あらすじ
ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
さすが辻村深月さま、と言いたくなるような読み応えのある作品だった。
途中、事件の描写がグロくて胸が痛くなったし、クラスメイトの調子が良くてずるい様子の表現がリアルで読み進めるのが辛い部分もあったけど、やっぱり先が気になるし、最後はどこかあたたかさも感じるラストでほんとうに良い一冊だった。
こういう気持ちになれるから、小説ってやっぱりいいな、、と思った。
そして、途中、後半で、先生が『秋先生』で、名前探しの放課後のあのゼミの先生とつながって、すごく嬉しかった!
名前探しの放課後のエピソードについて語られたり、直接は語られてないけど、名前探しの放課後で謎だった、悪者の学生を消した方法はこの能力を使ったのか!と気付いたり。
動物園に行った人たちもきっと誰かなんだろうなとは思ったけど、誰かはわからず。
解説を読んで納得したし、こおりのくじらの少年があの発表会の、、とか、話せない女の子がふみちゃんだったのか、、とかリンクがすごく楽しくて、辻村さんの小説の読む順番におすすめがあることを深く納得した!
次に読むべき本でもきっと誰かと嬉しい再会があるかと思うと今からワクワクする。
まだ辻村深月さんの読んでない作品が多くあることを幸せに思う!
Posted by ブクログ
何度も泣きました。10歳の純粋でまっすぐで、だけど信じられないくらい大人びている感情に、持っていかれました。だけどそれだけではなく、罪とは、罰とはと、自分ならどうするだろうかと禅問答のような頭の中での一人のやり取り。大人になった今、私は「何もしない」という選択をするかもしれない。だけど、おそらく割り切れないし、そんなぐちゃぐちゃで必死な感情の先に、人を動かす愛情があるんだろうとも思う。
ぼくとふみちゃん。ぼくはふみちゃんが大好きで大好きで、どうしても何があっても、痛ましい孤独の世界から戻ってきてほしかった。「本当に優しい子なんだ。」
本当に深い物語でした。
Posted by ブクログ
確か、昔、大学を卒業した頃にこの文庫本を買った。そして、読まないままずっと本棚で眠らせていた。
手に入れてから10年以上経っただろうか、やっとこの本を読んだ。
読みはじめたらとても読みやすく、すっと心の中に入ってくる物語だった。主人公の少年の心の機微や、巻き起こる事件に読んでて何度も涙腺が緩んだ。
読後の余韻もあって、センチメンタルな気分だ。
私はこの物語をずっと読みたかった。本屋で手に取ったあの日から、引っ越しがあっても断捨離をしても、この本はずっと本棚に共にあった。辻村深月の「凍りのくじら」がとても好きだったのでこの本を読みたかったのだ。ずっと、ずっと。
私も作中のふみちゃんのように、心が壊れるようなことが、人生にあった。その時から、小説を読めなくなった。でもこの本は手放さなかった。だってわたしは辻村深月が気になっていて、この本をとてもとても読みたくて、小説が好きで、諦めたくなかったからだ。
人と時間に癒されて、今、この本を読めた。私があの時失ったものと、今手に入れたもののことを思う。
まるで、私が読めるようになるのを待っててくれたような、物語だった。傷ついて、失っても、終わりじゃない。続いていくし、再生の道はある。
この物語を読めて良かった。心から。
Posted by ブクログ
小学生が主人公ということもあり、最初は子供向けの作品かと思っていた。しかし実際にはまったく違い、途中から“正解のない問い”を突きつけられる、非常に哲学的な物語だった。
主人公は特殊な能力を持っているが、その力が「言葉」に由来しているのが面白い。どんな言葉を選び、どんな“言霊”を使うのかが気になり、どんどん読み進めてしまった。
読みやすい文章でありながら、扱っているテーマは重く深い。
主人公がどんな答えを出すのか、最後までハラハラしながら読めた。
読みやすさと深さを両立した、素晴らしい一冊だった。
Posted by ブクログ
小学生の少年が負うにはあまりにも重すぎる業。
スパイダーマンでベンおじさんの「大いなる力には、大いなる責任が伴う」みたいな言葉を感じる作品だった。多感な時期である小学生にとって、大きすぎる事件、大きすぎる力、大きすぎる好きな人の存在、どれもが考えさせられる材料として揃っていた。読んでいて胸が苦しくなったり、考えさせられたり、感情がぐちゃぐちゃになったけど、手が止まらない感じ。
あまりに面白いから、出会う全ての先輩、後輩、同期へ紹介しているぐらい笑
本当に読んでほしいな。
二回ぐらい泣きました。
