【感想・ネタバレ】YABUNONAKAーヤブノナカーのレビュー

あらすじ

文芸業界の性、権力、暴力、愛。戦慄の長篇
性加害の告発が開けたパンドラの箱――

MeToo運動、マッチングアプリ、SNS……世界の急激な変化の中で溺れもがく人間たち。対立の果てに救いは訪れるのか?
「わかりあえないこと」のその先を描く、日本文学の最高到達点。

「変わりゆく世界を、共にサバイブしよう。」――金原ひとみ

文芸誌「叢雲(むらくも)」元編集長の木戸悠介、その息子で高校生の越山恵斗、編集部員の五松、五松が担当する小説家の長岡友梨奈、その恋人、別居中の夫、引きこもりの娘。ある女性がかつて木戸から性的搾取をされていたとネットで告発したことをきっかけに、加害者、被害者、その家族や周囲の日常が絡みあい、うねり、予想もつかないクライマックスへ――。

性、権力、暴力、愛が渦巻く現代社会を描ききる、著者史上最長、圧巻の1000枚。
『蛇にピアス』から22年、金原ひとみの集大成にして最高傑作!

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Posted by ブクログ

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タイトルから芥川と同じように一人称視点で語られるんだろうなと想像してはいたけれど、7章で折り返す構成だったのに加えて、同じ人も2回目の語りでは変化が起きていくので、読み進むのが恐ろしいけど、面白すぎて止められなかった。
木戸や友梨奈と世代が近いこともあり、あれやこれやが分かりすぎるし怖すぎた。娘や息子との関係も思い当たることだらけ。もう誰ともかかわりたくなくなるな…と若干絶望の気持ちで読んでいたけど、最後に救われた。

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2026年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごい小説だった!

この小説は男性の加害性、それによる女性の苦しみの話から始まっていくけども、そこから時代の変化にどう向き合っていくのか。人の苦しみへの共感や連帯と、自分の人生の両立。そういったことが書かれているように思った。これは私にとってもホットトピックで、登場人物を理解したり、全然理解できなかったりしながら、自分と向き合うハードな時間を過ごし、最後のリコの言葉で少し救われ、読後感は予想外に爽やかでめちゃめちゃ良い読書体験でした。

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2026年02月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

そんな分厚くないのに500ページ超えなことに読み終わってから気づいた。笑
救いようがなく重たい。。欲望に負けたり社会的に立場で苦しくなる男たちよりも、歪んだ正義感のような長岡友梨奈が一番怖いなと思った。
私は、まだ自分たちより下の大きな時代は生まれてないから、時代の変化を体系的に捉えられない。
時代の変化で正しさや許されるかどうかが変化するって恐ろしいんだろうな。
分かり合えないけど、1人の力じゃどうしようもないこともたくさんあって、どこかで線を引かないといけない。でもその価値観も人によって多様で。。。

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

言葉一つ一つが強くて、文章の圧に圧倒されながら一気読みできずに少しずつ読み進めた。大きな展開が起こるでもなく、視点を変えながら物語が進むが、誰にも共感できない中で一際、長岡友梨奈をどう扱ったら良いのか最後までわからなかった。関わりたくないといえばそれきりだが、私には全くない貫かれた強さと正しさがあり、必要な人なのだと思う。性加害をテーマに読み進める中で考えさせられることがたくさんあったのに上手くまとめられずもどかしい。

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

レビューを読んでいると、自分と違う意見を持っている人がいて面白い。正解がないのが前提だけれども、自分はこっち派だな、というのは合って、でもレビューでは私と逆の立場の人もいて面白かった。

伽耶と友梨奈の言い合いのシーンが一番しんどかった。
あの場面は①人の苦しみに対する正義感 と、 ②人は分かり合えるかどうか の二つから見れると思っていて、

①については友梨奈と恵斗、一哉と伽耶が同じ意見を持っていると思う。
p293 友梨奈「怒りと悲しみを(省略)後世に継承してはならない(省略)。その継承に加担しないように、私たちはそれについて考える義務がある」
p292 恵斗「どこかで責任を感じるんだよ」
⇒義務感の重いかるいはあれど、伽耶の同級生のレイプ問題について二人とも気にしてる。なんとかできたのでは、するべきだったのでは、と。あと、p287のやり取りを見ても二人の考えは似てるように思う。

