あらすじ
宮崎あおい×向井理主演映画化原作。
夫の名は無辜歩(むこ・あゆむ)、妻の名は妻利愛子(つまり・あいこ)。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会からやってきた若夫婦が、田舎暮らしを始める。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりゆっくりとその年の冬まで進んでいき、「ある出来事」を機にムコがツマを残して東京へ向かう。それは背中の大きな鳥に纏わる出来事に導かれてのものだった。
「いつかこの小説のツマを演じてみたいです」という帯コメントを寄せいただいた宮崎あおいさん、雑誌「ダ・ヴィンチ」でのオススメの一冊として紹介していただいた向井理さんの二人が主演となる映画化も決定(2013年公開)。
(底本 2008年3月発行作品)
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Posted by ブクログ
途中までは、読みにくい本だな、と思った。
途中から、色々考えた。ジャンルを問わず、本当に、いろいろ。
子どもを産むか産まないか。
子どもは大好きだし、私は自分にとって自分が1番の親友だと思ってるくらいには自己愛あるから自分遺伝子の入った人間がどんなものか見たい気持ちもある。
でも、そんなほぼ期待に満ち溢れただけの気持ちで子を持つと、万が一何か障害を抱えていたりした時に生活の中でその子を憎んでしまうと思う。
だから、例えどんな子が産まれてもこの人との子どもが欲しいとか、この人となら乗り越えられるし乗り越えたいとか、そんな人と出会わない限り子どもを持とうとはしないと思う。
思いがけずに授かったりしたら話は別だけど。
責任の伴う行動となると途端に優柔不断になって二の足どころか百の足ぐらい踏んでしまう。この人でいいのかなというのが永遠に続く未来しか今は見えないゾ、、
子どもが欲しい、という気持ちはあるからもはや思いがけない出来事がドンと私を押してくれた方がいいのかもしれない、、?
"つよしよわし。漫才師を目指して大阪に行って、辛かったり悲しかったり恥ずかしかったり、それでも夢をかなえるために頑張って、敗れて、裏切られて、それでも懲りず、また誰かを笑わそうとしてる。"
"ツマさん言ったでしょ、大人になると、恥ずかしいことがたくさん起こる、て。今まではそれが嫌だったけど、僕ね、それを受け入れて行こうと思うんだ。恥ずかしいことって、かっこ悪いこととは全然違うんだね。僕、知らなかった。"
大人になるにつれて恥ずかしいことが増えるのはできて当たり前のハードルがあがって、こうするのが当たり前のレッテルが増えていくからだと思う。
それを恥ずかしいことだと感じないためには、もしくは恥ずかしいと感じても堂々といるためには、人に従ったハードルとレッテルではなく自分の中でのハードルとレッテルを作っては壊す作業が必要で、むしろそれで十分なのだと思った。
恋愛、恋慕、愛情、執着、依存、
混ざり合ってフクザツな味が出てくる、でもそういうものだよな
見てる世界が違うツマの世界を垣間見て悲しさに押しつぶされそうになるムコさん。支えきれない未来が脳裏をよぎり怖い、と感じるムコさん。
悲しい、怒り、悔やみ、喜び、
私は感情が数時間後、時には数日後に押し寄せる
それは一度は飲み込んで心のどこかで気づいてるのに気づかないフリ
泣くことができるのは安心できる場所でだけ。
泣けなくなったツマでまた気づいた。
大人になるにつれて、うまい"かわし方"を覚えるんだ。その場をキレイに流していくための。キレイな言葉を言ってキレイに笑う。
ふと疲れた時に、子どもに戻りたくなる。
ツマは大人になんてなりたくないのに、大人への道に強制修正されているような冬だったのだ。
水道屋さんを探すムコさんを見て腹を立てたツマは、きっとそんなムコさんに何もできない自分に腹を立てていたように感じた。
体は所詮、入れ物である。
私が初めて人間の死体(祖父)を見た時に1番に浮かんだ感想。
細部において著者と感性が似ているのだろうなと思った。
密集した東京、だからみな他人に無関心で過ごさないと心がもたない
じゃあなぜインドはそうじゃないの?
