あらすじ
痛ましい幼女誘拐事件の続発。難航する捜査。その責めを負って冷徹な捜査一課長も窮地に立たされた。若手キャリアの課長をめぐる警察内部の不協和音,マスコミによる私生活追及。この緊迫した状況下で,新しい展開は始まった! サイドストーリイに,黒魔術を狂信する新興宗教の生態や現代の家族愛を鮮烈に描きつつ,人間内奥の悲痛な叫びを抽出したこの野心作は,北村薫氏をして,書き振りは《練達》,読み終えてみれば《仰天》,と驚嘆させた,巧緻この上ない本格推理。
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Posted by ブクログ
結末は悲しかった。
誘拐を捜査する刑事と娘を誘拐殺害された男を中心に物語が展開されるが驚きの叙述トリックが仕込んであった。
貫井徳郎の筆力が冴えています。
少々残酷な場面もあるが、それが被害者の父親の悲しみの深さと絶望的な心情を間接的に表現しているのでしょう。
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この本は推理小説ではないのだが、張り巡らされた完璧な構成に驚いた。いやいやまさか、あの松本が…
幼女の遺体が河川敷に全裸で捨てられていた。すぐに捜査本部が立ち上げられ、捜査一課の佐伯が捜査管理官になる。丘本は北岡という捜査員とコンビになる。捜査はあまりうまいこと進まず、手がかりがない状態。
一方、無職の松本は、胸にぽっかりと穴が空いている。その穴を埋めるためにいくつかの宗教にあたるが、最終的に「白光の宇宙教団」という宗教が良いように感じられて入信する。そこには可愛い女の子の北村沙貴がいた。
だが彼にも教団の穴が見え始める。
捜査員の丘本の息子が中学受験合格して、名門中学に進むことがきまる。また幼児が行方不明になった。これで3件目だ。ただし連続なのか別々の犯人なのかは不明。とはいえみんな月曜日にいなくなっている。
松本が宗教にのめりこむのは娘を亡くしたからだった。彼女の死をリセットして蘇らせたいと彼は思っている。だが彼女を復活させるには教団独自のディジタル・ルートというのが4である名前でなければならない。さりげなく名前を聞き出す。
3件の誘拐事件が起きた。3回とも娘の復活は失敗した。次は埼玉にするかと思っていたが、テレビで記者会見を開いた佐伯の娘を標的に定めた。
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後半になるにつれて、「あとこれだけのページで完結するの?ほんとに??」という気持ちになり、最後の数ページで脳震盪起こしそうなくらい衝撃を受け、ラスト読み終えてすぐ、最初のページから読み直した。
難しい漢字がいっぱい出てきて読むのが大変だったけど、途中離脱できない面白さ。
ただ、そんなに誘拐事件が話題になっててお母さん達も日々怯えて暮らしてるなら幼稚園バス降りるとこまで迎えに行かないもんかね?とか、まだ犯人見つかってないのに、後任の捜査一課長にまた同じ年頃の娘がいる人をあてがうかな?ご本人は同じ目に合うのが怖くないのか?など、登場人物の心情としてやや引っかかるところもあった。
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うわーーーー、とんでもない小説に出会ってしまった。。
文体は硬くて難しい言葉も使われているけど、話がすっと入ってくるし夢中で読み進められた。
佐伯と「彼」の話が並行して綴られているのは、2つの物語が同じ時系列で進められているというミスリードなのでは?と思ってはいたけど、この展開は衝撃だった。
2つの話は繋がっていて、そして救われないまま終わる。こんなにも誰も報われない結末があるのか。
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宗教にのめり込む男と
誘拐事件に翻弄する男。
交互に進んでいく構成も良かったし、展開のスピード感、慟哭の描き方がほぼイッキ読みしてしまうほど面白い。
