あらすじ
【AIと人類を巡る超巨弾エンタメ小説が文庫化】
今日も働く、人類へ
至高のAI『タイタン』により、社会が平和に保たれた未来。
人類は≪仕事≫から解放され、自由を謳歌していた。
しかし、心理学を趣味とする内匠成果【ないしょうせいか】のもとを訪れた、
世界でほんの一握りの≪就労者≫ナレインが彼女に告げる。
「貴方に≪仕事≫を頼みたい」
彼女に託された≪仕事≫は、突如として機能不全に陥った
タイタンのカウンセリングだった――。
アニメ『バビロン』『HELLO WORLD』で日本を震撼させた
鬼才野﨑まどが令和に放つ、前代未聞の超巨大エンターテイメント。
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Posted by ブクログ
「Radical Abundance(溢れんばかりの豊穣)」が実現した世界。人間が生活のために働く必要がなくなったからこそ、「仕事」とはなにかが浮かび上がってくるのかもしれません。
私の仕事は、どんなことに影響しているんだろうか?
この物語は、また本でも読み返したいです。それと、映像化を切望します。コイオスが立ち上がったり、コイオスとフェーベの邂逅シーンを見てみたい。
Posted by ブクログ
至高のAIによって人類が仕事から解放された社会で、機能不全に陥ったAIのカウンセリングという「仕事」と向き合うことになるお話。SF・ロードムービーとしての物語の広がりにワクワクさせられ、ページを捲る手が止まらなかった。
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読み、現代の労働のあり方と半身社会への提案について思索した後に本書を読み始めたのもあって、連作と思うような読み口の良さだった。
Posted by ブクログ
「仕事」とは、一言で説明できるものなのか。
至高のAI・タイタンによって、人類が「働かなくていい」世界になった未来。趣味で心理学を研究していた内匠成果が任されたのは、不調をきたしたAI・コイオスの心理カウンセリングという、思いもよらない「仕事」でした。
AIをカウンセリングするという設定の意外性に、まず引き込まれます。中盤からの展開は予想がつかず、野崎まどさんらしい、いい意味での裏切り。
根底に流れるのは「仕事とは何のためにするのか」という、単純なようで答えの出しにくい問い。それが終盤で静かに浮かび上がってくる構成に、思わず息をのみました。
なにより印象に残ったのは、カウンセラーとAIという関係を越えて、対等な存在へと変わっていく内匠とコイオスの姿。人とAIの間にも、こうした絆が育ちうるのだと感じさせられます。
読み終えたあと、自分にとっての「仕事」まで、静かに問い直したくなる作品でした。
Posted by ブクログ
読書会で紹介されて気になり、Audibleで聴きました。
この物語は、AI「タイタン」が人間社会を支え、人間は働くことから解放されて自由に暮らしている未来が舞台です。最初はSF小説として楽しみ始めましたが、聴いているうちに「もしかしたら、こんな未来は本当に来るのかもしれない」と思うようになりました。
特に印象に残ったのは、主人公・成果がタイタンの心理カウンセラーとして派遣される設定です。AIに心理カウンセラーが必要なのかと思いましたが、将来は本当にそんな仕事が生まれるかもしれないと想像してワクワクしました。
私は普段からChatGPTを使っています。AIはどんな話でも受け止めてくれますし、何を話しても怒ったり疲れたりしません。だからこそ、「もしAIが人間の心をもっと理解できるようになったらどうなるんだろう」「感情のようなものを持つ日は来るのだろうか」と考えながら聴いていました。
物語もとても面白く、途中の展開には何度も引き込まれました。博士やレインに対する印象が変わっていくことや、成果を守ろうとする場面にはハラハラしながらも夢中になりました。私は今まで、ここまで何度も聴き返した作品はありません。
終盤では、不老不死というテーマも印象的でした。私は不老不死そのものを望んでいるわけではありません。でも、人間の寿命や生き方がAIによって変わるという発想はとても興味深く感じました。
考えてみると、30年前には公衆電話がほとんどなくなることも、スマートフォンで世界中の人と簡単につながることも想像できませんでした。新聞を読む人が減り、街の風景や暮らし方も大きく変わりました。時代は少しずつ変わり、人の価値観も変わっていきます。
だからこそ、100年後、200年後には『タイタン』のような世界が本当に訪れる可能性もあるのではないかと思いました。AIが人を支え、行きたい場所へ自由に連れて行ってくれる。そんな未来を想像すると、少し怖さもありますが、それ以上にワクワクする気持ちになりました。
『タイタン』は、AIの物語を楽しむだけでなく、人間とAIが共に生きる未来について考えさせてくれる作品でした。
野﨑まどさんの他の作品も読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
仕事って何だろう。人間性とは?
