あらすじ
ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
さすが辻村深月さま、と言いたくなるような読み応えのある作品だった。
途中、事件の描写がグロくて胸が痛くなったし、クラスメイトの調子が良くてずるい様子の表現がリアルで読み進めるのが辛い部分もあったけど、やっぱり先が気になるし、最後はどこかあたたかさも感じるラストでほんとうに良い一冊だった。
こういう気持ちになれるから、小説ってやっぱりいいな、、と思った。
そして、途中、後半で、先生が『秋先生』で、名前探しの放課後のあのゼミの先生とつながって、すごく嬉しかった!
名前探しの放課後のエピソードについて語られたり、直接は語られてないけど、名前探しの放課後で謎だった、悪者の学生を消した方法はこの能力を使ったのか!と気付いたり。
動物園に行った人たちもきっと誰かなんだろうなとは思ったけど、誰かはわからず。
解説を読んで納得したし、こおりのくじらの少年があの発表会の、、とか、話せない女の子がふみちゃんだったのか、、とかリンクがすごく楽しくて、辻村さんの小説の読む順番におすすめがあることを深く納得した!
次に読むべき本でもきっと誰かと嬉しい再会があるかと思うと今からワクワクする。
まだ辻村深月さんの読んでない作品が多くあることを幸せに思う!
基本的に小学生の主人公の視点で進んでいくので難しい単語や表現が登場せず読みやすいです。不思議な力を持っている、という少し現実離れした設定がありますがそれをうまく溶け込ませたうまい作りになっているなあと思いました。
Posted by ブクログ
復讐は、復讐しか生まない。
この小説を読んで1番心に残った。世の中には数え切れないほどの悪意があるけれど、悪意に対して悪意を持って接していては、いつまでも平和にはならないと改めて思った。
この物語の主人公「ぼく」のふみちゃんに対する姿勢のように、常に愛を持って人に接していきたいと思った。
また、身近な人が酷い目にあった時、その犯人に対してどう復讐するのか、もしくは復讐せず忘れようと努めるのか。自分だったら、、と考えさせられる小説だった。
小学4年生のぼくは、うさぎ殺しの事件で心を閉ざしたふみちゃんを救おうと懸命に毎日を過ごす。
当事者にとっては、人生を狂わせられるような大きな出来事でも、世の中では数多くある事件の一つに過ぎない。
メディアは、世は、それらを消費するに過ぎない。
立場が変わればモノの見方も変わるという言葉があるが、それを改めて実感させられる小説だった。
自分の命をもって、犯人に償わせようとする「僕」。そのひたむきな姿勢に心を打たれると同時に、それは、またぼくを大事に思う家族を傷つける行為でもある。全ての行為はつながっているなぁと感じた。
悪意は無くならないけど、それならせめて自分のところで悪意を打ち切る。そんな人になりたいと思った。
2026.5.7再読
後半はずっと涙が止まらなかった。
好きな人を思う気持ち。たとえその気持ちの出発点が「自分のため」だったとしても、人はそれを愛と呼ぶ。
人間は、自分のためにしか泣けないというが、
誰かが悲しい思いをした時涙するのは、その誰かが自分にとって必要で大切に思う気持ちがあるからなのではないか。それが愛ではなくて何なのだろう。
「自分のため」に生きることは決して悪いことでは無い。むしろ人間の本質としてそれは当たり前のことなのだと思う。以前りりちゃんと性善説と性悪説について話をしたときに、りりちゃんが「性悪性は悲しいことでは無いと思う。生まれた時から汚い生き物なのに、人に優しくできるのは自分がすごいんだって思えるでしょ?」と言ってた。正直目から鱗だった。私たちは自分勝手に生きている。でも、そんな自分勝手な人間が誰かを思いやり誰かのために涙できるのは、素晴らしいことなのかもしれない。
「自己中心」な考えの中にも愛や優しさはたくさん詰まっているのだと教えてもらった。
Posted by ブクログ
単品でもめちゃくちゃ面白いけど、
子どもたちは夜と遊ぶ、の答え合わせにもなるなんて
思わなかった。
絶対に先に子どもたちは〜を先に読むべき!
と、思ってたら他の方の感想をみると
他の作品とも関連があるらしくて
全然気づかなかった(汗
この次は何を読んだらいいんだろう?