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二つのストーリーが同時並行的に進んでいく。最初は繋がりがわからないが、読み進めるにつれて関連性がわかってくる。気づいた時は気持ちいいし、そのつながりに驚くはず。
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犯人の目処がついた時に思わず声と涙がでてしまいました。久しぶりの読書で読み進めるのに少し時間がかかったけど本当に面白い話でした。
子供を持つ人なら深く共感できる一冊
時系列と細部にわたる違和感をすべて拾えた自信がないのでまた読みたいと思う
心臓がまだドキドキしてます
2/23シューイチで放送された、神保町ビレッジバンガードの『いろいんな人から「とにかくすごい」と言われたので自分も読んでみたら「うわー」ってなりましたよ。実際、史上最高のトリック小説。次はあなたの番です!!』というポップを見て読みたくなり、購入。
うわーってなるのか、半信半疑で読み進めました。で、ほんとにうわーーーーっ!!ってなりました。
冒頭から時間の経過がずれていることがどう回収されるんだろうと気になりながら読み進めましたが、この展開は予想できなかった。ヒントは、ほんのちょっぴり、あれ?薫ったかな?とパラっと数カ所撒かれている程度。やられました。読了して30分ほど経ちましたが、事実を知った時に飛び跳ねたまだ心臓がうるさいです。
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再読
連続幼女誘拐殺人を追う警察視点と新興宗教にのめり込んでいく男の視点で進んでいく
テーマは重たいのに読みやすく以前読んで驚いた叙述トリックを楽しく読めた
結末は悲惨だしもう1人の犯人は見つかっていないのがイヤミス
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途中で仕掛けに気づいてしまったので、驚きは無かった。一方で、子を持つ親の立場で読むと胸を抉られる。宗教にのめり込むのも無理もないと思えてしまう。
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自分の幼い娘を亡くして、狂ってしまった男が、同じような罪を犯す。
まさか、そんな結末になるとは!というびっくりした気持ちと、やりきれない思いがかませこせんなりました。もっとハッピーエンドを予想していたのですが……!!!
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二つの視点で話は進んでいく。全く交わらないのに、少しずつ近づき、最後に点と点がつながる。
繋がった時、すごい衝撃だった。
話の展開も気になってページをどんどんめくってしまった。
この手の話を最近読み過ぎているので、彼を勘ぐり過ぎて、ちょっと最後の衝撃は予想していたが、でも矛盾を取り戻すためにもう一度読みたくなった。
何より処女作というのが驚きだった。
娘を大切にする警察官と宗教に没頭する少女誘拐犯、、それぞれの話が進み絡みあう。
Posted by ブクログ
「叙述トリック」に魅了され、一時期は名作と呼ばれる作品を読み漁っていました。
綾辻行人の『十角館の殺人』を筆頭に、『葉桜の季節に君を想うということ』『イニシエーション・ラブ』『マリオネットの罠』『ハサミ男』『εに誓って』『ロートレック荘殺人事件』『殺戮にいたる病』『向日葵の咲かない夏』……。
名だたる傑作に触れておきながら、同等の知名度を誇るこの『慟哭』だけは、なぜか「いつか読もう」と棚上げにしたまま数年が過ぎていました。
今回、あらかじめ「叙述トリックがある」と身構えた状態で読み始めました。
交互に紡がれる二つの物語が中盤に差し掛かる頃、『殺意の模倣』や『イニシエーション・ラブ』にも通じる「時間軸のズレ」を利用した仕掛けではないか、という予感が確信に変わります。
それ以前に、松本と佐伯の造形が重なることに気付いていました。もし、この二人が同一人物だと仮定すれば、すべての断片がぴたりと符合していくのです。
