【感想・ネタバレ】YABUNONAKAーヤブノナカーのレビュー

あらすじ

文芸業界の性、権力、暴力、愛。戦慄の長篇
性加害の告発が開けたパンドラの箱――

MeToo運動、マッチングアプリ、SNS……世界の急激な変化の中で溺れもがく人間たち。対立の果てに救いは訪れるのか?
「わかりあえないこと」のその先を描く、日本文学の最高到達点。

「変わりゆく世界を、共にサバイブしよう。」――金原ひとみ

文芸誌「叢雲(むらくも)」元編集長の木戸悠介、その息子で高校生の越山恵斗、編集部員の五松、五松が担当する小説家の長岡友梨奈、その恋人、別居中の夫、引きこもりの娘。ある女性がかつて木戸から性的搾取をされていたとネットで告発したことをきっかけに、加害者、被害者、その家族や周囲の日常が絡みあい、うねり、予想もつかないクライマックスへ――。

性、権力、暴力、愛が渦巻く現代社会を描ききる、著者史上最長、圧巻の1000枚。
『蛇にピアス』から22年、金原ひとみの集大成にして最高傑作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・登場人物に、ちゃんと嫌悪させられる。そういう物語はあまりない。普通は、「悪」にはもっと弁明の余地があったりする。でもこの作品は生々しい。とてもリアルで、心当たりがあって、それ故に嫌悪する。顔を顰めながら読まされてしまう。圧巻。

・こんなにも書いていいのか!と勇気づけられる。映像や、音楽に触れていると、語られない美学というものは自明であるとつい思い込んでしまう。でも、小説だからこそ、こんなに書けるのか!と思う。この人は、何に怒り、何に苦しみ、何に悩んでいるのか。日常の細部から、心の機微をこれでもかと文字に起こされていく。その様は読んでいてとても気持ちが良い。だからこそ、これだけの衝撃と、読後感を与えられるような小説になったように思う。

・わからない語が、適度に出てくる小説が好きだ。少し立ち止まって検索して、こんな言葉あるんだなあと思う瞬間が楽しい。

・最後の章に、リコを持ってくるのズルい。ずっと、暗いなにかに囚われている人たちの視点が描かれつづけていたのに、最後の最後にあんな最強女子で締めるのか。ニクいなぁ。

・長岡さんの、「世界が正しくないことを嫌悪する」姿勢にはあまり共感できなかった。でも、自分なりの「こうあるべき」という理想像に囚われて、そうではない現実への怒りにはとても覚えがある。だからこそ、対比として一哉のような、目の前にある幸福をしっかりと認識して、それを大切にできる人のことを尊く思う。嫉妬すら覚える。一哉のような強い男性で在りたい。一哉、どうにか幸せになってくれ。

・西山さん、序盤から名前が挙がり、ずっと気になる存在として描かれていたのに、とうとう彼女の視点はないまま作品が終わった。「こんなに書いていいのか!」と感動させられる小説だったが、そこには「みなまで語らぬ美学」までが共存していた。すごい。最後に二人が抱き合っていたのはなに?どんなやり取りがあったの?

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

500ページ越えの大作。

今後、数回は読み直す作品であると感じた。
時代は移ろいゆくからこそ、この作品を何度も何度も読み返したくなる、そんな気がした。

あと一手先でいい。一手先のことを考えること。
相手を思いやる深度を一つだけ進めること。
それだけで少しは違う景色が見えてくる気がする。傷つかない人が増える気がする。

