あらすじ
元・書店員の一香は、古い洋館の家事手伝いのアルバイトを始める。そこでは調香師の小川朔が、幼馴染の探偵・新城とともに、客の望む「香り」を作っていた。人並み外れた嗅覚を持ち、鼻で、相手の行動パターンや健康状態を一瞬にして嗅ぎ分ける朔は、どんな香りでも作り出すことができ、それゆえ風変わりな依頼が次々と届けられる。だが、一香は朔の近くにいるうちに、彼が天才的嗅覚を持つがゆえに深い孤独を抱えていることに気づきはじめる……。直木賞作家が紡ぎだす「香り」にまつわるドラマティックな長編小説。第6回渡辺淳一文学賞受賞作。
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Posted by ブクログ
話が面白く、サクサクと読めた作品!
朔が一香に対して心を開いていけたかと思ったら突き放してしまい…えぇ?ってなりましたが、最後はまた会えてよかったって思いました!
朔と一香の今後のストーリーも読みたい!
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私の好みを色々伝えたAIにおすすめされて読んだ本。
他の人の感想にもあったけど、とにかく「香り」についての描写がすごかった。
文字を読んでいるだけなのに、本当にその香りがしてくるような感じがして、不思議だった。
私自身、嗅覚が人より敏感なのか、今まで臭いで苦しい思いをすることが結構あった。
良い匂いでも嫌な臭いでも、人より強く感じ取ってしまうことがあって、それがしんどいと思うことも多かった。
だから最初は、どこか朔さんに自分を重ねながら読んでいた。
でも読み進めていくうちに、朔さんが抱えているものは私が想像していたものとは全然次元が違うんだと分かった。
自分が今までしんどいと思っていたことよりも、何倍も何十倍も辛い思いを抱えて生きてきたんだと思うと、胸が苦しくなった。
そして一香が抱えている過去も、想像していた何倍も重たかった。
最後の章は、その情景を想像するだけでも苦しくて、読んでいて胸が締め付けられた。
文章自体もすごく読みやすくて、言葉選びも好きなタイプ。素敵な作家さんを知れて嬉しい。
続編もあるそうなので、しっかり順番に読んで、この世界観をもっと味わっていきたいな。
Posted by ブクログ
優しいお話。すごくおもしろくて一気読みしてしまった。少し科学的な話については無知だったから、ちょこちょこ用語を調べながら読んでいた。
洋館での出来事と朔さんの発言からは、「香り」の奥深さを感じさせられる。言葉の意味として、ただ匂いを感じるだけのことではないのだと。
今まで漠然と感じていた感覚に、名前を与えてくれた気がする。
「香りは再起動のスイッチ」
Posted by ブクログ
とても良かった。
朔さんは多くを語らないし、語らなくても匂いで分かってしまう。
静謐でハーブの香りがする洋館。
読んでるだけだけど、空気が透き通ってる感じがする。
それと対比する俗世の臭いときたら。
そのギャップもまたこの本の面白みだなと。
前に小川洋子さんの『薬指の標本』をよんだけど、
あれが不思議で不穏な感じだったのに対して、
こちらも不思議な気配を纏っているけど不気味ではない。
終わり方も良かったなと。
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久しぶりに小説に触れたい、夜孤独な時間を共にしてくれる本が読みたかった。
香りが好きで、そんな香りに敏感な調香師の物語というところで惹かれてしまった。
短編のような形で、ストーリーが分かれているので読みやすい。そして展開も想像つかず止まらなかった。
不思議な世界だけれど、登場人物の欲求は現実離れしていないから面白い。五感で様々な感情に名前をつけてしまう千早先生の技術に感動。美しい。
Posted by ブクログ
穏やかに進んでいくすごく落ち着いた作品。先に2作目の方を読んでいたので一香のストーリーをメインに知ることができて良かった。
花や風景、香りの描写が細かくて調べながら読み進めた。尿から自分の情報までわかるという朔のすごさ。私と出会ったらなんて言われるのか気になる。
