あらすじ
【第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作】【デビュー作にして2025年本屋大賞ノミネート!】救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第34回鮎川哲也賞受賞作。/第34回鮎川哲也賞選考経過、選評=青崎有吾 東川篤哉 麻耶雄嵩
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Posted by ブクログ
冒頭のそっくりの顔の患者が運ばれてくるところをブランチで見て気になっていましたが、最初だけでなくストーリー全体が面白かったです。印象に残ったのは、命を操作することの難しさだと思いました。ハッピーエンドのようですが、犯罪なんだよなとモヤモヤはあります。後半の事件の解明で、驚きが続きのめり込めました。賞を取るだけのことはあるなと思いました。2作目も読みたいです。
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どういう結末を迎えるのだろうと思い読み進めていた。読後、禁忌の子というタイトルの意味が腑に落ちて読み終えた時には鳥肌が立っていた。医療用語があっても分かりやすく、面白かった。幸せになって欲しい。
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鮎川賞選考委員の麻耶先生曰く「導入部から心を鷲掴みにされそのまま一気呵成に終幕まで雪崩こんでいく」
読み出したら止められないので要注意!
最後の出産シーンや医療現場の描写は
医師であり母である山口未桜さんだからこそのリアリティ。
ストーリー展開は無駄がなく、中盤からグッと内容が重くなっていくと同時に読者の没入感も増していく。
文句なしに面白かった!
Posted by ブクログ
感想書こうと思うと、キャラクターの相関図が分かってしまうので難しいですが。
希望に縋り手に入れたモノは、当事者達にとっては光かもしれない。しかし、その先の未来自身にとって、大切な誰かにとって「希望」が「失望」に変わる事だってある。
次作の白魔の檻も絶対に読みます!
Posted by ブクログ
読み始めは海堂尊先生の雰囲気を感じた。
途中からどんどんページを捲る手を止められなくなって、続きが気になった。
最後はこういう事か、と納得。
久々に面白い本を読んだ気がする。
スタートから引き込まれる設定に、怒涛のスピードで進んでいく物語、息をつく間もないほど次々と明かされる真実、そしてハラハラと感動が入り混じったラスト。控えめに言って最高、面白かった。愛があるが悲しくもある物語、胸がぎゅっと締め付けられる。
めちゃくちゃ面白かった
一気読みしました。
繋がる展開、生殖医療の深さ。
一歩違えば運命が違っていたのか。
今年読んだ本の中で上位にあたる一冊だった。
Posted by ブクログ
「禁忌の子」というタイトルの意味が中盤くらいで分かる。
不妊治療の闇(いや不妊治療だけではないけど)が深い。里親とかもそうだろうけど、一度親になったらもう後戻りはできないことを考えると本当に重い決断なのだと感じる。
仕事上、被虐待児を見ることが多いので、同じ遺伝子を持ちながら生育環境でこれほどまでに違いが出るのは恐ろしい。
Posted by ブクログ
衝撃のストーリー!!冒頭から惹きつけられ、最後の最後に「禁忌の子」が登場してくるのも感動しました!
サスペンスとして、あまりこれまでに見たことがない内容でとっても面白い作品でした。
Posted by ブクログ
救急医の武田は、救急搬送された身元不明の男の顔を見て驚いた。自分と瓜二つの顔、身体を持っていたから。他人の空似とは思えない武田は手がかりを得ようとするが…
導入部から興味を引いた。主人公が頼りにする友人で探偵役の城崎と謎を追ううちに出会う密室殺人と思われる事件で、さらにストーリーに引き込まれた。真相は事実だとしたら重すぎて受け止められないが、フィクションなので落としどころとしてはこれ以外考えられない結末。これが1作目というのもすごい。鮎川哲也賞受賞作。巻末に2作目の出版が予告されているのでそちらも楽しみ。
Posted by ブクログ
良かった点
○とにかく冒頭。冒頭のヒキ
○綿密な医療描写
○終盤のどんでん返し、タイトル回収
微妙な点
○不要なキャラが多すぎる。ネームドはそんないらんかも
○主人公がチート過ぎる。そこに説得力がほしい
参考にすべき点
○虐待された子の無慈悲さと、その子もまた歪んでしまう絶望
○本筋には関係ないけど、チラッと脇役にも人間ドラマがある
○トリックは中盤で解かれ、終盤では別の話が本題になる
Posted by ブクログ
禁忌の子ってそういうことかぁ
と思った
犯人?(中川信也)に同情するけど胸糞悪いところが多いし同情より嫌悪感
『うーーん』なラストだったなぁ
主人公も妻(妹)のためとはいえ協力してくれた城崎を刺そうとするとは…!まぁ優しい人で良かったけども
ミステリーというより不妊治療とか色々勉強になったなぁと思った
ちなみにわたしは黄さんを疑っていた!全然違った!!