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2026年01月17日

Posted by ブクログ

金原ひとみさんの作品は初読みでしたが、圧巻でした。
人と人が完全に分かり合えることはない。それを容赦なく、徹底的に書ききった凄まじい作品。

帯やあらすじにもあるように、性搾取の告発を中心に物語が展開していくのですが、でも性被害や性搾取の悪辣さを知らしめることや、それを断罪したり怒りの感情を発露したりということはあくまで作品の中の一部分のように感じられるというか……。性加害・搾取という問題を通して「分かり合えない」ということをとことん直視させられ、痛感させられたという印象の方が強かったです。
性搾取した人と、性搾取された人。世の中に対して許せないことがある人、許せないことがないという人。男と女。母と娘、父と息子。世代の違いや、セクシュアリティの違いなど。作中には対比になるような関係性や価値観がふんだんに散りばめられており、その誰もが誰一人として誰かと「分かり合えた」と満足出来ることはない。
読み進めるほどに、「人は分かり合えない」という事実を突き付けられ、実感させられる。
295頁にある『私たちは同じ世界の住人でありながら、同じ世界の住人では全くない。同じ世界を生きながら互いが互いを透明人間のようにすり抜けていく。私たちは永遠に交わらない。』という言葉が否が応でも腑に落ちるような、フィクションなのにゾッとするほど現実的な物語でした。
また作中に出てくる10〜50代の男女それぞれの言動や思考は見ていて嫌になるくらいに赤裸々に書かれており、生身の人間臭さがすごくて…。それがより作品のリアリティを強めていましたが、そこまで分析して俯瞰して書ける著者に畏怖を覚えます。人間を書くのが上手すぎる。
また明け透けなくてリアルゆえに、登場人物たちの感情や考え方に共感出来る部分も随所にあって、読んでいて面白さを感じつつも、でも物語に感情を引っ張られることもまあまあ多くて読み進めるほどに疲労感が積もって行くような心地でした。終始気持ちのいい話ではないので、メンタルが元気でない時に読むことは控えた方が良さそう。
でも個人的には読後感は不思議と悪くなくて、誰かと完全に分かり合えることがなくても生きていけるというか、生きていかなきゃだしな…と、どこか晴れ晴れした気持ちになれました。
読むのに時間や気持ちをゴリゴリ持ってかれる、ページ数も内容もヘビーで強烈な一冊。とてもオススメの作品です。

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白かった。すごい本を読んでしまった。

登場人物の視点が順を追って進んでいき、またその、逆順で折り返していく構成で、その人の視点で物語がどのように綴られていくのか気になって、どんどんページが進むし、
周りが語る人物像と渦中の人物の心境やスタンスが全く違っていたり、そもそも切り取るべきところが異なっていて、こんなの現実世界そのままじゃん、と何度もなった。

伝えたいストーリー、主張されているトピックは明瞭なものがあるわけではないのかな、告発文を基軸に進むストーリーであるものの、個々人の信念や置かれた環境、たどってきた人生の遍歴で、章によって全く違う主題が書かれてるようにも感じた。とにかくすごい。

個人的には、「昨日まで大丈夫だったものが、いつ反転し、大丈夫じゃなくなるのか分からない」「普通にライブハウスに来てる人たちの何て普通じゃないことか(すごいことか)」という人生が転落することの怖さを語っていた伽耶さんの話に共感するところが多かった。

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2026年01月16日

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ネタバレ

令和の『藪の中』を生きる、剥き出しの正義と多面性の終焉

金原ひとみ『YABUNONAKA』は、芥川龍之介の『藪の中』を現代の地平で再構築した群像劇だ。物語は、出版社に勤める木戸という編集者が、元恋人の美津から10年越しの性的搾取を告発されるところから動き出す。そこから派生する様々な人物たちの視点が重なり合い、性加害という深刻なテーマを軸に、現代特有の「真実の不透明さ」が描かれていく。
本作で圧倒的な存在感を放つのは、木戸の元担当作家・長岡友梨奈である。彼女は強固な自らの正義を信じ、他者をねじ伏せる力を持つ人間だ。かつての彼女は、自身の中に宿る「乖離性」を武器に、物事の多面性を描く小説家としてバランスを保っていた。しかし、娘の友人の自殺という悲劇が、彼女の古傷を抉り、その乖離性を消失させる。
壊れた友梨奈が選んだのは、ペンではなく物理的な暴力による制裁だった。人々の多面性を描くことが小説家の矜持であったならば、単一の正義を振りかざして暴力に走った瞬間、彼女は表現者として「死」を迎えていたのかもしれない。彼女の死の直前、別の雑誌で執筆を再開しようとしていたのは、乖離性を失った「新生・長岡友梨奈」としての模索だったのだろうか。その真実は、彼女が交通事故でこの世を去ったことで、まさに「藪の中」へと消えてしまう。
物語の構造も巧妙だ。木戸、美津、恵斗、一哉、五松、伽耶。それぞれの立場から語られる性的搾取の記憶は、主観的な事実に満ちている。そこには個人の後悔や言い分がある一方で、それらを「善悪」として裁くのは、その時代の社会が醸し出す「空気」だという冷徹な事実を突きつける。
バブル期の無自覚なハラスメントと、過渡期にある現代の価値観。木戸、一哉、恵斗という三世代の男性像は、それぞれの時代の価値観を背負った象徴として描かれている。34歳の私が、その中間に位置する一哉に共感してしまうのは、私自身もまた、今の時代の空気によって形作られた人格であることを突きつけられたようで、ひどく身につまされた。
この物語を読み終えて、我々は問い直される。社会を多面的に見ることは可能なのか。それとも、特定の立場からの怒りこそが唯一の正義なのか。他の読者がこの作品をどう受け取るか、その反応の違いすらも、今の時代を映し出す巨大な『YABUNONAKA』だ。