基本的に小学生の主人公の視点で進んでいくので難しい単語や表現が登場せず読みやすいです。不思議な力を持っている、という少し現実離れした設定がありますがそれをうまく溶け込ませたうまい作りになっているなあと思いました。
Posted by ブクログ
復讐は、復讐しか生まない。
この小説を読んで1番心に残った。世の中には数え切れないほどの悪意があるけれど、悪意に対して悪意を持って接していては、いつまでも平和にはならないと改めて思った。
この物語の主人公「ぼく」のふみちゃんに対する姿勢のように、常に愛を持って人に接していきたいと思った。
また、身近な人が酷い目にあった時、その犯人に対してどう復讐するのか、もしくは復讐せず忘れようと努めるのか。自分だったら、、と考えさせられる小説だった。
小学4年生のぼくは、うさぎ殺しの事件で心を閉ざしたふみちゃんを救おうと懸命に毎日を過ごす。
当事者にとっては、人生を狂わせられるような大きな出来事でも、世の中では数多くある事件の一つに過ぎない。
メディアは、世は、それらを消費するに過ぎない。
立場が変わればモノの見方も変わるという言葉があるが、それを改めて実感させられる小説だった。
自分の命をもって、犯人に償わせようとする「僕」。そのひたむきな姿勢に心を打たれると同時に、それは、またぼくを大事に思う家族を傷つける行為でもある。全ての行為はつながっているなぁと感じた。
悪意は無くならないけど、それならせめて自分のところで悪意を打ち切る。そんな人になりたいと思った。
2026.5.7再読
後半はずっと涙が止まらなかった。
好きな人を思う気持ち。たとえその気持ちの出発点が「自分のため」だったとしても、人はそれを愛と呼ぶ。
人間は、自分のためにしか泣けないというが、
誰かが悲しい思いをした時涙するのは、その誰かが自分にとって必要で大切に思う気持ちがあるからなのではないか。それが愛ではなくて何なのだろう。
「自分のため」に生きることは決して悪いことでは無い。むしろ人間の本質としてそれは当たり前のことなのだと思う。以前りりちゃんと性善説と性悪説について話をしたときに、りりちゃんが「性悪性は悲しいことでは無いと思う。生まれた時から汚い生き物なのに、人に優しくできるのは自分がすごいんだって思えるでしょ?」と言ってた。正直目から鱗だった。私たちは自分勝手に生きている。でも、そんな自分勝手な人間が誰かを思いやり誰かのために涙できるのは、素晴らしいことなのかもしれない。
「自己中心」な考えの中にも愛や優しさはたくさん詰まっているのだと教えてもらった。
Posted by ブクログ
単品でもめちゃくちゃ面白いけど、
子どもたちは夜と遊ぶ、の答え合わせにもなるなんて
思わなかった。
絶対に先に子どもたちは〜を先に読むべき!
と、思ってたら他の方の感想をみると
他の作品とも関連があるらしくて
全然気づかなかった(汗
この次は何を読んだらいいんだろう?
この作品はゴール(主人公と犯人が会う日)が
わかりやすいし、続きがすごく気になって
一気に読めました。
他の辻村作品は現在的なお話かと思いきや
結構ファンタジー寄りでなんでもありじゃん…と
ラストで少しがっかりすることもあるんだけど
最初から「力」という設定があるから
なんでもありだと最初から覚悟してたし、
結末にもやもやすることはなくてよかった笑
Posted by ブクログ
結末を読んでホッと胸を撫で下ろした。
自分が同じ能力の持ち主だったら、誰に対してどんな条件を提示するだろうかと色々妄想してしまった。
強制するのでは意味がないし、反省を促すということは難しいなと思う。でも自分のために懸命に戦ってくれる同士がいる事実は、どうしたって心の拠り所になると思う。
Posted by ブクログ
復讐する事の意味について色々と考えさせられる。力を持った小学生4年生が出した最後の決断には驚いた。2人がまた元のように仲良く学校に行けることを願いたい。
Posted by ブクログ
#わたしの講談社文庫
気になって購入。
罪、復讐、罰がテーマだと思った。
無垢で純粋な子どもの視点、紆余曲折あり苦労してきた大人の目線から、それらを話し合っていくところはとても面白かった。
先生が恐らく前作ありきの存在なんだなーってところが、読み進めれば進むほどネタバレをくらっているのか?前作の話をしているのでは?前作のその後の話?知っていればその後こんなふうに生きてきたのかって感動するの?と悶々とした。ただ、魅力的なキャラクターたちが一冊だけで終わってしまうのは寂しい、もっと色んな作品に出てきてほしい!と常々思っているので、辻村さんの本と本同士が少しずつ関わり合っているところはとても好き。他の作品読むのも楽しみだ〜!
