あらすじ
20代の頃付き合っていた旧友が亡くなった。その葬儀で彼の息子に突然旅行に誘われ――。(『感情旅行』一穂ミチ)/結婚や出産で仲間が疎遠になっていくなか、放置していたマッチングアプリから通知がきて……。(『となりの独り』カツセマサヒコ)/とびきり不幸でもないけれど、完璧な幸せでもない。そんな「30代の恋愛」を切り取った、人気作家たちによるアンソロジー。
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Posted by ブクログ
【あらすじ】
昔好きだった男性の息子と、ふたり旅 「感情旅行」一穂ミチ
崇拝していたインフルエンサーが電撃結婚!「独身の女王」麻布競馬場
友人が付き合い始めたのは、元恋人だった「オレンジシャドウの憂鬱」砂村かいり
脛に傷持つふたりの行く末は――「さみしがりやの恐竜たち」こざわたまこ
恋人へのひどい仕打ちを止められない「不機嫌依存症」田中兆子
名前も知らないカフェ店員への想い「出会い」朝比奈あすか
冒険しない三十三歳、それで正解?「振りかぶって、さよなら」千加野あい
友達がほしかったはずなのに――「となりの独り」カツセマサヒコ
とびきり不幸でもないけれど、完璧な幸せでもない。そんな「30代」を切り取った、人気作家たちによる恋愛アンソロジー。CLASSY.ONLINEに掲載した「うまくいかない恋」がテーマの連載を、文庫にまとめた短編小説集です。
【個人的な感想】
感情旅行
『この人は、自分が身体や心を損なって働けなくなる未来とか、マンションの審査がむずかしくなる状況とか、想像もしていない。健康で社会に通用している人間だから。その無邪気な無神経さと冷淡さを、烈しく憎んだ。』
独身の女王
→独身で生きると決め切れるわけじゃない、けど1人きりでの生活に魅力を感じていて、それを放り出すほどの魅力を、他の誰かとの新しい生活に見出すことができない苦しさがありありと描かれていた。
『誰かを「教祖様」にしたところで、その誰かが私の代わりに私の人生を生き、その苦しみを肩代わりしてくれるわけではない。悩みながら生きる中で刻まれる傷や痛みは、すべて私のものだ。』
さみしがりやの恐竜たち
『隕石だ、と思った。ああ、だめだ。この人を好きになったら、きっと後悔する。避けられないということ、逃れられないということ。誰かを好きになるということ。空から隕石が降ってくるみたいに。つまり、最初から絶滅する以外に道はない。』
振りかぶって、さよなら
→決断できない、冒険できない。置きに行ってしまう性格の主人公が自分と重なった。
恥をかかない、傷つかないための生き方ばかりが上手になって、そんな自分が嫌いだと思いながら生きているところまで同じだった。
となりの独り
『30代の恋愛なんて、ほとんど通過駅でしかないですよね。』
『30代って、純粋な気持ちで恋愛しようと思っても、すぐに結婚とか出産とかがチラついちゃって、結局、現実的なことばかり考えちゃうじゃないですか。お金とか生活とか。』
どの恋愛もうまくいかないけど、なんだか清々しい終わり方で久しぶりに好きな恋愛小説だった!
Posted by ブクログ
今の気分にぴったりな本だった。短編集ってなんとなく気が進まなかったけどすごく良かった
『そのたびに私はムッとしてしまうだろうが、そういう世の中の当たり前みたいなものを無視した先に、私だけの人生の幸せがあるに違いない。』
『かなしい時や、さみしい時。そしてこんな時、恐竜は一体どんな声で鳴くのだろう。』
Posted by ブクログ
【感情旅行】一穂ミチ
片思いしていた男性が病死。男性の息子は既に17歳。自身は社会で上手く通用しない現実。上手くいっていない恋愛。理想と現実が人生のやさしさと厳しさを感じさせてくれる。
【独身の女王】麻生競馬場
独身のカリスマと呼ばれていた女性の結婚。
カリスマ女性のような存在に憧れ、
自身も独身を貫いていたが、
周囲の変化が自身に葛藤をもたらしてくる。
独身も悪くないと思わせる。
【オレンジシャドウの憂鬱】砂村かいり
33歳のバリキャリOLが
恋愛による自身の市場価値と
他者との評価で揺れ動く。
【さみしがりやの恐竜たち】こざわたまこ
ピュアそうに見えてドロドロ。
欲に流されている不思議な距離感の2人の話。
同族嫌悪。
Posted by ブクログ
「感情旅行/一穂ミチ」
「独身の女王/麻布競馬場」
「オレンジシャドウの憂鬱/砂村かいり」
「さみしがりやの恐竜たち/こざわたまこ」
「不機嫌依存症/田中兆子」
「出会い/朝比奈あすか」
「振りかぶって、さよなら/千加野あい」
「となりの独り/カツセマサヒコ」
『うまくいかない恋』をテーマにした短編集。
好きな作家さんが勢揃い。
どの物語も切なくてほろ苦かった。
登場人物達の弱さや迷い、その奥にある強さが繊細に描かれていて全編良かった。