何事も、すべてはフクザツに入り混じってる
ムコが彼女に会いに行ったのはツマヘの愛を最終確認するため。
常に心の隅にあった悔やみを愛情と混同して今を見る目に翳りを加えてきた、それを取り払うために。
ツマにしてはたまったものじゃない工程だけれど、これこそ人と人が一緒に生きていく上での醍醐味だと思う。
たまには、前しか向かないことがいかに大事か。たまには、後ろにしっかり目を向けて向き合うことがいかに大事か。
自由に空をはばたくことをやめて、地で他の象とともに生きていくことを決めたきいろいゾウ
Posted by ブクログ
夫婦の愛ってこういうものなのかなと心が暖かくなり、結婚を間近に控えた今のタイミングで読めて良かったと思える本だった。
自然豊かな田舎で仲良く暮らす若夫婦、ツマとムコのほのぼのとした日常生活を描きながら、2人の過去に何か暗いものがあり、今もそれに引きずられていることも徐々に明らかになり物語にぐっと引き込まれた。
夏から秋、そして冬になるにつれて感じる物悲しい空気感の描写も相まって、ムコがツマから離れてしまうかもしれない予感が漂ってきたあたりからは、読んでいて苦しくなってしまい耐えられず小説の最後のページを読んでしまうという絶対にやってはいけないことをしてしまった笑
そして最後の一文、大きな文字で書かれたそれに安心して小説の残りを堪能した。
大切な人だからこそ、その人を失う恐怖を感じてしまうことが私にも度々ある。
夫婦になっても相手の全てを知ることも理解することもできないと感じて、やっぱり違う考えを持つ他人なんだと改めて感じることもあるだろう。
色々あったとしても、一緒にいることが暖かくて尊くて、なんて幸せなんだろうと思える夫婦になりたいなと思った。
きいろいゾウの絵本、きっと美しい絵本なんだろうなぁ。読んでみたいなぁ。
Posted by ブクログ
平木直子さんが暴力を振るってくる夫のことを、愛おしいと感じると言っていたのが衝撃だった。でも元々、暴力を振るってくるから愛してないといえるのか、暴力を振るわないから愛しているといえるのかとか、愛について疑問に感じていたからかなんだか納得した。
なにか自分に害を及ぼしてくる人だからといって、その人のことが必ずしも嫌いになるわけではないんだろうなと。その人なりの愛の形をみせてもらった。
読み終わった後に暖かい光が胸に広がってくようなそんな気持ちにさせてくれる作品。
解説の方の話もとても好きでした。
Posted by ブクログ
全く予備知識なく読んだので、最初はほんわかした夫婦の日常を切りとったような話かと思っていけれど、2人がそれぞれ抱える問題や葛藤が明らかになっていき、最後の方は物語に心が引き摺り込まれて本当に胸が痛む感覚でした。読み始めは関西弁の会話が気になりましたが、それによってムコさんの日記の温度の低さが強調されて、全体的に緊張感が増しています。この小説はかなり凄いと思いました。改めて著者は天才だと思いました。
Posted by ブクログ
登場人物みんながあらゆる形の愛を持っていて、あらゆるやり方で大好きな人を愛してる。それがほんまにあったかくて大好きな本。
これが愛、愛といえばこれなんてことは無くて、他人から見れば愛がないように見える二人にもそこにはその人なりの、その二人なりの愛があるわけで。自分が彼女にあげられる愛はなんやろなぁ、彼女がくれる愛はどんな形なんやろなぁなんて考えさせられる。
孤独で辛くなった時に助けてくれる僕の宝物。
Posted by ブクログ
