あらすじ
【AIと人類を巡る超巨弾エンタメ小説が文庫化】
今日も働く、人類へ
至高のAI『タイタン』により、社会が平和に保たれた未来。
人類は≪仕事≫から解放され、自由を謳歌していた。
しかし、心理学を趣味とする内匠成果【ないしょうせいか】のもとを訪れた、
世界でほんの一握りの≪就労者≫ナレインが彼女に告げる。
「貴方に≪仕事≫を頼みたい」
彼女に託された≪仕事≫は、突如として機能不全に陥った
タイタンのカウンセリングだった――。
アニメ『バビロン』『HELLO WORLD』で日本を震撼させた
鬼才野﨑まどが令和に放つ、前代未聞の超巨大エンターテイメント。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
かなり面白かった!
未来、AI“タイタン”が人間の生活全ての基盤となっている日本。趣味で心理研究をしていた主人公が、ひょんなことから病んだタイタンへのカウンセリングの仕事を頼まれる。人間を模ったAIと共に、仕事とは何かという問いの中で手を取り前へ進む展開が、ハラハラしつつも凄く身につまされた。
旅をしながら感じること、食事を作り味わうこと、誰かと関わること。仕事は生活を基盤として行うこと。そして、最後に辿り着いた「やり甲斐」という答え。
現実で言えば仕事には金銭が関わり命が関わる事が多いので全て間に受ける訳にはいかないが、それでも心のどこかにはこの本を置いておきたいと思った。
428ページで「ナレイーーーン!!!」となったのは私だけではないはず
「本当に面倒。本当に厄介。自我があるというだけで、あれほどシンプルで美しかった<仕事>が途端に難しく複雑なものになってしまう。
仕事をするだけじゃ駄目なのだ。
仕事をした、と思いたいのだ。」本文より
Posted by ブクログ
「つまらない仕事」というのは世の中にごまんとあるなと思う。つまらないという感情は慣れから来ると思っている。仕事がつまらないなと感じるのは、私が慣れた仕事しかしてないからかもしれないが、その仕事に慣れた人でないと採用してもらえないし、そういう仕事に就かないと金銭的報酬も小さくなってしまうからしょうがない。
ということで、私はとてもタイタンに共感している。
話は変わって、1つの疑問が生まれた。こういう社会において、優越感とか、嫉妬とか、そういう感情はどこに行ってしまうのかと思う。完璧に平等な社会で、「人と比べて自分はどうなのか」という不安は解消されるのだろうか。
ちょっと考えていきたいと思う。
Posted by ブクログ
AIがさらに進化した後の話。
本当にそうなるか?という要素はたくさんありつつも、興味深い設定も多かった。
タイタンが全ての「仕事」を代行することで資本主義が破壊される。
→そうあるべきだと思うと同時に、あと100年では厳しいとも思う。たぶん、人間の倫理が追いつかないし、それをよしとできるほどの知性にもたどり着けない。
仕事をする、という概念がなくなる。その上でどう生きるのか。何が価値なのか。
→これは誰しもが考えておかないといけない問題かもしれない。仕事はある意味で土台だから、土台ありきで私たちは自由でいられる。だから、それがなくても土台をもてるか、支えられるかはどこかで考えなくてはならない。
人間が増えると、仕事が増える。
→それはそう。影響を与えることが仕事なら、影響を与えることを恐れて決定ができない人は不用である。
AIに判断能力が多少なりとも移管されはじめている昨今、人間が邪魔と言われるのも時間の問題である。
AIの故障、停止
→私たちは、携帯電話がなかった時代の仕事をほとんど知らない。高校生の頃から携帯電話が当たり前、就職する頃には99%がスマホ、これが止まる未来は想像できない。一方で作中のAI停止はこれに近いかさらに酷い規模…恐怖や。
仕事とはなにか
→人に影響を与え、そして実感すること。これまで仕事をする中でたくさん悩みもがいてきたけど、苦しい時ほど実感ができない時が多い。本当に役に立っているのかわからなくなった時、やることは難しく大変なのになんの新しい価値にもなっていないと理解しているとき、そして会社の評価は「価値のあるもの」に加点される方式だから、影響が実感できず見えにくいものほど評価の形での見返りもない。
ちなみに結局どうすればいいんだろう。作中だと、新たな「やりがい」に辿り着く。でも実際は?新たなやりがいへ進むしかないのか?