自分だったら何と言うだろうか。
憎い人自身が痛い思いをする、死ぬよりも、
その人の大切な人・物が、
自分のせいで壊される、死んでしまう、苦しい思いをする
っていうのはとても残酷で1番辛いかなと思う。私には大切な人がいるので強くそう思う。
あ、主人公もPTSDだって気づけなくて悔しかった。マドレーヌに個体差あり過ぎては?と何度も出てきたのに。飴も2回も出てきたのに。悔しい!
Posted by ブクログ
タイトルから想像できないほどの深い小説でした。
主人公がメジャースプーンを持って、ずっと計っていたのは罪の重さじゃないんだろうか。
それは犯人に対しての憤りと、意図せずにして、好きな子に辛い目に合わせてしまった自分への怒り、罪悪感。
ぐちゃぐちゃな気持ちで決心した選択は、大人さえも欺いて決行してしまった。子どもは侮れない。
だけど、子どもが故の無知、軽率さで他の人を悲しませるところだった事に後から気づく視野の狭さは正しく子どもだった。
子どもの無知が故の、世界が狭いから故の選択の壮絶さと、ひたむきな気持ちに気づいたら泣いてしまう。そんなお話でした。
Posted by ブクログ
人間の思考、価値観について改めて考えさせられる。生きていく道中には想像もできないことがいくつも起こるし、それをどう乗りこなしていくのかを登場人物達に教わったような感覚。普遍的な愛の話じゃないけれど、その人のことを想うってなんなんだろうと考えさせられた。
電車でのシーンと、ぼくが秋山先生にふみちゃんは一年後には戻ってくると言われても、一年をすごく遠く感じるシーンが心に残った。
Posted by ブクログ
読み終わりました。
最後の1行で涙が止まりませんでした。
一言も喋れなかったふみちゃんが、1週間毎日お見舞いに来てるなんて。涙無しには読めませんでした
ただ、なんて言うんだろう、最後の終わり方が少ししっくりと来なかったです。
物語の内容は分かったけど、この物語を通して何を伝えたかったんだろう、1番伝えたかったものは何だったんだろう。と正直なところそう思っちゃいました。
皆さんの感想を聞いてみたい。
Posted by ブクログ
一つの出来事に対する評価や考え方、受け止め方は、もちろん人それぞれ。
その人それぞれを、判断に至るまでのプロセスをここまで細かに描く作品は初めてだった。
自分自身の判断基準や価値観について、改めて見直すきっかけとなった。
内省するときも、人に伝えるときにも、言葉はしっかりと考えて発しなければ。
Posted by ブクログ
辻村ワールドすごろく6マス目。
前回の『子どもたちは夜と遊ぶ』から半年ぐらい経っていた(汗)
頼りない記憶力でうろ覚えになってるけど、あの秋先生が再登場するとあって、記憶を辿りながら一気に読んだ。
本作は小学4年生の「ぼく」を主人公に据えながらも、「罪と罰」という重たいテーマを突きつけてくる物語だった。
ある日、幼馴染みのふみちゃんを襲った残酷な事件。心を閉ざした彼女を前に、特別な「力」を持つぼくは、同じ力を持つ秋先生から力の効力やルールを学びながら、事件に対する罪と罰について一歩踏み込んで話し合う。その力で犯人に復讐するのか、それとも憎しみの連鎖を断ち切るため何もしないのか。相手の人生を左右する力の重みと、それを使うことの代償。自分だったら、どうするか、と自問自答させられる。
起きてしまった犯罪や事件に対して、これは本当に難しい問題。小学4年生の子どもにはあまりにも酷な選択だけど、主人公のぼくは、決して逃げないと決めていた。何度も怖いと言いながらも、その決心と覚悟に胸を打たれた。精神的な成長の途上にある子どもだからこそ、葛藤や機微がより純粋に刺さる。
辻村先生らしい子どもたちのピュアな描写と、それを取り巻く社会の闇。その対比の中で、一つの希望ある答えを示す作品だった。読後、「頑張ったね、ぼく」と声をかけたくなった。
Posted by ブクログ
