あらすじ
元・書店員の一香は、古い洋館の家事手伝いのアルバイトを始める。そこでは調香師の小川朔が、幼馴染の探偵・新城とともに、客の望む「香り」を作っていた。人並み外れた嗅覚を持ち、鼻で、相手の行動パターンや健康状態を一瞬にして嗅ぎ分ける朔は、どんな香りでも作り出すことができ、それゆえ風変わりな依頼が次々と届けられる。だが、一香は朔の近くにいるうちに、彼が天才的嗅覚を持つがゆえに深い孤独を抱えていることに気づきはじめる……。直木賞作家が紡ぎだす「香り」にまつわるドラマティックな長編小説。第6回渡辺淳一文学賞受賞作。
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ページをめくるたび、ふわりと香りが立ち上ってくるような感覚に包まれる。調香師という仕事の奥深さに惹かれる一方で、天才ゆえに生きづらそうな朔の姿が切ないな…。物語全体を包む静謐な空気のなか、揺れ動く登場人物たちの心に、読み手のこちら側の感情も優しく揺さぶられ、最後にはほっとできる作品。「食べるものや体調で匂いが変わる」という調香師の言葉が印象的
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人の声に色があるなんて素敵
私の声の色も一香に見てほしい
さまざまな香りが登場するのだけれど
知らないか香りも多い
読みながらそれぞれの香りを体験したい
ストーリーもミステリー仕立てで面白かった
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この作品では「香り」が単なる匂いではなく、記憶や感情、人との繋がりを映し出す存在として描かれていて、ページをめくるたびに景色がゆっくりと目の前に広がっていく。
絵画を眺めているような美しい物語の世界観に、気づけば深く引き込まれていた。
色や光、香りが繊細に重なり合い、ひとつひとつの場面が鮮明に心へ残る。
登場人物の感情がストレートな言葉で描かれていない。
視覚、聴覚、嗅覚などといった人間の五感を通して表現するからこそ、読者がその余白を感じ取り、登場人物の心にそっと寄り添ってくれる。
だから、読み終えたあとも、物語だけではなく、香りや色、光、風景までもが心に残り続ける。
何度でも読み返すほど、私にとって1番大好きな作品になりました!
追記:千早茜さんの作品はこちらが初めてだったんですが、言葉選びと場面描写が秀逸過ぎました…
p.137、p.178〜p.179の場面が特に大好きです。
ラストシーンの余韻もすごくよかったです。
2作目赤い月の香り、3作目燻る骨の香りを読んでからまた読むと、もっとこの世界観に深く入り込めて最高でした。
(私情ですが、偏頭痛持ちで聴覚・嗅覚・視覚が人より少し敏感で静かなところが好きなので…朔さんに共感できる部分もあって救われた気持ちになりました)
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どんどん読み進められる本。難しい言葉がないのに描写が細かく丁寧。物語の空気や流れるリズムがこちらにちゃんと伝わるのがすごい。ただ、どうしても終わりに共感できなかった。。。それ以外は本当に良かった。
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本作の続編『赤い月の香り』を夏の文庫フェアにて購入。あらためて『透明な夜の香り』の香りを
嗅ぎに手に取りました。
相変わらず行間から香ってくる♪
この作品は初夏に読むのがいい。薔薇が繁って咲いているなんとも言えない空気感が私のまわりにまで及んでいるかのよう。
いやぁ、やっぱりいい!
表紙の妖しさも千早ワールド。
登場人物もみんないい、源さん最高(^o^)
サラッとなのにみんないい!
千早さんの読みやすさはもちろんのこと
人間の持つ悩みや苦しみの描き方が
エゲツないのが くせになる。
みなまでは書けません(´ε` )カケナイノ!
小川朔の声を「紺色の声」と表す千早センス
わすれられない表現です。
匂いという特殊能力から調香師までは
わかるんですが、食べ物の美味しさ?
健康オタクばりなのに、オシャレさに感じちゃう。筆舌に尽くしがたい(´;ω;`)ヨイヨ!
