【感想・ネタバレ】〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学のレビュー

あらすじ

物語の中の〈弱さ〉が、読む人の心に火を灯す

どの作品も、〈弱さ〉を正面から描いているから――。著者が数々の作品の翻訳を手掛けるなかで、「なぜ韓国現代文学に魅せられるのか」を自らに問い、深く考えてたどり着いたのが、この答えでした。〈弱さ〉とは、自らの意志とは関係なく選択肢を奪われた状態のこと。その視点で、『82年生まれ、キム・ジヨン』をはじめとする多彩な13の作品を読み解きながら、そのメッセージを探り、魅力を掘り下げます。一つひとつの物語を丁寧にたどっていくと、この暴力的な現代社会を生きるための道が照らし出されるはずです。

2023年1月~3月にNHKラジオ第1「カルチャーラジオ 文学の時間」で放送された同名の講座の待望の書籍化!

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Posted by ブクログ

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現場があり、肉体という物理的制約があるエッセンシャル・ワーカーはそうはいかない。本当にくらしに必要な仕事ほど、一気に多くの人を相手にできない。

大事なことだが、「社会的価値の高さ」と「給料の高さ」はなんの関係もない。その仕事がどれだけ世の中を支えているかは、給料に反映されない。給料は粗利率の高さや稀少性など他の要素によって決まる。労働市場の大きな欠点の1つはここにある。
井上慎平(2025)、弱さ考、ダイヤモンド社
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自分が、「生産性を上げる」ことを考え実践することにやりがいを感じるのは、現場があり物理的制約がある業務の一人当たりの人件費を高めることに貢献できるからだったりする。(経営学ってそのために使う道具だという信念がある)そういうことに没頭してただけに、その機会を奪われたことの喪失感は未だに埋められてはいない。
「弱さ考」を読んで再確認したことは、その「喪失感」があるからこそ、言えることできることもあるということ。

#備忘録

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2025年05月01日

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