面白かったです。
物語の主人公の立場になって色々と考えさせられる作品でした。
主人公の最後の決断がどうなるのか、一緒に考えながら読み進められ、より没入感を得ることができました。
こういうテーマの作品はこの作者さんらしい良さが出ていてスッと馴染めました。
Posted by ブクログ
クライマックスの先生と主人公の掛け合いがまっすぐな言葉の応酬で心動かされた。どっちの言葉も素敵だった。
小説で描かれるふみちゃんの人間像が素敵でそれでいて可愛さもあるから大好きになった。ふみちゃんと友達になりたい。
Posted by ブクログ
軽い気持ちで読み始めたのに、内容は哲学問答のようで深く重苦しかった。
設定的にはあり得ない話。でも、もし
そんな選択ができたのだとしたら自分ならどうするか?
使われる言葉は平易でも、難しい内容だった。
Posted by ブクログ
心理学の授業みたいだった。
人間は皆、先生と主人公が持つ特殊能力を持っていることを伝えるために作られたみたいな本。言葉とは力強く、重たいものだ。忘れないようにしよう。
ただの学校で起きている出来事を描く小説と思いきや、後半で急にネタが明かしが起きる展開は、凍りのくじらを如何にも彷彿とさせる、流石の仕掛けだった。
Posted by ブクログ
特殊能力ものは多くの作品がありますが、本作のようにその能力を細かく分析し、それを踏まえてどのように発動させるかを一緒に考えさせられるような作品はとても新鮮でした。
能力はあくまでサブ的要素として、丁寧な心理描写によりページを割いてクライマックスに集約されていたのも好ましく感じました。
続編?の「名前探しの放課後」も読みたいと思います。
Posted by ブクログ
「声」の力で、行動の命令『ゲーム発動』と、実行しなかったか出来なかった場合の『罰』を与える能力を持つ、主人公。
でも、ピアノの発表会で舞台に行けなくなったふみちゃんを動かしたのは、『罰』ではなくて、本当に主人公に言われて嬉しかった言葉だったんですね。
『条件ゲーム提示能力』なんて特集能力が無くとも、人の言葉には力があると思いました。
もはや哲学書
凍りのくじらから。
あらすじにふみちゃんの名前を見つけて手に取りました。
主人公が小学生とするにはあまりに残酷な描写とストーリー展開でしたが、そのぶん読み手に語りかけてくることが非常に重かったです。
「ぼく」と秋山先生のやりとりは哲学的問答で、普段いかに自分の感情を蔑ろにしてたのかを痛感させられました。
もっと若い時にこの本に出会えてたら……と思う気持ちと、今だからこそ響いたんだろうなと思う気持ちと。きっと何度読み返しても新しい発見がある作品なんだろうと思います。
「ぼく」とふみちゃんが過去にとらわれず前向きに進んで行けますように。
Posted by ブクログ
タイトルから想像してたのとは、まったく違うストーリーだったけど、興味深い話だった。主人公がかなり大人びた小学生。小学生が抱えるには重く辛い問題だよな。一度罪を犯した人間は、何をすれば、どう生きれば、許されるのか…。いや、果たして許されるものなのか?許していいのか?テーマは重いが、特殊な能力者の話しでもあるから、少しだけファンタジー。もしも自分の主人公みたいな能力があったら…何て囁くかな。
Posted by ブクログ
・オーディブルで散歩しながら聴いていた
・メジャースプーンの意味が途中で分かってくる
・主人公のぼくは小学生にして物分かりもいいし、ふみちゃんの一見大人にしかわからないような賢さを理解していて2人の子供とは思えない聡さに驚く
・話の展開は想像しえないような驚くものにはならないものの、主に先生とぼくの会話の中で、これまでの人生で考えても答えのなかったテーマを反芻する感じがある
・「復讐とは」「何かに一方的に傷つけられたものたちはどう生きるか」「人は本当の意味で誰かのために生きられるのか」ということをぼくや先生の言葉を通じて考えていく感じがある