ムコとツマ以外にも(犬や鳥も含めて)個性豊かなキャラクターがたくさん登場し、キャラとキャラ、出来事と出来事がどんどん繋がって大きなストーリーになっていって、最後までほぼぶっ通しで読み切ってしまった。各章の最初を飾る「きいろいゾウ」という童話をはじめ、月が全体のリズムを作っているようなお話で、物語が進むにつれて月の意味合いが大きくなっていくのも面白かった。
最初のうちは、ツマのキャラクターをなかなかつかめなかった。生き物の声が聞こえるという設定に「統合失調症か何かなのかな?」と勝手な解釈をしそうになったりもした。でもそれは間違いだった。ツマにだけ聞こえる声や、ムコの東京でのお話を含む数々のエピソードは、どんな夫婦にでも起こりうる小さなすれちがいを表しているだけだったのだ。少なくとも私にはそう見えた。
ムコが密かに(というわけでもないが)つけている日記には、ムコからツマへの静かで確かな愛情と、「ツマが遠くへ行ってしまう」のではないかという恐怖が感じられる。ムコが東京へ行くと決めたときのツマの反応もそうだ。どんなに仲のいい夫婦でも、ものの見方や感じ方は違う。赤の他人同士なのだから当然なのだけれど、わかり合えないもどかしさや苛立ちが「相手を失うのではないか」という恐怖に変わる感じは、私にもなんとなく分かる。諦めでなく恐怖に変わるところに、この二人のお互いへの愛の深さが見えるような気がした。
Posted by ブクログ
なんだろう…
読み始めたときは、ちょっと読みにくさすら感じたのに、読み終わる頃には終わることの寂しさすら感じる。不思議な読後感。
読み手によって評価は分かれそうですが、私は読んでよかったです。
Posted by ブクログ
しらかば園での催しが終わるまでは、ほんわかと楽しめた。
けれどその後はムコさんの勝手さに暗ーく嫌な感じが続いた。
ツマを失うのが怖いくせに、何故ツマに辛い想いをさせるのか。
ムコさんの想いや事情もあるけれど
女として私はツマの方の気持ちにしか納得出来なかった。
アレチさんの「わしは、セイカを、好いとる」はそんなムコさん関連の嫌な気持ちを変えてくれるぐらい良かった。
Posted by ブクログ
夫婦と言えど他人、だからこそ歩み寄る必要がある。様々な経験を経て絆を深めていく。
所々に挟まれるきいろいゾウと少女の話が良いアクセントになっている。後半にかけて盛り上がっていった印象。登校拒否の少年との話がお気に入り。面白かったです。
Posted by ブクログ
「月がきれいですね」(愛しています)という言葉でから始まる出会い。
すごくロマンティックな出会いから、ともに過ごす中でお互いの弱い部分に触れることで苦しみ、また葛藤しながら互いに受け入れていく姿が、静かに美しく希望に満ちていて本当にすきな物語でした。
映画化もされており、何度も観て、何度も読み返した大好きな一冊。
Posted by ブクログ
ジブリの世界にでてくるような田舎暮らしを頭に浮かべて読みました。ふわふわとした感じの生活からムコさんへの手紙から雲行きが怪しくなっていきます。西加奈子さんの文体がユニークで最後まで飽きずに読ませてもらいました。
Posted by ブクログ
忙しない毎日に疲れ、満たされない寂しさを感じていた今日この頃、たまたまこの本に出会いました。
ゆっくりゆっくり季節が移りかわりながら、毎日の朝ごはん、日常が奏でる音、におい、ぬくもり、なにかを愛する気持ち…小さくてシンプルで、それでいて私の目の前にもあるはずの幸せに浸りました
Posted by ブクログ
前半はまったり仲良い夫婦とその周りの人達。幸せだけど、お互いいつか相手がどこかへいってしまいそうで、怖い。
後半冬からムコさんに手紙が届き、昔の恋人からでその人を忘れようとムコさんは背中にカラフルな鳥の刺青を入れていた。