Posted by ブクログ
不妊治療そのものだけでなく、その先に続く選択や葛藤までを描いている点が印象的だった。とりわけ「他人の子どもを愛せるのか」という問いが、二つの異なるパターンを示されたことで、不妊治療の“その後”に潜む問題がより鮮明になったように感じる。特別養子縁組や里親制度が想起され、そこに今なお根深く残る迷いや難しさが浮かび上がり、簡単には答えの出ない現実を突きつけられる。
一方で、城崎の存在については最後まで違和感が拭えなかった。物語上の役割は理解できるものの、ストーリー自体にはあまり関係ない人物で、ミステリーの謎を解く探偵的役割を果たす人物ではあるが、読後も引っかかりとして残る。城崎は次の小説でも登場することを知り納得。
不妊治療と家族のあり方を多面的に考えさせる作品であり、読み応えはある作品だった。
Posted by ブクログ
え?これがデビュー作?!と疑いたくなるほど
素晴らしい出来栄えで驚いた。
本屋大賞にもノミネートされた話題作ということら、私のように驚かされた人が多いことが伝わる。
まず、『自分と瓜二つの人間の死体を見つける』という設定が目新しくワクワクした。
そして、作者が元医者なので病院や医療シーンの描写にリアリティがあった。難しい専門用語が沢山出てくるのに、堅苦しくなく読みやすい文章でページを捲る手が止まらなかった。
物語序盤で妊娠中の奥さんが性行為の誘いを喜んで受ける場面があり、強烈に違和感を抱いた。女性で出産経験もある作者がなぜこんな描写を入れたのか不思議だった。だけど、この場面も伏線の1つと気付き、構成が上手いと思った。
物語の魅力の1つが城崎のキャラ。続編はこっちが主役になっていて、すごく納得した。あらすじが面白そうなので、機会があれば読もうと思う。
Posted by ブクログ
タイトルから考えられる予測裏切られます。
読みはじめてすぐは、ほらほらそうよね。そのことよね。って想像どおりに話が進んでいくのだけど、どんどん えー、そっち?となっていく。
結末も普通とちがうというか。少ない可能性の方が描かれているように思えて、それも含めてわたしは好きでした。
実際にこういうことがあっていても、わからないかもしれないなぁ。と思えるお話でした。
Posted by ブクログ
最後まで飽きずに読めた。
救急医の武田の元に搬送されてきた自身と瓜二つの溺死体。彼はなぜ死んだのか、なぜ同じ顔をしているのか?
冒頭から引き込まれた。
非配偶者間人工授精というものに色々と考えさせられるテーマであった。
子供をなんとしてでも欲しいと思う親、
生まれた子を愛する親、愛せない親、
生まれた子供の悩みや苦しみ。親と血が繋がってないことを知った時のショック。
色々考えさせられる。
自分のルーツを知るであろう女医が死に(他殺か?自殺か?)主人公の武田はさらなるミステリーに引きずり込まれる。
中川信也が不憫でならない、親の都合でこの世に産まれたのに父親からの折檻。
何があっても産まれた子を愛するという誓約したのに… 破ったら5千万という誓約したのに… 完全に破ってるやん、5千万払えよと思った。
主人公武田航と妻絵里香は実は遺伝学上、兄妹であった。絵里香のお腹に宿った子は、禁忌の子…
Posted by ブクログ
なかなかキャッチーな出来事が繋がっていくので、ドライブ感がある。イマイチ医学的に専門的な部分はどの程度理解してるかわからないが、あっという間に読み終わった。城崎キャラが立っていて映像化向き。となるとう~んカメレオン俳優の菅田将暉か若葉竜也か、なあんて想像も膨らむ。これ、続編絶対あるよね。現役医師で母でもある作家さん、忙しすぎるか。
Posted by ブクログ
とても読みやすかった。
医学とミステリーの掛け合わせはよりリアルに感じ、没頭して読むことができた。
優しい行動は本物でも偽りでも優しいですな。
Posted by ブクログ
タイトルが最後の最後に本当に納得できた作品だった。
始まりが突然で、どうなってしまうのか、先が気になってまさに一気読みした。
医療に詳しくない私でも理解出来るように書いてあったため、すんなりと内容を受け入れる事ができたが、医療関係者ばかりが出てきて、何となくのめり込めはしなかった。
自分と全く同じ顔の死体と直面するなんて、非日常な事件が起きたあと、その謎を突き止めようと思えるのかなと自分自身は思った。
登場人物全員怪しいのに、それぞれの話を聞くと登場人物全員怪しくないキャラ設定なのも、最後まで話が全然分からなくて良かった。
Posted by ブクログ
生殖医療はだれのためなのか。研究を重ねるきっかけは子を望む患者に真摯に向き合ったことだったかもしれないが、生まれてくる子の人生にもフォーカスする必要があった、ということを深く考えさせられる。新しいルールや技術の発展は、必ずしも万人を幸せにしない。
Posted by ブクログ
どんなふうに物語が転がっていくのか?分かりそうでわからず、気になって一気読みしたくなった。想像を超えた展開で、帯にあった「追わずにはいられない謎、驚かずにはいられない結末」の言葉通り。これがデビュー作なんて、すごい。
Posted by ブクログ
ドッペルゲンガーみたいな自分のそっくりさんが、勤務先に運ばれてくる…という出だしから気になる話!
