【感想・ネタバレ】有頂天家族のレビュー

あらすじ

登美彦氏史上、これまでになく毛深く、波乱万丈。(登美彦氏談)「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け廻る。が、家族はみんなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつをぬかす。世紀の大騒動を、ふわふわの愛で包む、傑作・毛玉ファンタジー。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ペンギンハイウェイ、夜行に続き、森見先生3作目。狸、天狗、人間が共存する、変わった世界観が面白くて、あっという間に飲み終えてしまった。登場人物それぞれ、キャラが濃い!すっかり矢三郎のファンになってしまって、これから有頂天家族の2作目を読むところ!「面白きことは、良きことなり」

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2025年11月23日

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自分も赤玉ポートわいんをなめたくなって買いに行ってしまった。叶うならたぬき鍋もご相伴に預かりたい。ラストの疾走感が大好き。好きな小説は、映画をみたように映像が頭に残ります。

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2025年11月11日

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海星がとにかくカワイイ。姿が見えないというのはこんなにドキドキするものか。ちょうど身内を亡くしかけているところで読んだので、「生きていればサヨナラと袂を分つことはできない」(ちょっとうろおぼえ)という言葉が身に沁みた。人生全体的には幸せでも次々にやってくる大小の悲しみから逃れることはできない。これくらいの軽々しさで乗り越えていくしかないんだろうな。

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2025年11月08日

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森見ワールド...ホントすき...
京都を舞台にした狸と天狗と人間のドタバタ和風ファンタジー作品。ときどきシンミリして ときどきハラハラしても いつだって面白さを忘れない全編通して楽しく読ませてもらった。自分には『阿呆の血』が流れているのかもしれない。
しかしアレやコレや未回収の伏線が多数残った今作。続編で回収されるのだろうか。読むのが楽しみだ。しかし、回収されなくても「まあ、狸だから仕方ないか...」と思えてくるから不思議な作品だな

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2025年10月27日

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「面白きことは良きことなり!」と、阿呆であることを誇りを持って京都の街を動き回る狸たちの、ハートフルな大騒動。主役を狸とすることで、一家の父の死という出来事をこのように展開させることができるとは、素直な驚きがあった。また、次兄と母がお互いを気遣い合う姿には本当に心打つものがあった。
弁天と海星の掘り下げがもっと欲しいが、2巻目に期待かな?

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2025年10月09日

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動物好きの大学の先生が面白いと言っていたので、気になっていたものの、こんなに傑作とは!
狸の可愛さ爆発の毛玉物語。
狸を毛玉扱いにするあたり、かなりツボにはまった。なんども読み返したくなるかわいい描写がある。
やけにお尻を大切にするとか(尻が冷えることに非常に敏感)、クリスマスはケーキを手配し、ケンタッキーを準備するとか。ちょっと怖気づくと尻尾を出して化けの皮がはがれてしまう末の弟、矢四朗のかわいいこと!
ただそれだけでなく、いろんなエピソードにまみれながら、偉大な父がなぜ狸鍋になってしまったのか、を中核として後半から一気に物語が展開していく。
かつての栄光の時代の見る影もなくなってしまった天狗・赤玉先生と父の絆がうかがえるエピソードや
蛙になって井戸に閉じこもってしまっていた次兄の「捲土重来!」の復活劇にはちょっぴり目頭が熱くなった。

「阿呆の血のしからしむところなり」、「面白きことは良きことなり!」とのモットー、いいなぁ。

久しぶりに小説を読んだけど、ひと段落して楽しみたかった時にぴったりの小説で、大当たり!
調べたら、三部作とのこと。二作目もすでに発売されてるようなので、また一息つきたいときに読むのを楽しみにしたい。

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2025年09月13日

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とっても、楽しかった…!!
こんなにずっと楽しくてワクワクさせられた小説ははじめてかも。
独特の世界観に思わず引き込まれてしまいました。