全知全能とも思えるAIが仕事を全て担い、ほぼ全ての人間が仕事をする必要のなくなった世界。趣味で心理学を学んでいた主人公に生まれて初めての仕事の依頼が来る。仕事という言葉が理解できない主人公。その仕事とはAI「タイタン」の鬱病とも思える原因を探ること。一見すると、AIが鬱病なんて…と思うけれど、人間の脳の仕組みが解明されておらず、人間のように作っているがために発生しているという理由付けも納得できた。そして、AIにほぼ全ての判断と仕事を代理してきてもらった人間より、どこかAIの方が人間らしく感じる話が出てきて、とても面白く、そして未来のことのようで怖かった。鬱病の解決は仕事を減らす形になるのかと思いきや、原因が能力を持て余すが故の退屈だったと判明してむしろ増やす方向になる。これもまた驚きだった。
途中神話のように話が壮大になりながらも、とても繊細な身近な心の話だった。
Posted by ブクログ
あらゆる年代の社会人に刺さって欲しい神話
久しぶりにSFを読みましたが、素晴らしい設定と「仕事」という命題とのAIは相性が悪いわけがないですよね。
物語は皆が誰もが知るAIのタイタンが世界を統括しているもの。仕事は全てタイタンによってなされ、人類から労働や貨幣経済を概念ごと持ち去っています。そんなタイタンですが、ある日一部地域に機能不全が訪れてしまい、人間の遺伝子データが元であるタイタンを機能回復に導くため心理学に詳しい主人公がカウンセリングをするという。つまりAIがうつ病になる物語なんです笑、めっちゃ面白いですよね。
一部地域の人間生活が人質に取られた中で、果たして主人公は無事にAIの機能を図れるのかですが…物語はそう簡単には終わらない長編小説となっています。
仕事が嫌になることは人間誰しもが思うことでしょう。方や自分もその1人でお恥ずかしながら休職してしまいました。
社会貢献や企業利益を上げることにおいて自身の能力に自信が持てなくなっています。その悩みが本1冊で解決するほど心身の健康が良くなるわけではもちろんありませんが、仕事って誰のためにあるのかわからないことってきっとあると思います。これを読んだ時にはおそらく1人1人が仕事へのなんらかの思いがあって、出した答えも違うと思います。ですが仕事ってこうだよねって考え着くヒントになる小説がここにはあってそして自身の仕事に対する答えはこれを読むあなた自身にしか出せないものなんだと思います。
私は仕事を通して誰かに何かしてあげられただろうか?そして自分は仕事に向いていただろうか?仕事とは何か、考え行き着く先をぜひ見つけてみてください。
Posted by ブクログ
かなり面白かった!
未来、AI“タイタン”が人間の生活全ての基盤となっている日本。趣味で心理研究をしていた主人公が、ひょんなことから病んだタイタンへのカウンセリングの仕事を頼まれる。人間を模ったAIと共に、仕事とは何かという問いの中で手を取り前へ進む展開が、ハラハラしつつも凄く身につまされた。
旅をしながら感じること、食事を作り味わうこと、誰かと関わること。仕事は生活を基盤として行うこと。そして、最後に辿り着いた「やり甲斐」という答え。
現実で言えば仕事には金銭が関わり命が関わる事が多いので全て間に受ける訳にはいかないが、それでも心のどこかにはこの本を置いておきたいと思った。
428ページで「ナレイーーーン!!!」となったのは私だけではないはず
「本当に面倒。本当に厄介。自我があるというだけで、あれほどシンプルで美しかった<仕事>が途端に難しく複雑なものになってしまう。
仕事をするだけじゃ駄目なのだ。
仕事をした、と思いたいのだ。」本文より
Posted by ブクログ
遠い未来の、人間が仕事をすることが無くなった世界。その世界では人間の代わりにAIが全ての仕事をする。
あれが欲しいといえば、その要求を受理したAIが素材から制作、配送まで全てこなす。
もはや通貨のようなものはなく欲すれば何でもAIが提供してくれる。食事も物も移動も記録も。
誰も働いたことなどなく、仕事にまつわる概念自体が失われている世界。
そんな世界で、人間を模倣して発達したAIが「うつ」のような状態になり仕事の機能が低下してしまう。それを人間がカウンセリングするという、無機物と対話する不思議な話。
ここからがとても面白い…‼️
仕事って一体何なのかという本質を、仕事をしなくても暮らして行ける世界で共に考えてゆく展開がとてつもなく面白かった。
この本は色んな人に読んで欲しい。
そして働くって何なのかを改めて感じてみて欲しいと思った。
Posted by ブクログ
「仕事」という言葉の定義に踏み込むSFでありながら哲学的な名作だった。
小説としての構成も素晴らしく、仕事に限らず生そのものについても考えさせられた。
