あらすじ
「変な怪談を聞きに行きませんか?」会社の部下に誘われた大学のオカルト研究会のイベントでとある怪談を聞いた日を境に、高山カレンの日常は怪現象に蝕まれることとなる。暗闇から響く湿り気のある異音、ドブ川のような異臭、足跡の形をした汚水──あの時聞いた“変な怪談”をなぞるかのような現象に追い詰められたカレンは、藁にもすがる思いで「あしや超常現象調査」の二人組に助けを求めるが……選考委員絶賛、創元ホラー長編賞受賞作。
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Posted by ブクログ
前知識ゼロで読む。普通のホラーなら超常現象系としてぼかして締めくくりそうなものだと思うけれど、本書では思いがけない方向に。晴子さんの行動力や論理的な考え方は頼りになる。思考パターンは人生経験を積んだ成瀬あかりのようにも思える。後半の展開は、期せずして知念実希人『閲覧厳禁』に似てなくもない。地下の怖さは夕木春央『方舟』も連想する。そして、地下とか洞窟みたいなところは、横溝正史からの伝統なのかなと思うほど、崩落とセットになっているよね。ラストの「謎の決着のさせ方」はホラーと論理の絶妙なラインをうまく通せたなあと。シリーズ化は難しいのかもしれないけれど、晴子&越野のバディ物はまた読んでみたい。探したらあるじゃないですか。読む。参考文献にある鈴木光司『仄暗い水の底から』は積読本なので近々読んでみたい。
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怖いけど面白かった。最初のカレン視点での心霊現象がまず怖い。
私たちが普段意識しないような、けどそこにいると思うと恐怖を覚えてしまう影の空間が周りに多いということが自覚できた。読んでる途中に聞こえた水道の「ポタッ」って音にも怯える始末。
ホラーを論理的に突き止めるところも面白かった。摩訶不思議なものには摩訶不思議なもの、で止まらない展開。個人的には太村と鳥居の関係が知りたかった。火事で死んだのなら水系で出てこないよね。火事が起きたから汚水の中に逃げ込んで溺死とか?
登場人物もキャラが立っていて良い。しょぼい(でもちゃんとした)超能力者、やけに伝手のある元刑事と会社員、会社員の部下(新卒5年目)。いやーみんな発想力がすごいね、私なら最初からお手上げです。
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2025年版このホラーがすごい!で一位獲得!
ホラー界で第注目の一作。
“光を絶やさないでください”
同僚の誘いで大学の怪談会に参加したカレンは、奇妙な少女に怪談にてそう告げられた…
その後、身の回りの暗い場所で”ばしゃり”という音が頻繁に鳴るようになり、怖すぎて家中を電気の光で満たすようになる。
それでも、怪異は勝手に電気を消してきたり、謎の緑の水を発生したりと、次第に現象はエスカレートしていく。
にっちもさっきもいかなくなった結果、助けを求める先は、YouTubeでみつけた「あしや超常現象調査」
•暗闇の誰もいない部屋や箪笥の中で”ばしゃり”という音がしたり、家の床がドブのような匂いの水浸しになったり、電気が突如消えたり…怪異が徐々にこちらとの距離を近づけてくるので、暗闇が本当に怖くなります。
•ホラー作品なのでもちろん怖い要素はありますが、背筋さんの「近畿地方のある場所について」みたいな恐怖特化型ではなく、出てくるキャラクターがコミカルなので、笑える作品でもありました。
•芦屋晴子は「この怪異はどんな条件で起きているのか?」というのを、怖い感じることなくむしろグイグイ突っ込んで検証していきます。
ホラー作品として読んでいたのに、伏線も散りばめられていて、回収の仕方が非常に独特でした。
今の世の中のジャンルでいうと、ホラーミステリー?という言葉で表現するしかありませんが、怪異や超能力など科学的に証明されていない事象を解決方法に使おうと試みる展開は、今まで読んだホラー作品にはなかったのでとても斬新で面白かった!
次作も出ているので、とても気になります。
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真相に近づいたと思ったら遠ざかる…そのもどかしさにページをめくる手が止まらなかった!
怪異の謎を追う課程の面白さはもちろん、ここで伏線回収くるのか!って衝撃に「うおおおお!」って鳥肌たちそうだった。
そしてこのバディ…推せる。
満足度100点満点!
「ポルターガイストの囚人」も読みたい!
Posted by ブクログ
【ずっと面白いまま続いて終わる!映画化されて欲しい!】
ホラー初めての方、邦画を観るのが好きな方もとてもおすすめ!
普段ホラー漫画はあまり読みませんが、めちゃくちゃ面白いと薦められて読みました。結果すごく面白かった!
まず晴子さんがかっこいい。そしてついていく越野くんが素直。ガタイがよくてツテのある倉元や、ESP能力者だけどとても人間的な犬井、どのキャラクターも立ってて、会話や映像が頭の中に流れていくようでした!
単にホラーではなく、読めば読むほど新しい謎が出てきて、それを主人公がスパっと解決するのではなく、本当にもがいてもがいて、ただ前に進むしかない、というのもとても読み応えがありました!