となると、二つの物語の時間軸がズレていることでしか説明がつかないのです。
最初から仕掛けの存在を意識していたため、もし予備知識なしに挑んでいたらどう感じたかは分かりません。
事実、結末は予想通りでしたが、それでもなお、真相が明かされた際の完成度の高さには深い感銘を覚えました。
ただ、あまりにフェアな構成ゆえにヒントが散りばめられ過ぎており、ミステリを読み慣れた方であれば、予備知識がなくとも途中で真相に辿り着けるかもしれません。
しかし、本作の真価はトリックの巧緻さだけにとどまりません。
タイトルが示す通り、主人公が漏らす「慟哭」の重み、そして幕切れに漂う一切の救いがない絶望感。
緻密な本格ミステリであると同時に、強烈な「イヤミス」としての側面こそが、この物語を唯一無二の傑作に押し上げているのだと感じました。
Posted by ブクログ
事件を追う刑事サイドと、新興宗教にのめり込んでいく犯人サイドが繰り返し語られる形式。
犯人が明かされるどんでん返しの場面は、少し予想していたところもあり、驚きというよりやはりという思いがあったが、巧みに物語に引き込まれて一気読みしてしまった。
文量が多く、馴染みのない言葉も多めな作品だが、読みにくいということはなく、少し賢くなった気にもなれたように感じた。
Posted by ブクログ
読み応えあるのある本。警察内部の組織図、新興宗教、家族愛といった当世の社会情勢に焦点と当てた、本格ミステリ。さまよう刃を読んだ後にも感じたが、自分の子供のことで人は暴走するのは否定出来ないなと…後宗教知識が少し身についた。
後半確かに展開が読めたが、それでもページを捲る手は止まらないほど読みやすかった。
Posted by ブクログ
物語の構造そのものが読者の認識を操作するように設計されており、読み進める中で自然に形成される前提が、ある一点で大きく覆される点が印象的だった。
単なるどんでん返しではなく、読者が無意識に抱いていた期待や願望を利用することで成立しているため、変化の瞬間に強い衝撃が生まれているように感じた。
Posted by ブクログ
積読してしまっていた一冊。パラパラめくって見たときに文章が難しいかな?と思っていたが、面白すぎて一気に読めました。飽きさせない展開でとても良い読書時間になりました。人間の脆さと最後の救いのなさが印象的です。
Posted by ブクログ
貫井徳郎さんはこれで鮎川哲也賞の最終候補に残ったそうだ。でも受賞できなかった。 このミステリらしいミステリの作品がなぜだろう。
※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。
そのときの受賞者は誰だったのかと調べたら、近藤史恵 「凍える島」 という作品だった。あの「サクリファイス」を書いた人だ。
この「慟哭」は新人らしくないとても重厚で読み応えのある作品だったので、受賞作はそれを上回ると思われたのなら読んでみないといけない。
「凍える島」というのはどうなのだろう。
ただ、3章目あたりで意図と展開が分った。それにしても一気に最後まで読みきるほど面白い。勝手に思いが拡がって、「オーデュボンの祈り」まで同じパターンかと思ってしまった。
彼(松本)は人生に見放されて心に穴が開いている。そして宗教に助けを求め、狂信的にのめりんでいる。
一方キャリアである捜査一課長佐伯は上司の娘の婿養子になり周囲に反感をもたれ嫉妬の目でも見られている。
しかし彼はそれを感じつつも、犯人の捜査に独自の方針を貫いている。部下に厳しく自分にも厳しい。
だが夫婦の生活は破綻し、別居生活をしている。
捜査は、誤認逮捕に始まり、マスコミに翻弄され、犯人からの手紙も届く。
混迷の中で彼は疲弊していく。
ついに上司との諍いにも、受けて立つ姿勢が崩れて、信頼する部下の前でもろい一言を漏らしてしまう。
そのときやっと部下は彼の人間らしさを垣間見た思いがする。
松本は、宗教団体の正会員になり次第に教義を極めていく、信じ込んでしまえば矛盾があってももう心に入る余地はなかった。矛盾も自身をコントロールできる目を失えば矛盾とは感じられなくなるものだろう。