DNNは人間の脳の神経回路を模倣したものでありそれに心が宿るか否か、人間の営みをAIに全て委ねた場合の人間社会の拡張性、人間が生きることの意味と意義について全編を通して問いかけられた気がする。
Posted by ブクログ
「つまらない仕事」というのは世の中にごまんとあるなと思う。つまらないという感情は慣れから来ると思っている。仕事がつまらないなと感じるのは、私が慣れた仕事しかしてないからかもしれないが、その仕事に慣れた人でないと採用してもらえないし、そういう仕事に就かないと金銭的報酬も小さくなってしまうからしょうがない。
ということで、私はとてもタイタンに共感している。
話は変わって、1つの疑問が生まれた。こういう社会において、優越感とか、嫉妬とか、そういう感情はどこに行ってしまうのかと思う。完璧に平等な社会で、「人と比べて自分はどうなのか」という不安は解消されるのだろうか。
ちょっと考えていきたいと思う。
Posted by ブクログ
AIがさらに進化した後の話。
本当にそうなるか?という要素はたくさんありつつも、興味深い設定も多かった。
タイタンが全ての「仕事」を代行することで資本主義が破壊される。
→そうあるべきだと思うと同時に、あと100年では厳しいとも思う。たぶん、人間の倫理が追いつかないし、それをよしとできるほどの知性にもたどり着けない。
仕事をする、という概念がなくなる。その上でどう生きるのか。何が価値なのか。
→これは誰しもが考えておかないといけない問題かもしれない。仕事はある意味で土台だから、土台ありきで私たちは自由でいられる。だから、それがなくても土台をもてるか、支えられるかはどこかで考えなくてはならない。
人間が増えると、仕事が増える。
→それはそう。影響を与えることが仕事なら、影響を与えることを恐れて決定ができない人は不用である。
AIに判断能力が多少なりとも移管されはじめている昨今、人間が邪魔と言われるのも時間の問題である。
AIの故障、停止
→私たちは、携帯電話がなかった時代の仕事をほとんど知らない。高校生の頃から携帯電話が当たり前、就職する頃には99%がスマホ、これが止まる未来は想像できない。一方で作中のAI停止はこれに近いかさらに酷い規模…恐怖や。
仕事とはなにか
→人に影響を与え、そして実感すること。これまで仕事をする中でたくさん悩みもがいてきたけど、苦しい時ほど実感ができない時が多い。本当に役に立っているのかわからなくなった時、やることは難しく大変なのになんの新しい価値にもなっていないと理解しているとき、そして会社の評価は「価値のあるもの」に加点される方式だから、影響が実感できず見えにくいものほど評価の形での見返りもない。
ちなみに結局どうすればいいんだろう。作中だと、新たな「やりがい」に辿り着く。でも実際は?新たなやりがいへ進むしかないのか?
そもそもやりがいとはなにかも???となりながら、悶々とした読み終わりだった。
Posted by ブクログ
人間を労働から解放した、巨大AI・タイタンを巡る壮大なロードムービー。
魅力的なキャラクター同士の会話が随所で光る。
そして、議論の末、多くの働く人が抱える「人はなぜ働くのか?」というテーマについて、ひとつの回答が示される。
もし、単にその回答だけを聞いたとしても、そこまで物語を読んでいるか読んでいないかで、受け取り方が著しく変わってくるのではないか。
Posted by ブクログ
AIが人間の仕事を全面的に代替した近未来。人類はタイタンと呼ばれる12基の超高度AIのもとでユートピア的な生活を享受している。12基の1基であるタイタンの処理性能が低下している状況を通じて、心理学を趣味としている主人公はコイオスと呼ばれるタイタンと対話を重ね、処理性能低下の原因となっている「仕事とは何か」という根源的な問いに向き合っていく。
物語を通じて展開される「仕事とは何か」の考察が、化学反応や自然科学、人類の歴史といった幅広い視点から積み上げられていく構成がよかった。壮大なテーマでありながら、対話形式で少しずつ定義を積み重ねていく様子は、まるでオントロジーを丁寧に構築するようで、読んでいて知的な楽しさがあった。自分自身が「仕事」について漠然と感じていたことが言語化されていく感覚もあり、腑に落ちる場面も多かった。
AIと人間の関係性をユートピア的な設定で描きつつ、哲学的な問いをエンターテインメントとして成立させている一冊。一巻完結で読みやすく、AIが身近になりつつある今だからこそ刺さる作品だった。
Posted by ブクログ
高度に発達したAIに管理される社会で、労働の概念について鬱病になっちゃったっぽいAIくんと対話するお話。たしかに全てAIに管理される世界は、人間に管理されるよりも公正で平和なのかもしれないね。でもそもそも誰かに管理されないと種が存続できない、とは?