まずなにより、森見登美彦らしい古風でもありポップな文章がとっても好き!
こういうファンタジー要素強めの内容が、森見登美彦の文章表現と非常に相性が良いように思います。
くすっと笑ってしまうようなユニークな比喩表現がとても好きだ…
一文一文が文学的でもあり、ポップでもあり、素敵で楽しい表現ばかりで、毎ページ楽しくてもう。。。たまらん!文章好きすぎてうっとりしてました。

舞台は京都。
狸と天狗と人間とが入り混じった世界。
何それ!?って感じの奇想天外な設定やけども、序盤からすっかり引き込まれてしまい、いつの間にやら下鴨一族にとっても愛着が湧いてしまいました。
みんなどこか阿呆で、一風変わっていて、愛くるしい!
阿呆の血のしからしむるところですねえ。この子たちの日常をいつまでも眺めていたいなあ。
狸たちの日常を描きつつも、しっかりストーリーもあって、最後まで飽きさせない構成。またしても森見登美彦ワールドにどっぷりとつかってしまった。

ただひたすら楽しかった!2も読みます!
京都に聖地巡りにも行こう。
人間に化けた狸が潜んでいるかも!

(オーディブルにて)

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2025年04月29日

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ネタバレ

めちゃくちゃ面白かった!愉快痛快毛玉いっぱい!
読んでいてとても楽しく、ちょっとしんみりもしちゃったり、京都の狸界隈を堪能しました!!森見登美彦の登場人物には、心に粋があるから読んでいて楽しい。

人間の事を怖がりながらも、人間社会に溶け込んで人間を化かしていると考えると、狸というのは阿呆ではないように思う。

自分は狸ではないけど、阿呆の血がしからしむるところがあるのかな。いや、自分にはなさそう。そこまで阿呆に振り切れるほどの才能はない。開花する時を信じて、人間として生きようか。

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2025年02月12日

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ハートフルで、悲しくて、世知辛く、最後はその破天荒ぶりに爆笑、そして愛でいっぱい。
徐々に伏線回収されていくところも、なんだか胸が切なくなる。狸なのに、人情あふれる。

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2025年02月07日

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安定の森見登美彦さん節!!ほんとに大好き。

物語に軸があるというよりかはキャラのセリフとか会話とか行動が魅力的だし面白みを感じる!!

文体も読みにくそうで結構読みやすくていい。

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2024年11月12日

購入済み

全体的にギャグ線があるなと思う。過度にウケを狙っているわけではないのに、フッと笑ってしまうような言葉の使い方が好きだった。

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2024年02月20日

購入済み

愛すべき毛玉たち

とても可愛いもふもふの家族たち。幸せに生きるって何か、タヌキたちに教えられる。阿保の血のしからしむところ。という言葉が好きです。

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2022年10月04日

1番好きな小説

わたしの好きな小説ランキング第1位です。
面白く愉快爽快。
3部作とのことで、2作目は少し暗めな印象でしたが、3作目はまた爽快な結末を楽しみにしています。

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2022年05月03日

購入済み

森見ワールド

森見登美彦さんの作品を溺愛していますが、中でも有頂天家族シリーズは良いです。登場人物(というより狸物と天狗物)が個性的で、引き込まれます。オーディオ本でも聴いたのですが、活字でも読みたくなったので購入しました。森見さんの作品が変化していっているので寂しいです。

#笑える #ハッピー #癒やされる

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2022年06月19日

購入済み

森見版平成狸合戦

森見ワールド炸裂!
ちょっと笑えて、ちょっと切なくて、ちょっと感動できるお話です

阿呆なら阿呆らしくと堂々と生き抜く狸家族に迫る罠
でも罠を仕掛けるライバル狸一家もまた阿呆揃い
阿呆と阿呆の化かし合いに平和的決着は訪れるのか

そんな阿呆らしく、カオスな物語だけど、ウルッとさせてくれるのは流石森見登美彦といったところでしょう
そして最後はほっこりします

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2017年12月06日

購入済み

アニメより

たまたま見たアニメより、原作を探し出し読み始めたら
面白くて一気に読み終わってしまいました。
電子書籍では当本のみでしたが、続編があればぜひ読みたいです。

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2013年07月23日

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『夜行』に続き、モリミー作品九作目。年納め本の予定が年始め本になってしまった…。でも、物語の時期的にちょうどいいタイミングで"逆に"良きでした!狸、天狗、おかしな人間たち(?)が織り成す「京都疾走物語」はなんと微笑ましいことでしょう。笑。

