あらすじ
研修医の春田は実習のため北海道へ行くことになり、過疎地医療協力で派遣される城崎と、温泉湖の近くにある山奥の病院へと向かう。ところが二人が辿り着いた直後、病院一帯は濃霧に覆われて誰も出入りができない状況になってしまう。そんな中、院内で病院スタッフが変死体となって発見される。さらに翌朝に発生した大地震の影響で、病院の周囲には硫化水素ガスが流れ込んでしまう。そして、霧とガスにより孤立した病院で不可能犯罪が発生して──。過疎地医療の現実と、災害下で患者を守り共に生き抜こうとする医療従事者たちの極限を描いた本格ミステリ。2025年本屋大賞ノミネートの『禁忌の子』に連なる、シリーズ第2弾。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「禁忌の子」の城崎先生再び!
タイトルの「白魔の檻」っなんだろう?と思いながら読み始めたけれど、答えは直ぐにわかる。
事件は複雑で、病院の間取りを何度も見直しながらの謎解き。面白すぎて通勤中、駅のエスカレーターでも読んでた!
小説の中だけではない過疎地の病院の現実。最終章の犯人の語りが切ない。
シリーズ続編もきっとあるはず。楽しみ!
Posted by ブクログ
一気読みしました。
前作より好きかもしれません…!
読む時にこの人が犯人かな?動機はこうかな?と山を張りながら読んでいたのですが、ぜんぜん当たらない…!作者の山口美桜さんに上手く誘導されてしまいました。悔しい〜!、でも楽しいです笑
読んでいてワクワクしました。面白かったです!
Posted by ブクログ
前作『禁忌の子』に続くシリーズ第2作。
とはいえ、どちらから読んでも問題なし。
(作者・山口未桜先生もXでそのようにポストしていた)
前作も十分おもしろかったが、
今作はそれを超えてきた。
舞台は我らが北海道。
霧と有毒ガスに包まれた病院で
繰り広げられるクローズドサークル。
濃霧、院内での医療スタッフの変死、
翌日に起こる地震、
その影響で発生する硫化水素ガス。
序盤からてんこ盛りで、展開の勢いが止まらない。
ページを閉じるタイミングを完全に見失い、
気づけば寝不足。
単なるミステリーにとどまらず、
過疎地医療の限界、災害下で患者を守ろうとする
医療従事者たちの現実が容赦なく描かれていて、
そこも見どころのひとつ。
⸻
先日、山口未桜先生のサイン会に参加。
アイドル並みに小顔で、
とんでもなくかわいらしい方だった⸜(*˙꒳˙*)⸝
初サイン会で緊張していた自分にも、
終始優しく話しかけてくれて本当に行ってよかった。
お肌がとっても綺麗で、
使っているスキンケアまで教えてもらったので、
先生みたいな美肌を目指して頑張る予定。
Posted by ブクログ
建物内や実際の現場の配置等を想像しながら読むのが難しかった。
登場人物それぞれに様々な人生があって、それを経て同じ場所にたどり着いたというところ、それぞれの思いがうまく届かないところに人間らしさを感じた。
Posted by ブクログ
禁忌の子を読んでから、この本を読むのをずっと楽しみにしていた。おもしろかったけど、救いようのない展開に心が重くなった。登場人物が多い割に特徴があまりなくて、誰が誰か覚えるのに時間がかかった。環さんは春田の記憶ではめっちゃ良い人だけど、なんかよく分からなくなった。禁忌の子の結末はホッとしたけど、法律によって罪を裁く展開にならないのが今回はもどかしかった。
Posted by ブクログ
北海道の山奥の病院に研修で来た春田芽衣と先輩医師・城崎響介。
着いた直後、濃霧と硫化水素ガスで病院が完全に孤立してしまう。
逃げ場のない中で、院内では職員の不可解な変死事件が発生。
患者を守りつつ、芽衣と城崎は“閉ざされた病院”で続く不可能犯罪の真相を追う。
自然災害と孤立、医療現場の混乱が重なる中、事件の核心に迫っていく――。
‥‥‥
めっちゃ“閉じ込められた感”が強くて、読みながらこっちまで息が詰まりそうでした。
霧とガスで外に出られないとか、もうゲームのハードモードすぎるでしょ、って感じ。
芽衣ちゃんの「どうにかしなきゃ…!」って必死さもリアルで、城崎先生の頼れるけどちょっと影のある感じも良いアクセント。
事件も次々起きるし、医療の現場はパニックだし、でもちゃんとミステリとしての“謎”も詰まってて、一気読みでした。
ホラーじゃないのに怖い。
人間の弱さとか極限状態の怖さって、こういうことなんだな…ってしみじみ。
ただ、前作があまりにも衝撃的だったので、どうしても期待してしまいますよねぇ。
デビュー作が素晴らしいと2作目ってプレッシャーだよなぁ。。
ということで、星4です。
‥‥‥我が家のトピックス
昨日は職場のランチ友(と言っても年齢差は24歳あるけど。^^;)と日本酒定例会を開催(忘年会)
炭火焼き焼き鳥 ささみ(ワサビ乗せ) ↩︎絶品 レバー 砂肝 ぼんじり つくね うずら など
水餃子 もつとみょうがのポン酢和え 里芋の肉そぼろ和え などなど
3時間ほど飲み尽くしました。
さすがに年末が近いせいか満席。店主がバタバタ忙しそうでした。あーもう師走なんだなぁと1年の早さを噛み締めていました。
今書いてて初めて彼女との年齢差を感じた!
