あらすじ
平成3年に発生した誘拐事件から30年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「今」を知る。再取材を重ねた結果、ある写実画家の存在が浮かび上がる。質感なき時代に「実」を見つめる者たち──圧巻の結末に心打たれる、『罪の声』に並び立つ新たなる代表作。
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濃い!圧巻!読み応えあった。新聞記者と写実画家が、それぞれ『実』に対して本気で向き合ってる物語がとてもドラマティックで壮大。画壇って全く馴染みないから新鮮やった。最初から没入できたし、分厚いけど展開も多く次がどんどん気になって読み進めやすかった。芸術系やけど風景描写とか全然くどくなくて綺麗な表現多く、慣れてへん言葉も気付けば積極的に調べながら読んでた。終わり方の余韻も素敵やった。答えが全て解明する感じやなかったからどうしても気になること多く残ったけど、これがええんでしょうな!
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前半のハラハラ展開、そして記者である門田を通じて点がつながっていく中盤、そして空白の3年間について語られる後半、分厚い本ではあったが中だるみにならない圧倒的な話、特に後半は涙なしにはいられなかった。
タイトルの「存在のすべてを」
読む前はかっこいいなぁくらいでしたが、読み進めてるうちに、タイトルの意味が分かり震えました。
面白い小説は他にもありますが、トータルの凄さでは人生マイベストの小説になりました。出会えて本当に良かった。
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ただの誘拐事件の話かと思いきや、誘拐された子供の半生を丁寧になぞっていくお話。以前から気になっていたホキ美術館も出てきたり、美術界の裏話も知ることができて、新しい発見がある作品でした。
最後は胸がポッと熱くなる、明るい未来が見える終わり方でとても素敵でした。
塩田さんの作品にハズレなし!
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久々にページをめくるのを止め難かった。
「本物」と「偽物」、「理想」と「現実」。どっちが正解でどっちが不正解かなんて誰にもわからないけど、ただ当事者が満足する形で一生を終えられたら良いなとただただ思った。
終盤、涙が自然と溢れました。
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初読みの作家さん。映画化されるので読みました。内容は最高です!!
「二児同時誘拐」のストーリーで展開し、非常にわかりやすい進行内容。大ボリュームですが読みやすく、最後は涙なしでは読んでいられない。本屋大賞受賞してもおかしくないほどの大作だと思います。
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神奈川で児童誘拐事件が2件同時に発生し、警察は犯人を取り逃がしたが、誘拐された子供は3年後に無事に家族のもとに帰ってきた。
一部は、誘拐犯と警察の息詰まる攻防。
二部は、事件が時効となった後に新聞記者の門田が真実に近づいていく過程。
三部は、誘拐された子供と連れ去った夫婦との愛情の物語。
最初はあまりかなと思ったが、最後は涙しました。
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平成3年に発生した誘拐事件から30年、新聞記者が被害者男児のその後を追う。取材中に浮かんできた画家の存在、画廊の女性、絵に描かれた風景…。語り手を替えながら進み、細い糸を辿った先の危うく儚い真実。何が正解なのか、正義なのか…?