好ましいキャラクターが多いことで有名なモリミーですが、いつにも増して多いこと[×2]。その中から厳選して三キャラあげて締め括りたいと思います。弁天、赤玉先生、そして下鴨総一郎。
面白きことは良きことなり!星四つ半。

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2025年11月20日

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狸が主人公ということで、他の森見登美彦作品とは別系統な気がして読むのを避けていたが、いざ読んでみれば全く問題なかった。

狸が化けて人間社会に溶け込んでいるのが面白い。
弁天の存在が非常に特異だが、現在出ている続編で少し深掘りがあるのだろうか。

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2025年08月18日

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狸たちがかわいい。
「阿呆の血のしからしむところだ」、「面白きことは良きことなり!」など狸の台詞がかわいくて、心の中で唱えてしまう。

家族愛が溢れていてほっこりする。

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2025年08月02日

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ネタバレ

「捲土重来!」「くたばれ!」

洛中での狸と天狗と人間の、笑って、呆れて、ちょっと心温まる物語。ラストは疾風怒濤のごとくストーリーが駆けめぐる。飛び回る。

人間は街に暮らし、狸は地を這い、天狗は天空を飛行する。
人間と狸と天狗の三つ巴。それがこの街の大きな車輪を回している。
天狗は狸に説教をたれ、狸は人間を化かし、人は天狗を恐れ敬う。天狗は人間を拐かし、人間は狸を鍋にして、狸は天狗を罠にかける。そうやってぐるぐる車輪は回る。

もうみんな可愛い!狸の4兄弟はもちろんだけれども、金角・銀角兄弟も、赤玉先生も弁天も、わがまま放題やりたい放題。でも、憎めない。
狸の父の器の大きさ母の愛。家族の絆にほっこりしました。

「阿呆の血のしからしむところ」
「面白きことは良きことなり!」

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2025年04月21日

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 推しの昆虫学者さんの愛読書だそうです。
 わたしが思うに、この物語の主役は「洛中」というか「京都」ですね。懐が深いです。
 そこで狸と天狗と人間が、おもしろおかしくかけずり回るお話です。「ファンタジー」だそうです。
 準主役は狸一家のお父さん「下鴨総一郎」さん。作者の森見登美彦さんも楽しんで書かれているみたいで、おもしろかったです!
 冒頭の説明だと狐たちも京都に相当数いるはずだけど、物語にはぜんぜん出てこないです。狸たちみたいな下世話な世界ではなく、狐たちはもうちょっと高貴な世界に、すみ分けしているのかもしれません。

 他人の愛読書ですし、若い昆虫学者さんは、何がおもしろいんだろうと考えながら読みました。
 京都は大都会ですよね。その真ん中で人間の行事にのかって遊びほうける狸と天狗たちがよいのかな?大都会のなかの自然、食物連鎖を含めた狸・天狗・人間の生態系ミックスがたのしいのかな?

 どっちゃにせよ、物語を支えているのが狸たちの化け力(ばけりょく)です!すさまじいです!
 「化け力」との比較対象として、世界的大ベストセラーを引き合いに出して申し訳ないのですが、ハリー・ポッターさんたちの「変身」と比べてしまいます。狸たちの化け力と比べると、「変身」というやつは、へちょすぎて目が点になります。
 ハリー・ポッターさんたち、魔法使いのみなさんは考えすぎ!薬物飲んで何とかしようという発想が、頭でっかちです!この本読んで、狸たちを見習い、もっと楽しく面白く「阿呆」になれと言ってあげたいです(笑)

 ただ、わたしは終始こころのどこかにイヤな気持ちを持ち続けました。これは、コンプライアンスとか鳥獣保護管理法とかではなく、「食物連鎖」の重み故でしょう。自分でも思ってもいなかった、狸をかわゆく思う気持ちに気づきました。

