【感想・ネタバレ】YABUNONAKAーヤブノナカーのレビュー

あらすじ

文芸業界の性、権力、暴力、愛。戦慄の長篇
性加害の告発が開けたパンドラの箱――

MeToo運動、マッチングアプリ、SNS……世界の急激な変化の中で溺れもがく人間たち。対立の果てに救いは訪れるのか?
「わかりあえないこと」のその先を描く、日本文学の最高到達点。

「変わりゆく世界を、共にサバイブしよう。」――金原ひとみ

文芸誌「叢雲(むらくも)」元編集長の木戸悠介、その息子で高校生の越山恵斗、編集部員の五松、五松が担当する小説家の長岡友梨奈、その恋人、別居中の夫、引きこもりの娘。ある女性がかつて木戸から性的搾取をされていたとネットで告発したことをきっかけに、加害者、被害者、その家族や周囲の日常が絡みあい、うねり、予想もつかないクライマックスへ――。

性、権力、暴力、愛が渦巻く現代社会を描ききる、著者史上最長、圧巻の1000枚。
『蛇にピアス』から22年、金原ひとみの集大成にして最高傑作!

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Posted by ブクログ

いやぁ重たい。まぁ重たい。テーマが重い。気のせいか文章も重い。本も重い。
読書体験を擬人化しろと言われたら、
「金原さん…重くてこれ以上読み進めるのは自分にはキツイっす」
「てめぇの感想なんてどうでもいい!さっさと読めや、この読書インポが!」とケツを蹴られて、「すみません!すみません!」とヒィヒィ言いながら読み進める。そんな至福な読書体験。

はい。真面目に書きます。
この作品を読む前は、勝手に現代版の「藪の中」だろうと思っていた。しかし、読み進めていく内にそれだけじゃないのでは、と思っていった。
登場人物たちが「性加害」という「ヤブノナカ」に捉われ、翻弄され足掻いていく姿を描いている、と受け取れた。その中は非常に複雑で鬱蒼として、人々を惑わし、足取りを重くする。
その中で、自分はこうである、と強い信念を持って進む者もいれば、どこへ進むのが正しいのかと迷い、誰かに縋る者もいれば、悩んだところで、ある程度は仕方ないとどこか諦める者もいる。
進んだ先に正解なんてない。そうとは分かりながらも向き合い進まなければならない。その一歩、一歩はとても重い。
自分たちもこの藪の中で描かれている現実を見なければならない。
この本を通して藪の中と向き合うことは、普段、現実の見たくないこと、考えたくないことなどを改めて向き合う必要があることを教えてくれる。

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

社会、人に対する絶望と怒り、同時に感じる自分への違和感と絶望みたいなのを言語化してくれる、私の大好きな金原ひとみ節を充分に堪能できてマジで最高だった。
長岡友梨奈は、社会をよくすべきでみんなもよくしなきゃいけないんだよ!???なんで行動しないの!???っていう感じ。まあわかるし、イラつくのめっちゃわかるけど、人はそれぞれ違うから、自分と同じような考えを持って行動することを人に押し付けることはできないよなとも思う。自分と他人の境界線を引いて、全部自分ごとで考えるの傲慢じゃん?って思う娘の気持ちめっちゃわかるし、私もそっち派だった。高校生チーム(友梨奈に傾倒する前の恵斗)の考え方がさっぱりしてて好きだなって思った。けど、何度も書かれてる通り、考えが正しいか判断するのは時代の流行で、私はまだ木戸の言う享年を迎えてないからだけなんだと思った。たしかに、高校生チームの考え方はXとか自己啓発本とかで”今”支持を集めてる考え方だと思う。なんか生きるの怖いなああああって思っちゃった。けど、最後のリコが、自分を責めないで塞がないで口を閉じないでもっと自分を信じて立ち上がらなくてもいいでも崩れ落ちないでと叫びたい、と言っててカッコ良すぎてなんかスッキリしちゃった笑

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

金原さん、初めて読んだけど読みやすさとワードセンスがすご!かつ深みもあってかなり面白かった。
現代版藪の中だから、それぞれの視点どれも「たしかにな…そう思うよな」ってなるのは想定できていても、最低なやつにまで感情移入できてしまう見事な描き方。
めちゃくちゃ長いのに、どの言い分も興味深すぎてずっと飽きずに一気読みした。