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血の繋がりはなくとも、思いが繋がっていく圧巻な作品。初恋の思い、記者や刑事の思い、画商の思い、そして家族の思いが絵画を通して繋がったとき、真実に辿りつきました。
自分が、大切にしている思いを子どもに話し続ける父の姿が温かく、読後に自分の子育ての思い出も溢れてきました。
本当に読んで良かったとおもえる作品でした。
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二児同時誘拐、そして門田と里穂、全く別々のところから絵を通して交差して繋がるストーリーに読む手が止まらん。
空白の3年間の別れのシーンは思わず鼻がツンとする。
もう、親子なのに。悪いこととはいえ、一緒にいたい人たちが離れ離れにならなきゃいけないのは辛い。
そして表紙のこの写真、って写真じゃない、絵...なの??ってなった時の衝撃。写実ってすごい。
存在とは何かを考える
「すごい…」
読み終えて出た言葉はありきたりで陳腐なものだったけれど、何かずっしりとした重量があるのに遠く上の方できらきらとした澄んだものがみえる、そんなものが腹に胸にのしかかっている感覚を覚えた。
家族愛、虐待、憎悪、淡い恋慕、執念、悔恨、そして希望、その間を湧水のような清らかで力強い写実画が繋いでいる。
作品の中で絵画の挿絵は1枚もないのに、そのほとばしる生命力と存在感溢れる彼らの作品が脳裏に焼き付いてしまう。
「彼」の存在感も実体も記憶の中のもので靄がかかった輪郭の薄い人物に感じられるが、彼の作品の描写からは生きている一人の芸術家の命の力、思いの強さを受け取るのだ。
この作品にはたくさんのメッセージやテーマがあり、読み手によって受け取るものは本当に様々ではないかと思う。
が、少なくとも絵画好きならぜひ、読んでみてほしいと思います。
ミステリーが好きな方も、とても読み応えのある大作ですのでぜひ。
作中の「トキ美術館」は間違いなく千葉県の「ホキ美術館」がモデルで、ここには写実の大作が多く展示されています。静謐な空間で写実画に圧倒され続ける体験は、他ではなかなか味わうことができません。
超絶プロット
ただ、ただ、すごい。感動。なにより、悲惨なエピソードを吹き飛ばす、プロット。闇の中の一点の光、その光を照らし出そうとする、いくつもの信念と愛情。とにかく、良いです。
涙を超えた感動
一ページ一ページが勿体無いほど作者の試作や体験の深さが滲み出る。パズルのように空白の時間の謎が解けていく。生きるとは何なのか、芸術とは、表現とは。失った事のある人にしかわからない愛の深さと悲しみ。私の空白を埋めた本。人生の岐路に必要だった作品。今日読み終えました。ありがとう。
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序盤は実録風の事件もの。
やたらと多い登場人物に苦労しながらも、緊張感あふれる展開を楽しんでいたのだが、、、
単なる誘拐事件ものと思って読み始めたら、だんだんと他の要素が増してきます。
僕はもともとミステリー好きではないので、却って読みやすく、面白かったです。
途中、美術界ゴシップものかと思うくらい美術界という因習村がフィーチャーされます。
師匠と弟子、百貨店と画廊との関係、絵画の価格付け(作家ごとの号単価×号数)の問題等が
作品の中で取り上げられ、事件の閉塞感と相まって、息が詰まりそうな雰囲気を醸し出します。
終盤はヒューマンドラマ。
先が気になってついつい読み急いでしまいました。470ぺージの長編ですが、
「いやまだ何にも解決してないのに、残りのページ数がないやん」と
変に焦りながら読み進めました。
「全ての謎を解いてすっきりさせましょ」ってタイプの作品ではないし、
実際、「あれ?あの人はどうなったんだろう」って人物もいましたが、
面白かったです。
いやあ、お兄ちゃん、ロクでもないなぁ。
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前半の取材パートでは登場人物が多いしなかなか繋がらないしで、これから面白くなるのか不安になりながらも頑張って読み進めた。
そして7章、ついにこの方の視点がきたか!!となり、そこからは一気読み。
願い事で涙涙。あー切なくてしんどい。
もう少し先も知りたい終わり方だったけど、この作品を読めてよかった。
読み終えて、寝ている息子の頭を撫でた。ママって当たり前に呼ばれることってこんなにかけがえのない、愛おしいことなんだ。一緒に過ごせる時間を大切にしようと思った。
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すごく良かった。めずらしく母に勧められた1冊だけど、私も人に勧めたくらい、心が震えるっていう感覚になった。後半から様々なことが明らかになってきて、繋がって、涙が止まらなかった。分厚いから読み直すのに時間かかるけど、それでもまた読みたい1冊。
