あらすじ
元・書店員の一香は、古い洋館の家事手伝いのアルバイトを始める。そこでは調香師の小川朔が、幼馴染の探偵・新城とともに、客の望む「香り」を作っていた。人並み外れた嗅覚を持ち、鼻で、相手の行動パターンや健康状態を一瞬にして嗅ぎ分ける朔は、どんな香りでも作り出すことができ、それゆえ風変わりな依頼が次々と届けられる。だが、一香は朔の近くにいるうちに、彼が天才的嗅覚を持つがゆえに深い孤独を抱えていることに気づきはじめる……。直木賞作家が紡ぎだす「香り」にまつわるドラマティックな長編小説。第6回渡辺淳一文学賞受賞作。
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Posted by ブクログ
抑揚のない語り口なのに、なぜか読む手が止まらない。
読み終わったあと、夜の静けさが残るような一冊。
主人公に感情移入してちょっと泣いちゃったシーンもあった。
初めての千早さんの作品だった。他の作品も読みたい。
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まず目次がお洒落。
そんで圧倒的な朔の能力にワクワクさせられる!それ故に真実がわかってしまう苦しさ、普通の人じゃ気付けない感情の揺らぎの種類の多さ…私達は目も耳もそれなりで全部把握してる気でいるけど、本当はなんにも見えてないんだとハッとさせられる!
香りが本心を開く鍵となるこの洋館と、素直じゃない主にしっかり魅了されました。
無条件に読んで良かった、もっと朔さんをみてたいと思える良作です。
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□始まり
目を閉じて
静かな夜に 香水の
蓋を開ければ
記憶が溢れ
□結び
この香り
あなたの心に そっと触れ
忘れたはずの
光に溢れ
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1. 登場人物
• 一香(いちか):
主人公。元書店員の女性。調香師・朔の住む洋館で家政婦として雇われる。
• 朔(さく):
天才的な嗅覚を持つ調香師。依頼主の記憶を再現する香水を作る。あまりに鋭すぎる嗅覚ゆえに、静謐な洋館で浮世離れした生活を送っている。
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2.あらすじ
職を失い、家政婦として雇われた一香(いちか)は、無愛想で謎めいた調香師・朔と出会います。
そこは「忘れられない記憶」を香りで再現する場所でした。
朔の作る香水は、訪れる人々の封印された想いを鮮烈に呼び覚ましますが、それは時に美しく、時に残酷な真実を暴き出します。
数々の香りを巡る物語を通じて、自分自身の内面や、朔という男が抱える底知れない孤独の深淵へと触れていくことになります。
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3. 読みどころ
「一香(いちか)」という名を持つ主人公が、香りを生業とする「朔(さく)」と出会い、共に過ごす時間のなかで生まれる静かな化学反応です。
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4. こんな人におすすめ
• 「香り」を通して、自分でも気づかなかった感情に出会いたい人
• 一香と朔、二人の間に流れる静謐で唯一無二の空気感に浸りたい人
• 千早茜さんの圧倒的な筆致で、五感を研ぎ澄ませたい人
Posted by ブクログ
神秘的で美しい文章&物語の流れに一気に読み込んでしまった。"香り"が織り成す物語。
途中、朔の気持ちの変化に気づいて読み進めていたので最後の章では少し涙してしまった。
Posted by ブクログ
久しぶりに読んでいて心が落ち着く小説を読んだ
一つ一つの章は、落ち着かない出来事も起きるけれど
誰かの優しさや哀しさ苦しさを分かろうとする気づく心の動きは穏やかな気持ちにさせてくれる気がする
友情なのか愛情なのか最後まで私はわからなかったけど、絆がずっと続きますように!
Posted by ブクログ
物語全体がほの暗く、ミステリアスな雰囲気を醸し出しているように感じたのは、『香り』がテーマだったからだろうか?
まだまだ月に何十冊も小説を読めているわけではないけれど、香りと匂いを扱った小説ってありそうで今まで出会ったことがなくて、凄く新鮮だった!天才的な嗅覚を持つ朔が抱える深い孤独、匂いだけでその人の状況や体調の変化が分かってしまうとは…。朔が抱える苦悩がどれだけ壮絶なものか。生理まで分かっちゃうなんてちょっとびっくり。笑 でも朔の持つ淡々とした不思議なオーラには惹かれるのはわかるかも!
物語序盤は新城の言動の荒さやがさつな感じに一香と同じで私も嫌悪感を抱いたけど、話が進むにつれて意外とムードメーカーな奴じゃん!と印象が変わった( . .)!苦労人で良い奴だ新城!