そして驚きの最終章、これがこの作品の真髄かと思う。
事件の裏にある二人の男の生き方が書かれていることで、犯罪捜査だけでなくそれがこの作品を支えている。警察小説のひとつのパターンだけれど。
宗教団体については「オウム」の前に書かれていて、その後に読んだ楡周平の「クーデター」が「オウム」後になっている。備忘録用の蛇足。
Posted by ブクログ
面白かった!ところどころで感じる違和感、あれ?でも、ちがうか?ん?もしかして?と色々推理しながら読むがうまーく騙されながら、最後になるほどそういうことか!!とスッキリ。ミスリード型の推理小説。
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世の中には面白い物語がまだまだあったものだなあ。衝撃的なまでに現代的でしかも息もつかせぬ展開。連続幼女誘拐事件の捜査の展開と並行して描かれる、ある男が新興宗教にはまっていく様子がじつに怖い。淡々とした描写がその怖さを増幅しています。デビュー作にして作者は当時25歳前後?それでこの人間描写ですか?世の中にはおそろしい作家がいるものです。これはミステリというよりは一種の社会小説ですね。そして、あの結末の1行!!衝撃的というのは誉め言葉として凡庸すぎるでしょうか?読み了えたあとに残るのは、なんだかほんとうにやりきれないような思いです。
Posted by ブクログ
暗めの内容で前半は合わないな〜と思っていたけど後半は内容に緊張感がでてきて、気づいたら読み終わっていた。
2つの展開がどこで重なるのかとワクワクしながら読み進めて、
重なった...???となった時には既に騙されていた
Posted by ブクログ
有名な叙述ミステリーと聞いて。幼女殺人事件を追う警察パートと、新興宗教にのめり込む男のパートが繰り返し描かれる。幼女の殺人というテーマが子持ちの身には読むのが辛かった。叙述トリックはなんとなく想像つきつつ、少しわかりづらくてぐるんというスッキリ感がそこまで味わえず。もう一回読んだらスッキリするかも
Posted by ブクログ
途中で叙述トリックに気づく人が多いそうだけれど、自分は全く気付かなかったので満足。
新興宗教にハマっていく様子がやけにリアルで一番ゾッとした。
ラストの佐伯の娘を殺した犯人がまだ捕まっていない事実に絶望と虚しさが強く残る終わり方。
真実に辿り着けない珍しいラストで、現実のリアルさがあった。
娘を亡くした父の痛みが痛烈な悲しい作品。
Posted by ブクログ
最後の文でがっかりしてしまった。悲しい。
展開は途中でなんとなく分かるのだけど、どうしてどこかで見たことがあると言われるのかなと思っていたので、なるほどと思えた。そして盲信って怖い。
つらいことを経験した人は、周りのつらい気持ちを理解できる、してしまうと思っていたけど、気が狂ってしまうこともあるのか…なんだかつらい。
Posted by ブクログ
貫井作品は愚行録に続き2作目。捜査一課課長ストーリーは数多の小説にも出てくるから類似した物語かと思いきやラスト10ページで『えっ?ホント』となり驚愕したまま読み終える…という作品です。
完全に騙されてしまう作品ですね!
Posted by ブクログ
友人に今までで一番驚いた小説とおすすめされて読んだ作品。
結末は想像できなかったが、ハードルを上げ過ぎていたこともあり、そこまでの衝撃を受けなかった。
最後の1行まで救われないところが良さでもあると思うのだが、自分的にはしんどさが勝ってしまった。
Posted by ブクログ
警察官視点と、おそらく犯人視点で書かれていて、あぁ、意外な人が犯人なのかなぁとは思ったけど、そうきたか!と、びっくりさせられた。最後の一行に少しもやっとさせられたが、そこも、含めてすごい作品だなぁと、感じた。ネタバレした上でもう一度読みたい作品。
慟哭……?
かなり最初の部分で犯人が分かってしまい、後半に進むにつれ残念な気持ちが大きかったです。
なので『え?どの辺が"慟哭"なの?』って感じでした……