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3年後に誘拐された子供が帰ってくる??なんてありえるだろうか…と真相が早く知りたくて頑張って読みました。
子供がいなくなって破綻してしまった夫婦…さびしく思った。最後門田さんはどうするのか??スッキリしなかったなぁ。
Posted by ブクログ
未解決に終わった誘拐事件を定年間近の記者が、人生の集大成として、真相に迫る。
途中、長かったが、最後はスッキリと終わって良かった。
画家の権威争いが克明に書かれていて、好きなことで飯を食うというのは、大変なことだな、と改めて思った。
Posted by ブクログ
『砂の器』を思い出した…。
謎解きではなく、事件関係者の足跡を
丹念に積み重ねた物語です。
二件の誘拐が同時に起こった理由も
誘拐犯の手口なども
わりと早い段階で明らかになるけど
身代金受け渡しに失敗して
戻ってはこないと思われていた4歳児が
3年の時を経て自ら帰ってきた理由と
誰とどう暮らしていたかは
警察としてはもう深掘りできなかった。
しかし30年の時を経て、新聞社の門田が
元刑事・中澤の死をきっかけに
あらためて真相を追おうと決意する。
これが外側からの展開。
一方「人気の写実画家は、誘拐児・亮だ」
とマスコミに暴露され
交流のあった画廊の店主・里穂が
彼との過去を思い出し
その行方を追おうと動き出すのが内側、かな。
亮の描いた写実絵画が
彼と、誘拐犯との足跡をたどる
重要な資料として登場しますが
存在しない作品なので想像するしかない。
どんな光景をキャンパスに封じ込めたのか
見てみたい気もするな。
Posted by ブクログ
平成3年の「二児同時誘拐事件」から30年後、事件を追っていた新聞記者が、誘拐被害者の一人が「写実画家」として成功していることを知り、真相を再調査する物語です。単なるミステリーではなく、事件に巻き込まれた人々のその後や家族の絆、芸術の世界、そして「存在」とは何かを問いかける、感動作動の社会派エンターテインメント
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オーディブルにて。
序盤、つまらなくてやめようか迷った。ある一人の画家の物語となったとたん引き込まれました。
大切な子供の幸せを祈り、願い、一生懸命応援する。この当たり前のことが出来ない親がいる。可哀想な子が世界にいなくなりますように。
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友人に勧められて読みました。
文庫じゃなくハードで本を買ったのは久しぶり。
買ってよかったと思いました。
正直登場人物が多くて、途中は関係性がわからなくなったり、誰がなんて言ってたかわからなくなって戻ってみたりしましたが最後まで諦めず読んでよかったと思いました。
元々絵画が好きで美術館に行くことも多いですが、写実画は見たことがなかったので美術館に行ってみたいなと思いました。
物語は最初の誘拐事件から、どんどん話の主人公が変わり、色んな立場でこの事件を見ることができました。最後は涙涙で、本でこんなに泣いたのは初めてに近いかも。救いがあってよかった。みんなの愛を感じた。
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三度目の正直でようやく読み終えられた!
そして、読んで良かったと思えた。
最後は母の気持ちでぼろぼろと涙が。
わたしは案外門田さん好きです。
それから、文章がとても写実的で、実際のその場をよく知る人なら脳裏にそのイメージがありありと浮かぶのだろうなと感じた。
スマホで画像検索しながら読みました。
作者の他の作品を知らないのでなんともいえないけれど、写実画家のお話でこの描写。
読み終わって考えてみれば、幸せとは何か、本当にわからなくなる。
亮と関わったことによって生まれた幸せと破滅。
関わらなければ安穏とした日常がただ続いていたのかもしれないと思うと、なんともいえない気持ちになる。
でもそんな物語なのに、読後がどこか爽やかなのは、全編通して描かれる写実画の素晴らしさだと思う。
ただただ素敵でした。
Posted by ブクログ
大部分は新聞記者の門田が事件を調査する様子が描かれていて、ノンフィクションを読んでいるような気分だった。描写が細かく(ETCカードを忘れた。みたいな描写は必要だったのか?)、なかなか話が見えず、全体が掴めない。そもそも長い。しかし、ただの記者が警察も辿り着けなかった真実に辿り着く経緯を書くにはこの長さが必要だったんだろうな。
ラストは一気に読んでしまった。何とも苦しくも、幸せな「人生」。ディティールを観ると不幸に見えるかもしれないけど、確かに幸せもあって、俯瞰で見た時にそれが人生に見えるんだな。「水はどう描けばいいのか」に通づるなと思った。
「描きたいものだけを細かく描いても嘘くさくなる。キャンバス全体を同じ熱量で描かないといけない」という写真に関する考え方は、まんま作者の小説への考え方なんじゃないか?