 花の季節を迎えて、京都を訪れるかたも多いでしょうが、狸に化かされないようにご注意ください!京都を出入りする電車(とくに京阪!阪急!)、市内各所(とくに鴨川あたり!)
 みなさんお気を付けください(^-^)

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2025年04月12日

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ネタバレ

流石です森見登美彦先生。
なんと言っていいか分からないけれど愉しませてもらった。面白く読むほかに何もすべきことはない、解説にあるようにまさに森見作品に通ずる言葉だ。
狸、天狗、半天狗、人間の愉快で阿呆で破天荒な展開の数々にハラハラしたり、ホロっとしたり。
最後の初詣の終わり方も良かったなぁ
森見さんは黒髪乙女や弁天のような妖艶で皆が憧れる女性を描く天才。海星も好き。
狸やら赤玉先生やら弁天のいる世界に浸っていたい
そんな余韻があります
面白きことは良きことなり!

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2025年03月30日

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ネタバレ

京都を舞台にした、下鴨家の狸たちの物語。糺の森や詭弁論部、偽電気ブランなどが登場すると、思わずニヤけてしまう。「夜は短し歩けよ乙女」の李白らしき人物も現れる。

可哀想だけれど、食べちゃいたいほど狸が好きというのは、さすがに引いてしまった。さすが詭弁論部だ。この人も酔っ払うと詭弁踊りを始めるのだろうか。まあ、それでも、鳥が好きなのにからあげを食べる自分のことを考えると、人のことは言えないか。

金閣・銀閣の阿呆っぷりが最高だ。「捲土重来、捲土重来」からの「呉越同舟、呉越同舟」には、笑わずにはいられなかった。

下鴨家の兄弟になりたい。雷が鳴ったら母上や兄弟と一緒にくっついていたい。ちょっとしたことでしっぽが出てしまう矢四郎の手助けをしてあげたい。偽叡山電車に乗ってみたい。矢三郎みたいに、悩むことなく阿呆なことばかりして暮らしたい。

解説にも書いてあるように、難しいことは考えず、とにかく楽しんで読めばよいのだ。

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2025年03月21日

Posted by ブクログ

読み進めるのに結構時間がかかった。
というのも、いろいろイベントは起こるのだが、途中まで、ストーリーの進みが遅く、終わりが全然見えなかったから。ただ、最終章はそれまでの章とは違って、疾走感すら覚えるようなストーリー展開で、没頭して読んだ。これより前の部分の章で登場人物たちの狸柄、天狗柄、人柄が分かっていたからこそ、楽しめたように思った。弁天と赤玉先生の好き勝手にやる感じ、下総家の一致団結感、夷川家の強かな感じが面白かった。純粋にエンタメとして面白かった。アニメ化しても楽しめそうな作品。おもしろきことはよきことなり!

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2025年03月20日

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大抵のことは「まあ狸がやってることだし」ですいすい読み進んでいけた。
理不尽が起こると「天狗だしな」でやり過ごせる。
独特の世界観とノリでなんとなく読んでいるうちに最後のページに辿り着いていた。
どこまでもひっそりと影を落とす父の死の裏にそんな真相があったとは、と思いつつも何が明らかになっても立派なとこしかないのもまたすごい(弁天が怖いのもご愛嬌)。
兄弟っていうのもいいものだなとしみじみ思える物語だった。

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2025年03月03日

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アニメから入りました。
森見さんの作品は、今では日常的に使われないような難しい漢字が多く調べながら読みました。
愉快な狸の話かと思えば、その根底には亡き父の姿があり、常に死と隣り合わせ(狸鍋の可能性)がある、しかし重くなりすぎずバランスのよい作品でした。

好きな場面がたくさんあるのですが、特に淀川教授と矢三郎がおにぎりを食べる所が好きです。
しかし!夷川の所業は許せんなぁ!

