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太閤秀吉が病没した。押し寄せる大乱の気配。塞王・飛田源斎は、最後の仕事だと言い残し、激しい攻城戦が予想される伏見城へと発った。代わって、穴太衆・飛田屋の頭となった飛田匡介は、京極高次から琵琶湖畔にある大津城の石垣の改修を任される。立ちはだかるは、国友彦九郎率いる国友衆と最新の鉄砲。関ヶ原前夜の大津城を舞台に、宿命の対決が幕を開ける! 「最強の楯」と「至高の矛」――激突する二つの魂。その闘いの行き着く先は? 第166回直木賞受賞作品、下巻。
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Posted by ブクログ
戦国時代の攻城戦を、武将ではなく石積職人に焦点を当てて描くなんて、どこに盛り上がるツボがあるんだろうと懐疑的に読み始めたが、これほど激しく胸を熱くさせられるとは思いもよらず。終盤は貪るように読み切った。登場人物の矜持が、敵味方なく輝いている。直木賞受賞、もっともである。
賽の河原で積み上げた石は、積み上がった途端に崩されていく。それでもなお、また一から、一つひとつを積み上げて、それを延々と繰り返していく。いつ終わるかわからないこの営みを前にして、折れない心が積み重なり、最強の盾となる。
上巻と同じく疾走感あふれる話だった。 結末は分かっているけど、フィクションとしての登場人物にノンフィクションの人物がどのよう動いていくのか、とても強く惹き込まれた。 どうしても現代の争いと比べてしまうのだけど、この頃の戦さには人として捨ててはいけないものを分かってたように思う。 昔は「戦さ」と言...続きを読むっていたのに、現代では「戦争」と表現する。 昔の戦も十分に残酷だったはずなのに、現代の戦いはさらに悲惨で、複雑なものになっているように感じる。 だから「戦」だけではなく、「争」という文字も重ねるようになったのだろうか。 読んでいるうちに、そんなことを考えてしまった。 最後は爽やかな幕閉じで、今日の晴れた空のような気持ちで本を閉じました。
これはビビった。面白い。 穴太衆という職人がいるのは当然だが、それを主人公にしてこんなストーリーを描ける作家さんが凄い。歴史を勉強したくなるな。 イクサガミも面白かったけど、これも想定以上。他も読んでみようかな。
歴史小説のなかでも、有名な武将や偉大な功績を残した教科書に名前が載る人物などではなく、ただ戦を終わらせたいと願う2人の職人に焦点を置いた作品だ。主人公に関しては一応、穴太衆の匡介だと思われるが、登場する人物のキャラクターはどれも濃く、主人公に負けず劣らずと言ったところだ。戦国時代の知識は作品をより理...続きを読む解する事ができるという点で非常に大切だが、この小説はあまり詳しくない人でもとっつきやすいと思う。前述したが華やかな武将でもない職人が中心である本作がなぜここまで面白いのかと考えてみると、やはりそれは場面、展開の移り変わりの丁度良さにあるのではないだろうか。とても言葉で形容しがたい自分の文章の組み立て力不足に歯痒い限りだが、とにかく丁度良い。ここぞというタイミングで話の転換がもたらされる。読者を飽きさせないこの絶妙な演出は上から目線で申し訳ないがただただ素晴らしい。個人的にはマイナーな武将が登場するのも嬉しいポイントだった。今村翔吾先生は正当な評価を得られない人物のクローズアップを作品ごとに行ってくれる。それが上から目線で重ねて謝罪させてもらうが大変気に入っている。クライマックスのシーンは誰もが手に汗握る緊迫の展開に脱帽だ。歴史小説が気になっている人は是非とも手に取っていただきたいと自信を持って本書を推薦する。
本作は、攻める者と守る者の信念のぶつかり合いを描きながらも、単純な善悪では割り切れない構造となっている。攻める側には攻める理由があり、守る側には守る理由がある。そのどちらにも確固たる信念と正しさが存在するからこそ、両者の衝突はより重く、そして熱く感じられた。 構成としては、特に序盤から中盤にかけて...続きを読むの展開が個人的に強く印象に残っている。登場人物たちの信念や職人としての矜持が描かれ、非常に熱量の高い場面が続き、この作品の魅力が最も感じられる部分であった。さらに中盤から終盤にかけては籠城戦を中心に緊張感が一気に高まり、手に汗握る展開となっている。 一方で、終盤から結末にかけてはそれまでの熱量がやや落ち着き、やや尻窄みな印象も受けた。しかしこれは単に勢いが落ちたというよりも、読者に作品のテーマを考えさせるための余韻として機能しているように感じられた。 また、登場人物の中でも特に印象に残ったのは京極高次である。彼は圧倒的な武の強さを持つわけではないが、優しさや人としての在り方を失わず、それでもなお戦いの中で立ち続ける姿が非常に魅力的であった。「蛍大名」と呼ばれるその存在は、儚さの中に確かな光を持つ人物として描かれており、その生き様には強く心を動かされた。 以上のように、攻める者と守る者の泰平への信念がぶつかり合う中で、信念の大切さを深く描いた作品である。読後には、「守るとは何か」「強さとは何か」「平和とは何か」という問いが静かに心に残る作品であった。
京極高次!お市の方の三姉妹の一人、お初が正室とゆう事しか知らなかったが人間的に凄く好感がもてる。今村翔吾さんの作品は一見スポットが当たらないような武将も描く感じがするので好きです。西国無双の立花宗茂!これは、やはり九州に住んでる者としてはにんまり!しかし、京極さんを応援したくなる!イクサガミもたしか...続きを読むに面白かったがエンタメ路線が自分的には強すぎる。どちらかとゆうとこちらの作風の方が好みかな。
面白かった
始めは石積職人の話なんてと思いながら読んでましたが、徹底的なプロの話だと理解してからは一気に上下巻読み切りました 最高でした ありがとうございました
泰平を願う者同士の矛盾した戦い 最初から最後まで構図が見事だった 史実の隙間にこんな物語が読めるのは本当に楽しい
楯の塞王と矛の砲仙が近江の大津城でどちらが太平の世をつくるかを掛けて戦う。楯は城の石垣、一方の矛は鉄砲となる。しかし、その矛楯が持つ力だけでなく、それを扱う人や更には彼らを纏める武将の人間力もが勝敗を分けるのだと思った。 この時代に関する本を読んできた割には、蛍大名と揶揄された京極高次に家臣や民を惹...続きを読むきつける人間力があったのかと思うと、彼の視点で書かれた別の作品を探して読んでみたい。
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