再読後一言、やっぱり素敵すぎる。この世界に
浸っていたいと思わせる一冊です。
さあ 赤い月をみにいこう!
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この物語では、愛着と執着の違いが、人と人との関係を通して描かれていた。
愛着とは、大切な人が変化していくことも含めて、その人を受け入れようとする思いである。一方で執着とは、相手の変化を受け入れられず、自分の安心のために相手を管理し、変わらない存在としてとどめておこうとする思いなのだと思う。
朔さんは、非常に鋭い感性を持っている。そのため、周囲から距離を置かれがちであり、そのために、人の感情や関係の変化を受け入れるという点では、まだ十分に成熟できていない人物であった。
物語の初めの朔さんは、女性に対して執着に近い感情しか持ち合わせていなかったが、一香と出会ったことで、初めて人に対する愛着を知っていくという過程が面白かった。
特に心に残ったのは、最後に語られる朔さんの「変化が苦手」、「変わらないものがほしかった」というそれまでの気持ちが語られるシーン。
物語は恋愛が完成したところではなく、朔さんがようやく人を愛することの入り口に立ったところで終了した。
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Top Note/Floral Note/Chypre Note/Woody
Note/Spicy Note/Citrus Note/Animal Note/Last Note
香りを嗅ぎ分ける能力が、人として超越した次元にある小川朔。彼のもとで働き始めた若宮一香
朔のこだわりをたんたんと見ていく一香
二人の不思議な空気感に惹き込まれる
ふと気づくと、行間から色々香っている気がする
そして「淡々と」ではなく「たんたんと」と表現されるのにも不思議な味わいがある
この物語の世界は好きです
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静謐で湿度の高い話だった。
朔と一香の穏やかなやり取りに初めは癒され、じわじわとアレ……?と思いつつ読み進め、“そうやって彼女を所有するのはどんな気分”で鳥肌が立った。
恋愛小説として消費するのは違うのでは思いつつ、どうしても途中から2人の関係性にばかり注目して読んでいた。
執着と愛着ではなく、愛と執着の違いについて考えていこう、朔。
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世界観がすごくハマりました。朔さんの掴みどころのない人間性?を書ける千早茜さんには脱帽しました。
でてくる料理も美味しそうなのは前提で、すごく美しく感じました。
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もう本当に大好き。
少女漫画のような作品で、キラキラした美しい情景が沢山浮かぶ。
香りの表現もそうだけど、出てくる料理の描写もとってもお洒落。
この作品を読んでる期間は、自分自身の生活も楽しめた気がする。
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調香の勉強をしていたときに、香りがテーマの小説があるとYoutubeで見かけて、手に取った1冊。
調香師と言う世の中で広くは知られていない職業をテーマに、香りという言葉で表現するのが難しいテーマを取り扱った素晴らしい小説。朔の近寄りがたくて、何を考えているかわからなくて、だけど間違いなく天才だと思わせてくれるキャラクターの作り上げ方がとても良かった。調香師が主人公といっても、心地良い香りの話ばかりでは無いけれど、香りと言うものに興味がある人は一度絶対読んだほうが良い。
幼い頃は本が大好きだったけど、かなり長いこと日本語の本を読んでいなくて、千早茜さんのことも存じ上げなかったのだけど、読み始めてすぐに僭越ながら「この作家さんとは感性が合うな」と思った。この作品がきっかけで、日本の小説をたくさん読むようになったので、私にとっては特別な1冊。
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愛着と執着の違い
嘘はにおう
初めて千早茜さんの作品を読みました
一香の過去が思っていたよりも壮絶で途中読むのが辛くなった。
でも、とても素敵で大切なお話でした。