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2025年02月20日

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4兄弟のたぬきと天狗と弁天という名の美しい人間がわちゃわちゃと様々な事件に対応していく物語です。一見無茶苦茶な設定ですが、不思議と読んでいるとストーリーがすっと入ってきます。また、4兄弟のたぬきはそれぞれ個性があり、しっかりもので堅物の長男、分け合ってカエルとなり、自由気ままに過ごす次男、面倒くさがりで本作の主人公である三男、臆病者の四男、それぞれの個性がしっかりと出ており自分の推したぬきが見つかると思います。余談ですが、私は堅物の長男が推しになりました。
森見作品の定番とも言える偽電気ブランや赤玉パンチ等も出てくるので、森見ファンの方にはぜひ読んでもらいたいです。続編も出ているようですので、そちらも読んでみたいです。

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

アニメを見たあと原作が気になって購入。
アニメの雰囲気がそのまま小説になっている!と思うくらい、原作に忠実にアニメが作られていたことを知り、制作された方々の原作愛を改めて感じた。
毛玉たちのかわいさと、弁天のなんともいえない恐ろしさ…でもそれだけじゃなく寂しさも共存する不思議な人。続編が楽しみ。

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2025年01月17日

Posted by ブクログ

著者の文体が好きなので、読んでみた一冊。冒頭、歴史物かと思わせるがそんな事は一切ない、万城目学氏の「鹿男あおによし」のような物語。

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2025年01月12日

Posted by ブクログ

京都を舞台とした、狸と天狗と人間(そして半天狗と)の物語です。
大人物だった親父を亡くした四兄弟の狸。
かれらのうち一匹とて親父のような豪傑然とした狸はいない。
堅物で詰めの甘い長男、
やる気のない次男、
遊び人の阿呆者である三男。
まだまだ子どもの半人前、四男。
そんな彼らのうちの三男、矢三郎を主人公として、
天狗の赤玉先生やその弟子である弁天などとの関わりが
すなわちそのまま物語になっています。

いやあ、面白いですよ。
愉快なエンターテイメントです。
こんなにおもしろいのってあるんだ!というくらいに想像を超えておもしろい。
そして、七章あるうちのひとつひとつがそれぞれでおもしろいのに、
全体として繋がっていくストーリー、伏線だとかの謎ときが
うまく繋がるんですよね。
書き手としては、楽しくもなかなか大変だと思います。
でも、それが醍醐味なんでしょうね。

舞台も作者の育ちも京都ですけども、
登場人物たちが本心をみせずに会話を繰り拡げ、
でもそうやって本心を伝えあっている(わかりあっている)のが、
京都らしさなのだろうと思いました。
まさに秘すれば花なり、のありかたで、
それが根付いている土地なのかな、なんて。
住んだこともないので「そうとわかった」なんて
言えませんが。

どうやら続編があるようなので、
それもそのうちに読んでみようと思います。
すっごいよかったです。

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2025年07月17日

Posted by 読むコレ

森見作品の最高傑作との呼び声高い本作を前に、これほど気持ちを昂らせて読書に取り組んだ事などあったでしょうか。
しかし過度な期待も良くありませんね。
外したとまでは言いませんが、少し肩透かしを食ったような読了感でした。

全体的には良く纏まっていて面白かったのですが、突き抜けたものも無かった気がします。
根底に流れるテーマが重いからか、文章に遊びが少なく主人公の享楽主義設定も宙に浮いた感じでしたが、さりとてどこか諦観めいた狸世界が結末に向かう緊張感も薄めてしまっていた様な。

とはいえ良作には変わらず。
これも愛しいが故。

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2014年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2008年本屋大賞
森見作品を手に取るのは何作目だろう?
森見ファンタジーワールド全開。