昔の恋人は結婚していて、障がいのある子が生まれた。死んだ。そのじょせいのこころをとりもどしたいとムコさんは夫に呼ばれた。背中を見せて、ツマを愛してますと言った。夫は君から逃げていたと泣いた。
墓に花をやるのはアレチさんだった。昔戦争で死んだ女の子のもの。
終盤、満月の光に覆われて音を立てて、これまでの台詞が繰り返されるのが読み手を誘う。
ツマ。あまり驚くことがあってはいけないよ。
必要なもの ぼくのつま
また二人の生活は続く。
Posted by ブクログ
たまーに「寂しい」と言う言葉が心に広がる時がある。
そんな時、私は「寂しさ探し」の旅に出る。
ほら、やっぱり私は寂しい人やと「寂しい」を証明する事実を見つけ出す。
そんな気分じゃない時は気にもかけないような事に光を当てて。
ほらっ!と自慢げに思う。
昔はこの事をなぜ行うのかが気になって仕方がなかった。
が、今では慣れたものでこのことに抗わなくなった。
しゃーない。私はそんな人だ。
西加奈子の「きいろいゾウ」を読んだ。
なんか元気な時の自分とそうでない時の自分の両方に出会った気がした。
Posted by ブクログ
最初の田舎暮らしの描写がすごく好きで、自分の好みにもフィットしていたんだけど、だんだんと見えてくる主人公「ツマ」のメンヘラのような、モラトリウムのような気質に少しイラッとしてしまい、私には合わないかも…?と思うときも多々あった。半分過ぎたくらいからは、良いシーンも沢山でてきて、やっぱり登場人物(特にアレチさんと駒井さん)の好感度もどんどん上がって、楽しい読書ができた。コソクやカンユ、メガデスと言った動物たちのキャラクターの描かれ方、そして植物や虫のキャラクターの描かれ方にはとても新鮮味を感じ、面白かった。
最後はツマもムコも成長する終わりで、気持ちよく読み終えられた。
でもやっぱり、個人的には「きりこについて」の方が好きだったかも。
Posted by ブクログ
ツマ視点の生活とムコの日記の二つの視点からなる小説。
読み進めていくうえで惹かれたのはツマという女性の眼と彼女自身。幼少期にはだれもが見ていたであろう創造(想像)の世界。ツマの見ているのは創造とは違うのだけれど、私からすると同じような非現実性、神秘性、儚さをもっていた。それは感受性の豊かさが生むのか子供時代の不思議な体験が作り出すのか。私にはわからない。けれど、彼女の見ていた景色が色鮮やかで、愛とか平和とかそういうのに富んでいて、そこに生きる話す動植物たちが彼女の温和で不思議で優しい魅力のある人物像につながったのは紛れもなく事実であると思う。
ツマ目線でずっと読み進めて来たために、アレチさんが過去の戦争体験を告白するシーン、またそれをツマが追体験するシーンでは思わず涙腺が緩んだ。どうにも知りようのない辛さ、悲しみを感じさせられると泣いてしまう。故に戦争だったり病気で誰かを失う話では、自分が知らないことだからこそ自分のこと以上に泣いてしまう。それが同情からなのか感情移入からなのかはわからない。
さっきからわからないことだらけだけど仕方がない、私の見てるそれとは大分違ったものがこの本には書かれていたから。
大地くんも魅力ある登場人物の一人。立場的に自分を置き換えるなら彼のポジションかなあ、と思う。何かに憧れて、でも恥をかくのが怖くて、大人にはなりたくないけど子供は嫌で、それでも憧れるからどうにかもがきたくて、自分は大地君よりもプライド専攻で生きてしまっているから、彼の姿から言葉から伝わってくるもの、尊敬することはたくさん。
9歳おそるべし。 素敵な物語
Posted by ブクログ
きいろいゾウは普通の灰色のゾウになることを選んだ!いいの?それで!?