そもそもやりがいとはなにかも???となりながら、悶々とした読み終わりだった。
Posted by ブクログ
三年前に読んでいたのに途中まで気づかなかった。ナレインあたりで「あれ?」と思い出し、コイオスが出てきて「あ、読んだやつだ」となったが、読み終わるまで結末はすっかり忘れていた。
前回の感想同様、主人公の内匠成果の性格から感じる自分に酔ってるヒロイン感がどうにも苦手で、コイオスのカウンセリングプロジェクトに参加するまでは、他の一般人同様にAIによる豊かさを享受しきって生きている凡夫だろうに、急にキャリアウーマンみたいになって影響が大きそうなことも独断行動してしまう変貌っぷりがどうも納得いかない。コイオスと普通にデートしてるようなパートもちょっと読んでいて辛い。
AIの進歩によるユートピア社会の描写は上手いなと感心させられ、そういう時代の空気感や流通や仕事が存在しない世界や、ナノテクノロジーの進歩具合も上手く書けてるなと感じました。その部分はSF小説として楽しめましたし、プラスアルファで巨大タイタンが動き出すぶっ飛んだ要素を加えたことも小説として面白かった。
AIやMIが進歩しすぎて、人間の消費だけではAIが仕事として満足できず、消費専用の構造物「ヘカテ」を内緒で海底に作ってるのは、一年前なら笑いとばしてたかもしれないが、今考えると、未来ではあり得るなと思えてしまう。
Posted by ブクログ
遠い未来、人類誰もが「仕事」をする必要がない時代、人類の生活を守り司るAIタイタンの一部に不調が生じる。その原因究明と解決のために、主人公が臨床心理士として、タイタンと対話を行う物語。
物語は終始、「仕事」ってなんだろうという問に対する主人公とAIタイタンの一部であるコイオスの対話が主体となって、その周りの人々の思想などのスパイスが加わって展開します。その意味では、SFというよりも啓発本に近い様相を帯びます。実際読みながら、「自分が日々行なっている会社員としての「仕事」とは何だろうか」、「意味があるのだろうか」など考える良い機会となりました。この本の結論は「影響を与えること」が「仕事」。その影響と結果が見合っていると知ることが「やりがい」だと語っています(と私は捉えました)。私個人の感覚として、ほぼ一緒の感想でした。自分がやりがいを感じた仕事は、学生のころ塾講師をしていましたが、影響と結果がダイレクトに数字として出てくるのでとても楽しくやりがいを感じました。私の周りで、販売促進をする営業という仕事を好きな人は多いですが、同じ理由かと思います。
「社会に対しどう影響を与えたいか」、「どう結果を知りたいか」の2つが、資本主義における社会人生活を送るうえで肝要になってくるのでしょうね。最近は、ワークライフバランスといって家族との時間を大切にして仕事はそれなりにしようという考え方が浸透してきているように感じますが、せっかく人生の三分の一(睡眠8、仕事8、その他私生活8の超ざっくり計算)を費やす「仕事」ですから、もっと本気にもっと真剣に向き合う必要があると感じました。
星を一つ減らした理由は、人間を超越するAIをテーマとした割には、そのAIから発される言動が私の想像を超えてこなかったからです。ただ、最後のAIの不調の原因については意外でなるほどと思いましたし、終始面白く読み進められました。東京→大阪の片道でほぼ読み終えるくらい読みやすく、集中できるくらい面白かったです。
Posted by ブクログ
なんでか知らないけど表紙変わってたよ。前面に仕事って書いてある。前の表紙かっこいいなと思って本屋行ったけどもう無かった。まぁ、今のやつも嫌いじゃないけど。自分、対人能力低くて、問題解決力とか論理的思考力とかないから仕事しんどいし、おもんないから、仕事しなくて良い時代の話で正直羨ましい世界だなって最初に思ったし、最後まで変わらずそう思ってた。ただ、誰かに生かされ続けて生きることも思考力とかが落ちるのは予想できて、それも怖いなって思った。仕事ってなんなんだよって気になって読んで、自分が期待した答えとは違ったけど、一つの知識として読んだ価値はあったと思う。AIとかさ、もちろん小説の中のAIと今の時代のAIの実装が同じとも限らないから同じものとして書くのが良いのか悪いのか分からないけど、基本的には生き物ではないわけで、知性があるように人が思ってるだけで、ただただ確率論とか統計学とかそういうありがちな論理で返してきてるだけなのかもしれないけど、すごい親しみやすいキャラで、魅力的だった。そういう意味ではそんな未来も悪くないのかな。それはそうとして、最大の疑問が出た。人に影響を与えたくない人が、と言っても全く無視されるとか0%の影響しか与えられないとかはそれはそれで辛いと思うんだけど、でも、基本的には自分中心で仕事を進めるとか、責任を自分が背負うとかはしたくない人が、それでも働かないといけない時代にどう働いたらいいんだろうって、そんな疑問が残ってる。
Posted by ブクログ
AIブームの昨今だからこそより面白く感じた。
AI「タイタン」(12の大元がある)によって全てがサポートされ、人間が仕事をせずとも世界が平和に保たれている2205年。その大元のタイタンの一つ「コイオス」が機能低下を起こし、心理学に造詣が深い主人公がカウンセラーとして呼ばれ、初めて「仕事」をすることになる。そして会話と旅・経験を通して「仕事とは何か? 」を2人で見つけていく。
まず、コイオスが自我を持つ過程や精神的に熟していく過程が哲学的で面白い。
あと、どこか冷めている感じの主人公がカウンセラーとして冷静に慎重に会話をするところから、一人の人間として本音を隠そうとするコイオスに啖呵を切ったり(結果、大事になるが)、友人として距離感を大事にしたりと人間味が増していくストーリーにも惹きつけられた。
匿名
面白い
面白かった。
ただ、登場人物のもっと深掘りやその後が読みたくなる気持ちが湧いただけに、ちょっと物足りなさを感じた。それだけ魅力的な登場人物達だったと言うことだけど。
お話のメインテーマになってたことに対する答えは個人的には、シンプル過ぎて腑に落ちなかったので、もっと感動や納得されるようなお話や展開などの何かがあれば、もっとすごい作品って感じてたような気かする。でも、シンプルなことがまさに答えなのだからしょうがないのかも。
とりあえず、これを読んで自分もメインテーマについてもっとシンプルに考え受け止めてみようと気持ちになった気がしたので、読んでとても良かったなと感じたので素敵な作品でした。