主人公は京都のに暮らすタヌキで下鴨家兄弟三男「矢三郎」。モットーは「面白く生きる」。亡き父「総一郎」は狸界の頭領「偽右衛門」と呼ばれた名狸だったが人間たちの「金曜倶楽部」によって狸鍋にされてしまった。その衝撃的な死を発端に、物語は動き出す。
父の死を受け、次期偽右衛門を目指す長男「矢一郎」と奇人肌の弟たち。それぞれが父から受け継いだ力や誇りを胸に、狸・天狗・人間が入り混じる京都で日々の珍騒動。天狗の大先生「赤玉先生」の世話や、美しくも妖しい金曜倶楽部女史「弁天」との交流、そして夷川家の「金閣」「銀閣」との張り合い。軽妙でユーモラスな日常の裏に、狸社会のしがらみと血族の因縁が深く影を落とす。
とりわけ印象的なのは、下鴨家と夷川家の確執を象徴する存在、叔父「夷川早雲」。彼の暗躍によって次期「偽右衛門」選挙は混迷を極めるが、下鴨兄弟の粘り強さと絆がその陰謀に立ち向かう原動力となる。矢三郎の元許嫁「海星」もまた、複雑な立場ながら矢三郎を案じる姿が胸を打つ。

物語全体を通じて、「狸の血を継ぐ者としてどう生きるか」という問いが浮かび上がる。愚かさも愛嬌もすべて含めて、矢三郎の「面白く生きる」という生き様は、失った父の大きさを乗り越える力へとつながっていく。京都の町並みと奇想天外な狸たちの姿が鮮やかに重なり合い、ユーモアと哀愁が入り混じった独特の世界観が堪能できる一冊だった。

心が楽になる、琴線にふれたフレーズ
「悩みは二つに分けられる。
・どうでもいいこと
・どうにもならないこと」

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2025年08月18日

Posted by ブクログ

狸と天狗と人間のドタバタ劇という感じで面白かったが感想が難しい。京都を舞台にしており、私もよく訪れるので、知っている場所が舞台になると何だか得した気分になります。文体が特徴的でシリアルな場面でも所々で笑えるため、リズム良く読めました。狸鍋にされて食べられるという恐怖は普段人間が行っている残酷さが身に沁みました。最後は少し感動があり、主人公の家族が全員無事で安心しました!

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2025年03月14日

Posted by ブクログ

高嶺の美女を描くのがほんとにうまい人だなと実感。主人公も含め狸同士の争いの中に天狗(元人間)の弁天が関わるとどうなるのか。「金曜倶楽部」では毎年暮れに狸が一匹狸鍋にされるが、主人公が恋している弁天も参加者の1人であり、彼女が狸を食べる理由が「食べちゃいたいくらいかわいい」から本当に食べちゃう、というところがおもしろい。ただ弁天はそれ以上に「おもしろきこと」が大好きなので、イタズラ好きの主人公とはウマが合い、弁天に気に入られていられてしまうということは文字通り身の危険にも繋がると同時に狸間の争いに一石を投じることにもなる、という構造が「どう転ぶかはすべて弁天次第」という感じがありワクワクした。

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2025年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

狸と天狗と時々人が京都を舞台に入り乱れ、繰り広げられるドタバタ劇。
下鴨家三男、狸の矢三郎の視点から描かれる日常は、あちらこちらに話が展開していき面白い。
最終的には父親を罠に掛けた親類の夷川家との闘いに話が纏まっていくのだが、庭で切った枝を詰めたゴミ袋のごとく、枝葉の物語がビニールを突き破って飛び出して、いい意味で収まりきらない印象を受けた。
何故、金曜倶楽部は狸鍋を食べるのか?
何を弁天様は寂しがっているのか?
知っている人がいたら教えて下さい

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2025年01月04日

Posted by ブクログ

文章が難しくて読みづらさはあるものの、下鴨家のユニークな兄弟達に思わずクスッと笑ってしまう場面もありました。

「とりあえずみんなが生きており、とりあえず楽しければよいだろう」
本当にその通りだと思います。
人生、楽しんだもの勝ち!
こんな家族がいたら毎日面白いだろうなぁと思いました( *´艸`)

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2024年11月28日

Posted by ブクログ

最初は狸だの天狗だのよく分からない展開で面食らったけど、相変わらず軽快な文章で面白くは読めました。ただ物語としてはもう一つな感じもあったなぁ。

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2024年11月18日

「SF・ファンタジー」ランキング