あらすじ
大ヒット!三ツ矢&田所刑事シリーズ第3弾!
中野区のマンションの一室で若い女性が頭部を殴打され、意識不明の状態で発見される。永澤美衣紗という名の彼女はシングルマザーで、生後十ヵ月の娘、しずくは連れ去られる。現場には「私は人殺しです。」と書かれた便箋が残されていた。
時は遡り、90年代初頭。北海道の鐘尻島では巨大リゾート「リンリン村」の建設が頓挫し、老舗料亭「帰楽亭」の息子、小寺陽介は将来に不安を感じていた。多額の借金をして別邸を建てた父は大丈夫なのか。そんな折、リンリン村の鉄塔で首つり死体が発見される。
バブルに翻弄される北海道の離島と現在の東京。
二点を貫く事件の驚くべき真相とは。
大ベストセラー!
『あの日、君は何をした』『彼女が最後に見たものは』に続く、三ツ矢&田所刑事シリーズ第3弾。
抗えぬ生と死を圧倒的なスケールで描く、著者の最高到達点。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「わからない」をトコトン捜査し、あらゆる可能性を排除しない男、みたび。
500ページ超えてましたが、まさきさんの読みやすい文章力と、展開力の良さで没頭した読書時間でした。全く関わりそうのない二つの事件が並行して描かれるので、最初はごちゃごちゃしますが、話が進むにつれて、ガチッとからんでいきます。
ただタイトルを忘れていました。
『あなたが殺したのは誰』。
えっ!誰?
「あなたを」ではなく、「あなたが」なんですよね。
ラスト3部の後半の疾走感はすばらしい。
2転3転する後半は、やはりまさきとしかさんですね。油断してたわー!って。
みんな呪いにかかったような辛い人生にみえますが、やはり毒親達の言動は理解に苦しい。
親子愛、とくに母親の愛のカタチを描いてきたシリーズでしたが、今回は毒だわ。
ほぼ救いようがない。光明もみえない。
ああああっーー!って感じですね。
田所・三ツ矢名コンビは熟成してきてますね。
田所のツッコミはクセになってまいりました。
続編が出るといいですねぇ。
Posted by ブクログ
次から次へと死人が出る鐘尻島。まるで「呪い」があるかと思わされるほどの悲劇的で救われない展開で、暗い気持ちにさせられる。そこには、各登場人物が目の前の人を救えなかった後悔とやり切れなさがついてくる。そんな感情移入をさせられるような描写がまた良い。
その呪いのような悲劇は、三ツ矢、岳斗タッグが関係者の言動を解いていくと、想像もしていなかった真相が明らかになっていく。誰が悲劇の始まりを起こしたのか、誰が一番悪いのか…そんな価値観も壊され、わからなくなっていくところに、もどかしさを感じながら読み進めた。
受け手の憶測が織りなす悲劇の連鎖の物語にやりきれない想いで、始終重くてどんよりとした気分になったが、それがまた感情を動かすような、良い読書体験だったと思えている。
本シリーズの凸凹コンビ、三ツ矢、岳斗の距離感も縮まり、第六感で通じ合うような、関係性が深まり……いやーエモかった〜!ほんとにこの2人が大好き。重い展開も2人を見ていて中和された部分もあったり。まだまだ続編を楽しみにしています!
Posted by ブクログ
三ツ矢&田所刑事第三弾!とはいえ、私はこの作品から入ったので、1&2弾は後ほど読むこととする。
北海道の離島、鐘尻島でバブル時代に大規模リゾート開発がなされるはずだったが、バブルとともに計画は中止。そのために人生設計を狂わされた島民たちの物語。
Posted by ブクログ
中野で起きたシングルマザー殺人事件と、30年前の北海道の小さな島での不審な事件の数々
一見まったく関係のなさそうなふたつのエピソードが、後半で交わるだけでなく、想像もつかなかった展開に終始どきどきしっぱなしでした
島の不穏な空気の描写や、母娘の愛憎劇はさすがとしか言えません
面白かったです
Posted by ブクログ
過去と現在のストーリーが同時に進んで、読んでいてどんどん先が気になる。
(少しストーリーを詰め込みすぎな感じもするけど…)
それにしても自分勝手な人ばかり登場する 笑
結唯の母がうちの母と似ていて、読んでいてちょっとしんどかったな。
三ツ矢さんは好きだけど、岳斗が子供っぽいのがいまいちなんだよなー。
ぜひ本庁勤務のバディとなって続編が読みたい。
Posted by ブクログ
まさきさんの三部作、コンプリート!