生殖医療の話、後半は人を選ぶかもしれない内容だけど、先が気になってあっという間に読んでしまった。続編も気になる。
ラストは、この後、大丈夫か?!!と思った…。フィクションだけど、モヤモヤ…。
Posted by ブクログ
救急医・武田の働く病院に身元不明の遺体が搬送されてきた。その患者は自分と同じ顔で…。
ホームズ&ワトソン型・密室ミステリ。そうとは知らずに読み始めて、私の苦手なタイプだなぁ…と思っていたら、途中からぐんぐん面白くなって、2/5は一気読みしました。(3/5じゃなく、2/5です)
『同じ顔』ということだから、きっとDNAとかそういうのだろうな、とは思っていたけれど、まさかの真犯人に驚きました。
結末の前向きさは武田の葛藤あってこそ。ホームズ役の城崎も良かった。
何よりも『禁忌の子』という題名が秀逸だと思いました。
Posted by ブクログ
鮎川哲也賞受賞作
救急で運ばれてきた男が自分と同じ顔、身体的特徴を持っていた
その身元不明の遺体ついて旧友で医師の城崎と調査を始める
そして自らの出生の秘密について知る人物と会うその日、その人は密室で亡くなっていた
密室の謎
出生の謎
最後に明かされた真相に驚いた
探偵役の城崎は自らの感情を「恒温動物」と称する
感情が動いてもそれは一瞬のことで、常に理性が働き「永遠の凪」のような状態になるという
彼は
「僕が特殊な感覚を持っていることは自覚してる。僕の世界には論理しかないんだ…でも、僕以外の人間の棲むリアルワールドは違う。だから勉強のしがいがあってね。この事件の根底にある人間の感情の、うねりを、僕は知りたいんだ。惹かれているといってもいい」
と語る
人の感情を知ること、が彼の探偵としての動機だという
城崎を探偵としてシリーズ化されるようなので次回作も読んでみたい
Posted by ブクログ
デビュー作なのにとても小説が上手い。
少しずつ謎が解き明かされていくのでずっと読み続けられた。
作者が医師ということもあり、医療の描写はリアルだ。参考文献で物語の厚みが補強されていて、その姿勢にときめいてしまう。
謎の鍵となる、「双子ではなく三つ子」という展開はミステリーではよくあるものの、その結末の落とし方が見事だ。ちゃんと絶望した。
禁忌の子は主人公たちである、と読者に思わせ、実は新しい命がそうである、というのも綺麗にまとまっている。
城崎を取り巻く事件は26年にシリーズとして続編が出るとのこと。楽しみだ。
奇想天外
全体的には、とてもよく考えられた作品であると思いました。文章の組み立てもしっかりとしていて、読み進め乍ら、この先どうなるのだろうかとの期待感が大きかったです。
内容的には、このような事、現実的に起こりうるのだろうかと、少し飛躍しすぎてはいないだろうかと、少々フィクションぽく、思い入れがイマイチでした。
でも、描写の細やかさには、感銘いたしました。
Posted by ブクログ
「禁忌の子」…タイトルの意味が読み進めていくうちに分かり、何とも複雑な心境に。世界中、生まれてくる子には罪はない。とても胸が痛む。鮎川哲也賞受賞、本屋大賞4位のこの作品、医師として働きながら執筆されたとは。才能がいくつもあって、羨ましい!