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初・千早茜さんでしたが、とても好きな小説だった。
登場人物も皆キャラが立っており、何より朔と一香の関係性の変化が予想できず、ページをめくる手が止まらない。
おもしろかった。
続きもすぐ読みたい。
向き合うことで癒える傷もある
傷を抱えて、受け入れて、生きていく。
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登場人物の暗く重い過去や感情、人に言えない欲望を「匂い」を通して綴られている小説。
テーマは重いのに、登場人物の明るさや軽やかな文章で読み心地が良い本でした。
以前読んだ作品がバチバチの恋愛小説だったので今回も恋愛色強め…かと思いきや恋愛は主題ではなく、ただうっすらと愛が香っていて不思議な高揚感がありました。
千早茜さんは「自分は見向きもされないけど、こんな人に好かれてみたい」という人物を見事に描かれていて、毎回ぶっ刺さります。
全ての主要人物を好きになってしまいました。
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物語の登場人物である若宮一香が新たに始めたアルバイトは調香師のいる古い洋館での家事手伝いだった。
天才調香師である小川朔のもとにはその腕を見込んで様々な依頼人がやってくる。
その中で登場人物の様々な心情を五感を通して感じられるような物語である。
メインの登場人物である調香師とアルバイトの朗らかな会話の中で描かれる心情や
物語を通して思い明かされる過去。それへの向き合い方が人間らしさを感じる部分でもあり、執着という言葉が刺さる場面があった。
物語の終盤で表現される愛情と執着という感情には物語全体を通しての題材だと感じるものがありました。
自身にも当てはまる執着という一感情はどのように取り扱っていけばよいか振り返る機会にもなりました。
物語の表現の仕方が香りを始め五感に訴えかけてくるような文章で構成されているので没入感があり読み応えのある物語でした。
穏やかな気持ち
世界線が不思議で逃避行した気持ちになりました。ストレスが溜まった人にとてもオススメです。ジブリみたいな世界観で本当に好きな物語でした。
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愛着と執着の違い 愛着は、その人の人柄とか兼ねてて純情な愛な感じがするけど執着は双方じゃなくて片方の強い愛っていうか感情で動いてる愛な感じがする、歪な愛みたいな。みんなの見解も聞きたい
読みやすくて、すらすら読み進めれた。どんな本かって聞かれると、匂いだけじゃなくて嘘とか感情も嗅ぎ分けられる秀才嗅覚の調香師とアルバイトで入った女の子が嗅覚によっていろんな感情を抱いて考えてく話(下手くそ) 新城も朔も一香ちゃんもみんな好き
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普段の生活の中で、それほど香りを意識してはいなかった。ハーブ系の香りは好きだったことを思い出し、丁寧にハーブティーを入れたり、料理にもハーブを使ってみたいと思った。自分の内側を良い状態に保つ目に見えない刺激、自分に合う香りを探してみたいと思った。
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設定やあらすじを見るとファンタジー寄りの女性向け恋愛小説で、でも装丁はなんだか厳かな感じなのでどういう作品なのだろうかと身構えていた。実際、設定は重たく読んでいて苦しくなるような場面もあったが、新城や源さんのコミカルなやりとりや、美味しそうな料理やハーブの描写で、とても楽しく読めた。特に料理やハーブ、洋館は流石の描写だった。表紙やタイトルから重たい作品なのかと思っていたが、思っていたよりもずっと読みやすかった。登場人物が全員個性があって魅力的なので、例えば、マンガが好きで小説が苦手だったりあまり小説を読まない方にもお勧めかもしれない。
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間違えて感想かいてました。ごめんなさい。
ナツイチ文庫に引かれて買いました。
移動中の頭に本屋によって。
香りから体調や嘘までわかるという調香師の朔。そこに働き始めた一香。調合相手をマッチングする探偵??の新城。一香の過去。朔の過去の確執が和らいでいくように物語は進む。。この二人が少しずつ分かり合っていく関わり方がとっても優しく癒されて。まあね、ありえないお話だけどそれがまた良くて、謎解きに謎解きからマッチング相手が前に進むのがよくて一気読み。シリーズ2作目実家にある…あ、3作目もでてる。癖になりそう