この作品は少し構成にひねりがあったかな。
4作目も全然ありそうだけど笑。
その間に積読を少しでもやっつけよう!
ご一読をお勧めします。
Posted by ブクログ
現在の東京での事件と、過去の北海道での出来事が交互に描かれて進んでいく。どこで過去の話が絡んでくるのかずっと気になりながら読み進めました。
最後は「え!?違ったの?」となりました。
前2作の話を全く思い出せないので、どこかのタイミングで再読しようかなと思います。
Posted by ブクログ
警視庁捜査1課に異彩を放つ刑事がいる。三ツ矢秀平。殺人犯捜査第5係。
痩せてひ弱そうな身体。微笑みにも悲嘆にも見える細い目と口もと。癖毛で額が隠れるほど伸びた前髪。警官というよりは学者のような風情だ。
そして、図抜けた洞察力と記憶力を持ち、納得いくまで考え抜くという三ツ矢のスタイルから、人は彼を「パスカル」と呼ぶ。シリーズ3作目。
◇
中野区東中野のマンションで女性が血を流して倒れているという通報を受け、戸塚署の田所岳斗が先輩刑事の池と現場に駆けつけたのは、3月5日午前10時過ぎだった。
通報した宅配業者から事情を聴き取り、鑑識到着まで現場を見て回った岳斗は、菓子の入ったカゴと壁の隙間に落ちていた便箋に気づいた。便箋には「私は人殺しです。五十嵐善男」と書かれていた。
一方、奥の部屋に足を踏み入れた池の目に入ったのは、乳児のものと見られる衣類とその向こうに置かれたベビーベッド。だが、肝心の乳児の姿はどこにもなく……。 ( 第1部「彼を殺したのは誰」第1章 ) ※全3部21章。
* * * * *
1章の状況から、行方不明になった乳児の出生に絡んだストーリーだろうとまず見当をつけました。続く2章で30年前に話が遡り、舞台も北海道の離島に変わったのも、乳児の ( 殺された ) 母親か祖父母を描くためだと思ったのですが、どちらも大ハズレ。もっと壮大なストーリーだったのです。
僻地離島の閉塞感や閉鎖性、バブル景気崩壊のツケ、ホスト依存。その他いろいろな社会問題が盛り込まれ、胃のあたりが重くなるような状況で起こった事件が描かれます。
しかも、岳斗と三ツ矢が捜査する殺人事件と、30年前の北海道鐘尻島での悲劇とが並行して展開していくので、読み続けるのがなかなかしんどい。 ( 思えばまさきとしかさんの作品には、こういう展開が多い気がします。)
そんな重苦しさを緩和してくれるのが、三ツ矢の緻密な推理と綿密な捜査。そして岳斗の好感の持てる「めめしさ」です。
ただし、本作はこれまでとは少し趣を異にしていました。
まず三ツ矢の超人的な捜査能力について。
例えば、第1作『あの日、君は何をした』の三ツ矢は秀でた観察力や洞察力を見せてはいましたが、どちらかというとガリレオ湯川のようなひらめきにも似た感じでした。
けれど本作では、きちんと可能性をたどるべく捜査や検証を綿密に行うために時間をかけています。
また、うっかり見逃しがちな細い糸に気づき、それを手繰り寄せる手腕にしても、不自然なことをきちんと確認するという地道な作業のなせる業であることが描かれています。
( それらのことは狂言回しの役割を担う田所岳斗の目を通して語られます。)
次に岳斗の「めめしさ」について。
第1作では、気づきや考えを共有しようとしない三ツ矢に対する反発が先に立っていた岳斗。第2作では、三ツ矢に敬服しつつも、自分に関心を向けてくれない ( ように見える ) 三ツ矢に対して拗ねてみたりしていました。
そして本作。
三ツ矢に認めて欲しい。三ツ矢に褒めてもらいたい。相棒として少しは三ツ矢から頼りにされたい。強くなる承認欲求。
そっけない三ツ矢に拗ねる焦れる。まるで恋する乙女のような岳斗。極めつけが「三ツ矢さん、もう!」です。
三ツ矢の上司である切越から「パスカルに似てきた」と言われ、さらに本庁捜1に来てパスカルと組むかと提案されて子犬のように喜びを爆発させる岳斗は、紛れもなく癒し系キャラになっていました。
その切越の提案通り、岳斗が所轄から本庁に引っ張られ捜1の新部署で三ツ矢の相棒に抜擢されて迎える(であろう) 次作。すごく楽しみです。
匿名
純粋で家族思いの少年が、ある嘘のせいで人生が狂ってしまう。可哀想で胸が苦しかった。もっと早く真実がわかっていたら助かる人達がいたのに、人の嘘で苦しむ人がいる。絶対に大事な事は、自分の目で見て真実を確かめなくてはいけないと思いました。
Posted by ブクログ
誰も幸せにならない結末。
時代も場所も違う物語がどうやって交わっていくのかが見どころだった。
三ツ矢と田所のやりとり、というか田所の乙女っぷりが唯一の癒し。
面白かった。
Posted by ブクログ
2つのストーリーがどう関係してるのか?が知りたくてひたすら読み続けた。
関係性がわかった時、面白さが増した。
さらにどんでん返しでは 思い込み?勘違い?で悲劇が繰り返されたとわかった時は すごいストーリーだなと思いました。
ただ、この常盤結唯の子供時代が不憫でならない。
Posted by ブクログ
読みやすくて面白かった。最後まで騙され(?)た。
最後までイヤ〜〜な気持ちになって終わるけどそこも良い。
ゆいちゃんとお母さんのやり取りは読んでて苦しかったなあ、、
Posted by ブクログ
よくこんな悲しい話を思いつくな、驚きと尊敬が一緒にくる。
まさき氏の描く母親はどうしてこんなに一途なんだろう?そして重いの?