朔と一香の関係も素敵だなと思った。
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友人から勧められ購入。
読んでみると、文体が綺麗すぎて感動…
また、記憶に残る文•考えさせられるセリフがとても多く、繰り返し読みたい。
色と香りが事細やかに描かれており、
風景+匂い、人+匂いで表す言葉は、
より想像がしやすく、解像度が上がるなぁと感じた。
一方で、物事を深く感じ取れる•考えられるという事は必ずしも良い事ばかりではない。というのも本書の一つのテーマだと思われる。
世の中素晴らしい物•人だけで構成されていないし、そもそも何を素晴らしいとするか?その価値観自体も人によって視点•解釈が異なる。
考えだしたらキリが無さそうだなと思いつつも、
とりあえず自分が心地良く感じる場所•物•人の色や香りに対して、適当な言葉を当てはめれる様になりたい。
とそんな風に思わしてくれる本でした。
穏やかな気持ち
世界線が不思議で逃避行した気持ちになりました。ストレスが溜まった人にとてもオススメです。ジブリみたいな世界観で本当に好きな物語でした。
Posted by ブクログ
初読み…と思ったら以前違う本を読んでいました。
前の本も読んだ後に話の内容からシュークリームが食べたくなり、今回もハーブやスパイスを使った料理がしたくなりました。
香りの描写が上手。
私自身も匂いに敏感で、調香師に向いてるかも?と思ったことがあったのでとても興味深く読めました。
シリーズを続けて読みたいと思います。
Posted by ブクログ
表現が特に良かった作品!
世界観がすごい綺麗で、美しかったみんな色んな事情を持ってて一人一人香りがあって、あんまり現実で考えにくい調香師の話やけど、香りの説明とかめっちゃ詳しく書いてるし、表現の仕方上手い。香りは永遠に記憶されるらしい..
香りの話やのに食べ物めっちゃ出てきて美味しそうだった、、
続編もあるみたいやからそれ早く読みたい。
Posted by ブクログ
古い洋館、ハーブにあふれた園庭。そこで暮らす人並み外れた嗅覚を持つ調香師と、家政婦として働くことになった、暗い秘密を抱える主人公。
美しく静かな世界観が小川洋子さんの「薬指の標本」に似ていると思い読んでみたが、小川洋子さんのような輪郭のぼやけた世界に溶け込んでいく物語ではなく(私はこれがとても好きなのですが)、登場人物たちの抱えている孤独や人間らしい部分とも向き合い、関係が築かれていく。シンプルだけど丁寧な料理の描写や植物や香りの描写が美しく、千早茜さんの魅力が感じられる作品だった。
Posted by ブクログ
嗅覚激強という警察犬じみた能力を持ってる人がいるわけですが、生活しずらそうというのがまず来る。そりゃ便利なことはあるだろうけど、基本いいことないよね。そんな人とは違うものが見える人にある悩み葛藤、人間関係ってどんなものだろう。多分私だったら人に会いたくなくなるんだろうなぁって思う。だって基本他人って嫌な奴しかいないから。それでも何とかできてるのは嗅覚が弱いおかげなのかもしれない。
Posted by ブクログ
終始、薄い膜がかかっているかのような独特な空気感のある作品だった。簡単には想像のつかない香りと、美味しそうな料理が印象に残る。
私自身、香りから昔の思い出や懐かしさを感じることがあるので、とても興味深かった。
Posted by ブクログ
数年ぶりに読み返したけど、結構ストーリーを忘れてる。
それでも、この静謐さには覚えがある。
やっぱり一香と朔のやり取りってロマンティックなんだよなあ。
出会うきっかけや互いを知る過程、自身の感情に向き合う時ですら常に香りが漂っている。
一嗅ぎすれば思い出せる記憶が自分にもあるのかと思ったら、ちょっとドキドキする。
ああでも想像できない香りが多すぎてもどかしい。
もしや何かしら香るのでは?と思わず本の頁を嗅いじゃったよね。
Posted by ブクログ
香りを書く作品だけど、
私には色の印象がとても強かった。
イメージしやすかったからかな?