そして、現実世界で私たちが目にするニュースやSNS内容は、この分厚い本で言えばたった一行かそれ以下の情報でしかないんだよなと。

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2026年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルから芥川と同じように一人称視点で語られるんだろうなと想像してはいたけれど、7章で折り返す構成だったのに加えて、同じ人も2回目の語りでは変化が起きていくので、読み進むのが恐ろしいけど、面白すぎて止められなかった。
木戸や友梨奈と世代が近いこともあり、あれやこれやが分かりすぎるし怖すぎた。娘や息子との関係も思い当たることだらけ。もう誰ともかかわりたくなくなるな…と若干絶望の気持ちで読んでいたけど、最後に救われた。

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2026年03月10日

Posted by ブクログ

audibleにて。人間の嫌な部分をたくさん見せられることになるし、登場人物の内の何人かは共感できる部分があって嫌な気分になるし、でも人間ってそうだよなあみたいな感想でした。もやもやするのに読んですっきりしました。

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2026年03月07日

Posted by ブクログ

読み終わってすぐのシンプルな感想は「こんなにも色んな目線を1人で書いたのか、すげえな」だった。
結局人はみんな主観の中で生きているんだな、ということを実感させられると共に、エンタメとしてのこの物語の面白さに夢中になった。

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2026年02月25日

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ネタバレ

すごい小説だった!

この小説は男性の加害性、それによる女性の苦しみの話から始まっていくけども、そこから時代の変化にどう向き合っていくのか。人の苦しみへの共感や連帯と、自分の人生の両立。そういったことが書かれているように思った。これは私にとってもホットトピックで、登場人物を理解したり、全然理解できなかったりしながら、自分と向き合うハードな時間を過ごし、最後のリコの言葉で少し救われ、読後感は予想外に爽やかでめちゃめちゃ良い読書体験でした。

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2026年02月16日

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この本のテーマ:老害、男の加害性、悲劇のヒロイン体質な女、平和主義・穏健派の若者など


登場人物の気持ちに感情移入して読んでいたら、次の章で他の人目線でディスられる。
特に、長岡友梨奈の思想は共感し、登場人物内で一番近い人間だと考えながら読んでいたのに、彼氏である一哉や娘の伽耶目線では苦手意識を持った。

金原ひとみの思想はどこにあるのだろう、長岡友梨奈なのかと思っていたけど、誰とも重ならないのかもな。
登場人物それぞれの論理・思想があって、他の人目線のその人を書けるのがすごいなと単純に思ってしまう。

みたいなことを思って読みすすめていったら次のような記述があった。

「武夫まじ普通に真っ当。までも私イエニスト茂吉好きは私ですちゃんに会ってさ、あの子もまあ普通に真っ当だなって思ったわけ。でもああやって食い違っちゃうわけじゃん?それってなんか、出来事としておもろくない?二人とも真っ当なのにお互い何こいつってなってさ、なんか裏切りとか嘲笑的な?になるわけでしょ?」優美(五松武夫のセフレ)の台詞。私が言いたかったのはこういうことで、この小説自体がこの言葉の通りになっている。
そして、これを書ける金原ひとみがすごい。

文庫化したら買いたい



ーーーー引用あらすじーーーーー
文芸誌「叢雲(むらくも)」元編集長の木戸悠介、その息子で高校生の越山恵斗、編集部員の五松、五松が担当する小説家の長岡友梨奈、その恋人、別居中の夫、引きこもりの娘。ある女性がかつて木戸から性的搾取をされていたとネットで告発したことをきっかけに、加害者、被害者、その家族や周囲の日常が絡みあい、うねり、予想もつかないクライマックスへ——。
ーーーーーーーーーーーーーーー

