【感想・ネタバレ】ぼくのメジャースプーンのレビュー

あらすじ

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

ぼくと幼馴染みのふみちゃんと不思議な能力が交わる青春小説
切なくて最後は苦しくて、でも読んで良かったと心から思える作品

すごく面白かった
先生が悪でもなく善でもなく
ぼくにたいして誤魔化しをしない、子供扱いしない、本気で向き合うところが誠実で素敵だなと思った

文章は難しくないけど心情を理解するために何度も読み返したくなるような深いメッセージ性や辻村さんの想いが伝わってくる
子供が読んでも大人が読んでも面白いはず!

愛って、好きってなんだろうか
その想いは自分本意になってはいないだろうかと色々自問自答するきっかけになった

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2025年11月16日

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素晴らしい。クライマックスの展開には思わず息が止まったし、それまでの刺すような言葉たち、苦しい展開に、まるで登場人物たちがその場にいるように、目を逸らしたり、かける言葉も思いつかない自分がいた。
 
やや子ども向けの本なのかと思いきや、とんでもない。
人間の心にある「悪意」というもの、それを改善して反省させたいと思う気持ちも、「こいつはそういうやつだ」と自分の手で確かめて枠に閉じ込めたい気持ちも、そうやって描くのかと、本当にお見事。
辻村さんの、人の感情を鋭く刺して描き切る語りが、大好きだ。
 
人の愛と、悪意を描いた作品。思い出深いところだけでも、何度も読み返したい。

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2025年10月20日

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真っ直ぐすぎて、覚悟もすごくてかっこいいと思った。反面、やっぱりもっともっと大人や身近な人に頼ってほしいと思った。

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2025年10月17日

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ネタバレ

★4.9/5.0

辛くて、切なくて、苦しくて、でも、とっても愛に溢れたお話だった。

この本を手に取ったきっかけは友達から泣けると勧められたからだったけど、本屋で購入してから読むまでにはかなり時間が空いてしまった。
ただ、この作品は「泣ける!」っていう風にオススメしたい本というより、とても辛く切なく苦しいけど、愛を感じられて、最後まで読んだら心に響くと思う、って感じだと思う。私ならこういう風に伝えるな。
ぼくとふみちゃん、そして秋山先生。
ふみちゃんの話から始まるのも良かったし、ぼくのふみちゃんに対する強い思いもものすごく伝わってきたし、秋山先生の授業と対応、最後ぼくに語ったたくさんの言葉。とても刺さりました。

残酷な描写はあったけど、泣ける作品では無くないか?って終盤まで思っていましたが、声を使った当日のところから一気に涙が止まらなくなりました。
ぼくの覚悟も、秋山先生のとっさの行動も、秋山先生がぼくをどう見ていたかも、さいごのふみちゃんも。

何度でも読み返したい!って思えるか?って聞かれたら何度も何度も読み返したい訳では無いけど、ただ、まっすぐな愛と覚悟に心打たれた作品になりました。

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2025年10月09日

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ネタバレ

秋先生、全然気付かなくて終盤で「あぁ!あの秋先生だ!あの時の疑問をここで回収してくれるんだ、最高!」てなった。
それにしても、ふみちゃんのこと、自分のことにここまで深く考えたり悩んだりできることがすごい。今の私より、はるかに人間ができてる。
そういえば私が小学生の時も学校で飼ってた兎たちが、野犬に襲われて全滅するという事件があったんだけど…今思えばあれは本当に…野犬のしわざだったのだろうか…

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2025年10月01日

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当事者性を感じて自分は主人公と同じ側にいるなと、心が震えた。同じ感じ方をする人がいるといいなと思います。

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2025年09月15日

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言葉にならない衝撃、再び。読んでいる間中ずっと心が痛く、ラストに向かうにつれ泣き崩れ、読み終わってしばらくは唖然としていた。
PTSDという重いテーマを様々な角度から捉えた物語。ぜひ"順番通り"にどうぞ

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2025年09月08日

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罪と罰。どの程度の悪意があって、それをどの程度だと見計らって、どの程度の罰が相応しいとするのか。
人間にそれが判断できるのかな。

辻村深月、好きなのに、読む順番があったなんて知らなかった^^; ところどころ、ん?と思う箇所があるが、そのせいか。関連する本を読んでみよう。

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2025年09月02日

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我が子が小学校中学年くらいになったらぜひ読んでほしいと思える1冊。