それぞれが抱える問題というか過去が
作品をずっとうっすら気持ち悪くさせてて
それがやんわりほぐされるラストが良かった。
愛着と執着の違い、難しいな。
Posted by ブクログ
初めて読む作家。高評価だったのと、
前々から文庫化されたら読んでみたいと
思う作家だった。
今まで香りについて考えたことも
なかったので、とても新鮮だった。
確かに嫌な記憶のときの香りは
思い出したくないし、
思い出深いときの香りは
いつまでも大切にしたいと思う記憶である。
Posted by ブクログ
香りの話だけでなく、料理についても詳しく描写されているシーンが多くて読みごたえがあった。千早茜さんは料理のエッセイ本も書かれているようなのでそちらも気になります。
視覚より嗅覚が優位だと日常生活にすごく支障をきたしますよね…その辺りの表現も分かりやすくて面白かったです。
一緒にいておならできないな〜風呂キャンはすぐバレるな、とか思っちゃいました(笑)
Posted by ブクログ
天才調香師の朔がつくる香りが、良くも悪くも人を揺り動かす。複雑な過去をもつ一香は、朔との出会い、同じ時を過ごすなかで、少しずつ自分を取り戻していく、人間ドラマでもあり、ミステリーでもある小説でした。
言葉もすごく丁寧で、展開も無理がなく、1話完結で読みやすい作品だと思います。
続きが気になって残り2部作全部買いました!笑
Posted by ブクログ
兄妹に関して暗い過去を抱える一香が、調香師の朔の元で働く中で過去と向き合う話。朔の人間離れした嗅覚にゾクゾクする。
引っかかったのは、なぜ朔が一香にあの頃の香りを嗅がせたのかということ。思い出して一香がどうなるのか知りたかった?変わったらここからいなくなるから、先にそれを促した?自分のタイミングで、自分から手放そうってことかな。
「嗅げば、募る。鮮烈な記憶は人を狂わせる。」そんなドラマチックかなぁと思うけど、確かに香りで記憶が蘇るのは私もある。あと、香水への興味はあったりなかったりだけど、杖のグリップに香りを忍ばせるってオシャレだなと思った。
印象に残った文章
「そうやって彼女を所有するのはどんな気分?」
恐怖を感じた。支配とか、所有とか、それは持ち主の主観じゃないかな?
物はなにも考えないけど、それが対人なら、所有される側の意思は関係ないことにならないか?
子どものことが頭に浮かんだ。この小説に出てきた異常者なんかより、ずっと自分の身近にある「人の所有」の感覚だと思う。親になるの怖い。
Posted by ブクログ
透明な夜の香りはガラスの香り?なんとなくそんなことを読後に思った。嗅覚を題材にした話だけどすごく面白かった!ミステリー要素ありで、読みながら本の世界観のイメージをするのがとても楽しかった。最終的な朔と一香の関係性は予想した形とはちがったけど、2人にとってはそれもハッピーな形なのかな。次の話にも一香がでてくるのかどうかは個人的には気になるところ。次巻も買ったのでいまから読む!
