あらすじ
自身の身代わりとなった親友・セリヌンティウスを救うため、3日で故郷と首都を往復しなければならないメロス。しかし妹の婚礼前夜、新郎の父が殺された。現場は自分と妹しか開けられない羊小屋。密室殺人である。早く首都へ戻りたいメロスは、急ぎこの事件を解決することに!? その後も道のりに立ちふさがる山賊の死体や、荒れ狂う川の溺死体。そして首都で待ち受ける、衝撃の真実とは? 二度読み必至の傑作ミステリ!
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「走れメロス」のミステリー仕立てオマージュ。
第一章から引用
”メロスにとって力とは、十里の路を走り抜く脚力と、敵対者を屈させる腕力。つまり、フィジカル。フィジカルである。”
この一文を読んだ時、この本のことを理解した。原作からの引用部分と、そこからのちょっとのズレが絶妙で、読みながら爆笑した。メロスの正義感と、見え隠れする暴力性、行き当たりばったりな部分が存分に誇張されていて、(そんなわけあるか!)とツッコミながらも、(でもメロスだし...)と思ってしまう。
この作品を読む前に、YouTubeでピース又吉さんが「走れメロス」を語る動画と、原作の「走れメロス」でおさらいした。そのおかげて数倍は楽しめたと思う。おすすめの読み方。
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めっちゃ面白い。メロスの二次は数あれど、メロスに推理させる発想はなかったな。そりゃあなかなか辿りつかない訳ですよ。メロスの人間みが増してるのも良い。古代ギリシア舞台のミステリになってるのも味。
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名探偵コナンの世界観で考えてもらうと、毛利小五郎が屈強な肉体を手に入れて殺人事件を解決している。
上記を前提にするととても読みやすくなると思います。
文字での表現よりも映像化されるとさらに面白くなりそうな作品。
ムロツヨシと佐藤二朗さん出演で映像化されてたら観に行きます。
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めちゃくちゃ笑えるユーモアミステリーでした。紀元前5〜600年前後なのに、見張り番のシフト表とか出てきたり、現代のものがちょいちょい出てきて笑えました。
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もうタイトルが気になりすぎる。
とても疾走感のある書きっぷりと、ネーミングセンスの素晴らしさ。説明の爽快さでどんどん読める。
言い回しは太宰風なので難しい言葉だけど、それすらネタに見えるので雰囲気で読める。
毎ページ毎ページ笑ってしまうところがあり、メロスはずっと真面目なのに面白い。
とにかくフィジカルが強すぎる。
メロスの原作と歴史は守りつつも内容をかなり広げまくり全てに謎解きを絡めている。
密室、アリバイ崩し、叙述トリック、読者への挑戦状と一冊の中でこれでもかというくらいのミステリー要素。
そして毎回出てくる、メロスは推理した。がすごく良い。邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。これだけで探偵役を完璧にこなすメロスさんかっけえ。
後半は急に真面目な展開になり、本格ミステリーになるため、疾走感は低下するが、それまでの勢いのおかげでこのまま読み進めようという気持ちになる。
かなり無理矢理感のあるトリックばかりだけど題材が題材だけに、現実味を持たせる必要はないし面白いのが1番。
最後の最後のセリヌンティウス登場はかっこいいし、なにより前提の覆し方がすごくて、最後にどんでん返しまで突っ込んでくるんかいと、もうこちらもツッコむしかない。
個人的には3章の盗賊の話が1番好きだった。
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タイトルに惹かれて買ってしまった。
コメディ本で、登場してくる人物の名前から面白い。
カタカナの名前は難しいから、覚えやすくて良かった。
それにしても殺人事件に遭遇し過ぎ。
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オーディブルにて
ちょいちょい本家の文章が入ってくるたびに笑ってしまった。
登場人物の名前が覚えられない私にはピッタリの名付けで最高。でも叙述トリックではないよね笑
オサムスがまんま太宰治で笑ったわー。
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名作「走れメロス」の行間を埋めるかの如く、シチュエーションにマッチした殺人事件を配置しているのが巧みだ。本格ミステリとコミカルのバランスが絶妙で、楽しい読書時間を過ごした。映像化するなら、福田雄一監督がピッタリじゃないかなと思った。
Posted by ブクログ
メロスを構成する要素は、正義半分、フィジカル半分!
所謂、正義感の勢いで行動する筋骨隆々の野生男子が本作の主人公メロス!
