えば、期待超えはならず。

時代物のミステリというのがざっくりした位置付け。ただ、歴史性を重んじておるわけでもなく、トリックに仰天というわけでもない。

では、なぜここまで評価されているのか。私なりの答えは「人情」の描写の手厚さと共感のしやすさにあると考える。
討ちたくない相手を仇とし、一方で武士としての生き方に縛られ、父の生き様を肯定することの背景が、普段の我々とはかけ離れた境遇のはずなのにどこか現代社会にも蔓延る理不尽さを思わせる。

嘘に救われるという解説にも納得。
辛口に書いたが、普通に面白かった。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

何となく、終わりは読めたけど、分かっていても、感動するものはするし、斬新な描写も素晴らしく、後からジワジワなるほどなぁと思う一冊でした。
初めて読む作家だったので、また読んでみたいと思いました。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

良い作品だった。
あだ討ちのあだはひらがなでなくてはならなかった。

その場の語り手の人物のそれまでの生き様や情も丁寧に描かれていて、結果菊之助の人となりが浮き彫りになっていく。
縦軸の仇討ちと横軸の江戸時代ならではの人としての悲哀が上手く織り成されており、ストレスなくスルッと読める。感想としてやはり良い作品だったなぁ、としみじみその一語しか出てこないそんな物語。

映画化するみたいなので観てみようと思う。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

祝文庫化!2023年の直木三十五賞受賞作品。
トリックとギミック、タイトルから既に仕込まれていたとは思いませんでした。

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

時折り時代ものを手に取りたくなります。あだ討ちというものは時代ものならではで楽しめました。舞台が芝居小屋で固くなり過ぎなかったのも良かったです。

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2025年12月19日

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