不思議な能力を持つ主人公が、ある事件をきっかけに心を閉ざしてしまった同級生の心を取り戻すため奮闘する。
同じ能力を持つ親戚の「先生」との対話で、罪、罰、正義、復讐とは…思考を深めていく様はそのまま道徳の授業になりそう。

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2025年08月31日

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大好きな辻村深月さんの本なので読みました。読んだのは結構前なのですが、私の心に強く刺さって未だに抜けないお話です。
主人公の「ぼく」が、大好きな「ふみちゃん」のためにした決断に、とても考えさせられました。愛ってすごく独りよがりなものだけど、強い力がありますよね。ぼくが切羽詰まったなかで重く難しいテーマに向き合い、思い切った行動を取ったのは、その根底にふみちゃんが大好きって思いがあるからなのかな?と思いました。
愛を描いたもので、ここまで心を揺さぶられる小説は初めてでした。もう一回記憶を消して読みたいです。

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2025年08月28日

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物語とは少しずれてしまうかもしれないが、現代において当てはまる部分が多かったように感じる。現代を生きる上での筆者からのメッセージがあったように自分は感じた。言葉の重み、物事の価値付け。今一度自分の生活と向き合うことが必要なのかもしれない。そんなきっかけをくれる一冊であった。

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2025年08月26日

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ネタバレ

うさぎ虐殺の描写は強烈だった。自分なら犯人に対してどのような感情を抱くか想像しながら読んだ。結局は絶対的な悪は変わらないから距離を置くというのが1番賢いんだろう。でも、主人公がとった行動も心情は理解できるな。マドレーヌの伏線は驚いた。

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2025年08月15日

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はじめは、読むのが辛くてこのまま読み進めるのが辛いのに、先が気になってしまい気づいたら読み終わっていました。
私だったらどんな言葉を市川にかけようと思いながら読み進めていました。

最後にふみちゃんの回復の兆しが見えてホッとしました。

やはり辻村先生の本は引き込まれてしまいます。

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2025年08月09日

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悲しいけど心が温まるそんなストーリーでした。

ぼくやふみちゃんのまわりにいる大人たちが温かい人たちでそれだけで少し救われたような気持ちになりました。
そしてぼくとふみちゃんの関係性がとっても素敵で最後涙が出そうになりました。

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2025年07月28日

ネタバレ 購入済み

基本的に小学生の主人公の視点で進んでいくので難しい単語や表現が登場せず読みやすいです。不思議な力を持っている、という少し現実離れした設定がありますがそれをうまく溶け込ませたうまい作りになっているなあと思いました。

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2025年01月10日

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ネタバレ

小学生の復讐劇を、哲学的かつ情緒的に書き上げた、素晴らしい作品。
デビューから4作目。明らかに化けた。

過去作品と共通の登場人物が出てくるのも、順に読んできた人にとっては驚かされる仕掛け。

秋山先生は「子どもたちは夜と遊ぶ」の先生だった。動物園に行く人は、月子と恭司か。
先生の、殴られた女学生を助けようとした、って言葉でやっと気づいた。
「子どもたちは〜」の該当箇所を読み返したら、完全につながってた。これ、キャラ設定の時点で、秋山先生が言霊的な能力持ってるって決めてたんだな。その種明かしをこの作品で行う。スケールでかいぜ。
もしかしたら、元々は「子どもたちは〜」で触れる予定だったけど、要素増えすぎて本筋がぶれるからカットしたのかも。だとすると、練っておいたものが無駄にならずむしろ熟成して輝いた感じかな。
秋山先生、授業でダブルバインドの話を月子にしてた。これも「子どもたちは〜」を読んだ時は、こんな描写いるか?って思ってたけど。そういうことか。

ピアノ発表会の天才くんは「凍りのくじら」の郁也かぁ。解説で知った。ふみちゃんも確かに同書に出てきてた。病院に一緒にいた、しゃべらない女の子。

他作品とのつながりは、あくまでもスパイス。
本筋も素晴らしい。
・うさぎの胸糞っぷりがすごい。
・マドレーヌが伏線だとは。
・主人公が小学生なのに感情移入させられる
・秋山先生の冷徹ぶりが良い
・復讐や命に関する議論も良い