これは第3部だが、まだまだ続いていきそうでうれしい。
Posted by ブクログ
長い長いふたつのストーリーが交互に進んでいき、やがてつながっていきます。
親という存在に縛られ、そして強く翻弄されていく切ない話でした。
暗く重いですが、岳斗の素直さとパスカルへの憧れが、スパイスみたいになっています。
Posted by ブクログ
今回も良かった
交互に昔の島と今の事件が描かれる
誰が事件に関わっているのかわからなかったけど
わかった瞬間に色々バーっとわかっておもしろい
被害者は本当に気の毒
どんどんこの2人のシリーズが読みたい
Posted by ブクログ
90年代の鐘尻島の描写が良かった。
寒々しい雰囲気が目に浮かぶようだった。
刑事目線で最後まで謎解きがされるのかと思いきや、殺人シーンは犯人目線で書かれるのかと驚いた。
読み手として殺人に至る動機なんかがわかりやすくて良かったかも。
Posted by ブクログ
前二作と同様に二人の絡みが面白い(笑)。
初めは全然共通点がなかったのに,終盤でノーマークだった人物達が二つの物語を繋ぎ合わせ、予想外の展開が待っていた。
解説で杉江松恋さんが語っている“本作で意図的に用いられているのは偶然と勘違いの要素である。限られた世界で生きている人間には知りえることに限界があるし、自分が見聞きしたと思い込んでいる中にも誤りが入りこむ。そうした人間の不完全さが重なり合って大きな悲劇が形成されていくという物語なのである。いきなりやってくるように見える破局は、実はじわじわと日常の中に忍び込んできていたことが後から判明する。自分がそれを見逃してしまっていたと気づいた人間の衝撃、悔恨を描くことが小説の中では一つの柱になっている。”という言葉が印象に残った。
自分の見聞きしたものだけで物事を判断すると、どこかで間違った解釈・行動をとってしまう可能性がある。そうならないために、自分の見聞きした情報や固定概念に執着されるべきでないと感じた。
Posted by ブクログ
三ツ矢&田所シリーズのことは知らないまま読んだが、題材が好きだった
最初は呪いとか言うからオカルト系かと思ってたけど、あとから徐々につながってきておもしろかった!
強いて言えば、もうちょっと解明したかった感は残ってるかな
子どもだろうなと思ってたのにまさかの期待の裏切り、、これ登場人物で報われる人っているのか…?
Posted by ブクログ
3作目となるこの作品もしっかり構成されていて、とても面白かったです。
現在と過去を行ったり来たりするのですが、全く関連性の無いような2つの世界線が一つに繋がる所は相変わらず凄いなぁと感心してしまいます。
すっかりお馴染みになった2人の刑事の関係も少しずつ進展してるのが、また良かったです。
どんどん面白くなっていくこのシリーズの次回作に期待せざるを得ないです。
Posted by ブクログ
今回のシリーズも2つの話が同時進行で中盤でつながってくる。ストーリーは少し重苦しい。けどおもしろい。ストーリーは深みがあったが事件の真実が少しガックリ。誰も幸せにならないなんて。
Posted by ブクログ
三ツ矢&田所刑事シリーズ第3弾!