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並外れた嗅覚を持つ調香師の朔さんは、依頼人の求める匂いを再現できる。匂いは記憶とリンクしていて、匂いがトリガーとなり抑圧された嫌な感情や記憶が呼び起こされることがある。読み進めるうちに主人公のトラウマ体験も紐解かれていく。
様々な依頼人がやってくるが、匂いが行動の抑止力になることもあれば、抑えていた衝動性を解放させるきっかけになる場合もあるよな〜と思った。
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なんというか、決して明るくはない重い雰囲気が普段はあまり得意ではないけれど、気づいたら最後まで読み終わっていた。
香水や柔軟剤といった人工的な香りが得意ではないのもあって、この館に行ってみたい、匂いを嗅いでみたいと思ったのもあるかも。
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匂いは永遠に記憶されているけど、もう一度その匂いに出会うまで引き出されることはないという言葉は本当にそうだなと思いました。
朔さんの纏う不思議な雰囲気がこの作品を魅力的なものにさせていました。
他人の嘘や細かい感情すらも嗅ぎ取ってしまう彼の嗅覚は、便利な面もありますがやはり生きづらさにもなっているんだなと感じました。
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静かな物語
ただ、どんなに鼻がよくてもそこまで?という疑問が拭いきれない
そこにいつも少し引っ掛かりを持ってしまって素直に読み進められない部分はあった。
だけど、ストーリーとしては好き。
朔さんが匂いで一香は色
彼らの周りにいる人物も素敵でかけがえがない。
私にも私に合う香りを調香してほしい。
既に手元にある続編が楽しみ。
Posted by ブクログ
よかった。淡々としつつ、爽やかで、少し不穏で、ハーブの香りが漂ってくるような
どことなく危なげな一香や朔と対比するように、生命力あふれて人間らしすぎる新城のよさよ
ラストも安易に洋館戻って恋愛みたいにならず、(まずは?)友人として。ってところがまたよい。
友人にしてはもうわりとお互い深すぎるとこまで踏み込んでるけど
でも、対等な人と人同士、新たな関係いいね。
しかし一香の仕事内容、ものすごい家事スキルないと結構無理じゃない?私は無理。
家政婦と事務やってるんでしょ?
特殊な環境でハーブ名と精油の種類やら覚えるのも一苦労じゃね?
おまけに手の込んだ料理の数々…栗の渋皮煮なんて栗の皮煮てうまく剥くのに何時間かかると思ってんだ…
重曹につけるんだっけ?なんかもう2度とやりたくないって思ったんだよな…これだけでもう私は1日何もしたくなくなるね。
Posted by ブクログ
穏やかさと少しの緊張感、静けさが伝わってきて、その洋館の中に漂う空気を体感しているかのような気分になった。源さんが出てくるとちょっとなごむ。
香りだけでなく、味覚や聴覚など五感を大事に表現してるのかなと思った。紺色の声が見えるわけではないけど、読者のひとりひとりが思う声が想像でき、すてきな表現だと思った。ごはんも美味しそうだった。
Posted by ブクログ
星2か星3か悩ましい。
香り・季節・人物、そのすべてを丁寧に描く文章は魅力的で、香水好きとして雰囲気を味わいながら楽しめた。
一方でメインキャラクターの生い立ちの設定などがありきたりで、ラストも普遍的なハッピーエンドに収まった。そのうえ、主人公の最後の台詞をなぜそれにしたのか意図がよくわからなかった。
物語の骨格そのものに新鮮な驚きは少なかったかなと思う。
シリーズ全3作あるけれど、2作目以降を読むか悩む。
Posted by ブクログ
続編を先に読んでしまって
それに比べるとこちらの方が少し暗く重い印象。
闇というか。
ゆっくりと静かで穏やかな落ち着いた文章で
読書中は、なかなかいい時間だった。
ラストも安易でないのが好き。
以下ネタバレあらすじ備忘録
貯金も少なくなりそろそろ働かなきゃと
スーパーに掲示してあるバイトに応募。
静かで控えめで、トラウマがありそうな主人公。
洋館での面接で、匂いに敏感な家主のための
家事などの仕事。
匂いと記憶。執着と愛着。