えーー24歳差??嘘でしょ。全く違和感なく喋ってるんだけど。まるで同期レベルで。(*≧艸≦)
職場が同じって凄いなと(課は違う)。
一昨日ランチもいっしょだったのに、話が止まらない。ꉂ(ˊᗜˋ*)
色々な内緒話しに舌鼓をうち?また来年も頑張ろう(๑•̀ㅂ•́)و✧と誓った2人でした(*^^*)
Posted by ブクログ
これがデビュー作なの!?
みたいな衝撃がなくても、星で言う3.5-4.0は安定してそうな気がする。
個人的にはもっと心理描写でぐらぐらさせてほしいのでさっぱりしているなって感じですが、色々なトラブルに巻き込まれている+医療従事者の視点からみたらそんな事もいってらんないのかな。
これからも医療をベースに何かを絡めて(今回なら過疎地の医療)シリーズ化を継続していくのかしら、次回もとりあえず購入継続予定
Posted by ブクログ
自然が作り上げるクローズドサークル。目に見えない恐怖と多重苦。現役医師だからこそ描くことができる社会派ミステリーだったな。タイトルの意味が明かされた時はなんとも言えず背筋が冷えた。
Posted by ブクログ
閉ざされた病院とは
このような意味だったんですね
医療現場で働く人たちの葛藤が
大変よく分かりました
物語で経過する時間以上に長いドラマだったと思います
Posted by ブクログ
研修医の春田が実習のため北海道の温泉湖の近くにある病院へ過疎地医療協力で派遣される城崎先生(このシリーズの探偵役)と共に車で向かう道中濃霧が発生。 そこで毒ガスによる事故?が発生。 濃霧により病院から身動きが取れない状況になり皆病院に泊まる事となる、そんな中翌日の明け方大地震が発生。 地震により道路は土砂崩れで利用不可。 濃霧のため空路も閉ざされそんな中温泉湖から毒ガスが発生病院内の上へと退避する そんな中でまたも犠牲者が… 閉鎖的空間で起きる連続殺人 犯人はいったい? 章が終わるごとに絶望が増していく!
Posted by ブクログ
とある病院で発生したクローズドサークルの事件。久しぶりに本格ミステリーを読んだ気がした。
クローズドサークル特有の行動制限や通信遮断の中で起こった事件に対し、主人公たちは「誰かが嘘をついているのではないか」という不信感に陥る。登場人物それぞれの行動が意味を帯びて見え、確固たるアリバイを持つ者以外への信頼関係が徐々に崩れていく。
さらに今回は、単なるクローズドサークルではなく、行動範囲が段階的に狭められていく設定で、夕木春央さんの『方舟』を思い出した。
そうした状況下での主人公たちの一つ一つの行動がすべて犯人推理に結びつき、天才的ともいえる伏線回収には圧倒された。ただ、クローズドサークルが成立した設定自体はやや都合が良すぎるようにも感じ、そこは少し残念だった。
著者の『禁忌の子』も面白かったので、次回作も楽しみにしたい。
Posted by ブクログ
城崎と実習の為、北海道の温泉湖の近くにある山奥の病院を訪れた研修医・春田。濃霧の覆われた病院で、院内スタッフの変死体が発見された。更に翌朝起きた地震のために、病院周辺に硫化水素ガスが流れ込む。完全に孤立した病院で院長の首が発見され、更に殺人が…。
『禁忌の子』が良かったので、こちらも読んだ。
ガスと濃霧に閉ざされた病院での殺人事件と過去の事件や春田の話など、こちらの方が個人的には好み。上手く出来ていて良い。
Posted by ブクログ
待ってました。シリーズ第二作。
クローズドサークルもののミステリーと思いきや、過疎地域医療の闇をえぐり出す一冊でした。
変わった形で閉鎖空間を作り出し、ミステリーとしても上質でした。
それ以上に、医師の人手不足。長時間労働の常勤化。変わらない環境⋯。
やるせなく報われない現実が胸を打ちました。
こういうところこそ、AIやロボットをうまく活用して、なんとかしなければいけないところだな、と思わされました。
Posted by ブクログ
文章が読みやすくて心地よい。医療の問題点をわかりやすく書いてくれていて共感。胃ろうからの栄養や中心静脈栄養で何年も病院で過ごす寝たきりの高齢者たち。どんどん身体は拘縮していき痛そう。胃ろうや中心静脈栄養による延命を選択した家族たちはもし自分だったらどうしたいのか考えないのか、いつも疑問に思う。真っ当な医療をするだけでは赤字になってしまうのも本当にその通り。厳しい時代。地方の医療問題は普段考えることがなかったので、実態と問題点を知ることができてよかった。
前作で好感を持った城崎先生、今回も最高にキレていてよかった。そんな城崎先生の横に春田先生が次作もいてくれると嬉しいなぁ。
Posted by ブクログ
推理小説として十分に面白いが、医療問題がしっかりと書き込まれており、それも素晴らしい。まあ、多少しつこいような文章に感じないこともないが。3作目も期待するが、ネタ大丈夫かしら・・・
Posted by ブクログ
読書備忘録954号。
★★★★。
あえて申し上げれば、クローズドサークルって、あまり萌えない。
推理、トリックとかが作品の中心になるケースが多いので目からジュースが出てこない。
感情移入、感動、伏線回収とかが好きなので「この窓から出て、あの部屋に入ったのか!」とかに興味が沸かず、なんだかなぁとなってしまう。
普通なら★3つ程度かなぁ、という感じだったのですが、殺人の動機に医療問題を上手く組み込んだことで、物語の後半は読む手が止まらず★4つに!