上手くいかない恋だからこそのリアルさに胸がギュッとして、読後は彼女達にエールを送りたくなる。
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田中兆子先生の「不機嫌症候群」、まさに私だなと思った。
不機嫌って悟られたらだめなんだろうけど、みんなが優しくしてくれるからついやっちゃう。
そんな不機嫌な人を今度は私が優しくしてあげれるようになりたい。
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恋愛小説は、ほぼ読まない私
三十代、うまくいかない恋に惹かれて読んでみた
どれもおもしろかった
どの作品も等身大の主人公に愛着がわいた
他の作品も読んでみたくなりました
Posted by ブクログ
30代のうまくいかない恋がテーマのアンソロジー。
共感できるものもできないものもありましたが
楽しく読めました。
好みなのは一穂ミチさん、千加野あいさん。
Posted by ブクログ
となりの独り
カツセマサヒコを読んで
マッチングアプリを通して人をジャッジする立場に立ってしまっていることの虚しさ、悪いことをしているような気持ち悪さについて納得した。
30代になり、子供が産まれた友達ばかりで付き合いが変わってしまうということで孤独を感じる独身男性の気持ちが描かれていて結婚願望の強くない自分は結婚をしなくてもいいのか考えてしまった。
→明確に子供を欲しいと思わないが結婚をすることに対しては前向きに考えたいと思った。
先日、アプリの女性とは子供が欲しいという価値観の違いから交際するのではなく友達としての付き合いを続けることになったので、26歳になった今の恋愛では子供を作ることをゴールとした恋愛など純粋な恋愛をすることの難しさに困惑している自分がいるのが事実であるということをこの小説を読んで言語化できて良かった。
Posted by ブクログ
前半のお話が特に面白かった。
同じ30代独身として耳が痛い部分もあったし、叶わない切なさにぎゅっとなった。
1話が短いからどのお話も読みやすかった。
Posted by ブクログ
私は麻布競馬場が書く文章が好きです。特に、この部屋から東京タワーは永遠に見えない、が好きです。だから今回の小説を買いました。前半部分に面白いエピソードが固まっており、後半部分は私好みではなくなってきたなという印象です。
Posted by ブクログ
恋愛はどの年代でも難しいが、中でも周囲のライフステージの変化が大きい30代に自分を見失う気持ちはとてもわかる。友人や家族との付き合いが変わると、どうしても自分の生き方も変わってしまう。正解はないと思うが、自分自身と向き合うことから逃げ続けていてはいけないなと感じさせられた。
各短編、個性的で不器用な主人公ながらもリアルで共感する部分も多くてそれぞれ面白かった。
Posted by ブクログ
あこがれのインフルエンサーが予想外に結婚、その生き方を正解と思い込み信じてきたのにどうする?という話、麻布競馬場「独身女王」。
砂村かいり「オレンジシャドウの憂鬱」、気が合うと思っていた若い友人の嫌らしい行い。女同士ありがちで怖い。でもメイクをそれほど楽しめることは羨ましかった。自分が何ベース+季節なのか私はわからないけど世の中の人はそんなにわかってるものなのかな。アンソロジーなのでさっと読め気分転換にぴったりの一冊。
Posted by ブクログ
今まで恋愛小説というものを
「まあ読んでみるか」みたいな感じに
年に1~2冊程度読んできた私だが、
恋というものに対峙したときに
普段は知らない自分を見せつけられたり
思わぬ人間臭さ、ダサさみたいなものが出てしまったり
実に人間らしいなと、
恋愛小説を続けて読んでそう思った。
本書の「不機嫌依存性」に出てくる女性はまさしく私で、
読んでいて恥ずかしくなってしまった。
恋って人間ですね。
Posted by ブクログ
うまくいかない恋のアンソロジー。
読んだことのある作家さんが4人、まだの作家さんが4人とちょうど半分。
アンソロジーでは、こうやって普段手に取ることのない方の作品を読めるのも楽しい。
「うまくいかない」とタイトルにもある通り、30代の恋愛は年齢的にも難しくなってくる。
若さの勢いに任せて…も無理だし、達観するには若いし。
好きだったのは、一穂ミチさんの「感情旅行」。行き先が出雲というのも良かった。
そして、この本を読んでいて改めて気付いたのは、やっぱり恋愛小説はハッピーエンドが好きだということ。次は幸せに浸れる恋愛小説を読もう。
Posted by ブクログ
色々な切り口でうまくいかない恋が描かれており、曖昧な年代の、そして曖昧な恋の結末。普段読まない恋愛ものだけどとても新鮮だった。
ビターな落ちが故に前向きに生きていく姿勢がほどよく、後味の良い読後感でなかなか面白かった。