とはいえ、言うことなし!ではなかった。
ピアノのところは導入としてはやや物足りなさを感じたし、小学4年生の一人称で「呵責」とか違和感表現も。
小4であそこまで頭回るのは東大にも滅多にいないはずだってところもひっかかった。

何より、他作品とつなげる弊害として、見てないと蛇足や違和感につながる描写。
秋山先生の象がサーカスとか、助けた女学生の飲み込んだメモとか、男の人のピアス穴とか。

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2025年12月02日

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2025年43冊目『ぼくのメジャースプーン』

最初は、主人公のぼくがその不思議な能力で多くの人を救っていく物語なのだと思っていた。けれど実際は、幼馴染のふみちゃんを助けるため、自分の力と向き合い、悩み、葛藤していく物語だった。

ぼくも、ふみちゃんも、そして先生も、それぞれ個性が際立っていて魅力的だ。なかでも私は、先生の存在が特に好き。そこにいるだけで空気が落ち着き、読んでいるこちらまで安心できるような、そんな感じがする。

辻村深月さんの作品を読むと、やっぱり「物語っていいな」としみじみ思う。現実とは少し違う世界に足を踏み入れて、登場人物の心の揺れを一緒に辿れるのが楽しい

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2025年11月17日

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全体的に読みやすい文体で、さくさくよみすすめられる作品なんですが、ふみちゃんみたいな良い子が、悪意で病んでしまうシーンはかなり辛く自分ごとのように感じて、何とかしてあげたい! むずむず みぞみぞします。

メジャースプーンって何?って思ってましたが
なるほど、計量スプーンなのね。

いくら特殊能力があるとはいえ、小学生の主人公が犯人に、立ち向かうのは無理があるなあと思いますが、ぼくとふみちゃんの優しさが滲みでている読後感のよい作品です。

ワタシにもこんな姉さん的な友達、いた気がします。遠い記憶だけど。
あの子は今どーしてるだろう?

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2025年11月12日

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文庫本で500ページほどでした。
細かく章が分かれていて読みやすかったです。

「この後の展開が気になるから読みたい!」というより「彼の"闘い"と"答え"をそっと見守りたい」と思いこの本を読む手が止まりませんでした。私はとても素敵な本だと思いました。

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2025年11月07日

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大切な人を守りたい、と簡単に言葉には出来るが本当に守るとは?を考えさせられた。また、人を守るように見えて自分のためなのかも?と思うこともあるなと、深く考えさせられる本だった。

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めからページをめくる手が止まらなかった。
「ぼくのメジャースプーン」という題からは想像出来ないストーリー。すごろくの通りに読んでるので、「凍りのくじら」に出てきたふみちゃんのもともとの人柄にギャップがあってびっくりした。

読んだことがないので合ってないかもしれないけど、現代版「罪と罰」のようだった。罪に対する罰を与えるには何が適当なのか、むしろ罰を与えるべきなのか。ぼくと秋山先生の対話やほかの登場人物の考えなどから色々と考えさせられた。
最後、決戦当日からの展開はもうこの世界に入り込んでしまって感情が大変だった。
読み終わって充実感はあったけど、自分が全てを消化出来てない気がするので、また日が経ったときに再読したい。

秋山先生の能力について知ったとき、「子どもたちは夜と遊ぶ」で先生が出てるところ読み直したい!と思ってたら、あの時使ってたのか!!と新たな発見があってより面白かった。ほかにも別作品の登場人物たちが出てきてその発見も楽しかった。
辻村作品は物語がその一冊で終わるのではなく、当たり前にそれぞれの時間が流れて登場人物たちも日々過ごしているんだなぁと感じられて読んでてうれしくなる。

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

『子どもたちは夜と遊ぶ』の次に読みました。
読む前は、タイトルの、ぼくのメジャースプーンの意味の想像がつかなかったのですが、読み終えてとても納得したというか、メジャースプーン――計量スプーン――の使い方に感嘆したというか。初めはふみちゃんが持っていて、それを1本譲ってもらって、さらにふみちゃんのを拾って3本とも持って、最後にはふみちゃんに渡り、そしてきっと…。
心が人を響かせる。
主人公や登場人物の価値観やさじ加減にそれぞれの個性と信念があり、そして、秋先生の言うようにどれも正しくて正しくない、そこに正解など存在しないということを、しみじみ考えさせられました。
辻村深月さんの、道徳的倫理的な思考を揺さぶってくる感じ、好きです。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