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面白くないところがない。
怪奇現象はもちろんあるが、その解決に向けての手順が論理的でホラーミステリに近いと感じた。クライマックスの解決手順も鮮やかで感心してしまった。
ホラーとしては、怪奇現象やその描写もヒヤリと恐ろしく緊張感があり、バックストーリーも含めて読み応え抜群だった。
文体のリズムや描写も読みやすく、本を読まない人にもおすすめできる。ホラー(ミステリ)の新定番になりうるポテンシャルがあると思う。
Posted by ブクログ
思ってたのと全然違った!仄暗い水のそこから的なクラシカルホラーなのかと思いきや、怪異と向き合うプロフェッショナルホラーだった。怖いのは「ばしゃり」と暗闇から汚水が追いかけてくるシーンくらい。(あとパワハラ当事者の認識のずれが何気に一番怖いかも)
検証隊のメンバーがとっても魅力的。明るい奇人でカリスマリーダーの芦屋、実は頭のキレる優秀な部下越野、テレパスおじさん犬井、ハードボイルド探偵倉元。彼らの活躍が今後も楽しみ!
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オカルト研究会を中心に、怪奇音、超常現象が語られるホラー・ミステリー。超常現象は信じるか信じないかではなく、科学的に向き合うものであるとのメッセージを感じさせる。
Posted by ブクログ
導入の引き込みが上手くてさくさく読める。魅力的な女上司晴子さんと、少し自分に自信がないながらも危機的状況での発想力がある越野。これはかなり良いバディ感。
当たり前のように超能力者が関係者として出てくる環境設定でありつつ、霊現象に対して人為的視点も考慮しながら理性的に向き合う姿勢はおもしろい。
続編で「ポルターガイストの囚人」が出ておりこちらも期待大。
Posted by ブクログ
最初単なる怪奇現象から始まり、じわじわとホラー展開されていくのかと思いきや、あしや超常現象調査により常に現実的で地道に調査をし、怪奇現象の元凶を解き明かしていくストーリーだった。
登場人物はそこまで多くなく、また個性的で内容が入ってきやすかった。伏線もしっかり散りばめた後に回収されたので読みやすい。
固定観念に振り回されず、目の前に起きている事象を一つずつ分析していくあしやたちの姿は、少し珍しく感じた。
人は音や水、光など目や耳で日常的に聞いているものでも恐怖を感じるのだと思った。
現実的な部分も幽霊とか得体の知れないものが起こす非現実的な部分とで程よく構成されていて、じわじわとした恐怖を感じた。
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キャラが魅力的!!
ホラー強めなのかなと思って読み進めてたらミステリー要素の方が強かった。
ガッツリ怖いものみたい人にはお勧めできないけどすごい面白かった!
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ホラーとミステリーを混ぜたストーリーで、伏線回収の連続に夢中で読み進めた。登場するキャラも全員濃くて最後まで飽きずに楽しめる。続編読むのが楽しみになった。
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すごく綺麗に話がまとまっている。
伏線も過不足なし、ホラーにありがちな最初からオカルトを信じきっているアホな主人公たちも存在せず、客観的事実ベースに話を組み立てていくストーリーテリング。全てのピースがハマって満足する読後感。
だからこそ、ホラー小説に求める圧倒的な理不尽感はあまり感じなかった。ホラー推理小説だな、という印象を抱く。
もちろんとても楽しく読めたのだけど、あまりにも綺麗にまとまり過ぎていて少し肩透かし感が否めなかった。まあ、これは個人の感じ方だね。
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おもしろくてあっという間に読んでしまった。超常現象を物理/科学/刑事/オカルトと様々な方面からアプローチして解決しようとする、〈あしや超常現象調査〉シリーズ一作目。
予約図書の順番待ちで一作目と二作目が前後してしまったため、勝手にエピソード0的にも楽しめたし、『ポルターガイストの囚人』がめちゃくちゃ正しくてパワーアップした続編であることがわかった。三作目が楽しみです!