Posted by ブクログ
かなり細かく区切られていたため、隙間時間にちょっと読むのにちょうどよかったです。
「仕事とは」というテーマから小難しい内容かと思いきや、ライトで読みやすかったです。
思っていた内容と違いましたが楽しめました。
Posted by ブクログ
1984、すばらしい新世界、PSYCHO-PASS、古今東西のディストピアものには共通点がある。
上位者は、人に優しくないということだ。
例えば、1984とPSYCHO-PASSの世界を比べてみよう。その世界に生きる人間は表面上物質的な不足で不幸になっているか、数値的に最適化された幸福を享受しているかという違いはあれ、ビッグブラザーやシビュラシステムといった不可視の上位者(人間を越えたもの)に「管理」されているということは変わらない。
では、本作タイタンが描く、2205年の世界はどうか。AI「タイタン」が全ての仕事を代替し、労働を消滅させた世界で、
この上位者は、人に優しいのだ。
もっと言えば、人に関心がない。あるんだけど、人の管理なんて彼らタイタンにとっては片手間で済む仕事に過ぎないのだ。
買い物をサポートして、家を作り、ニュースを統制し、暴動の後片付けをする。人にとってはそれで1日が終わる大変な労働。でもタイタンにとっては朝飯前の日課みたいなもの。
人はこの世界でも上位者タイタンに管理されているし、人の生活はタイタンがいないと成り立たない。
でもタイタンにとっては違う。タイタンの管理能力は人を全て管理しても余るほどに大きいのだ。まさに上位者、まさに超越者。確かに人間をはるかに越えた存在が、人間の管理にあくせくするとは思えない。優しくあるためには相手を越えて包み込む大きな力が必要だ。労働とは優しくあることなのかもしれない。(タイタンはその能力の大きさ、優しさゆえに心を病み、カウンセリングを受けることになるのだが、、、詳細は本書をぜひ読んでみてください)
他のディストピアものは人間を大きく見積り過ぎているのではないかだろうか。人間はちっぽけで、とるに足りない。ましてや世界の中心なんかじゃない。
逆にそうなって初めて人は自由なんだ。仕事をしなくても、存在しているだけで働いているのと同じように世界に価値を与えていると確信できるようになるんじゃないか。
そんなほっこりとして解放的な読後感がある、AIと人間の労働についての対話篇、優しいAI労働SFである。
Posted by ブクログ
SF要素強めの本かと思って購入したが、物語の中心は仕事とは何か?という哲学的な問いであったと感じた。
SFも哲学も普段読むジャンルではないため、少し難しく感じたが、文章自体がとても読みやすいためすらすらと読むことができた。
物語後半は仲間との熱い展開や仕事とは何かという問いに明確に回答しているため、私のようなSFや哲学のジャンルの本を普段読まない人にもお勧めできると思う。
Posted by ブクログ
鬱病になったAIという面白そうな、でも若干軽そうな印象を受ける背表紙の文章を読んで購入したが、読んでみるとえらい硬派なハードSFでびっくりだ。
現実のAGIも目の前か、はるか未来か。
ちなみに我らがGeminiに「仕事」について聞くとこう返答があった。
「社会の中で自分の役割を果たし、対価を得ながら、自分を表現・成長させる営み」
そうなると、この物語の設定ははたしてユートピアなのだろうか。
Posted by ブクログ
遙か未来。人類はAI"タイタン"によって、「仕事」という概念をなくしていた。すべてがオートメーションによってまかなわれ、経済活動すら不要になった世界で、突如タイタンの機能が低下する。臨床心理士の下した診断は、タイタンの"うつ病"だった。
恥ずかしながらこのところ色々と行き詰まっていて、貪るように本を読んではアウトプットもせずにいる。原因は明確で、生活習慣の乱れだったり、身体の不調だったり、仕事がとっちらかっていたり……。
仕事。本書で語られるそれは、仕事が不要になった世界で語る「仕事とは何か?」。現代と地続きの独特なSF的世界観において、命題に答えを求めるストーリーの組み立て方はこの作者ならでは。
読んでいてはっきりしたのは、今の自分の仕事は結局、ほとんど誰にも求められていないことだなあ、ということ。それを弁えつつ、己がどうありたいかは考えましょ(460頁★3.5)