そんなに殺人事件に巻き込まれるか?ってぐらい巻き込まれますw
バトル系のアニメを見てる感覚で読み進められるし、セリヌンティウスが人質になってる事を忘れてないか?と読者がメロスに問いたくなるほど正義の勢いで事件を解決していく。
ちょっと抜けたところが何とも可愛いらしく感じてしまうほど、魅力的なメロスを堪能できます!
「誇らしい生涯を送って来ました」から始まる
『人間合格』是非とも読んでみたいなぁ。
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近代文学が好きなので、走れメロスが題材であることに惹かれて読みました。
原作のメロスの愚かさを異なる形で表現されていて、これはこれで作者のリスペクトを感じました。
ただミステリを期待して読むと少し物足りないかもしれません。
私個人としては全てを筋肉で解決するメロスは割と楽しく読めました。
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読者への挑戦状もあるのでミステリに分類しようか迷った。
走れメロスのパロディーのような本作、読んでいるとところどころ吹き出しそうになる。
重い本が続いた後に読むと、気持ちが軽くなって次の本を読む活力になるような作品。
読書経験が少ない、これから本を読んでいきたいと思っているような人におすすめしたい。
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「誇らしい生涯を送ってきました。」
で始まるオサムスの超ポジティブな著書『人間合格』に吹いた。
audibleで、おもしろくて半日で聴き終わってしまった。
個人的にはコミカルな文章のセンスが朝井リョウのエッセイと似ていると思う。
ミステリー要素はスリリングなものはなく無難な感じ。
細かい設定や物語の進め方がおもしろいので飽きずに楽しめた。
単純なふざけた名前も、すごくわかりやすくて何人出てきても覚えやすくて助かる。
ふざけてない小説にもちょっと取り入れてほしいかも。
そもそも『走れメロス』が面白いし、それをパロディにした作品としては大満足。
イマジンティウスが見えない謎については疑問に残るけど、人の目は不確かなもので見えたり見えなかったりするってことだと解釈した。
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メロスが推理!友情!フィジカル!で殺人事件を解決しながら走る!
題名見て「なんだそれ…」と思ったけど、ちゃんと面白かった。割としっかり太宰治の原作に沿って進んでいくし、途中史実も絡めてきて、話の持って行き方が上手いなと感心した。
あと、登場人物の名前が「名は体を表す」過ぎて大好き。何を食べて育ったら「メロスの妹、イモウトア」とか「第一発見者、ミタンデス」みたいなハイセンスな名前を思いつくんだ(褒め言葉)
Posted by ブクログ
タイトルで惹かれてずっと読んでみたいと思っていた作品。
走れメロスのオマージュ小説。
小学生の頃国語の授業で習った内容を懐かしく感じながら、
ミステリーに改変された面白さを感じられた。
『メロスは推理した』に一文に毎回笑う。
『メロスは入水した』の章では、
オサムスとカズオウスの話が一番面白かった。
あんまり作者のことは知らなかったけれど、熱海事件をこの小説によって知り、
調べてさらに話に上手く取り込んでいるなと思いました。
ライトなミステリーを読みたい気分の時にちょうど良い作品。
Posted by ブクログ
先日「私はチクワに殺されます」を読んで大変面白かったので、著者の他の作品も読みたくなり手に取りました。
本作も期待通りの面白さでした!
太宰治の走れメロスを知らない人はいないと思います。
本作はその走れメロスの物語です。
ちゃんと原作通りの流れなのに、合間に殺人事件が起こってそれをメロスが解決していくというお話にびっくりw
こんな発想はどこから思いつくのでしょうかww
著者のセンスが本当に好きです!