本編も香りの知識や情報がいろいろ散りばめられていて、久しぶりにアロマを楽しみたくなりました( ᵕᴗᵕ )❁⃘
Posted by ブクログ
私も働きたーい
朔が描写だけでかっこいい
執着と愛着の違いか〜〜
新城によると、
嫌がられたら手放すことができるか
閉じ込めてしまうか
みたいな
たしかに執着に相手の意思は関係なさそう
愛着って相手を慮る部分があるかも
執着されたい
私の意思なんか尊重しなくていい
閉じ込められたい
私の感情もすべてコントロールしてほしい
何も考えたくない
香りの記憶は一生らしい
コーヒーの香りは穏やかで照れくさい
アルコールの香りは反吐が出そうな嫌なもの
記憶は一生でも
その意味は変えられるもの
Posted by ブクログ
静かでゆったりした時間の中で様々な香りを楽しめる作品。
この物語では姿を持たない「香り」によって人々が大きな影響を受ける様子が描かれる。これまであまり意識したことはなかったが物語の中だけではなく実際に人は香りによって心も体も変化するし、救われることもあれば身を滅ぼすこともあるのだろうと感じた。なぜかわからないが読んでるだけで自分の周りがスッとする気がするのはどこかで物語にでてくる香りに出会ったことがあるからかもしれない。
最後の30ページくらいはページを捲る手が重かったが終わり方も静かでとても好きでした。
Posted by ブクログ
文章から香りたつとはこの事で、繊細で美しい文体の虜になる。
元書店員の主人公 一香は、天才調香師と謳われる小川朔と出会い、朔の元で働くことになる。タイトルの透明な夜の香りというのは、一香のあの日、あの夜の香りなのだろうか。
Posted by ブクログ
なんて色鮮やかな文章だっただろう。
香りを題材にした小説なのに、私にはキャンバスに絵を描くように情景が浮かび上がってきた。
朔のように丁寧で一定の速さで物語は進む、
だけでは終わらなかった。
8章になり急展開。予想もしていなかった展開が繰り広げられているかと思えば、さらに角度を変えて進まされる。そして最後、朔らしさと精神的に成長した一香が雇い主と従業員の関係から友達になるのには心が震える。
朔のような言葉遣いの人が現実にいたら絶対恋に落ちてしまう。
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朔さん
一香さん
そう呼び合う二人が、再び会えてよかった。
源さんも新城も、みな優しい。
それはそっと寄り添ってくれる静かな優しさ。
読んでよかった✨
Posted by ブクログ
心を痛め本屋の仕事をドロップアウトした主人公の一香が、洋館の調香師の小川朔の元で家事手伝い兼助手として働き、仕事仲間や客と接していく物語。
一香や朔の過去がだんだんわかってくる事と、一香が朔をはじめ周りの人間の輪郭を掴んでいく様がリンクしており、一香と一緒に輪郭を掴んでいくような流れが感情移入しやすい。
また、主要人物が固まった上でゲストキャラが出てきて単話完結が続いていく形式も良い。ずっと見ていられる。なので最後一香が洋館を辞めた後に「今度は友達として行きます」ってなった時に復職せえへんのかい!じゃあ続編もないんかな?と少し寂しい気持ちにはなった。
色や音の形容詞が多いように思った。朔の匂いに敏感なのに対して一香のそれ以外の感覚が研ぎ澄まされていて、そこが一香と朔の繋がりの部分であり物語の肝なのかな?と思った。
→読み終わったけど特に関係なかった。
朔の独自レシピによる香水とか料理が出てきてめちゃくちゃオシャレ。普段から丁寧な暮らしをしていればもっと感情移入できそう。
「アンフュゼ」とか「茹でこぼす」とか聞き慣れない調理方法が出てきていちいち引っ掛かってしまった。
子供は自立ができないから親に嫌われないか心配なんだというシーンは確かに、と思った。自分も幼少期そうだったし、今は自立して久しいので忘れていた。
「人は自分にぴったり合う香りを見つけると輪郭がくっきりするのかもしれない」はいい言葉。香りだけではなく服装や髪型もそうなのかも。
一香の兄が自殺した理由とか、最期電話やパソコンの画面で何を伝えたかったのか?は謎のままだったので少しモヤモヤした。あんまり大筋には関係ないからいいのか?