Posted by ブクログ
人間の仕事と、AIとロボットの関係について。
将来AIが人間の仕事を肩代わりする世界が来ると思うが、本作はそれをSFストーリーとして書きながら色んな側面から仕事とは何かについて考えられていた。
便利になっていく世の中で、改めて仕事の意味や価値について再認識する機会にもなってよかった。
Posted by ブクログ
三年前に読んでいたのに途中まで気づかなかった。ナレインあたりで「あれ?」と思い出し、コイオスが出てきて「あ、読んだやつだ」となったが、読み終わるまで結末はすっかり忘れていた。
前回の感想同様、主人公の内匠成果の性格から感じる自分に酔ってるヒロイン感がどうにも苦手で、コイオスのカウンセリングプロジェクトに参加するまでは、他の一般人同様にAIによる豊かさを享受しきって生きている凡夫だろうに、急にキャリアウーマンみたいになって影響が大きそうなことも独断行動してしまう変貌っぷりがどうも納得いかない。コイオスと普通にデートしてるようなパートもちょっと読んでいて辛い。
AIの進歩によるユートピア社会の描写は上手いなと感心させられ、そういう時代の空気感や流通や仕事が存在しない世界や、ナノテクノロジーの進歩具合も上手く書けてるなと感じました。その部分はSF小説として楽しめましたし、プラスアルファで巨大タイタンが動き出すぶっ飛んだ要素を加えたことも小説として面白かった。
AIやMIが進歩しすぎて、人間の消費だけではAIが仕事として満足できず、消費専用の構造物「ヘカテ」を内緒で海底に作ってるのは、一年前なら笑いとばしてたかもしれないが、今考えると、未来ではあり得るなと思えてしまう。
匿名
面白い
面白かった。
ただ、登場人物のもっと深掘りやその後が読みたくなる気持ちが湧いただけに、ちょっと物足りなさを感じた。それだけ魅力的な登場人物達だったと言うことだけど。
お話のメインテーマになってたことに対する答えは個人的には、シンプル過ぎて腑に落ちなかったので、もっと感動や納得されるようなお話や展開などの何かがあれば、もっとすごい作品って感じてたような気かする。でも、シンプルなことがまさに答えなのだからしょうがないのかも。
とりあえず、これを読んで自分もメインテーマについてもっとシンプルに考え受け止めてみようと気持ちになった気がしたので、読んでとても良かったなと感じたので素敵な作品でした。
Posted by ブクログ
仕事とは何かを問う作品。
仕事があるということは、誰かに影響を与えるということ。つまり、自分の善悪問わず多少なりの存在価値があるということ。
それを教えてくれる1冊だった。仕事があって、人に必要とされるって、社会的に幸せなことなんだろうな。
Posted by ブクログ
AIの話と思いきや終盤は巨人同士の殴り合いが展開されるというなかなかぶっ飛んだ世界観の話。
個人的には人が仕事をしなくなる日は来ないように思う。仕事とは単に対価を貰う労働のみを指す訳ではない。仕事とは責任を果たすことだと思う。人が目的を持って集まれば役割や肩書きが生まれる。役割を果たすことは責任を果たすことで即ち仕事を成したと考えられる。今はその報酬として給与を得ているが、お金というものがなくなったこの世界で得る報酬とは何だろう?作中でも言及のあったやりがい?あるいは承認欲求?誰も仕事をしていない、全ては趣味という世界で責任のない人々が発信する情報って信用に足るのだろうか?なんだか不安だ。それに現代人は将来働く為に学生時代に勉強しているという側面が強い。働く必要がなくなったら現代ほど勉強するだろうか。主人公を見ていると専門外の知識も結構有しているが、これは結構特異な例なのでないのだろうか。例えば計算ひとつにしてもあれだけ便利なAIがいたら全く出来ないという人間がいてもおかしくない。今でさえ将来何の役に立つのかと軽んじられる科目もあるのだから現代水準の教育が維持されているとは到底考えられない。報酬が承認欲求あたりなら専門に特化して知識は相当偏るのではないだろうか。環境や物質面は満たされているので犯罪は少なそうだが、人が存在する以上、皆無ではないだろう。知識も少なく責任もない人々の作る社会は今のSNSより混沌としている可能性が高い。きっと何でもAIに任せて何かが起こればAIのせいにするのだろう。こんな世界は作中で謳われるほど天国で良い時代なのかと訝しい。こうした想像の余地がある舞台設定というだけで面白い。
