イラク水滸伝

イラク水滸伝

2,400円 (税込)

12pt

水牛と共に生きる被差別民がもつ“循環共生”の叡智とは?
権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む
謎の巨大湿地帯〈アフワール〉
―――そこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。

中国四大奇書『水滸伝』は、悪政がはびこる宋代に町を追われた豪傑たちが湿地帯に集結し政府軍と戦う物語だが、世界史上には、このようなレジスタンス的な、あるいはアナーキー的な湿地帯がいくつも存在する。
ベトナム戦争時のメコンデルタ、イタリアのベニス、ルーマニアのドナウデルタ……イラクの湿地帯はその中でも最古にして、“現代最後のカオス”だ。

・謎の古代宗教を信奉する“絶対平和主義”のマンダ教徒たち
・フセイン軍に激しく抵抗した「湿地の王」、コミュニストの戦い
・水牛と共に生きる被差別民マアダンの「持続可能な」環境保全の叡智
・妻が二人いる訳とは?衝撃の民族誌的奇習「ゲッサ・ブ・ゲッサ」
・“くさや汁”のようなアフワールのソウルフード「マスムータ」
・イスラム文化を逸脱した自由奔放なマーシュアラブ布をめぐる謎……etc.

想像をはるかに超えた“混沌と迷走”の旅が、今ここに始まる――
中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録が凝縮された
圧巻のノンフィクション大作、ついに誕生!

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イラク水滸伝 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    書店で表に一目惚れし購入、絶対に面白い本だと思った。表紙の写真がめちゃくちゃ良かった。

    世の中の大概の冒険譚が私が産まれる前の話なのに対し、これはつい最近(な気がする)コロナ禍の時の本というのも親近感がありよかった。

    全く検討がつかない土地で何とかしていくのが面白かった、それにより現地の人に対

    1
    2024年09月18日

    Posted by ブクログ

    長い本ですが、楽しい。夜のお風呂でイラクを考えるのは楽しい。高野さんの文章がうまい。宋江のように見えてきた。

    今を楽しく生きる。やれることをやる。それが水滸伝の好漢たちの心意気だ。彼らはきっと何かやってくれる。あるいは何もしないうちになんとかなる。そう信じて、本書を彼らに捧げたい。

    最後がカッコ

    1
    2024年09月10日

    Posted by ブクログ

    50代になってもやんちゃな冒険家である高野氏が今回向かったのは、サダムフセインやISなどイスラム過激派の印象が付きまとう、日本人の大半が危険でしかないと思っているであろうイラクである。ただ忘れてはならないのが、この国が原初の文明を生み出した場所であるということだ。
    彼はこの旅で、世界でも有数の危険地

    0
    2025年09月06日

    Posted by ブクログ

    誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」著者のポリシーに感銘を受けた身として、とても興味深い内容であった。

    まず、イラクという日本から見れば常に戦争をしているイメージのある国(実際はそうではない)であること。マイノリティの住む世界最古の文明、メソポタミア文明の興ったテ

    0
    2025年08月12日

    Posted by ブクログ

    イラクの湿地帯=アフワールについて書かれた本。世界史上にはレジスタンスあるいはアナーキー的な湿地帯が存在するらしく、その中の一つである中国の水滸伝になぞらえ「イラク水滸伝」と題されている。

    「湿地帯の恐ろしさは、その境界があいまいなところにある。(…)鈍色の雲が地平線まで垂れ込めた空の下、どこまで

    0
    2025年08月12日

    Posted by ブクログ

    イラクのコアな部分だけでなく基本的なことも知れる。イラクについてよく知らなくても楽しく読める本。
    恥ずかしながら水滸伝についてほとんど知識が無かったので、調べてみたら、そちらにも少し興味が広がりました。
    一度に何度も美味しい本です。

    0
    2025年05月04日

    Posted by ブクログ

    もっと星を付けたいくらい。
    いやぁ、質も量も濃いけど、面白くて一気読みしてしまった。
    子供の頃、ロビンソン・クルーソーやスイスのロビンソンを読んだ時のような興奮。あれらはフィクションたけど、これはノンフィクションなのがすごい!

    0
    2025年03月16日

    Posted by ブクログ

    面白かった!文化人類学、風俗、言語学、スーパーサバイバル術(対人)などなど、多岐にわたって軽快に語られる。
    現地のテロやコロナ禍、体調不良など様々な困難に見舞われるけど、凄まじいポジティブさを見せてくれる。タフだなぁ、と思う。
    マーシュアラブ布の解明は、ほんとにエキサイティングだったし作者の興奮も伝

    0
    2024年11月16日

    Posted by ブクログ

    知らない世界の話しを、丁寧にユーモアを交えながら描写しており、厚い本であるが一気に読み切る魅力がある。
    アフワールに一度は行ってみたくなった。

    0
    2024年11月12日

    Posted by ブクログ

    若宮總氏の『イランの地下世界』がめちゃくちゃ面白くてもっとこういうの読みたいなと思ったところ、あとがきというか身元保証人として高野秀行氏が現れて本書を紹介されていたのでまんまと買ってしまった。そしてまんまと楽しませていただいた。
    ちなみに購入して表紙をじっと見てからクレイジージャーニーの高野さんだと

    0
    2024年10月20日

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