キャラクターとしては刑事木場が良かったので、翔君がどうなったか気になるし、木場と朔が組んで解決していく事件簿も見たい。
さつきちゃんが可愛い。後半噂でしか聞いた事がなかった朔や新城にあからさまに引いているのが良い。もっと活躍見たかったなぁ。
大家のおばあちゃんは序盤出てきて薔薇を丁寧に育てており、香りやハーブがテーマの作品なので、「これは後々物語に大きく関わってくるだろうな…」と思っていたが別にただの大家さんだった。
ライダースの仁奈とかキャラ濃くて活躍しそうでしなかったし、あまり一人ひとりに深掘りがなかったのが残念。後語りが長いのが苦手な人もいるので、さっぱりめの物語が好きな人にはお勧め。
Posted by ブクログ
SNSの紹介でした。千早茜さんは『マリエ』以来の2冊目。
「香りは永遠に記憶される」
食べ物や人の体臭、人工的な香水、花の香り…。
様々な香りを自分たちは感じ取ることができる。
その時その時に感じた香りが記憶としてラベリングされ、それが呪いになるか幸運になるのかは、その人の人生を変えていく。
調香師の朔と一香は、過去の『呪い』を持ってしまったのだろう。強い香りは服とかに付着すると落ちないのと同じで、あまりにも強すぎる香り(常に重い罪悪感や記憶)をまといながら生きてきたように感じた。
罪悪感と向き合わなければならない時が一番苦しい。一香や朔の過去が解き明かされてた時、その時に感じた香りと向き合わなければ前へと進めない。心に鋭いナイフが刺してくるような痛みをひたすら感じ、えぐられた。
それでも向き合ったことによっての変化が生まれ、新たな香りがまとわりついて、その香りが愛おしく感じた。
彼らは眼の前に開かれた世界が違った香りを体験するのだろうか…。
読み終えたあとは自分の鼻腔に香りが残る程の余韻が残った。
美しく素敵な物語…。
Posted by ブクログ
どんどん引き込まれていき、早く読みたいけど、読み終わりたくない!という気持ちになり大切に読みました。登場人物に惹かれていき、それぞれの章で物語があり、そして…という感じでした。
私好みでメチャクチャ面白かったぁー!!
Posted by ブクログ
一香は朔に兄の死香りを思い出させる。その事で一香は朔の元から去ってしまう。結果一香は兄から解放されるが…朔は一香が離れ経験した事のない「変化」に戸惑う。見兼ねた新城が一香の前に姿を見せた。
朔は思いの外、純、まぁこれまでも頑固で融通が利かない面を見せていた。一香に朔が必要だったように朔にも一香は大切だった…新城がまた良い味を出していて…朔には板垣李光人あたりで月9ドラマにしたい感じ。
穏やかな気持ち
世界線が不思議で逃避行した気持ちになりました。ストレスが溜まった人にとてもオススメです。ジブリみたいな世界観で本当に好きな物語でした。
Posted by ブクログ
天才的な嗅覚の持ち主を、人に言えない過去を持つ雇われ人の立場から見た物語。
臭いの依頼主毎の短編小説のように話しが進んで行きます。それぞれの出来事がヒューマンドラマや推理小説の様な感覚で読み進められ、読んでいるうちに、嗅覚の天才の苦悩に徐々に寄り添えるような錯覚に陥ってしました。
凄く楽しく読み進められて、最後を期待していましたが、期待値を超えなかったので⭐︎4にしました。
一日で一気に読んでしまいました。
Posted by ブクログ
この物語は、救いや再生を大げさに語らない。香りという目に見えないものを通して、人が抱える痛みや記憶がそっと浮かび上がる。その描写はとても繊細で、読んでいるうちに自分自身の「忘れていた感情」まで刺激されるようだった。誰かと完全に分かり合えなくても、同じ空間で静かに存在を許し合うことはできる。そのささやかな肯定が、この小説のいちばんの魅力だと思う。
Posted by ブクログ
一香は朔に惹かれてしまうのか…
この二人はどのような関係を選ぶのか…
昏い過去を抱えた二人を見守るように
静かに読み進め、最後には男女を超えた
人間愛の新たな始まりを見ることができた。
文字だけでその場の空気感や温度が伝わってくるほどの
緻密な描写もさることながら、
新城や源さんのようなキャラクター設定も
この物語の中に何の違和感もなく馴染んでいて、
読んでいてとても心地よかった。
紺色の声、愛着と執着、新しいバラ、、
続編『赤い月の香り』も近いうちにぜ読みたい。
Posted by ブクログ
ものすごく読みやすく、そして面白かったのですぐに読み終わった。三日くらいだったと思う。
最後は自分的には「え⁉︎ さみし……」となったが、それは自分が度の過ぎたハピエン厨だからで、爽やかな終わり方だったと思う。
なんでこんなに読みやすいのか?と考えたが、全く分からない。ただめちゃくちゃ文が上手いことだけ分かる。
特に最終章の現在軸と過去の交錯は見事で、こんなに分かりやすくかつエモーショナルに書けるものなのかと衝撃を受けた。文がうめ〜!
キャラクターでは源さんが1番好きだ。
読むきっかけは勧められたからで、最初はあまり興味がなかったが中盤ではすっかり自分でもハーブを育てておしゃれな生活をしてみたくなっていた。
ハーブ、栽培は簡単なのか?
