【感想・ネタバレ】透明な夜の香りのレビュー

あらすじ

元・書店員の一香は、古い洋館の家事手伝いのアルバイトを始める。そこでは調香師の小川朔が、幼馴染の探偵・新城とともに、客の望む「香り」を作っていた。人並み外れた嗅覚を持ち、鼻で、相手の行動パターンや健康状態を一瞬にして嗅ぎ分ける朔は、どんな香りでも作り出すことができ、それゆえ風変わりな依頼が次々と届けられる。だが、一香は朔の近くにいるうちに、彼が天才的嗅覚を持つがゆえに深い孤独を抱えていることに気づきはじめる……。直木賞作家が紡ぎだす「香り」にまつわるドラマティックな長編小説。第6回渡辺淳一文学賞受賞作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

とても好みに合いました!
最後の終わり方で朔さんが子供らしいところを見せるのが少し可愛いなと思いました。料理や、香りなどの例え方がとても美しく感じて、嗅いでみたいな〜や、食べてみたいというものがありました。全体的に読みやすく、透明感のある物語でした

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2025年12月12日

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ネタバレ

いつか、今自分が大切にしている時間を忘れてしまったとしても奥深くにきちんとしまわれているらしいので߹-߹
美味しそうなご飯が沢山出てきてお腹空いた〜〜

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2025年11月10日

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ネタバレ

秋に読書を初めて最初に手に取った作品です。

香りのないはずの「透明」や「夜」をも朔は深く深く手に取るように感じ取るんでしょうね。
朔を現したような題名で素直に綺麗な言葉。。

千と千尋の神隠しの銭婆のセリフ
「一度あったことは忘れないものさ
思い出せないだけで」
終始このセリフが頭にあったなあ。

朔の今まで閉じ込められた瓶の蓋が微かに緩められた、そんなラストに感じました。どんな隙間にも入る、一香は煙のような存在なのかなとも。

透明の香りのする素敵な本でした。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全体を通して落ち着いた雰囲気があって、尚且つただ淡々としているだけではなくて暖かさを感じる描写が多くて何だか心休まる本だった。
そんな中で、少しがさつに感じる新城も良いアクセントになっていた。

どこか掴みどころがなく、底も見えない朔が、最後少し素直になっていたのは「変化」が感じられて良かった。

タイトルの「夜」が前面に出た話ではなかったと思うけど、確かに透明な夜の雰囲気を纏った本だった気がする。

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでて文字から香りがする、風景の色が見える、美味しい料理の味がする素敵な作品

一文の情報量が濃くTopNoteからLastNoteへ移り変わる章とともに、漂う雰囲気や主人公の内面の変化が感じられるのもいいし、登場人物の距離感が心地いい

1pと260pでは同じ鮮やかな赤の蔓薔薇を見た時の反応が違う主人公の心情の変化に胸を打たれた
嗅覚に秀でた天才が味覚で寂しさを感じたラスト、お洒落すぎ

好きなフレーズ↓
ー逃げてはいけない、なんて道理を聞かなくてもいいよ。そんなのは人を殺す正義だ。

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2025年10月31日

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ネタバレ

日常感のある小説は好き。主人公は目に見えない声などを色として表現する部分が多かったが、朔さんとが関わっていく中で匂いの描写がだんだんと増えていくのがよかった。本の表紙が深い紺色にガラス瓶、ラベンダーなどがあるのもエモくて好き。最後主人公が館を出て朔さんと会わなくなってから少し寂しさを感じたが、そのままもう会わないようなストーリーを期待していたので、途中で朔さんと会えてしまったのが嬉しかった反面、残念に感じた。主人公はそのまま館での経験を忘れていくが、匂いは永遠に覚えているのでまたどこかで思い出すかもね、という方が良かったです。朔さんは沼男ですね。ミステリアスな人に惹かれてしまう主人公の気持ちがよく分かります。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいて香りが想像できるような素敵な文章で読みやすかった。
一香が館に入るのと同じように、この本を開くとスッと香りの世界に引き込まれていく。
「執着と愛着の違いはなんですか?」
執着は変化を嫌う。一方、愛着は変化を含めて愛する。変化を認めて受け入れることはとても難しいことだと思う。そして大抵の人は変化を嫌う。朔さんも変化を嫌う人。でも、一香と関わり、会話をしていくことで、変化を受け入れられるようになる。
「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶されるから」
「君の命が終わるまで。」
確かに、不意に嗅いだ香りから昔の記憶を思い出すことがある。良くも悪くも。私たちは不意に思い出すだけだから、そんなこともあったなと流せるけど、常にそれを感じられてしまう朔さんでは情報処理ができなくなっても当然だと思った。
朔さんと一香の距離感が絶妙でとてもよかった。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

元・書店員の一香は、古い洋館の家事手伝いのアルバイトを始める。そこでは調香師の小川湖が、幼馴染の探偵・新城とともに、客の望む「香り」を作っていた。どんな香りでも作り出せる朔のもとには、風変わりな依頼が次々と届けられる。一香は、人並み外れた嗅覚を持つが、それゆえに深い孤独を抱えていることに気が付き。香りにまつわる新たな知覚の扉が開く、ドラマティックな長編小説。
紺色の声の朔…どんないい声のイケメンなんだろうと妄想しながら…金木犀の香りのいい時期に読みました…

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

独特な雰囲気を持つ心理描写だった。主人公の気持ちがとても近くにあるようで、さも我が身に起こったことであるかのように、朔さんの一挙一動に心を動かしていた。
想った人に想われる、しかも常識的ではないかもしれない形で…という物語の締め括り方が「神様の暇つぶし」と似ている、と思った。
「神様の暇つぶし」を読んだ時にも思ったが、主人公は構築した自分の世界に深く沈み込んでいて、簡単に言えば乙女チックな部分がある気がした。その点において、彼女に心底から共感することは難しかった。

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2025年11月23日

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