小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ今村翔吾『イクサガミ 天』は、剣戟の激しさと人間の業の深さが幾重にも折り重なった、圧倒的な熱量を持つ一冊である。明治という時代の転換点を舞台に、命を賭した戦いへと身を投じる者たちの姿は、単なる勝敗や生死を超えて、「人は何のために剣を握るのか」という根源的な問いを突きつけてくる。
息つく暇もない展開の中で描かれる戦闘は苛烈でありながらも、決して空虚ではない。一太刀一太刀に背負わされた過去や覚悟が感じられ、血と汗の向こう側に、それぞれの人生が確かに存在していることを読者に強く印象づける。だからこそ、この物語は単なるバトルの連なりに終わらず、人間の生き様を描く重厚な叙事詩として胸に迫る。
また、 -
Posted by ブクログ
新年一発目!めでたい気分が一瞬にして霧散しました
この世の中にあるどんな小さい歪みもひとつ残らず拾い上げて文章化してやるという、意地とか執念みたいなものを感じた。単発の現象を描写するんじゃなくて、色んな思想の源をインストールした上で世界観を構築するの、どうやったらできるんだ......それでも解を与えず淡々と構造を呈示するだけして去っていく感じ、本当に距離感の作り方が上手いなぁーと思う。15周年に相応しいイカレ作品だった。
ストーリーは大体予測がつく感じで進んだけど面白かった。いつもの、お前それがやりたかっただけやろ!みたいな章もあって大変良かった。ところでHANAのホルツが控えてるんですけど -
Posted by ブクログ
「推し活」に対して推す側・仕掛ける側・はまっていく側の3者の視点から物語は進んでいく。朝井リョウの他の作品を読んでいても感じるが、登場人物の解像度があまりにも高すぎて驚いた。自分も以前澄香ほどではないが軽く推し活にハマっていたので
推し活にハマる人の特徴についての描写はぐぬぬ…と読んでいて胸が抉られる感覚になった。
推し活が物語の軸となっていたが、中年男性の孤独や陰謀論なども混ぜ込まれていて非常に興味深かった。人間弱ってる時に手を差し伸べられたら縋りつきたくなっちゃいますよねそりゃ… 自分に声をかけてくれる人が本当に自分を救ってくれるのかどうか見極めなきゃな〜とこの本を読んで思った。
とに -
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ネタバレただの人が病気で亡くなるドラマはあまり好きじゃないけど、それまでの過程が愛おしくてワクワクして苦しくて。名言でもある『わたしは愛する男のために人生を誤りたい』暁美の人生を知ってるからこそこの言葉は簡単に口にできるものではないと思うし、だからこそとても響いたなと。愛は優しいだけの形はしていないし、離れてしまった愛に対してはどうか幸せでいて欲しいと願うこともあるけれど、それと同じくらいに私を愛さないで忘れないでと思うこともあったからそれが言語化されていて感動した。愛は呪いと祈りが入り混じって似て非なるものと感じてから救われた。私が考えること、言うことは人間としての権利があってそうしているものであっ
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Posted by ブクログ
モデルになっている女子校の小学校受験経験者(子供側)として、リアルすぎた。
現実はこの内容は全然誇張ではないし、お受験親同士のやりとりや子供にキレる親の様子などの側面は、むしろマイルドに描かれているほうだと思う。(親同士の蹴落としあいや悪口はもっと酷いし、大概の子はこんなに物分かりが良くない)
4,5才の子供はもう親の顔色や状況がよくわかる。正解のある世界で、できないことを指摘され続ける。無邪気な行動は矯正され、周りの子と比較され、親が苛立って発狂していく様は当時から苦しかった。
周りの親の影響で親が変わっていくのも悲しかった。
「半年先にできることを、いまできるようにする」
やがてできること