Posted by ブクログ
一言でいうと不思議な物語でした。文章でここまで香りの説明ができるなんて凄いです。本から香り立つ感覚がしました。何事も敏感すぎるのも大変だなと思いながら、一香と朔さん、新城、源さんの関係が素敵でしたね。
香りで昔の記憶が思い出されることって、事実あることだと思う。それが良い記憶だったら良いけど、悪い記憶だったら辛いだろうな。どんな香りで反応することになるのか、自分でも分からないのは面白い。五感のなかで嗅覚って一番軽く見られがちな気がするけど、朔さんの香りだけで生死や人探しができることを考えると、とても魅力的な力であることは現実的にも間違いない。
Posted by ブクログ
著者の表現力が本当に凄まじく、とても心地よい小説であった
喜びも苦しみも全て香りをスイッチとして、存在しないと思っていた永遠を作り出す
それは嬉しくもあり、時に残酷だ
Posted by ブクログ
初めて読む千早さんの作品。視覚や匂いが刺激されるような不思議な感覚だった。人並みに外れた嗅覚は大変だろうけど、それが仕事になってるのはかっこいいなと思った。
Posted by ブクログ
Xでおすすめと見て読んでみた一冊。
今まで読んだことのないような綺麗な話だったのと同時に香りは強く記憶に結ばれるということを学んだ。
そして人は出逢うべくして出逢っているのだなぁと。
Posted by ブクログ
狐に包まれたような不思議な話。ドキドキ、ハラハラはない。スカッと感もない。ただ静かにゆっくりと物語は進んでいく。香りと色彩の表現が豊かで味わい深い。描写の美しさに流されて物語の筋をちゃんと掴めていない。迂闊だった。もう一回読もう。
Posted by ブクログ
調香師の設定が良かったです。
千早茜の他作品を読んでいても、この作者は情景や感情の表現に目に見える物を言語化するのではなく、匂いで表現する事に非常に長けています。
その千早茜の表現力を沢山感じられる本でした。
私は20代男性ですが、個人的には女性向けな本かなと思いました。千早茜他作品もその傾向にありますが、本作も主人公は女性であり、作者も女性なので女性的な視点が多いと思います。
今から書くことはかなり否定される事とはわかりますが、純粋に感じたので書きます。
少女漫画、恋愛小説のテイストを感じました。解説にもある通りに決して恋愛小説の枠に収める物では無いとありましたが、私自身はそう感じていました。
主人公の女性と男性に恋愛要素がある本だという事を知って読んでもいいかもしれません。その部分が得意では無い人のスクリーニングに。
いずれにせよ、女性にはお勧め出来る本です。
Posted by ブクログ
2020年 第1回島田賞
2021年 第6回渡辺淳一文学賞 受賞作。
初出は「小説すばる」。全8話からなる連作短編集で、千早茜さんのの人気作です。
嗅覚が極端に発達した調香師と、一人の女性の出会いから物語は始まる。
研ぎ澄まされた嗅覚を持ちながら日常を生きることの困難さや孤独を、言葉巧みに描き出している点は、さすが千早さんという印象です。
ただ、実は本作を読む以前に、
白泉社のコミック『ふれるかおる』
嗅覚の鋭い調香師と古本屋の女性が出会う物語を読んでいたこともあり、設定段階で物語の方向性がある程度予測できてしまった。
土瓶さんが 女性コミックっぽいみたいな事をレビューしてたのですが、鋭いやつだと思います。
彼には、何かしらの嗅覚が備わっているのではないでしょうか。
どちらの作品もそれぞれの良さがあり
どちらも同時期ぐらいに執筆されているのではないでしょうか。
もちろん文章表現の質や言葉の選び方は比べようもなく洗練されていました。
あくまで私の選書がだぶってしまったという個人的な失敗です。
連載形式ゆえ一話完結としてのまとまりは良く、読みやすさもありました。
Posted by ブクログ
なんだかおとぎ話を読んでるようなふわふわした気分になる本だった。わたしがこの本に色をつけるなら薄く黄色がかった乳白色。
紺色の声って表現素敵だなと思った。
私が調香してもらいたい特殊な香りってなんだろう?って考えた。
恋が始まりそうな時のドキドキワクワクな感じ?とか、思ったけど、やっぱり欲しいのは
「眠くて寝そうな時のふわふわした感覚の香り」
寝付けない時に使いたい(о´∀`о)
感覚や気持ちが香りに現れるって不思議やけど、ほんまにありそうな、
香りがわかるわけじゃないけど、なんか言いたいことわかる!
涙出る寸前の香りとかなら、皆想像しやすいんじゃないかな?
香りって不思議だと改めて思った。懐かしい匂いって一瞬でその時の事思い出すもん。
小学生の時に使ってた香り付き消しゴムの匂いとか!一瞬で小学生時代にタイムスリップ(о´∀`о)