小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
明るい空にいたのが、モルヒネや父親で
夜空の星が モルヒネの妹・真柴・早見ちゃん
異なる価値観をもつ3人が、各々必死に生きてるからこそ輝くストーリーで、
読者としては浮き上がってくるこの輝きによって、
価値観の違いを体感したんだけど、、、
結局どの星も孤独で、、、
そのバトルを見てるのが、月であるガムくん
って感じかなぁ
抽象画を見てるみたいで、ここまで物語として落とし込めているのをすごいと思った
著者は、周りにゴロゴロと転がるものをこんなにも素材とさせて本気で物語と向き合い、だからこの作品も生まれたんだろうなって
若さを本気で生きているであろう著者を想って、羨ましくなる -
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Posted by ブクログ
エッセイを読むことって、大切に想える人ができる過程とよく似ている気がする。
「気になる人」からスタートして書店で本を手に取り、読んでいくなかで、その人のかっこ悪い部分や好きだなという部分を見つけて、最終的に全部ひっくるめて愛おしいなと思える。
燃え殻さんのエッセイを読む人は、皆んな、燃え殻さんが好きになるはず。
彼は、なかなか人に言えないような、自分のかっこ悪い部分も包み隠さず、実直に文章にのせている。
最初は「どうしょうもない人だなぁ」と思います。で、ページをめくり続け、読み終わった後も、やっぱり「どうしょうもない人だなぁ」と思う。
だけど、ニュアンスが全く違っていて、愛おしさがこもった -
Posted by ブクログ
序盤では、どこか不気味な印象を与えていた「熟柿」という言葉が、物語の終盤で「待っていれば、いつか機会は訪れる」という作品の核心を象徴する表現として再び現れえ締めくくる構成がとても美しかった。
物語を通して、かおりさんの境遇はあまりにも過酷で、読んでいて胸が苦しくなった。罪を犯したとはいえ、償いを終えた人が、ここまで社会の中で生きづらさを背負い続けなければならないのかと、やるせない気持ちになる。一方で、元夫の衝撃的な発言には強い怒りを覚えた。同じ罪を抱えながらも、子どもの成長をそばで見守れた人と、それが許されなかった人。その違いによって生まれる埋めがたい隔たりに、理不尽さを感じずにはいられなかっ -
Posted by ブクログ
静かで、美しく、柔らかな光に灯されたような文章。
著者の作品には実は触れたことがなく、装丁の良さと言葉では表せない自分の直感で手に取った1冊だったが、とても大切な書となった。
帯分で強調されているような「英語と日本語を行き来する英語母語話者の作家」だから描くことのできる英語と日本語の差異、が綿密に記されている訳ではない、と私は感じた。ここにあるのは、言葉と世界に対して心を開き、言葉のもどかしさと世界の圧倒的存在の狭間で往生する著者の、繊細で知的な観察日記、のように思える。勿論、彼が英語と日本語の二言語と触れているからこそ見えやすくなる情景もあるのだが、日本語しか話すことのできない日本語母語