要所で太宰治作品のオマージュ的な表現が出てくるのも楽しかったです。
ただし、走れメロスの内容を覚えている上で本作を読まないと面白さは半減します。
また、太宰治作品の有名どころを押さえた上で読んだ方が良い作品でもあります。
Posted by ブクログ
かの名作『走れメロス』を基に、その間に殺人事件が起きメロスが解決するというストーリー。メロスのストーリーを崩さずに、かつ当時の歴史的背景を混ぜながらミステリーとしても成立していてとても面白かったです。
教科書で読んでいた時の雰囲気とは全く違う、コメディ色強めでおバカなメロスが楽しめる、不思議な作品で新しい読書体験でした。
Posted by ブクログ
罪に問われたメロスに与えられた猶予は3日。その間に故郷に帰って妹に婚礼を挙げさせ、再び都に戻ってこなければならない。もし戻れなければメロスの身代わりとして囚われの身となった親友の生命はない。
メロスは全力で駆けようとするが……。
ドイツの詩人シラーの詩と古伝説を元にして書かれた太宰治の名作『走れメロス』のパロディミステリー。
◇
メロスは激怒した。ただしその怒りは、不甲斐ない自分に対してである。
昨夜、首都シラクスを発ったメロスは、故郷までの10里の路のりを一睡もせずに駆け続けている。3日のうちに再びシラクスに戻らなければ、セリヌンティウスの生命はないからだ。
メロスは単純な男であった。
義憤にかられ、かの邪智暴虐の王に天誅を加えんと王宮に乗り込んだメロスだったが、警吏たちに阻まれてあえなく捕らわれてしまった。
処刑されようとするメロスに3日間の猶予を与えてくれたのは、身代わりとして人質を買って出たセリヌンティウスである。
かくて今、彼の信頼と友情に応えるべく、メロスは故郷の村を目指し駆けているというわけだった。
「不甲斐ない。なんと不甲斐ないのだ」
走りながらおのが行動を振り返り、メロスはつぶやく。
怒りに任せて正面から王宮に突入してしまった自身の知恵のなさを恥じ、立ちはだかる全ての警吏どもを殴り倒すだけのフィジカルを有さないおのれの不甲斐なさを悔やんだ。
されど、王を亡き者にしようとしたことについては、正義に則った行いであると信じて疑わなかったのである。 ( 第1話「メロスは推理した」) ※全5話。
* * * * *
『私はチクワに殺されます』同様、荒唐無稽なミステリーですが、本作はさらに笑える要素が盛りだくさんでした。
その1つが、ロードムービー仕立てのストーリーです。
妹の婚礼をさっさと済ませて都に戻ろうとしたメロスでしたが、行く先々で殺人事件に巻き込まれてしまいます。しかも行き掛かり上、メロス自ら事件の真相を解き明かさねばならなくなったのでした。
メロスは元来、複雑な思考が苦手です。だから、故郷の村で起きた事件ではトンチンカンな推理しかできず、腕力で解決しようとして却って窮地に陥ったりしました。
そんなメロスが、新たな事件に遭遇するたびに、少しずつ推理スキルが上がっていきます。その成長過程がおもしろいのですが、同時にメロスの推理と謎解きこそが、ミステリー小説としての本作を支えているのでした。
2つ目は、パロディ性の高さです。
本作は、『走れメロス』の文体を踏襲しているばかりか、原作中の表現そのものも随所に散りばめられています。だから読み覚えがあるのに、内容がコミカルすぎて吹き出さずにはいられません。
もちろん、おのれの身代わりとなった親友を救うべく、メロスが処刑されるのを承知で都への帰還を急ぐという本筋からあの感動的なラストシーンに至るまでの基本線はきちんと守られているため、完全パロディとしてのおもしろみを醸していることも大きいと思います。
3つ目は、五条さんのおフザケ度合いの心地よさです。
まず登場人物の名前が楽しい。
例えば故郷の村。メロスの妹の名がイモートア、その花婿がムコスで舅がギフス。笛吹き男はフエニス。
シラクスの王宮で、何者かに斬殺された門衛がキラレテシス。犯人とおぼしき不審者を見かけた門衛がミタンデス。
道中の山道で、メロスの行く手を阻む山賊たち。首領はゾクノボスで子分はアヤシスにイブカシス。そして何者かに撲殺された山賊の男はダボクデシスで、殺した男は……。 ( 当ててみてください )
このように、その役柄がとてもわかりやすい名前になっていて、五条さんの親切心と茶目っ気が伺えます。
また川越えの場面も見逃せません。ここでメロスが遭遇する事件に関わってくるのが、オサムスやカズオウス、さらにイブセマスなど、明らかに太宰治や檀一雄、井伏鱒二だろうと思われる人物たちで、彼らの言動がまた傑作です。ぜひお楽しみに!