飛べる能力を失ってでも平気に女の子と生きる道を選んじゃった。失わないと得れないものがあるってことかな。さようなら、ありがとう、そう言って次に進めるのかな。
Posted by ブクログ
西加奈子さんらしい、芸術的な話でした。登場人物の感受性が豊かすぎて、見える世界が広すぎて
、なんだかファンタジーを読んでる気にもなりました。一方、ほのぼのと進む日常の風景もとても魅力的で、登場人物に会ってみたくなりました。
Posted by ブクログ
夫の名前がムコで、妻の名前がツマという夫婦。
都会から田舎に移り住み、
その季節の移ろいの中での暮らしぶりを綴っていく小説。
やがて岐路に立つ、ムコとツマ。
著者・西加奈子さんの考える
「これがたぶん、いやきっと正しい生活」っていうのは、
僕にも「賛成!」と諸手をあげられるようなイメージです。
彼女の真正面性って本当に真正面だと僕は思う。
人それぞれに共通する「真正面への向き方」がここにあると思った。
複雑さを捨てて因数分解して出た「真正面へ向く姿勢」がある。
そういう精神が根底にあって描かれた世界のように僕は感じました。
ツマの文体、ムコの文体、
そしてクライマックスで盛り上がったときのそれぞれの文体とその密度。
書き分けと濃淡と。
総じて繊細ながらもあっけらかんとして、
そして著者の、
「エンタメとして、書き手の真剣さを感じさせないために用いた技巧や気遣いの中での、
読者の前から消し去って見せないでいる真剣さ」を感じました。
また、ちょっとネタバレになるかもしれないですが、
ツマさんの心が危うい感じになっていって、
でもクライマックスで起こる奇跡にシームレスに通ずるようにそれが繋がっていて、
あたかもそれは「もろ刃の刃」の負の面から見せられて、
そこから表にひる返して正の部分で終わるような感じがあって、
それでいてその紙一重さが出てるのがなお好かったです。
なかなかの長さの小説ですが、
読んでいると凝りがほぐれるようなところがありました。
好かったです。
Posted by ブクログ
『恥ずかしいことって、かっこ悪いこととは違うんだね。』という大地くんのセリフは、周りの目を気にしてしまう自分に刺さった。
それと同じように、何となく同じに見えて違うことはたくさんあるんだろうな。
ムコさんとツマが、ムコさんの好きだった女性とその夫が、相手の隠している部分に優しさで踏み込まなかったがゆえに、どんどん関係に溝が生まれてしまったように。
Posted by ブクログ
ムコさん
武辜歩。むこあゆむ。おじいちゃんが亡くなり、誰も住まないので住み着いた。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家。特別養護老人ホーム「しらかば園」の介護施設職員。
ツマ
妻利愛子。つまりあいこ。周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れる。
三崎
カンユ
野良犬。
足利盛雄
昔は近隣でも有数の水産会社を営んでいた。奥さんが亡くなり一気にボケた。
アレチマサル
荒地。お隣さん。
アレチセイカ
アレチの奥さん。
平野
芦田
駒井さんの奥さん
チャボや鶏を飼っている。もう一方のお隣さん。
コソク
駒井さんの家のチャボ。駒井家ではちーちゃんと呼ばれている。
駒井さん
脱サラ。昔は銀行のおえらいさんだった。趣味で木彫り細工をしている。
ないないちゃん
ムコの母の一番下の妹。なんでも無くす。近所の神社で首くくって死んだ。
妻鹿
ゴールデンレトリバーを連れたおじいさん。
メガデス
ゴールデンレトリバー。ユメ。
平木直子
しらかば園の新しい職員。
星野大地
駒井さんの孫。
洋子
CANDY POPと書かれたTシャツを着た女の子。ジェニー。平木直子の孫。
つぐみ
ヨル
下竹強
温泉地の下竹旅館の息子。漫才師「つよしよわし」。
栄田栄太
よはねそばのひとり息子。漫才師「つよしよわし」。
ムコの昔の恋人
ムコの昔の恋人の夫
Posted by ブクログ
小さな夫婦に起こった、小さな壁を描いているとても愛しい話だった。
「さくら」や「円卓」でも思ったが、西加奈子さんは思わずクスリと笑ってしまうような人々の会話を書くのが上手い。読んでると、この人は人のことが本当に好きなんだなぁ………と思える。
なんてことない、ただの暮らしている人たちが書かれているのだが読んでいるうちに私自身の大切で愛おしい人たち…という気持ちになった。
大地くんが魅力的な男の子すぎて大好き!