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2026年01月17日

Posted by ブクログ

情報処理するのに時間がかかった。今の社会を表すストーリー。

最近思うのは、「自分は被害者側だ」と言える人は実は強い。「自分は何か悪いことをしてしまったかもしれない」「こんなことを言ったら言い訳になるかも」と思って行動できない人の方が弱い。言い訳をしない美学が、時に人を強く見せるようで、人を追い詰めてるんじゃないか。物事に真剣に向き合う人ほど社会に押しつぶされているような気がする。

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2026年01月13日

Posted by ブクログ

当たり前に戦争はダメだし、殺人はダメだけど、昔の恋人との行為全てに同意が得られてなかったかもしれないとか、男尊女卑発言をしてしまったかもしれないとかそういう、今の日本だから問題とされることは、明確なルールが無いので、誰も裁くことができない。だからといってそれを許してはいけないのだけど、まだ社会はマナー違反ぐらいの悪行にしているところがあって、憤る、是正しなければいけない。←この気持ちはすごく分かる、というか私も持っている、じゃあどうやって是正していかないといけないのか、気ままに生きていくだけではダメなのか、本当に全員が悪行を懲らしめなければいけないのか、その出ない答えを他人数視点で書いてくれたので、私自身の愚かさと愚直さに気付かされて、面食らった。中居くんや永野芽郁は排除されるべきなのか、人を苦しめた人は断罪されるべきなのか、私は割と真剣に考えたいし意見交換したいタイプだけど、世の中にはそういう事とは程よく距離を保ち、自分の生活を守る人達もいて、その人たちが薄情だとは思わないけれど、人のことにずっと首突っ込んでいたって、私だって幸せになれない。でもずっと考え続けなければいけないし、意見を持たなければいけないのでは?と思う、そうしたら今度は、私がむさ苦しい奴に見える人だっているんだろう、と思うともう誰と意見の交換をすればいいのか、正直分からないし、もう何喋っても私は誰かを傷つけてしまうんだろうと思うと、簡単に絶望する。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

金原ひとみすごい
変わりゆく時代で生きる様々な性別世代の人たち
同じことでも見えてる形が全然違う

長岡友梨奈の自分を差し置いての強い正義感
木戸のもう全部諦めた感じ

おじさんっておじさんなだけで孤独になるんだな、

最近の高校生って自分が高校生の時よりも大人で現実的なのかな

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2026年01月03日

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現代の生き辛さを煮詰めたような小説に感じた。救いがあったのかわからないけどギリギリの部分でフィクションを感じて読み進めることができた。この内容に全く刺さらない人生の人はいるのだろうか。

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2026年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オーディブルにて。
書評などで高評価だった作品に年末年始にチャレンジ。

性被害、告発、SNS拡散によって、人はこんなにもダメージを受けるのか。

性は個人的なもので、内面的なもの。
お互いの同意があり、お互いリスペクトや思いやりがあれば尊い行為なのに、性欲を満たすため、あるいは支配欲、自己顕示欲、単なる憂さ晴らしが入ってくると悲惨なものになる。相手を傷つけ、自分も傷つく。性行為は体だけでなく心にも直結する。

本書はそこに、告発やSNS拡散が加わる。
どんな告発や暴露も、される側は大きな痛手だが、性に関することは殊更にセンシティブはもので、たとえよいセックスだとしてもかもされたくないものだし、リスペクトのない酷いセックスなら尚更ダメージは大きいように思う。

ギョッとするような性描写、そして心理描写を男性視点で描ける作者がすごい。

本書はいくつかの出来事が混ざり合っていて、登場人物それぞれの視点で描かれている。だれか1人の視点からでは分からなかったそれぞれの感じ方や行動は、ときに同意したり同情を誘ったり、ときに違和感を覚えたり嫌悪したり、自分の中にいろいろな感情が出てきた。