その他には、哲人プラトンや邪智暴虐のディオニス王の末路など、史実をうまく踏まえた展開の仕方には、五条さんのこだわりを感じることもできます。
「熱い男」を通り越して「暑苦しい男」になってしまっているメロスですが、その方が「政治がわからぬ。哲学もわからぬ。数学も科学もわからぬが、邪悪には敏感」であるという設定にピッタリに思えました。
単純明快な好漢メロスの勇姿。存分に堪能できるコメディです。
Posted by ブクログ
名前がとにかく面白い。
ギフス、ギボア、ミタンデス、キラレテシスにダボクデシス…もうそれら名前が出てくるたび「んふっ」ってなっちゃって、メロスの推理なんか入ってこない。
名は体を表す。〜すなわち、これは、叙述トリックである。…いや、なんか違ぇw
Posted by ブクログ
走れメロスのパロディ小説。
暴君ディオニス王に捕まったメロスが親友のセリヌンティウスを人質にして故郷の村に戻り、妹の結婚式を見届け、約束を守って3日間のうちに戻ってくるという、原作のストーリーに沿いつつ、その道中様々な殺人事件に巻き込まれ、事件を解決しながら都を目指す、タイトル通りの本。
なんかもう全体的にくだらなくて面白かった!!
「私はチクワに殺されます」よりネタに全振りのこっちの方が好き。
メロスが脳筋フィジカルモンスターで笑う。適当すぎるネーミングも面白い。妹が「イモートア」婿が「ムコス」切られて死んだ「キラレテシス」目撃者「ミタンデス」山賊のボスは「ゾクノボス」…「ダボクデシス」の死因は言わずもがな。
ネタに走りつつも一つ一つの事件はちゃんとミステリで楽しめました。
Posted by ブクログ
原作を元に、面白くユーモアを交えて膨らました作品。素晴らしい。読みやすく面白い。センスの良さを感じる。ここまで膨らます想像力がすごい。キャラクターが生き生きしている。作者の別の作品も読んでみたい。
でもセリヌンティウスが牢獄に囚われていなかったというのはピンとこず。
Posted by ブクログ
パロディ系コメディ本でした。
コメディが苦手なのに手に取ってしまった本。
笑わそうとしてくるたびにこれはどう言う意味?
これは笑わそうとしているのか?
と自分が考察してしまってなかなか読み進めるのが苦行でした。
正直爆笑必至!って書いてたけど、私が笑いに疎いせいで笑う要素がわかりませんでした。
そもそもメロスの元の話すら知らないのになぜ手に取ったのかこの苦行の2週間後悔していました...
けど、話の構成はとても素晴らしく、調べたところのメロスの話にとても忠実なのと。
登場人物の名前のセンスに関してはピカイチでした。素晴らしい。
自分の好みな話ではなかったと言う思いとこのしんどかった2週間を考える⭐︎3にさせていただきました。
教養があり、かつ笑いのノリについていけたらもっと面白く読めたのではないかと思います。
とても話は良かったですが、私とは相性が悪かったです...ごめんなさい...
Posted by ブクログ
走れメロスのストーリーをベースに、メロスが足を止める先々で起こる殺人事件をやむなく解決せざるをえず、セリヌンティウスとの約束を守るべく走るメロスの話。とても読みやすいストーリーと登場人物名が適当かつわかりやすく、カタカナ名あるあるの誰だっけこれにならずに読めたのがよかった。
Posted by ブクログ
走っている最中に様々な事件に巻き込まれるメロスのお話。オチが幻ってww事件解決も甘くない?
壁壊して直す密室とか、石像のフリしてアリバイつくりとか
Posted by ブクログ
Audibleにて。
ナレーションの方の間の取り方や声色の変え方も合わさって、コメディドラマを見ているような感覚でした。途中で何度も笑ってしまいました。面白かったです。
Posted by ブクログ
誰もが知ってる「走れメロス」。
その話の中で実はこんな事件が…というスピンオフ的なストーリー。「走れメロス」自体を読んだのはもう大分昔の話ですが、まさにメロスってそう!こんなキャラ!って感じで事件に巻き込まれ解決していきます。
脇キャラたちも目撃者は「ミタンデス」とか、妹の結構相手は「ムコス」とか思わずクスッと笑ってしまう。トリック自体は単純なものが多いのでストーリーを楽しむ本だと思います。
Posted by ブクログ
タイトルから衝動買いをしてしまった。過去にむか死シリーズを読んで面白かった経験が後押ししてくれた。
むか死シリーズと書いておきながら、赤ずきんシリーズに似ている気がしました。戻らなければならないメロスが何故か殺人事件に巻き込まれる。探偵の如く鮮やかに速やかに解決できるわけではなくいつも間違える。おっちょこちょいな可愛さが感じられれば良かったですが、どうも屈強な男で乱暴な気質があるようでした。
登場する人達の名前がハッキリと分かりやすくなっていました。少々安易な印象はありますがカタカナ名が不得意な質な者には優しさに感じました。