この作品はゴール(主人公と犯人が会う日)が
わかりやすいし、続きがすごく気になって
一気に読めました。
他の辻村作品は現在的なお話かと思いきや
結構ファンタジー寄りでなんでもありじゃん…と
ラストで少しがっかりすることもあるんだけど
最初から「力」という設定があるから
なんでもありだと最初から覚悟してたし、
結末にもやもやすることはなくてよかった笑
Posted by ブクログ
#わたしの講談社文庫
気になって購入。
罪、復讐、罰がテーマだと思った。
無垢で純粋な子どもの視点、紆余曲折あり苦労してきた大人の目線から、それらを話し合っていくところはとても面白かった。
先生が恐らく前作ありきの存在なんだなーってところが、読み進めれば進むほどネタバレをくらっているのか?前作の話をしているのでは?前作のその後の話?知っていればその後こんなふうに生きてきたのかって感動するの?と悶々とした。ただ、魅力的なキャラクターたちが一冊だけで終わってしまうのは寂しい、もっと色んな作品に出てきてほしい!と常々思っているので、辻村さんの本と本同士が少しずつ関わり合っているところはとても好き。他の作品読むのも楽しみだ〜!
自分だったら何と言うだろうか。
憎い人自身が痛い思いをする、死ぬよりも、
その人の大切な人・物が、
自分のせいで壊される、死んでしまう、苦しい思いをする
っていうのはとても残酷で1番辛いかなと思う。私には大切な人がいるので強くそう思う。
あ、主人公もPTSDだって気づけなくて悔しかった。マドレーヌに個体差あり過ぎては?と何度も出てきたのに。飴も2回も出てきたのに。悔しい!
Posted by ブクログ
タイトルから想像できないほどの深い小説でした。
主人公がメジャースプーンを持って、ずっと計っていたのは罪の重さじゃないんだろうか。
それは犯人に対しての憤りと、意図せずにして、好きな子に辛い目に合わせてしまった自分への怒り、罪悪感。
ぐちゃぐちゃな気持ちで決心した選択は、大人さえも欺いて決行してしまった。子どもは侮れない。
だけど、子どもが故の無知、軽率さで他の人を悲しませるところだった事に後から気づく視野の狭さは正しく子どもだった。
子どもの無知が故の、世界が狭いから故の選択の壮絶さと、ひたむきな気持ちに気づいたら泣いてしまう。そんなお話でした。
Posted by ブクログ
人間の思考、価値観について改めて考えさせられる。生きていく道中には想像もできないことがいくつも起こるし、それをどう乗りこなしていくのかを登場人物達に教わったような感覚。普遍的な愛の話じゃないけれど、その人のことを想うってなんなんだろうと考えさせられた。
電車でのシーンと、ぼくが秋山先生にふみちゃんは一年後には戻ってくると言われても、一年をすごく遠く感じるシーンが心に残った。
Posted by ブクログ
読み終わりました。
最後の1行で涙が止まりませんでした。
一言も喋れなかったふみちゃんが、1週間毎日お見舞いに来てるなんて。涙無しには読めませんでした
ただ、なんて言うんだろう、最後の終わり方が少ししっくりと来なかったです。
物語の内容は分かったけど、この物語を通して何を伝えたかったんだろう、1番伝えたかったものは何だったんだろう。と正直なところそう思っちゃいました。
皆さんの感想を聞いてみたい。
Posted by ブクログ
罰とは何か、すごく考えながら読みました。
うさぎを殺したからと言って彼が罰を与える必要はどこにもなくて、何がやり過ぎとか適切とか、そんなことを決める権利は誰にもないのに。迷ったり考えたりしながら出した彼の答えは私には納得ができなかった。
もっといい反省のさせ方はなかったのかな…
動物が死んでも器物損害でしかないなんてそんな世の中が許せない。誰かに愛されている動物をもし殺したら、法的に罰せられるようにしたいです。
彼なら、法を変えられる方向に力をつかえたんじゃないでしょうか。
Posted by ブクログ
中盤からは先生とぼくの会話が中心で、哲学的な要素が多かったからか、読むのに時間がかかった❕
ある事件をきっかけに、ぼくの目線を通して読者も考えさせられるという話の展開は「僕たちはどう生きるか?」に似ているなと思った
途中から秋山先生は杉下右京で脳内実写化してました(笑)
私はどちらかというと秋山先生寄りで、加害者には全く寄り添えないし正直相手が死んだっていいし、目には目を歯には歯をという感じだから、さすがは小学生。考えが甘いな〜と思ってたが結構裏切りもあっておもしろかった❕
大小の程度の差はあれど、悪意や加害性は誰にでもあるし、誰かに壊された人生もまた誰かの助けがあれば再生できるてことなのかな…
犯人が反省することもなく、悪意に理由がないという描写なのもとことん突き詰めてて個人的にはよかった❕(作中で勉強が辛かったからとか理由をつけて周りが相手に同情するというシーンがあったけど、犯人のバックボーンと罪を無理矢理紐づけてほしくなかったし、ずっと嫌なやつでいて欲しいから)