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このホラ大賞作。主人公たちのスタンスのせいか、スーパーナチュラルがそこまで違和感なく物語に盛り込まれている印象。白けずに読み通すことができた。
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ホラー小説とは言うもののそこまで怖くもなく、ホラー苦手意識ある人でも大丈夫そう。
むしろ事件を解決するという意味ではミステリっぽさが強め。
芦屋&越野のやり取りがおかしくて、ホラー読んでるのにちょつと笑っちゃったりした。
怪奇現象そのものは全然受け入れられるから問題ないんだけど、むしろ他人のパソコンを起動する時に「幸いにも」パスワードがかかってないとか、酸素濃度15%以下の環境で細い鉄骨が身体を貫通してるのに死なないとかの方がちょっと違和感感じちゃった。
全体的には面白くてスラスラ読めた。
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昔のオカ板の雰囲気や師匠シリーズのノリを思い出す懐かしい雰囲気のホラーだった。
水辺の怪異の怖さはレベルが違うな…とても怖かった。
お迎えが来て1人ずつ地底湖に呼ばれてしまう…。嫌すぎる。
でも、私もパワハラに悩んだことがあるのでカレンさん助からなくてもよくない?なんて思ってしまった。
不穏さを残すラスト、大好きてす。
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色々な要素てんこ盛りかつ怒涛の伏線回収で一気に読んだ。そこにどうたどり着くかというスケールもいい。ゆえに物語の味わいよりもテクニカルな印象が強いのも事実。
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ある大学のオカルト研究会の怪談イベントで、異様な雰囲気の女学生が語った怪談を聞いた主人公。その日から汚水のような怪現象に悩まされる。
そこで超常現象を研究する企業に助けを求め…
描写の不気味さや、構成が巧みで、タイトルの回収が見事だった。
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純粋なホラー小説というよりホラーアドベンチャーだったが物語としては面白かった。
登場人物もやたら美人だけどちょっと変人な主人公や元警察万能説の探偵などアニメみたいなテンプレキャラが多いが、それを踏まえても楽しく読めた。
キャラの立ち方や最後の洞窟のシーンなど今後、映画化とかしたら面白そう。
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とても王道な感じのホラー・ミステリーとして読み進める事ができ、面白かった。ホラーの描写はキチンと怖かったし(ほど良く)、ホラー以外の場面の描写も、イメージがつきやすく、話にスンナリ入れた(映像化・実写化しやすそうな気がした)。話の進み方もテンポが良かったし、ピンチの場面での主人公の粘りや発想も、お見事だったと思う。
主人公達は、オカルト的なものを全面的に肯定するわけではない姿勢を貫きながらも、時間や状況的にひとまず存在すると仮定して行動する事になるが、その持っていき方も妥当性があったと思う。解決後も、どう説明をつけるべきかを、1つに絞らないままにしたのは、良かった。
「深淵のテレパス」の意味は、全部読めば何を指しているかは分かりはするが、そこがタイトルになるんかぁ、とは思った(特別な意図はないのかもしれないが)。
続編もそのうち読んでみようという気になった。
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怪奇現象の謎解き。
ホラー小説というよりミステリ小説寄りで、面白くて一気読み。
ホラーが苦手だけど読めた。
怪奇現象を使って物事の見方の定義を掲示している感じ。
あしや超常現象調査シリーズとして『ポルターガイストの囚人』があるので、それも読んでみたい。
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ホラーって普段は読まないジャンル。
超常現象に対して、データを集めて検証する科学的なアプローチと、超能力や呪術といったオカルト的な要素と、どちらも否定も肯定もしないフラットな感じが良かった。
あまり怖さはなかったけど、ミステリ要素が色濃くて、最後まで飽きる事なく楽しめた。
Posted by ブクログ
職場の後輩に誘われ会談会を見に行っただけなのに、
舞台上から演者に指をさされて不気味な言葉と忠告を投げかけられる。
それから起こり始める怪異。
匂い。水。
日に日にそれは近づいてくる。
実は他にもあの演者に指さされていた人々が消息を絶っていて。
どうすれば助かるのか、何をしても無理なのか、その辺が怖かったです。
戸山公園、都内屈指の心霊スポットらしいですね…
そしてある種本当に怖かったのは人。
自己正当化もそうだけど、親しくしてるつもりでも真意は隠されていることとか。
Posted by ブクログ
星3つにしましたが、エンタメだけの視点なら星4つです。惹き込まれる展開で、既視感もなく、かなり面白かったです。クオリティーが高かったがゆえに、エンタメ以上のメッセージ性を求めてしまいました。
Posted by ブクログ
Audibleにて。このホラで1位ということで聴いてみた。リーダビリティが高く面白い。シリーズ化することで、ぼぎわんみたいになっていくかも。ただ1位ということで構えてしまった分、期待とは少しダウンした感じもある。たくさんキャラが出てくるけど、活かしきれていなような気もした。読書とは関係ないが、イヌイというキャラクターの声のナレーションが感覚的に受け入れられず、大声を出すと耳障りでちょっと辟易してしまった。
Posted by ブクログ
「3冠達成の今読むべきホラー」——帯の煽り文句に導かれて手に取った。
ホラー作品は、作者の「ほら、怖いでしょ?」という作為が見えた瞬間、途端に白け、興が冷めることがあるが、本作はそんなことなく最後まで面白く読めた。
幽霊やエスパーといった要素を扱いながらも、怪異に対する科学的な視点も忘れず、わからないことはわからないと納得させる誠実さが主人公たちにはある。
一人でいられなくなる程の怖さ、「自分の身にも起こるかも」と震える感じや、現実との接点を感じるリアルさは強くないけれど、伏線回収などエンタメ的な盛り上がり、完成度があり、映像化に向いた作品だと感じた。
澤村伊智氏が帯で述べている「ホラーとして娯楽小説として、非常に高いレベルでまとまっていた、」という評価がぴったりだと思った。まさに、“まとまって”いる。
「影から音がする」「臭いがする」「何かが来る」。その瞬間を予感する登場人物が、照明器具だらけの部屋に閉じこもっているという異様な光景。その描写に一番の怖さとワクワクを感じた。