秋山先生と僕の対話が良かった
道徳を考えていく上で必要な罰と条件
後半は小学生がこんなに考えられるのかと思うくらい難しい議論だった
ふみちゃんの正義が世の中の正義になってくれたらいいな
復讐は自分の人生と相手の人生を繋いでしまうことでそれだけ生半可な気持ちではできないことだね

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

魔法のような能力を使える少年がいてどこかSF的な物語かと読み始めは思っていました。第2章で読み進めるのが苦しくなりましたが、その先は道徳観や倫理観を凄く意識された内容でした。
罪と罰、言葉の重み、愛、因果応報、様々な事を深く考えさせられました。

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2025年09月24日

Posted by ブクログ

★★★★☆薄暗い中に、熱い炎が燃え盛るようなえ印象を受けるお話でした。声の力を持ったぼくと事件のショックで心を閉ざしてしまったふみちゃん。犯人に対してぼくにだけできることがある。チャンスは1度きり。これはぼくの闘いだ。犯人との面会シーンには驚かされました。秋山先生と共に騙され、裏切られた気持ちだった。そしてエピローグで救われました。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

なかなかひどい出来事が起こり、どう展開するのかハラハラした。最後まで予測不能だったが、今後もぼくとふみちゃんがいい関係で時を重ねて欲しい。
それにしても、秋先生とぼくのやりとりには考えさせられた。

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2025年08月02日

mii

購入済み

もはや哲学書

凍りのくじらから。
あらすじにふみちゃんの名前を見つけて手に取りました。

主人公が小学生とするにはあまりに残酷な描写とストーリー展開でしたが、そのぶん読み手に語りかけてくることが非常に重かったです。
「ぼく」と秋山先生のやりとりは哲学的問答で、普段いかに自分の感情を蔑ろにしてたのかを痛感させられました。
もっと若い時にこの本に出会えてたら……と思う気持ちと、今だからこそ響いたんだろうなと思う気持ちと。きっと何度読み返しても新しい発見がある作品なんだろうと思います。

「ぼく」とふみちゃんが過去にとらわれず前向きに進んで行けますように。

#泣ける #切ない #怖い

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2025年02月03日

Posted by ブクログ

秋先生とぼくの間のやり取りが、ちょっとした哲学書のような印象。サプライズ感がそこまであるわけでは無いが、十分楽しめた。『子供達は夜と遊ぶ』を読んでからがいいというのは納得。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感動ファンタジー系小説。
泣けると評判の作品のようだ。
友人に勧められて読んだ。

なんだろ、最近読んでいた小説がハマり過ぎていたからかな、普通にはおもしろかったんだけど、
読み終わった直後の率直な感想は、これで終わりか、だった、笑

泣けなかったというか、あまり感情移入できなかった、、、
主人公が小2〜4の話で、ちょうどうちの子と同じなんだよね。
だからか、頻繁に現実に引き戻されて、
声の力がある時点でフィクション?ファンタジー?なんだけど、最後まで小説の世界に入り込めなかった感じ。

でもおもしろかったし、復讐とかやり返すことに関して考えさせられたりして、また別の良さがある小説ではあった。
ただ他の小説と比較してしまうとイマイチ。

もし自分に声の力があったら、目には目をくらいのレベルで即使うね、笑
こんな主人公みたいに悩んだりしない、ってところも一歩引いちゃった要因かなぁ。

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

正しい復讐…について小学生の「ぼく」が考える。まわりくどい思考の描写が多すぎてうんざりなところもあったけれど、読み終わりはほっとしました。

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

子供たちは夜と遊ぶの登場人物がでてきて嬉しくなる。秋先生も月子も好き。少しずつ違う本の登場人物が出てきてて辻村深月さんの作品面白いなと思う。

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

苦しい、生々しい。辛い。
でも読んで良かった。
この作品の登場人物が出てくるという他の作品も読んでみたい。

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2025年09月15日

購入済み

辻村作品を読み漁るのでしたら

ふみちゃんが、その後の作品にも度々登場します。
辻村作品を継続して読破するのでしたら、読んでおいた方が楽しみが増えます。

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2018年10月24日

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