登場人物それぞれ皆に共感でき、皆少しずつおかしなところがある。たとえば長岡友梨奈は、だいぶ狂っているように思う。特に後半は、正義感が過ぎて周りを疲弊させた。でも高校生の越山恵斗には父親のこともあり、それが分からない。

橋山美津も生きるのに精一杯だったのは間違いないが、告発が自らを苦しめた。
五松は最低な男だが、SNSがなければあんなふうにはならなかったはずで、彼もまた被害者だ。
横山一哉は長岡友梨奈に振り回されていたが、彼女に強く惹かれ愛し、そして愛されていた。よいパートナーだっただっただけに、同情した。
安住伽耶は強い信念をもった母、長岡友梨奈に振り回された1人だが、彼女から逃げることができた。逃げも大きな選択だ。

性被害、暴露、暴力、恋人、親子。いろいろな話が絡み合い、暗い気持ちにさせる話の最後に高校生カップルの前向きな決意に、希望が見出せた。

ーーーーー
ひとこと、感想。
俯瞰で見るのは大切。
もっと言えば、それぞれがもう少し謙虚に生きていれば。
お互いをリスペクトし、愛を持って接すればと思う。
苦しいこともユーモアを持って乗り切っていけば。
愛、リスペクト、ユーモアを忘れずに生きていきたいと思った。

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2026年01月03日

Posted by ブクログ

初めて小説家をすごいと思った。
登場人物全てを別の人が書いたみたいだ。
自分は誰に近いかと考えて、でもちょっと違うと思った。
自分が全く理解できない考え方の人物さえ、分かるような気になってくる。

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2026年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前時代の価値観や倫理観が起こした行動を現代の価値観や倫理観で糾弾していくことは本当に正しいことなのか。
大衆の目や関心が移ろいゆくように、時代の価値観も常にアップデートされる。
作中で糾弾されていた木戸は本当に悪いことをしたのか。一部分をうまく切り取られ性行為まで暴露された木戸は搾取したのではなく、承認欲求を満たすために搾取されたのではないか。
SNSにある事柄のように何か一部でしか見れないにも関わらず全体を知った気になって誰かを糾弾したり意見を言うことは正義感を装った攻撃なのではないか。
個人的には木戸の悪い部分を感じなかった。あの人は価値観もアップデートしつつあって前時代的なマッチョ文化を持っていたわけではないし、単純に色々な経験をして疲れていたのだろう。
まるで集団リンチみたいで正直辛かった。

また、最後の方で友梨奈が死んだ時に現代では死んだ人を神格化しすぎるきらいがあると感じた。
匿名性の高いネットであっても死を軽々しく扱うことはきひされているし、強い意志を体現した最大の行動は死ぬことである。
死ぬという意思表示がアイデンティティとなり、神格化されていく現代ではみんなの前で意思をもって死ねたら勝ち、死ぬことで全てチャラになって勝ててしまうのか。

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2026年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やばい。社会では普通な顔してる人たちの、本当の考え方だったり、それに基づきプライベートで起こす行動が。
文学インポって言われてるけど、木戸の章に一番共感してしまった。悪いことしたつもりじゃないのに、加害者認定されている。中年になってきて、何もない。前の時代でよしとされてきたことをやってきただけなのに、時代遅れな人になってる。
怖いな。時代とともに自分をアップデートできる環境に身をおかなくては。

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2025年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

金原ひとみはなんでこんなに、色んな世代の視点や立場を描けるんだろう、作家の観察眼て怖いわぁ。

ひとつの事案に対して、関わる人それぞれに解釈がある。当たり前なんだけど、何が正解なんだかわからなくなる、まさに真相は藪の中。

友梨奈は私と同世代なんだけど、この人もまた癖強い。フェミニストぽい事言うくせに、この人もしも男に生まれてたらめちゃくちゃマチズモ思想持ってそうだよな。
娘に対する態度ひどいしな。正しいことを言う時は控えめにする方がいい。って祝婚歌でも言ってるやつよね、それ一哉がたしなめてて、ほんとにいい彼氏だなーと。一哉が10代の頃から付き合ってたって、マジで木戸さんとは状況は違えど、紙一重よ。

そしてまさかの友梨奈が英雄になって死ぬ
祭りあげられる
この展開にはびっくり。


そして、木戸さんよね、世の中の50代男性に木戸さんはけっこういるんだろうな。
2度の離婚
うだつの上がらない仕事
マンションのローン
子供の養育費
妹の治療費
母親の老人施設費
と、各方面への支払いを強いられATM化している
文学インポと呼ばれる
からの性加害告発