一方で伽耶と一哉について。伽耶は少し他人事のように思っている。
p261「正直もうどうしようもないことではあって」
p263「あのお母さんだって大人なんだからやりたければじぶんでやるでしょ」
一哉もp306「俺にとっては他人事でしかない」
「世界のあちこちで起こる問題を自分事として関われないのは当たり前じゃないか」
と似た考え。特に一哉にとっては美優莉は一切の面識がないし年代も違うのでより他人事感が強い。

②人と分かり合えるかどうか、については友梨奈と一哉、伽耶と恵斗が同じ考え。
p289で友梨奈は「わかるよね?」と、二回も自分の意見が他人も持っているものだという前提で話す(p291で伽耶も「思うよね?」と言っているが、こちらは確認ではなく共感を求めているので友梨奈の発言とは意味が違う)。
一哉もp300「ちゃんと話せば分かると思う。」と発言。

これに対し恵斗はp300「どうなのかな。」「多様性の時代とか言いますけど、越えられない壁が高くそびえたってるのがわかって、これは乗り越えられないねって、みんながあきらめるフェーズにはいったんじゃないかって」
伽耶もp298で「世界にはわからないことで満ちている」発言。

なので、①の考え方も②の考え方も共有できていない伽耶と友梨奈は当然お互いに異物扱いするなと思った。考えすぎかもしれないけれど、一哉と恵斗も①と②に関してお互いの考えを共有していないから共感できるところがなく、二人の会話シーンも少なめなのかなと思った。

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2026年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

メンタルが安定していないと読みきれないと思うほど主張の強い内容
正しさを押し付けてくるような圧迫感がある。
色んな意味でボリュームがあるので率直に疲れた。
正しいことであっても、生きていくのに見ないフリしてやり過ごしていることが自分にも社会にも多いと再確認させられる。でもそれが全て悪だと言われると腑に落ちないし誰もが戦えるわけではないと思った。
多感な時期に思想の強い人と出会ってしまうと人格形成にも関わると思わされてゾッとした。高校生は自認は立派に大人のつもりだろうが親や身近に居る大人の影響をもろに受けてしまうものだと思う
その時期に善か悪での判断に固執して、他のものを許容できない人間になるのは恐ろしい




ひとつだけ個人的な感想を言うと登場から最後までずっと一哉が気持ち悪かった。
どうして思想も全く違って自分を理解もしてくれない相手を大切に思えるのか不思議で仕方ない。

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2026年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どの登場人物も多弁な上に口語的な文章が多いので色々な思想の人のTwitterを読まされている気分になる。みんなうっすら嫌な奴なのだけど全員少しずつ理解ができるから、この世の人って実際みんなうっすら嫌な奴しかいないのかもしれないと思った。
SNSには長岡さんのような何かを憎悪して戦い続けることに側から見れば異常に見えるほど熱を注いでいる人、恵斗のようにまだ人生道半ば以下で全て悟った顔してスカしてる子供、とにかく被害者に回ったら勝ちと言わんばかりに晒しをする人や強い思想や問題から逃げ続ける現代人がいっぱいいる。
なんとなくSNSという窓を通して見る人間観という感じがした。Twitterぽい。

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ある女性による男性編集者の性加害の告発を発端に、色々な立場から語られるストーリー。
加害者と言われる人にもその人なりの見え方があり、それが別の視点からだとまた違って見えてくる。
個人と社会、過去と現在、時代によっても正しさが違ってくるということがはっきり突きつけられる。
また、SNSによる拡散も今の社会ではよくあることだが、それも物事の一部だったり捻じ曲げられていたり…というのも実感した。

色んな視点があり、それぞれの考え方があるというのは理解した上で、中心人物である作家の長岡のパートを読むのがめちゃくちゃしんどかった…。
あんなに叩きつけるような攻撃的な話し方するの、本当無理…。
本人はそれが正しいと思い込んでいるから救いようがなくて。
一哉や周りの人間がどこに惹かれ、なぜ一緒にいられるのか不思議。
私から即距離置くなー、と。

金原ひとみさんの小説ってすごくエネルギッシュなんだけど、その分読むのに気力が削がれるというか。
ボリュームもあったので、読み切ったときは「疲れた…」がまず最初にきてしまった。
ストーリー自体は面白かったが、登場人物が多くあちこちで繋がっていくから、読んでいるうちに個々のエピソードが薄まってしまった印象。

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2026年02月22日

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