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2026年02月18日

Posted by ブクログ

文学業界の話

語り手が次々替わり、ひとつ事にも見え方が異なり
言い分も違う

発端となるのは、作家志望だった30歳の女性が、10年前に受けた性的搾取の加害者を、ネットで実名告発したこと

告発されたのは、50代大手出版社の文芸誌、元編集長、木戸悠介
2度の離婚で、ひとり暮らし

作家として登場するのは、長岡友梨奈42歳
娘、夫とは別居中
20歳の娘は2年間引きこもり中
離婚したいが応じてくれない夫と娘は2人暮らし
友梨奈は、愛する娘との関係もうまくゆかず、分かり合えずに苦しむ
社会の出来事に対する憤りで気分が悪くなる事は確かに有る
しかし友梨奈の「正義感」はあまりに強烈すぎて、本人も抑えが効かず、辛いストレスだらけの中で生きているのだろう

友梨奈の担当編集者 五松武夫
付き合う女性にはパワハラ、セクハラ満載で
手ひどくネット告発される
五松の視点で、特に気になったのは
p394
50代以上の人には特有のスマホ慣れてなさ を感じる
ちょっとした指遣いなんだろが、猿が機械持たされているような不自然さで、惨めだ!

世の中を、女性をナメているとんでもない男

全528ページ
1ページの中に描き込まれている内容が濃すぎて
じっくり向き合わないと、理解が追いつかない
ザッーとよ読むのはもったいなくてずいぶん時間がかかって読み終えた

自分では気づかず相手を傷つける事はあるだろう
むずかしい!

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2026年02月13日

Posted by ブクログ

各世代の人たちの視点を行き来しながら進む物語。
自分は性別や立場的にも一哉が近く、心情についても共感できる部分が特に多かった。また、恵斗の話し方には自分の9歳離れた自分の弟を重ねて、自分とは離れた立場の作者からこれだけの解像度をもって登場人物が描かれていることに視点の広さを感じる。

木戸や五松の自己陶酔と諦めを自覚しながら進む老いと、行いに対するバッシングへの向き合い方に判官贔屓のような哀れみを感じたのは自分が「そっち側」に向かっているからかもしれない。自省をどれだけ続けても逃れられないように思えてくる。

不満や批判を受けるのは言い返せない存在になったときなのか。新しい価値観が人を置いていくのではなく。ただただ力あるものが入れ替わり、それが繰り返されているようにも感じた。

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2026年03月17日

Posted by ブクログ

多分、「蛇にピアス」以来の金原ひとみ作品。当たり前だか、作者も成長していて(上から目線で失礼)以前読んだ時より文章として深みがある作品になっていた。
色々な立場から書かれているのでそれぞれの主観も同意できた。女性であれば感じたり、感じてきた社会的肉体的精神的に虐げられた経験や身近な出来事を思い出したりして、辛かった部分もあった。ここ20年位確かに社会は変わりつつあるがまだ日本は変わるところがあると改めて思った。
また男性からの視点といのも理解できた。但し、作者が女性であるので本当の所は理解できてきていないのかも。

セクハラ、痴漢、DV、パワハラ、同意のない性交渉その他がなくなる社会は実現するのだろうか。ユートピアとならず実現して欲しい。

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2026年03月12日

Posted by ブクログ

性的搾取などの事象が男女、立場を変えて心情が書かれている。人によって見え方全然違うというはなし。
違和感とかを分析し続けないと、この本は書けないやろなぁ。
会社員だと疲弊しきりそうなぐらい考え続けていると思う。
感情、心情の百科事典みたい。
常識の変化や、モヤモヤの正体、世代間や個人の感覚の相違とか
作品としてすごいけど、読んでるとなかなか苦しいねー。

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2026年03月02日

Posted by ブクログ

 友梨奈個人の幸せはあるはずなのに、社会が思い通りにならないから死んでもいいと思っている正義感の強さがしんどかった。
 時代の物差し(ルールや罪、常識)は数十年経てば別のものになっているから時代に取り残されない大人になりたい。
印象に残ったことば
 「時代の要請」時代が小説を必要としている
 自分のことが大好きなのも才能のひとつ
 

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2026年02月28日

Posted by ブクログ

読んでてキツかった。若者の現代感覚、言葉、表現についていけない。映像化するなら誰を配役する?で盛り上がれそうw

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2026年02月28日

Posted by ブクログ

他人を理解したいと思うほど、逆に深まっていく隔たり。
そのどうしようもなさが、静かに、でも確実に胸に残る小説だった。
誰かの言葉や態度の裏にあるものを、私たちは本当に見られているのか。
読み終わったあとも、答えが出ない問いだけが残る。