Posted by ブクログ
罰とは何か、すごく考えながら読みました。
うさぎを殺したからと言って彼が罰を与える必要はどこにもなくて、何がやり過ぎとか適切とか、そんなことを決める権利は誰にもないのに。迷ったり考えたりしながら出した彼の答えは私には納得ができなかった。
もっといい反省のさせ方はなかったのかな…
動物が死んでも器物損害でしかないなんてそんな世の中が許せない。誰かに愛されている動物をもし殺したら、法的に罰せられるようにしたいです。
彼なら、法を変えられる方向に力をつかえたんじゃないでしょうか。
Posted by ブクログ
中盤からは先生とぼくの会話が中心で、哲学的な要素が多かったからか、読むのに時間がかかった❕
ある事件をきっかけに、ぼくの目線を通して読者も考えさせられるという話の展開は「僕たちはどう生きるか?」に似ているなと思った
途中から秋山先生は杉下右京で脳内実写化してました(笑)
私はどちらかというと秋山先生寄りで、加害者には全く寄り添えないし正直相手が死んだっていいし、目には目を歯には歯をという感じだから、さすがは小学生。考えが甘いな〜と思ってたが結構裏切りもあっておもしろかった❕
大小の程度の差はあれど、悪意や加害性は誰にでもあるし、誰かに壊された人生もまた誰かの助けがあれば再生できるてことなのかな…
犯人が反省することもなく、悪意に理由がないという描写なのもとことん突き詰めてて個人的にはよかった❕(作中で勉強が辛かったからとか理由をつけて周りが相手に同情するというシーンがあったけど、犯人のバックボーンと罪を無理矢理紐づけてほしくなかったし、ずっと嫌なやつでいて欲しいから)
Posted by ブクログ
この作家の噂はかねがね聞いていて興味はあったけれど、読むのは初めて。率直に面白かった。
読み進むたびにイメージがくるくると変わった。オーソドックスな児童文学として始まるのだけれど、途中から雰囲気が少しずつ変わり、さまざまな顔を見せてくれる。サイキックをテーマにした物語の印象もあり、途中からはちょっとサイコかかったネット社会批判的なサスペンス小説のようであり、ある部分ではロジカルな知恵比べをテーマにした硬派の物語のようでもある。いろんな楽しみ方ができるし、その変化の中に一貫した芯があり、それにぐいぐいと惹かれて読んでいった気がする。つまりこれは、プリンセスを守る騎士の物語なのである。
実はひとつだけ大きく残念なことがあった。読みながら、「どうしてこの点には触れられないのだろう」と思いながら読んでいた。「この点」はとても大きい要素で、本当ならそれが主人公を動かす一番大きな動機になるはずだと思ったからだ。最後まで読むと、触れられなかった理由はよくわかる。登場人物というより、作者の事情なのだ。しかし、個人的にうまく納得できず、上手に感動できなくて、「ああ、そういう風にしたかったのね」と心に風が吹いてしまってがっかりした。
そのほかにも、タイトルにもなっている「メジャースプーン」の含意がもうひとつ分かりにくかったり、ラストがちょっと甘くはないかと感じたりもした。だけど、そんなことはそれほど気にならず、幼さと強さを持ち合わせ、それゆえに健気さに目が離せなくなる小学生の頑張りを、ハラハラしながら見守る体験は、とても充実していた。読んで良かったなと思う物語だった。
Posted by ブクログ
最初の方はペットを飼ってるっていうのもあって胸糞悪くて読むのが辛かった、「子供たちは夜と遊ぶ」の秋山先生も出てきてて、ぼくと同じ能力を持ってたことを知って驚いた、色々と難しい問題だよなぁと思った、2つの作品を読むと更に楽しめると思った✊
辻村作品を読み漁るのでしたら
ふみちゃんが、その後の作品にも度々登場します。
辻村作品を継続して読破するのでしたら、読んでおいた方が楽しみが増えます。