自分の生きる意味も見失い、自殺を図る描写がすごい。実際こんな感じで死んでいく人、本当にいると思える。
きゃーー、もう後半は木戸さんを救いたいって気持ちにさせられたわ。


最後リコが全部いいとこ持ってゆく。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

相変わらずわけわからん金原ひとみさん。
久々の長編だったが、飽きずに読み終えた。時間はかかったけど。

最後どうなったのかな?と思う登場人物もいたけど。

なぜこんなにも、世代の違う登場人物をうまく引き出せるのか?
才能やばい。

自分がこれから歳を取っていく中で、どこかで加害者にならないか…。
はや加害者になっていて、これから告発されるのか…。
ありえないけど、絶対ないとは言えない。そんな想像をさせてしまう。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

しばらく放心状態になるほど、物語の終わりは突然だった。
明確な結論も、きれいな落とし所も提示されない。
けれどその“未整理さ”こそが、この小説の最大の魅力だと感じた。

物語の主軸となる出来事をめぐって、登場人物それぞれの意見、主張、正義、そして真実は食い違う。
誰かにとっての被害は、別の誰かにとってはそう認識されていない。
作者があえて結論を示さないことで、その現実がより生々しく浮かび上がる。

この作品を読んで強く残ったのは、
自分が被害者になること、あるいは加害者になることを、当事者自身が自覚的に引き受けることの難しさだった。
物事を多面的に考えることの困難さ、残酷さ、生きづらさ。
性被害・性加害という出来事が、関わった人々の人生をどれほどアンコントロールに変えてしまうのか。
どれだけ言葉を尽くしても、決して交わらない価値観や背景があるという事実。
そして「じゃあ、どうすればよかったのか」と答えの出ない問いによって、人生が容赦なく変わっていく恐ろしさ。

この小説の軸には【性加害】【性被害】という重いテーマが据えられている。
センセーショナルな告発や、フェミニズムとミソジニー、古い価値観と新しい基準の対立を描く物語だと想像してしまうかもしれない。
しかし『ヤブノナカ』が描くのは、それだけではない。

登場人物すべてに共通しているのは、現代を生きることへの苦悩・悲哀・絶望だ。
それは性別や年齢、職業、ジェンダーに関係なく、誰もが抱えうる感情であり、
その感情を一時でも他者と共有することが、時に人を狂わせるほど耽美的であることが示されている。

読後、明確な答えは残らない。
その代わりに、無数の感情や問いが頭の中に浮かび続ける。
読み終えたあとも考え続けてしまうこと──それ自体が、この作品をおすすめしたい理由である。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すっごく面白かったです!
分かる方教えていただきたいのですが、優美はどうしてあんなに五松さんに執着するのでしょう?
男を憎んでるのは分かりますが、五松さんが優美にとってそこまで有害な存在だったようには思えないのですが…
また一哉は友里奈に冷めたような描写があったもののその後も付き合い続けてましたよね。そこについての解釈も教えていただきたいです!

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2026年01月08日

Posted by ブクログ

各キャラクターの考えについて、どれも理解できるし、共感もできる。人によって物事の捉え方は変わるのは当然だ。加えて、時代の価値観によっても変わってしまう。この2軸の価値観の掛け合わせが、より世界を複雑にしてるのかなと思った。
カロリー使います。

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2026年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやー。すごいね。金原ひとみ
こんなん書いて本人はメンタル大丈夫なんかな?
と心配になるくらい力作

長岡友梨奈の「自分が世界一正しい」
みたいな感じが後半かなりイライラ
伽耶がかわいそすぎる

でも「最強メンタル」の時って
そうなんかもなぁ

私も正論で戦う派なので
わからなくはない

でもさ、自分の事、棚に上げすぎやないか?
旦那が別れてくれんにしても
一応、自分も不倫やん?
木戸さんも自分と比較してたけど。

19や20から28歳まで友梨奈と
暮らしていた一哉
友梨奈に死なれ、突発性難聴になって
今後もずっと友梨奈を引きずって
生きてくわけやん?
伽耶も、きっとそうやん?
かわいそすぎるよね

難聴や心の傷をリコが言うてるような
「友梨奈につけられた最後の傷」なんて
ロマンチックな感じでは
生きていけんやろ

友梨奈、正論振りかざして生きるなら
自分の事にも、もっと疑問を抱いてほしかったな

ちなみに五松さんは、似てる男が浮かび
「五松さんは自分が大好き。自分大好きも才能
孤独を受け入れその才能を
1人で伸ばしていけ」みたいな
友梨奈の発言に、めっちゃ共感!
思わずメモったわ
避妊しない男は、いつか痛い目に
あってしまえと私も強く思う!

