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ワセダの三畳間に沈没するライターのタカノ青年は、台湾の美人社長に見込まれ、なぜか多国籍新聞社の編集顧問に就任。勇み立ったはいいが、アジア各国のツワモノたちに翻弄され、たちまちハチャメチャな屋台的世界に突っ込んで行く。果たして彼と新聞社の未来は? 在日アジア人と日本人の夢と現実を痛快に描く自伝的トーキョー青春物語。『ワセダ三畳青春記』『異国トーキョー漂流記』の姉妹篇。
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Posted by ブクログ
タイ人にインタビューしようと連絡先を聞いたらカンボジア人で、実際にあったらラオス人だったみたいなエピソードが高野秀行作品で一番笑った
最高。なんか、泣ける。 高野秀行氏と言えば、いつも無茶苦茶なことに自ら突っ込んだり時に巻き込まれたりして大変な思いをしつつ、それを面白さに変換しながら、やりたいことをやって、したたかに生きる人だ。 簡単に言えば、自由で柔軟な人。読者は、そこに憧れるんだと思う。ほんとうは私だってこんなふうに生きてみ...続きを読むたい、と。 本書は、著者の自伝的一冊で、タカノ青年があるアジア系新聞社"エイジアン"で働くことになった数年の顛末を描いている。スタッフはほとんどがアジア系のメンバーで、著者以上に自由でしたたかで驚くほどいい加減である。そもそも読者にとって高野秀行氏こそがもっとも変で魅力的な生き物であるのだが、この新聞社には、彼を圧倒するパワーと奔放さを持ったさまざまな人々が集まっている。あのタカノ青年が、振り回されっぱなしである。エピソードのすべてが、日本の会社ではあり得ないもので、普通の日本人ならついていけないものばかりだ。だがそこにタカノ青年は魅力を感じ、新聞づくりに奔走する。 タイトルの"アジア新聞屋台村"とは、この新聞社を指すもの。屋台村のように、それぞれの特色を活かしたさまざまの料理を提供する。ある料理が不評ならすぐにやめて別のものを出す。客が少なければ座席を減らすし、増えれば拡張する。自由で柔軟である。 だからこそ発生してしまう、ヘンテコな状況を彼らはどう切り抜けるか?見事と言うほかない無茶苦茶さとしたたかさに、読者は爆笑しながら時に涙することになる。 全六章プラスエピローグからなる本で、もう全編最高におもしろいのだが、とくに第六章の盛り上がりはグッとくる。エピソードの強さに目が行きがちだが、それを生かす著者の筆力があってこそである。渦中にはまり込んで右往左往したあと、それをちゃんと検証し直す冷静さがある。その冷静さこそが、"なんか泣ける"奇妙な味わいを生んでいると思う。
日本社会ひとつの視線で見れば、『迷惑な外国人/日本に馴染まない人々』なんて乱暴な言葉でまとめられてしまいそうな人々も、高野さんの目を通してしまえば、その振る舞いの必然や人間性に滲む母国の文化や出自が、多くの国に自らが身を置いた人ならではの解像度で見えてくる。在野のグローバリズムの擬似体験のみならず、...続きを読む高野さんの成長譚も甘酸っぱくて最高だった。 小川洋子さんの解説も素晴らしい。
魅力的な人たちにたくさん出会える本。こんな生き方があるのか、こんな考え方があるのかと、普段凝り固まっていた頭が少し柔らかくなったように思う。自分の生き方は自分で決めていく。自分の好きなことを見失わないよう、もっと柔軟に生きていきたいと思った。
ベトナムつながりからエイジアンという不思議な新聞編集に携わることになった著者。良くも悪くも日本の常識が通用せず、始めは著者もそれを楽しんでいたが、後半になりいい加減さに辟易し、だが最後にはアジアの大らかさに気付く。そんな構成が好ましい。しかし、著者と朴さんの淡い恋模様が切ないね。もし恋愛が成就してい...続きを読むたら、黒船は現れなかったか? いや、そんなことは無いだろうな〜(笑)
いやーーーー、面白かった! 在日外国人の母親コミュニティが日本の母親も救ってるとか研究につかえそうなこともポロリしたり 副職が実際どう機能するのかもわかったり 舞台は日本なのに、旅行してる気分。 旅行が好きな人は、そうそう!それだよ!!!ってなること必須。 旅行中に自分が感じるうまく言語化できないあ...続きを読むれこれを物語の中にするりと混ぜ込み表現してくれる。 これは、本当に、すごい、本だった。
高野さんのまわりには語るべきエピソードがゴロゴロあふれているかのよう。 ローリングストーンな生き方の高野さんらしい青春記。 「ワセダ三畳青春記」と併せて読みたい。
個性的な「エイジアン」がたくさん出てくるけれど、やはりいちばん魅力的なのは著者ではないか。 年配の男性にこんなこと言うのは変かもしれないけど、高野さんってとってもとっても素直!
高野秀行さんのような生き方は本当にかっこあいと思う。高野さんの本を始めて読んだのは、「ワセダ三畳青春記」で、これはもう抱腹絶倒、大爆笑間違いなしの 絶品です。笑いたい方は、ぜひ。高野さんの本に惹かれる理由は、高野さん自身が、型破りな人というのもあるんだけど、その型破りな人の周りにいる人がこれまた型破...続きを読むり!高野さんの本を読んでいると、社会常識とか基準って言葉が本当に無意味だなって思う。せっかく生まれてきたのだもの。自分のいきたいようにいけばいいんだって。僕は人と違う道を、歩こう歩こうとする。安定とかそういうのは、あまりないけど、やっぱり波乱万丈なほうが人生楽しい!
小説ってことだけど、なんだか妙にノンフィクションっぽいよな。。多分にリアルというか。 しかしアジアって妙に入り混じってるよねぇ。ここにモンゴルとかインドか入れたら更に発散しそうで。そういうゴチャゴチャ感を適当に感じ取るのが吉。 しかしこの本が出てから20年。長いか短いか分からんけど、ミャンマーにして...続きを読むも台湾にしても、どんどん変わっていってて、まぁアジアもまだまだ変化しそうよね。
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