今回も田所さんが三ツ矢さんに振り回されてクスッとなりましたが、二人の距離が近くなって嬉しいです。
時代が違う2つの物語が、どのように繋がって行くのか考えながら読んでいました。
後半で明らかになっていき、どんでん返しや付箋の回収ありで、スッキリしました。
ただ、誰も幸せではないな~。
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。ようやく読めた。
面白かった。
交錯する過去と未来。
いろいろな点が散りばめられていて、これがどう繋がっていくのかワクワクしながら読んだ。
ただ、結末は少し弱かったなぁという気がしたのと、登場人物も多いので頭を整理するのに時間がかかった。
だけど、三ツ矢と岳斗のキャラ設定は見事だし、文章の引き込み方はさすがだなぁと。
Posted by ブクログ
面白かった。2つの時代が交差していくのがいつだろうって待ちきれなくなって一気読み。
殺した人、殺した相手がそれぞれ同一犯なのか、別の誰かなのかがわかりそうでわからない感じがいい。答えが突然明示されたかと思えば、やっぱり違ったみたいな。
意表をつく感じで種明かしがされるからページを進む手がとまらなかった。
Posted by ブクログ
三ツ矢&田所シリーズ第3弾!北海道鐘尻島と東京を30年越しに2人が結びつける鮮かな伏線回収劇。三ツ矢刑事の「関係あるかどうかわかりません。ですから確認したいと思っています」このマインドすごく共感。
Posted by ブクログ
3つの事件がら全く別物だと思ってたらまさかと繋がりがあって、それが別の話のことと時間軸が違っててこれはやばい頭が柔らかくなった気になりそう
Posted by ブクログ
三ツ矢と田所のコンビの掛け合いが好きで、このシリーズ追いかけています
田所が、いい味を出しているんですよね
未読の方で興味を持たれたら、どこから読んでも大丈夫ですが、『あの日、君は何をした』からやはり読んでもらいたいなと思います
悲しい親子の物語だけれど、確かな繋がりも感じられたりする
ボタンをひとつかけちがえただけ
それを直せる人と直せなかった人、そこにどんな違いがあるのだろう
思い込みや先入観
そういったものに囚われたくないと思いつつ、いつの間にか嵌っている
Posted by ブクログ
この作者の作品は初めて読んだ。
三ツ矢と田所のバディは、どうなんだろう。
田所のくだけた語り口などが親しみやすく、ストーリーも読みやすかった。
バブル期の鐘尻島での事件と、現代の東京での殺人事件が、並列的にずっと描かれる。
一体、これらがどう結びついて、どんな結末を迎えるのかと考えながら、面白く読み進められた。
結末は、そうか、なるほどそう結びついていくのね!って感じです。
全然つまらなくはなく、佳作といった感じでしょうか?
っていうか、これシリーズの3作目だったんですね。でも、まあ、あえて1作目、2作目をあらためて読もうとまでは思わなかったけど。
個人的には、三ツ矢がもっと終盤は切れ味鋭い推理で事件解明して欲しかった、
キャラ的には面白いけど、ちょっとじみ過ぎた。
Posted by ブクログ
三ツ矢&田所掲示のシリーズ3弾。
正直、前2作は読んだ気がするけれど、覚えていない…。
最近?本当に読んだ本をほとんど覚えていない。
途中まで読んであー読んだことはあるはならまだマシな方で、読み終わってから、あれ?コレ読んでたやん。って気づくこともある。
なんともまぁ…。
今作は、過去と現在と繋がりのある事件。
読みながらどこで繋がっていくのだろうと気にしながら読んで、そういう展開にするのかと面白く読めた。
まさきさんが書かれているこの三作は、タイトルが妙に気を引くよねと個人的に。
Posted by ブクログ
いや~長かったなあ。様々な人が出てきて人間関係を把握するのが大変でした。現在と過去を行ったり来たりするのでそれも読みづらかった。北海道の事件と東京の事件との関係が分かるまでも時間がかかりました。その関係性に主人公が気づくきっかけはほんとひょんなことがきっかけだったがほんとにこんなことで気づけるのかなあ。都会から離れた地方ってこういう閉鎖的なところってあるよなあと思いながら読み進めました。 この本の中心となる殺人は何の意味があったのか虚しくなります。
Posted by ブクログ
やはり面白かった。読んでいる最中はとても面白いのに最後の最後で、あーそうなのかーってなってしまうのは何故だろう。シリーズの3作ともそんな感じ。でもやはり面白いので、4作目があったら必ず読みます!
話の流れがテンポ良く興味深く読み進められる作品です。