絵本のきいろいゾウのおはなしも良かったな…
Posted by ブクログ
ムコさんてツマさんの夫婦の話。
ツマさんの独特な世界を中心として物語は進んでいくのだけど、すごくフワフワしていてなんとも掴みどころがなかった。
ただ、ツマさんのような人は身近にもいて、長い間なんでこんな言動になるのか理解が理解できなかったけれど、この本を読んだことで思考回路が理解できた気がした。
もっとゆっくり生きることが、人生を豊かにするのかなと思った。
Posted by ブクログ
うーん、後半は雰囲気でかなり泣いてしまったのだが、私あんまり西加奈子得意ではないのかも…?
主人公?のツマが"わがままな不思議ちゃん"という感じであまり共感できなかった。
対してムコさんも、あまりにも"理解のある彼氏くん"という感じ
子供っぽく奔放な、そこいらの都会にいる女とは違うのだぞって感じなのかもだけど…
最後のお墓のエピソードもなんか突然だったな〜
確かに後半は登場人物に愛着も湧いていて色々悲しかったり良かったねって気持ちでうるうるはしたのだけど…
なんか言ってることもよく分からなかったり、雰囲気で押されてしまったな〜という感じ…
比喩表現が好きな人は好きだと思うけど、世の中でなぜこんなに評価されている小説なのかはいまいち分からなかった
Posted by ブクログ
小学生からおじいさん・おばあさん、さらには動物や植物まで、多様でクセの強い登場人物たちが織りなす、不思議な物語
かっこいい不登校の小学生・大地くんと、元漫才師のつよしよわしが、特にお気に入りです
Posted by ブクログ
東京から海辺の田舎町へ引っ越してきた夫婦のお話です。「むこさん」も「つま」も奇跡のように出会って結婚したけれど、田舎町でのんびり暮らすにしては過去やキャラクターに一癖のある2人。それでも過去を顧みながらお互いを選びきった2人はこれからも波乱を乗り越えられるんだと感じました。
Posted by ブクログ
田舎にやってきた都会の夫婦、武辜歩と妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う。「ムコさん」には背中に鳥の刺青が、「ツマ」は動植物と会話することができる。しかし、お互いそのことについて詳しくは知らなかった。ツマ主体の物語だが、ムコの日記が書かれていて互いの感じ方に違いがあることが分かる。田舎で生活していく中で徐々にお互いについて知っていく。いろいろ大変なことはあるが、夫婦で乗り越えられないことはない、と教えてくれる温かい作品。
Posted by ブクログ
前半は日常の何でもない話
何でもなさすぎてつまらなくて斜め読みしてた
あるきっかけから物語が急に進みだす
これは一周読むだけでは理解しきれない深い話だと思った
「大切な人と一緒に住むことが大人のダイゴミ」
なんか素敵な言葉だなあと思った
Posted by ブクログ
穏やかで笑いのある暮らしの一方で、皆それぞれが何かを抱えていた。それに不安を感じた。でも各々が変わっていくのが嬉しかった。夫婦って様々な形があるんだろうけど、ツマとムコは全てを互いに話さずともずっと続いていくんだろう。出てくる人物皆のことが好きになった。