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Audibleにて
30年前の誘拐事件。
最初は門田記者に感情移入しながら進めていたけれど、後半は亮くんと野本夫妻にどっぷりはまってしまった。
野本夫妻のやったことは褒められることではないけれど、結果的に亮は救われて幸せな3年を過ごすことができた。
家族って何だろう、血のつながりって何だろう。
貴彦さんとも再会できて欲しかった。
みんな幸せになっていてほしい。
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とてもよくできているんだけど… いろいろな人の視点で描かれていて、一人一人が主役のような役どころのせいか、逆に感情移入ができないまま終わってしまった。客観的に物語を楽しむタイプの人にはよいかもしれない。
Posted by ブクログ
★3.5
登場人物が多いので混乱したが、最後全てが繋がったときは涙がでそうだった。
誘拐事件の裏にある新事実、誘拐されていた空白の3年間にいったい何があったのか…
親と子の絆、愛の物語、
Posted by ブクログ
未解決のまま時効を迎えた二児同時誘拐事件の真実を追う物語で、なかなか面白い作品だった。ただ長編なので、前半は登場人物も多く、メモを取りながら頭を整理して読み進める必要があった。
「一体誰がやったのか」「何が起きていたのか」と想像しながら、自分も少しずつ真実に近づいていけるような読書体験はとても魅力的。
時効を迎えてしまった刑事たちの無念さ、当時の記者、被害者の母親、被害者の同級生など、多くの人々の状況や心理が細かく描かれている。早く真実を知りたい気持ちから、ついすっ飛ばし気味に読んでしまったが、長編ドラマを観ているように物語に深く入り込んでいった。
後半では鼻の奥がツンとするような切ない場面もあり、すべての真実が明らかになったとき、読み終えた満足感と温かな余韻が残った。
Posted by ブクログ
事件パートから時効成立後も事件を追いつづける記者パートは、ちょっと読みづらさを感じたが、空白の期間の被害者の状況を描いたパートは読み応えがあった。
いつの世にも家族に迷惑をかける人はいるのだろうが、たまったものではないな。
Posted by ブクログ
真相が明らかになっていく面白さと、夫婦と子の関係性が印象に残った。
姿を消した貴彦を思うと心苦しい。そうすることでしか家族を守れなかった。
立花敦之が後々犯罪に加担していたことも示唆されていたけど、彼に何があったのかも気になる。
「存在」をそのものとして確かに捉える、謙虚さが写実の絵についても、普段の生活で物事を見る時も大切というメッセージと受け取った。
436「これから世の中がもっと便利になって、楽ちんになる。そうすると、わざわざ行ったり触ったりしなくても、何でも自分の思い通りになると勘違いする人が増えると思うんだ。だからこそ『存在』が大事なんだ。世界から『存在』が失われていくとき、必ず写実の絵が求められる。それは絵だけの話じゃなくて、考え方、生き方の問題だから。」
あらすじメモ
2人の男児が誘拐される。片方は発見されるが、ナイトウリョウは3年もの間姿を消し、突然祖父母のもとに戻った。時を経て、画家の如月脩(ナイトウリョウ)についての記事が出たことをきっかけに、新聞記者の門田が空白の3年間について追う。
リョウは貴彦の兄達にさらわれ、何も知らない貴彦と優美のもとに連れてこられる。次第に状況が明らかになり親の元へ返すことを考えるも、ずさんな家庭環境を目の当たりにした2人はリョウを引き取ることにして滋賀へ行く。そして北海道へ。しかし小学校進学のタイミングでこれ以上事情を隠しながら共に暮すことは難しくなり、岸朔之介の協力の元、リョウは祖父母の元へ帰る。その後、兄に脅された貴彦は姿を消し、里穂も連絡がつかなくなる。
ついに門田、里穂はリョウに会う。
優美はリョウと再会できていた。
Posted by ブクログ
前半はなかなか入り込めず、読むのに時間がかかってしまった。
第七章あたりからようやく核心に迫り始め、そこからはほぼ一気読み。すごく面白かったんだけど、正直「やっとか」と言う気持ちが強かった。
それにしても野本夫妻、成り行きとはいえ大変なことに巻き込まれちゃったな。
愛情深さゆえに長期戦になってしまった。
義務教育始まる前になんとかしたかったね。
りょうくんの才能は誰の遺伝なんだろう。
一度も登場しなかった実の父か?