長い小説だったけど、色々思い出したり
考えたりしながら読んでいて
どっぷりはまれて良かった

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2026年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと読みたかったけど、いやー思ったより難しかった。
よくもこんなに考えの違う人たちの心情や行動を細かく描けるなーってすごくすごく感心してしまった。笑

この作品って圧倒的、女性味方目線というか。
これは男性が読んだらどう感じるのか興味がある。

男女差別とか、男女格差とかって
いつになったらなくなるのかな?
もうこれは世の中に違う性別がいる以上なくならない?
塩田武士さんの「踊りつかれて」にもあったけど
"礼節を重んじるあまりに、自分を押し殺す。"
違和感があっても
夢を壊されるかもしれない
周囲から孤立するかもしれない
環境から追い出されるかもしれない
そういった危機感が先に立って、相手を断罪できない人たちなんて、五万といるんだろうな。
だからこそ、自分の立場や関係性をダシに誰かを搾取しようとする人間は、私は許せない。
長岡さんの行動力には勝てないけど。笑


しかし、一方で。
"正しさで追い詰める"っていうのもあるのかもしれない。
世の中の多くの事柄は、倫理的に"正しい""正しくない"で分けられるはず。
だけど、それがその瞬間、その人への最適解かと言ったら
はい、そうです。とは言い切れないのかもしれない。
正しさを盾に戦うことで、周りがよく見えず大切な人を傷付けてしまうこともあるんだろうなあ。

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2026年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み進めるのにここまでエネルギーを使う本も久々。
今の時代を生き抜いて、世界を観察し、感じきってきた作者の血の滲みを感じる
グロテスクでリアルな性描写にえずきそうになる場面もあったが、なんとか最後の章まで読んで謎の晴れやかさに包まれた…
一人の作者がどうしてここまで多様な年代の人生を掘り下げて描くことができるのか不思議。
2026年最初の1冊


【以下、気になった文メモ】

「人は唐突に、自分の魂がどこにも紐づけられていなかったことに気づく。生まれた時から、親と、親の親と、環境と、そして未来に自分を愛してくれる人々と、繋がっているのであろうあらゆる糸を感じていたあのうざったい感じ、あれが全て幻想であり、自分は一人、たった一人で誰もいないホルマリンの海の中で胎児のように丸くなっているのだと気づく。全てへの怒りや共感や慈愛が、全て自分から出ているもので、自分には何も入ってきていないことに気づく。つまり人は人と溶け合わない。その皮膚をもって断絶していることに気づくのだ。そしてそのことに気づくのは、往々にして中年や高年の、もうそのことを嘆くこともできない歳になってからだ。
 私たちは個人として閉じた存在である。性器や臍の緒を通じて誰かと繋がったとしても、傷口と傷口を擦り合わせても、私たちは己の持つ思いを一つも交換できない。ある程度の歳になり吹き荒ぶ風にさらされながら唐突に、嬉しいわけでも悲しいわけでもないその寒々しい真実にたどり着く。
 そしてその時気づく。正しいか間違っているかが問題ではない。そんなことは問題ではない。この世には正しい真理や間違っている真理、適切な真理や不適切な真理、色々な真理があって、その中でどれだけ多くの真理に触れ、把握できるかが重要なんだ。結局のところ我々はどうしたって、混ざり合うことのない生き物なのだから。」

P464 長岡友梨奈

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

長岡友梨奈の強烈な女性の尊厳、男性の不敬にまつわる言葉が重すぎてしんどい、攻め続けられて生きてられない

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2026年01月03日

Posted by ブクログ

2026年 小説1冊目
この本を書いていただいてありがとうございます。
正月のメンタルに余裕ある時しか読めなかった。読んでよかった。

しんどくてしょうがなかったけど最近ずっと考えていたことをそういう人もいるんだよなって書いてくれた感じ。

自分の年齢に1番近い一哉が、一番私とは違ってて、私は圧倒的に物事の捉え方は友梨奈で、ちょっとリコと伽耶っぽいところもあるのかと…(女性キャラでは橋山さんが遠かった)
男キャラは恵斗以外全く共感できず。(ただ最近の高校生ってこんなことまで考えてるの!?ではあったな)