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2026年02月24日

Posted by ブクログ

長かった‥
ずっと同じようなテーマの周囲を登場人物目線でグルグル。
それでも最後まで読もうと思わせるのは、いわゆる「藪の中」スタイルで視点を変えながら、何が正しいのか正しくないのか読者を惑わせ、自分を省みたりして、答え合わせをしたくなるからかな。
性搾取をキーとしながら、それを取り巻く社会、時代の変化、価値観のアップデート、分断、などを、登場人物を通して見つめていく。
変化に対応する人もできない人もいて、あるいは所詮人と人はわかり合えないって事はデフォルトな前提として、じゃあどうやってこの先、何らかを共有できるような共同幻想とも言える社会を作っていくのよ?という作者の問いかけだろうか。
変化の中で未来に糾弾される事を見越して今を律するような生き方なんて普通はできないし、あるべき未来はこうだ、なんてわからないのが普通だけど、そこに囚われてしまった長岡さんの生き様は痛々しい。
時代に取り残され老害扱いされるオヤジ達も悲しい。
男と女、老いと若さ、などを対比しながら、最後は若者に未来への希望を託すような終わり方でまとめていたが、それだけではどうしても釈然としないものは残ってしまう。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

そんな分厚くないのに500ページ超えなことに読み終わってから気づいた。笑
救いようがなく重たい。。欲望に負けたり社会的に立場で苦しくなる男たちよりも、歪んだ正義感のような長岡友梨奈が一番怖いなと思った。
私は、まだ自分たちより下の大きな時代は生まれてないから、時代の変化を体系的に捉えられない。
時代の変化で正しさや許されるかどうかが変化するって恐ろしいんだろうな。
分かり合えないけど、1人の力じゃどうしようもないこともたくさんあって、どこかで線を引かないといけない。でもその価値観も人によって多様で。。。

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

「ある編集者に性的搾取をされた。」と告発された中年男性を軸に、息子や強キャラ小説家、性的クズ編集者、陽キャ引きこもり少女の思いと生活を描く。性描写が至る所にあって、「多様だな性は」なんて、作品の陰鬱な部分とは乖離した感想をもつ。二人の中年男女の鬱な部分に触れると、いつか自分もこんな灰色な生き方になる気がする。いろんな強い感情が描かれる作品だけど、読んだ後は「灰色の本」て印象。

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2026年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

言葉一つ一つが強くて、文章の圧に圧倒されながら一気読みできずに少しずつ読み進めた。大きな展開が起こるでもなく、視点を変えながら物語が進むが、誰にも共感できない中で一際、長岡友梨奈をどう扱ったら良いのか最後までわからなかった。関わりたくないといえばそれきりだが、私には全くない貫かれた強さと正しさがあり、必要な人なのだと思う。性加害をテーマに読み進める中で考えさせられることがたくさんあったのに上手くまとめられずもどかしい。

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

気持ちがゆれる。ゆらぐ。読み切ってもなお不規則に揺らぎ続けているような気分。この作品に潤いや救い、そして美しい結末を求めても報われない。そういうものではない。

一向に同じテンポでは読み進めさせてくれない。それほどにそれぞれの登場人物ごとに没入感を感じられるように描かれていて、巧妙だった。
これでもかとリアルで、令和の現在地が濃縮されていて、末恐ろしさと「これは人ごとだ」と逃げたくなる気持ちを抱えながら向き合わなければならなかった。そうしてバリアしながら読まなければ、自分の過去の経験や何を悪と感じているかという多くのものと真っ向から向き合わねばならなくなりそうだからだ。

この世代・性別・立場も痛みも、全てがちがう人たちをこれほどに解像度高く内側から描きって、しかもだれにも歩み寄り切らずにおわる金原ひとみさんの帝王感よ。長岡さんが金原さんに近いのかな、と途中まで思ってたけど最後のリコを読んで覆った。リコだ。きっと金原さんはリコだね!

