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ノンフィクション 4位
西欧民主主義敗れたり!!終わりなき内戦が続き、無数の武装勢力や海賊が跋扈する「崩壊国家」ソマリア。 その中に、独自に武装解除し十数年も平和に暮らしている独立国があるという。果たしてそんな国が本当に存在しえるのか?事実を確かめるため、著者は誰も試みたことのない方法で世界一危険なエリアに飛び込んだ──。単行本では520ページ超のボリューム。著者渾身の歴史的<刮目>大作!これ以上のノンフィクションはもう二度と読めない。第35回(2013年)講談社ノンフィクション賞受賞。第3回梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。BOOK OF THE YEAR2013今年最高の本第1位(dacapo)。本屋さん大賞ノンフィクション部門第1位(週刊文春)世界を揺るがす衝撃のルポルタージュ、ここに登場!
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Posted by ブクログ
国際社会に認められていない国家で高度な民主化が進んだ過程を追求していく過程がミステリみたいで面白かったです!
アフリカ大陸東のソマリア
内戦が続く地域で民主化に成功した国連非公認の独立国家
主要財源は仕送り!?
ソマリ人の気性
荒っぽい、せっかち、とにかくカネ
間接統治により伝統的価値観が残っていたことが民主化の成功要因?
以前から氏族間での戦争が続いてた→終わらせ方のノウハウもあった
南部は泥沼
南部と比べて貧しく、奪い合う利権が少ない
氏族制度→遊牧民であるソマリ人にとって住所のようなもの
海賊国家プントランド
政府は取り締まりをしてるというが実態は
南部ソマリア
アル・シャバーブ
イスラム過激派
氏族経営のインフラ設備
難民キャンプ
笑顔の写真が多い理由
危険な地帯から命懸けで逃げてきた安全地帯、ようやくホッとした瞬間の笑顔
モガディショの発展ぶり
トラブルそのものが基幹産業
住む人たちは穏やかで都会的
グルティ(長老院)
氏族の代表
役割
ピースキーパーとして紛争の調停
議会の法案をチェック 参議院的な
氏族の人口比で議席が割り当てられる
被差別民まで割り当てられている
ソマリの伝統の核心は血ではない。契約
国連に認められないことが却って高度な民主主義を産み出した?
平和な国にこそ経済支援を
平和になればカネが落ちる
以下は本書執筆後のソマリランドを取り巻く情勢変化
2013年〜2026年の情勢変化
* 経済発展: UAEの投資によってベルベラ港が近代化。ただし国民生活の改善は限定的。
* 民主主義: 2024年の大統領選挙で平和的な政権交代を実現。
* 国内対立: 外国投資による新たな利権や氏族間の対立が深刻化。2023年には東部で武力紛争が発生。
* 外交: 台湾との関係強化、エチオピアとの港湾利用をめぐる合意。2025年にはイスラエルが初めて国家承認。
* 日本の立場: ソマリランドの独立は承認せず、ソマリアの領土的一体性を支持。
総括
かつては貧困と利権の少なさが氏族間の妥協を促し、民主化を支えたとされる。しかし経済発展によって新たな利権が生まれ、政治的対立が顕在化。
「貧困の中で民主主義を築いた国」が、「富を得ても民主主義を維持できるか」という新たな試練に直面している。
Posted by ブクログ
『世界の辺境とハードボイルド室町時代』を読んで、こちらの本に飛んできた。手にとって、「分厚っ…」と声に出てしまうほどの本の厚みで、読みきれるのか不安になりましたが、かなり難しい異文化を、ユーモアのある語り口で面白おかしくリポート&解説してくれています。
ソマリランドに来てみました、的な(かなりハードな)旅行記のような始まりで、ソマリの人々のことやソマリランドのあちこちに訪ねていった様子が描かれます。
著者がソマリランドのことを「地上のラピュタ」とまず言っていたけれど、これが最初はピンと来なかった。アフリカの民主主義国家、だけだったら、「そんなところがあるんだ~」と思うくらいですが、ラピュタって?その後、氏族社会の説明に日本の戦国武将になぞらえるところも「...?」。東国ダロッド平氏だの、イサック奥州藤原氏だの、バーレ清盛だの、かえって混乱。
ただ、私の理解が遅かっただけなのか、話が進むにつれて著者の書き方に慣れたのか、なるほどねとわかるところも増えてきました。
ソマリランドは氏族社会。そして、その社会の制度や掟や風習などうまく包摂して、紆余曲折を経て、とても理にかなった民主主義社会ができている。外(外国、欧米型社会)からみたら訳が分からないけれど、よく知ってみると合理的でなかなか理想的。ソマリの人々の様子もちょっと日本からみると異文化が過ぎてて、そのまま異世界的ファンタジーになりそうな。だから、ラピュタか!
戦国武将になぞらえるのも、武将同士の関係や地理的な位置や似た状況にうまく当てはめていたのでした。なるほど、理解が楽になります。
同じソマリの人々の国であるプントランドがなぜ海賊国家なのか、ソマリアの首都モガディショがなぜずっと戦闘状態なのかも、無謀にも現地に赴いて探っています。すごいなぁ。
ソマリはイスラム教なので、中東のことにも触れられていて、こちらもやはり欧米の価値観や考え方でははかれないところがあるのも少しわかりました。アメリカの軍事介入にも触れられていました。そもそも考え方が違うアフリカへの、欧米型の支援や政治的介入って、どこまでがその国にちょうどいいんだろう、いや、もう、政治に関しては放っておいた方がよいのでは。などなど考えさせられます。
とにかく、自分とはこんなにも違う文化があるんだな!と改めて思いました。世界の報道の見方が変わりそうです。
Posted by ブクログ
謎の独立国家を確かめに、危険とされるアフリカの国へほぼ単身で行き、そして成り立ちを把握できるまで粘り強く途中で飽きらめることなく取材をして書き上げた本作品はもうエンタテインメントノンフィクションの枠を超えている。
著者の現地の人に馴染んでしまうパーソナリティも凄いが、さすがに今回はカートの存在が大きかったのであろうと思った。
10年以上前の本であるが、この一冊でソマリアの少し前までの状況が把握できてしまう。現状もあまり変わっていないようだ。
敢えて難を言うとすれば、
ソマリの氏族の立ち位置を分かりやすくするために日本の武将名を氏族名にくっつけているが、私個人的には少し読みづらく感じた(笑。エンタメとしの効果を狙ったのと、高野さんはきっと日本史が好きなのであろうと思う。
以下は覚書、少しネタバレなのでご注意。
海賊行為を実践するための見積もりが面白い。
ディアスポラ(海外に住むソマリ人)の影響が大きい。ディアスポラからの仕送りがソマリランドの経済を成り立たせる大きな要因である、
ソマリランドでは、10年に一度国政政党を3つに絞る選挙がある。国会議員に立候補するためにはこの3つの党のどれかに所属しなくてはならない。氏族の長老で構成される貴族院的なものがあり、国会議員で可決された法案は、この貴族院でも可決されないと施行されない。氏族の枠を超えて選ばれた国会議員と氏族の意見の両方が反映される仕組みになっている。西欧の民主主義を超えた民主主義がソマリランドにはある。日本も参考にできるところがあると思った。
イギリス領だったからソマリランド、イタリア領だったからソマリア。ラテン語でiaをつけると国のとか地のとかという意味になる。
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