私が人と接しててしんどい理由も詰まってたし、いろいろ考えさせてくれてありがとう。
2026年も模索するしかないね。

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2026年01月03日

Posted by ブクログ

男性から女性への性加害(あるいは加害性)や搾取が根底にあるテーマで、原稿用紙1000枚超えの大作!重量感がすごい。

時代によって判断基準は違っていて、目まぐるしく価値観が変わっていく世の中で翻弄される人々を描いている。
10代から50代の男女の視点で、50代から始まってだんだん若くなって、10代で折り返してまた50代に戻ってという構造に。
だからこそ、その構造から外れた最終章のリコの章が印象に残るし、新しい判断基準を見ているのかなと感じた。

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2025年12月28日

Posted by ブクログ

なぜ、この本を予約したのか?ハードで暴力的な表現、性加害と被害、読むのを止めようかと思いつつ。予約したのだから何かアンテナにかかったのだから、積読しつつ読み続ける。

登場人物が一人ずつ自ら語るうちに、長岡友梨奈が乗り移る。こうなると、読むスピードは加速する。語りすぎず、余白があるから想像できる。

結果、予約して良かった、読んで良かった。

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2025年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

SNSで紹介されてて気になった。
レイプが話の中心かと思っていたがそうではなかった。
とても深く重い内容だった。
正直しんどくも感じた。
白黒はっきりつけないと生きられない友梨奈は、生きづらいだろうと思った。
私はどちらかというと、伽耶のほうが共感はできるので、友梨奈の生き方はしたくない、出来ない。
心に響く作品、読んでよかった。

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2025年12月26日

Posted by ブクログ

リアルタイムで起こっているようで目を背けずに対峙しなければいけないと改めて思わされました。
一人称の気持ちでここまで違いがあるのかと怖く感じる部分もありました。

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2025年12月19日

Posted by ブクログ

これだけ分厚い本を、よくぞ熱量を途切れさせることなく書き切れるな、と思った。
文学的に怒りをぶつけられた、という印象が強い。
そして今作も非常に強烈な性描写。
正直、自分でも少し気分の悪くなるシーンもあり、耐えながら読んだことも否定しない。

突然のロス以降の怒涛の思考、言葉の濁流には、大きな快感を覚えた。
それこそ性的な快感に似たもの、と言っても過言ではないかもしれない。

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

離婚経験者の40代男だけども、前妻とは恋愛結婚だったが、子供ができて生活環境が変われば、意見も食い違うようになり離婚に至った。
あれだけ愛し合ってた2人だが、離婚の際は泥沼の罵り合い、「あの時は嫌だった」「あの時はこんなに嫌だった」等々
でもその時はお互いに喜んで、同意して、幸せで楽しかったはずなのに。
時が過ぎて憎しみ合うようになると、良かった時の記憶を良くなかった記憶に改ざんされていくのか。

現妻とも同じような環境にいるけど、良い記憶は良いままでいたい。

過去をほじくり回して今さら何をって思うことが現代は多々ありすぎる

会社の中堅の人たちも、今になって「あの時は嫌な思いをした」なんて良く聞くけど、その時言えよって感じ。

過去を汚くはしたくないし、人にも嫌な思いをさせようなんて思って生きている人なんてそうそういないのでは?

正義を振りかざして過去の事を今さら言うなよ

と、考えさせられた1冊でした。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

なかなかのボリュームで読むのにめちゃくちゃエネルギーを使った。
現実でも度々問題になる性加害とか性的搾取を題材にした作品である。

犯罪はもちろんダメだが、たとえ当時は当事者間で受け入れていたことであっても、今のモラルによって一方的にジャッジされ断罪される恐ろしい時代になったんだなとこの作品や昨今の報道等でも実感する。

こういった問題はセンシティブであるが故に行為の内容はともかく被害を訴える人の感情を第一に考慮しなければならないところに対処の難しさがあるのだろう。

大きな声では言えないが面倒くさい世の中になったなあと思いつつ、ハラスメント人間に認定されないためには感覚をアップデートし続けなければ
ならないのだとも思う。

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2025年12月19日

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