心がぐぎゅぎゅとなるのは大抵長岡さんの章で、泣けたのはまさかの木戸さんの章だった。読むたび変わりそうだからまたいつか読み直してみたいな

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2026年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

レビューを読んでいると、自分と違う意見を持っている人がいて面白い。正解がないのが前提だけれども、自分はこっち派だな、というのは合って、でもレビューでは私と逆の立場の人もいて面白かった。

伽耶と友梨奈の言い合いのシーンが一番しんどかった。
あの場面は①人の苦しみに対する正義感 と、 ②人は分かり合えるかどうか の二つから見れると思っていて、

①については友梨奈と恵斗、一哉と伽耶が同じ意見を持っていると思う。
p293 友梨奈「怒りと悲しみを(省略)後世に継承してはならない(省略)。その継承に加担しないように、私たちはそれについて考える義務がある」
p292 恵斗「どこかで責任を感じるんだよ」
⇒義務感の重いかるいはあれど、伽耶の同級生のレイプ問題について二人とも気にしてる。なんとかできたのでは、するべきだったのでは、と。あと、p287のやり取りを見ても二人の考えは似てるように思う。

一方で伽耶と一哉について。伽耶は少し他人事のように思っている。
p261「正直もうどうしようもないことではあって」
p263「あのお母さんだって大人なんだからやりたければじぶんでやるでしょ」
一哉もp306「俺にとっては他人事でしかない」
「世界のあちこちで起こる問題を自分事として関われないのは当たり前じゃないか」
と似た考え。特に一哉にとっては美優莉は一切の面識がないし年代も違うのでより他人事感が強い。

②人と分かり合えるかどうか、については友梨奈と一哉、伽耶と恵斗が同じ考え。
p289で友梨奈は「わかるよね?」と、二回も自分の意見が他人も持っているものだという前提で話す(p291で伽耶も「思うよね?」と言っているが、こちらは確認ではなく共感を求めているので友梨奈の発言とは意味が違う)。
一哉もp300「ちゃんと話せば分かると思う。」と発言。

これに対し恵斗はp300「どうなのかな。」「多様性の時代とか言いますけど、越えられない壁が高くそびえたってるのがわかって、これは乗り越えられないねって、みんながあきらめるフェーズにはいったんじゃないかって」
伽耶もp298で「世界にはわからないことで満ちている」発言。

なので、①の考え方も②の考え方も共有できていない伽耶と友梨奈は当然お互いに異物扱いするなと思った。考えすぎかもしれないけれど、一哉と恵斗も①と②に関してお互いの考えを共有していないから共感できるところがなく、二人の会話シーンも少なめなのかなと思った。

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2026年02月12日

Posted by ブクログ

人は自分から見える面しか理解できず、俯瞰しようと色んな話を統合しても結局自分というフィルターを通してしまい、結局は圧倒的に孤独。その境界を曖昧にのらりくらり渡るのか、白黒つけるのか。処世術か全能感か。いま自分は複数の顔を使い分けてると痛感。

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2026年03月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

メンタルが安定していないと読みきれないと思うほど主張の強い内容
正しさを押し付けてくるような圧迫感がある。
色んな意味でボリュームがあるので率直に疲れた。
正しいことであっても、生きていくのに見ないフリしてやり過ごしていることが自分にも社会にも多いと再確認させられる。でもそれが全て悪だと言われると腑に落ちないし誰もが戦えるわけではないと思った。
多感な時期に思想の強い人と出会ってしまうと人格形成にも関わると思わされてゾッとした。高校生は自認は立派に大人のつもりだろうが親や身近に居る大人の影響をもろに受けてしまうものだと思う
その時期に善か悪での判断に固執して、他のものを許容できない人間になるのは恐ろしい




ひとつだけ個人的な感想を言うと登場から最後までずっと一哉が気持ち悪かった。
どうして思想も全く違って自分を理解もしてくれない相手を大切に思えるのか不思議で仕方ない。

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2026年03月04日

Posted by ブクログ

読み始めて波に乗るまで時間がかかった…
心理描写、慣れない言葉の多くにつまずきながら読み進めた。
それぞれ登場人物ごとの視点で物語が進む。
同じ事柄でも個人によって全く捉え方が違う。当たり前なんだけど、こんなにも違うものかと思うこともあれば、所々では感情移入出来るところもあったり。
読んでて苦しくなる。なんとか読み切った時の達成感はあった。