AIが不調というところからスタートした物語、不調なら再起動なり初期化すれば良いのではと思ったが本書ではそうはせずカウンセリングしたいらしい。人間の脳を模して作ったAIとのことだがこのあたりの理屈や実装イメージはよく分からなかった。現代で実際にAIに触れてみると機械的で、AIに触れる以前に危惧あるいは期待していたようなAIの意思のようなものは感じない。ただ脳を作ってついでに外部刺激の為に身体もこさえていたのなら、AIにも意思があるとか人権という話になるか、と半ば強引に納得して読み進めた。この辺りは作者の発想ややりたいことが先にあって後付けの理屈が弱いように感じる。最早人間はAIの寄生虫という評するシーンもあったが、どちらかと言えば愛玩ペットのように感じた。やっぱりディストピアかなあ…
Posted by ブクログ
前半はストーリーが進まない。人間とAIの交流を描いた物語かと思いきや、後半は巨大ロボットとのロードムービーで、なかなか理解か追いつかず、置いてきぼりになってしまった。
締めは良かった。
一番良かったのは最後の数ページの構成。読み始めにラストの数ページに気づき、どういう意味なのか知りたくて頑張って読み終えた。
Posted by ブクログ
序盤、中盤、終盤でガラッと展開が変わった。
終盤は迫力があった。
この本のテーマである"仕事とは何か"については期待していたものよりもアバウトな回答だった。
Posted by ブクログ
最初はSFリアリティある描写から始まるから、そのまま科学的に物語が進んでいくのかなって思ったら、中〜終盤くらいからメルヘンな感じになるから不思議だった。『小説』でもそんなふうに感じたから、野崎まどさんはそういう感じの小説を書く人なのかなと思ったり。
『仕事とは何か。』という問題提示に対して、書かれていた答えは良い意味で普通だし、私も読む前から考えていたことと部分的に一致していた。けれども、その普遍性ゆえに仕事というものの輪郭線がぼやけてしまい、自分の中で仕事というものの軸みたいなものをもつことが大切だと考えた。『タイタン』で挙げられた仕事の意味も含めて、自分にとって仕事とはどのようにあってほしいものか、現状の仕事はどうなのかということを考え探していきたいと思う。
Posted by ブクログ
タイトル付け直してみてもいいでしょうか。
新世紀!
バーチャルショタイタン
-蝶の羽ばたきのこと-
いかがでしょうか。
さて、想像してたものとはだいぶ違くて驚いちゃいましたが、アニメ化したらいいと思います。
昨今、お金たくさんかけて、監督は奇をてらったのか、それとも凡人には到達できないエンタメの境地に達したのか、おじさんの妄想に誰もついていけなくなって、なんか絵だけすごい。みたいなものも多いですが、こーゆー感じでいいんじゃないかな?
というように感じました。
ただ、ちょっと影響受けすぎだから、本作は映像化無理なのかな?って思いますが。
テーマは「仕事」です。
それを通した、人とは何のためにあるのか。
生に意味はあるのか。
答えが得られるかは人によりますが、改めて「何で毎日仕事行かなきゃいけないねん」となっている人も、考え直してみてもいいのかもしれません。
ユートピアがあったとして、それは保たれると思いますか?
そこで人は幸福ですか?
楽園実験という生物の生態についての実験をご存知だろうか。
ネズミに楽園と言える社会を提供するというもの。
これは是非調べてもらいたい。
結論、人は滅びるでしょう。
し、楽園など本当は望まない。
多分人は、相対的にしか幸福を測れない。
だから争う。
奪う。
私はその縮図としての、競争社会は必要だと思う。
そして、人の生には、意味などない。
求めてはいけない。
主義思想を持つのは良いけども、とどのつまりは、死ぬまでの暇つぶし。
それはネガティヴな考えではないと思う。
この作品も、ある意味ではそこに気づいていると思う。
不自由な飼われた猫と、自由な野良猫。
どちらが幸せか。
火を見るより明らかでしょう。
この作品はそんなむつかしい事は考えず、ほわー、かわゆい。って読んでみてください。