Posted by ブクログ
あらすじに惹かれて購入。あと表紙がおしゃれ。
少し想像と違った。
香りをきっかけに謎や悩みを解決するミステリーもの、と思っていたがそうではなく…調香師の朔の行動を主人公一香が傍観しているという感じ。一香が事件解決に役立つということはない。
特に最終章で一香のトラウマを朔が引き出した後、特に何も解決しないというのが個人的によくわからなかった。
解決する気がないのにわざわざ嫌な記憶を引き出したのか?と肩透かしを食らった気分だった。
一香以外の登場人物、例えば幼馴染の探偵である新城も影が薄い。
夜の世界の住人のような風貌、荒事にも強く、何より朔の幼馴染…という設定から朔の過去や今を知るキーパーソンになるかと思ったがそうでもない。
朔以外の人物は傍観者…どころか、朔にとっては香りのサンプルでしかないような、どこか冷めた見方をされているような印象だった。
逆によかったところ。
雰囲気がよかった。香り…というよりも物の描写、料理の描写。
屋敷の静かな空気、一香が作るお菓子や料理、庭師の源さんが行う庭仕事、新城のタバコの香り…何より異常な犯人たちの性格行動に伴う雰囲気など。
それらが、静かでありつつもどこか不穏な雰囲気を醸し出していて、心地よく作品の雰囲気に浸ることができた。
Posted by ブクログ
こんなにも香りに繊細だと生きづらいだろうなと思いつつも、彼が登場するたび、話すたびにワクワクした。とても魅力的な人物。
不器用な新城との信頼関係も良かった。
尋ねてくる依頼人達もクセが強くて、もしかしたら本当にこういう世界もあるのかもしれない、と面白く読めた。
あのお屋敷にいちど行ってみたい。
自分ならどんな匂いを依頼するんだろう。
Posted by ブクログ
最新刊を読もうとしたら、シリーズ3作目だということがわかったので、1作目から読んでみた。
調香師の朔と、その事務所兼自宅で家政婦をすることになった一香。お互いを大事に想うようになりつつも、なかなか近づかず。「愛情と執着の違いって?」なんていう発言も出てくる。
それにしても、調香師への依頼内容がヤバすぎる。誰かの体臭とか血の匂いとか。そして時には、異常行動にまでエスカレートしてしまう顧客もいて、ちょっと怖かった。
匂いの記憶がテーマにもなってるけど、確かに、ある匂いを嗅いだら過去の想い出がよみがえることがあるよね。ぶわーっと。そのときの気持ちまで思い出させてくれる。良い想い出も、悲しい想い出も。
Posted by ブクログ
元・書店員の一香は、古い洋館の家事手伝いのアルバイトを始める。そこでは調香師の小川朔が、幼馴染の探偵・新城とともに、客の望む「香り」を作っていた。どんな香りでも作り出せる朔のもとには、風変わりな依頼が次々と届けられる。一香は、人並み外れた嗅覚を持つ朔が、それゆえに深い孤独を抱えていることに気が付き──。
香りや匂いがテーマで繊細な情景と文章が特徴的でした。8章からなる連作短編なのでキリが良いところで本を閉じれたのが良かったです。読み終わった時は達成感や安堵のような感じではなくスーっとした余韻が残るような感じで自分の語彙力では表現しにくいですが面白い体験をさせてもらいました。
様々な出来事や思い出を彩ってくれてた香水を久しぶりに付けてみようかなと思わせてくれました。
初めて買ったサムライ、背伸びして買ったエゴプラ、振られた時に付けてたクールウォーター(笑)
うーん懐かしい。
Posted by ブクログ
ゆっくり穏やかな話だと思った。
ドパガキには刺激が足りないような気もするけど、
それがこの本の良いところな気もして、心を穏やかにしたいときに読むといいなと思った。
Posted by ブクログ
初・千早茜作品。
軽やかなハーブの調合や手の込んだ料理の描写に対して、人間の内側のどろりとした感情が必要以上に醜く感じられた。
朔も一香も境遇は気の毒で、だからこそ惹かれるものがあるのだろうけれど、どこか不気味さを覚えたのは正直なところ。
新城と源さん、さつきの存在に救われる。
解説が小川洋子先生なのが嬉しい。
Posted by ブクログ
人間離れした嗅覚をもつ朔と、朔のもとに働きに来た一香。関わっていく中で2人の心が次第に変化していく。
短編のように書かれていて読みやすかった。香りの描写もだが、ごはんを作る時の描写が綺麗で、読んでいてお腹がすいてしまった。丁寧な暮らしという感じ。
映像化した方が面白そうだなと何となく思った。