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2026年03月02日

Posted by ブクログ

芥川龍之介の藪の中のように、様々な人物の視点による語りで同じ人物や事象が全く違う捉えられ方をされ、真実が有耶無耶となっている。
久しぶりの金原ひとみだったが、相変わらず切れ味の鋭い文章。
性的描写も本作では少ないながら、これこれ〜、と言いたくなる独特の生々しさと痛々しさがある。

登場人物は全員思想に偏りがあり、ほとんど誰にも共感できない。(唯一伽耶ちゃんくらい)
結局みんな自分に都合いいように物事を解釈して生きてるんだなと。

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2026年02月28日

Posted by ブクログ

全体的にしんどい本だったけど、なんとか読んだ。お互いに分かり合えないのが藪の中みたいってことで、このタイトルなのかな。最後が結構リアルで、割と好きだった。誰がいつ死ぬかなんて分からない、そして、人は死ぬまでは生きていかないといけないんだなと思った。
長岡友梨奈がとにかく怖くて気持ち悪い。嫌いなタイプ。特に友梨奈と恵斗が仲良くなっていったのは個人的に一番嫌な展開だった。
五松や木戸は、そこまで徹底的にやられなくてもいいじゃんと思って、モヤモヤした。一方で、最後に出てきたリコは、ほんとに新しい存在って感じがした。
いろいろ成り行きで変わるところもあったり、やりすぎたり、やられすぎたり、それがすごく人間臭いなと感じた。

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どの登場人物も多弁な上に口語的な文章が多いので色々な思想の人のTwitterを読まされている気分になる。みんなうっすら嫌な奴なのだけど全員少しずつ理解ができるから、この世の人って実際みんなうっすら嫌な奴しかいないのかもしれないと思った。
SNSには長岡さんのような何かを憎悪して戦い続けることに側から見れば異常に見えるほど熱を注いでいる人、恵斗のようにまだ人生道半ば以下で全て悟った顔してスカしてる子供、とにかく被害者に回ったら勝ちと言わんばかりに晒しをする人や強い思想や問題から逃げ続ける現代人がいっぱいいる。
なんとなくSNSという窓を通して見る人間観という感じがした。Twitterぽい。

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

金原さんの作品は初めて。
面白いけど、一文が長くて、情報量が多いので、一気読みは難しかった。内容も重くて1章読むごとに休憩。me tooの話なので一方的に男性が断罪される話かと思っていたらそうでもなく。作家の女の人が受け付けない、、な。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ある女性による男性編集者の性加害の告発を発端に、色々な立場から語られるストーリー。
加害者と言われる人にもその人なりの見え方があり、それが別の視点からだとまた違って見えてくる。
個人と社会、過去と現在、時代によっても正しさが違ってくるということがはっきり突きつけられる。
また、SNSによる拡散も今の社会ではよくあることだが、それも物事の一部だったり捻じ曲げられていたり…というのも実感した。

色んな視点があり、それぞれの考え方があるというのは理解した上で、中心人物である作家の長岡のパートを読むのがめちゃくちゃしんどかった…。
あんなに叩きつけるような攻撃的な話し方するの、本当無理…。
本人はそれが正しいと思い込んでいるから救いようがなくて。
一哉や周りの人間がどこに惹かれ、なぜ一緒にいられるのか不思議。
私から即距離置くなー、と。

金原ひとみさんの小説ってすごくエネルギッシュなんだけど、その分読むのに気力が削がれるというか。
ボリュームもあったので、読み切ったときは「疲れた…」がまず最初にきてしまった。
ストーリー自体は面白かったが、登場人物が多くあちこちで繋がっていくから、読んでいるうちに個々のエピソードが薄まってしまった印象。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ


ひとまず読み終えた達成感。かなり抉られた本だった。後半のいくつかの章は一部飛ばしてしまった。早く読み終わりたい、読み終わりたくないの狭間を行ったり来たりしながら、なんとか読み終える事ができた。前半は色々とメモを取りながら読み進めていたが、後半はひとフレーズずつに向き合う覚悟はなかった。怖い、自分の無知を自覚しながらの読書はかなり怖かった。他の方の感想や解説を見て、少し落ち着きたい。
金原さんがこの物語に込めたかったものはなんだったのか。私には内容が大きすぎて、伝えたいことのほとんどを受け取れなかった。

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2026年02月12日

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