どんなトリックだったかを覚えておく必要はないので備忘録は不要!
前作に続いて城崎の活躍だね。
今回登場の春田は今後登場するのか。しないね。影薄かったし・・・。
ということで作品紹介だけ載せておこう。
これくらいは備忘録として。
---------------------
研修医の春田は実習のため北海道へ行くことになり、過疎地医療協力で派遣される城崎と、温泉湖の近くにある山奥の病院へと向かう。
ところが二人が辿り着いた直後、病院一帯は濃霧に覆われて誰も出入りができない状況になってしまう。
そんな中、院内で病院スタッフが変死体となって発見される。
さらに翌朝に発生した大地震の影響で、病院の周囲には硫化水素ガスが流れ込んでしまう。
そして、霧とガスにより孤立した病院で不可能犯罪が発生して──。
過疎地医療の現実と、災害下で患者を守り共に生き抜こうとする医療従事者たちの極限を描いた本格ミステリ。
2025年本屋大賞ノミネートの『禁忌の子』に連なる、シリーズ第2弾。
---------------------
皆様が絶賛するイクサガミをようやく読み始めました。
オモロすぎ・・・。
Posted by ブクログ
北海道の山奥の病院に霧で閉じ込められた状況にまずわくわくする。
城崎があまりにも完璧に立ち振る舞い、容姿もすごい整っているそうなので、勝手に俳優さんを思い浮かべて読んだ。
Posted by ブクログ
世の中、誰かが“正義の味方”や“ヒーロー”でなければいけないらしい。
そして、同時にバッシングされる“悪”の存在も求められているように思う。
心に残った一文──「人間は、人生は多面体のようだ、と思う。幸せに見える人にも必ず言えない何かがある。」
誰かに自分の生き方をとやかく言われる必要はない。
けれど、自分を信じてくれる人にだけは、誠実でありたい。
そんな気持ちを改めて思い出させてくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
何だかもうね、心が疲弊しました。
僻地医療、震災、コロナ禍、と重なりに重なってとんでもないことになってましたね。こんなにも人が亡くなる描写が多い作品が久々過ぎて、クタクタです。
序盤の悪い流れを最後の最後まで引き摺って、随分な深みまで行きましたね。
城崎先生は湯川教授にしか見えなくなってくるし、前作程の驚きというか感心は今作には無かったかな。でも、医療現場の描写はリアルで本当に見事です。文章だけでも気持ちが辛くなってしまいました。
今後、高齢化が進んで、地域の過疎化は益々進んで行って、働き手が少なくなって、医師の数も足りなくなって、地震もいつ起こるか分からなくてっていうカオスな状況が近未来で確実にくるんだよなぁって、モヤモヤした感覚が消えないじゃないかー。本当、どうすれば良いのでしょうね?
Posted by ブクログ
冒頭には沢山の登場人物名と病院館内図…これ見るだけでミステリー始まるぅとワクワクする。
釧路空港から100キロの場所に位置する山の中腹にそびえる病院へ、兵庫からへき地医療支援の城崎と研修医2年目の春田が到着した。濃霧が垂れ込む周囲。すでに下山ができない状況。
古い知り合い・九条が勤めていて、春田は待ち合わせをしていたのに姿が見えない。やがて病院地下の温泉室で硫化水素中毒死しているところを発見される。事故か事件か。
翌朝、大きな地震が起こり院内はパニック。余震も続き、器材庫の扉が開かず、電気も食料も薬剤も人材も不足。外は硫化水素が蔓延しており、3階建ての院内で徐々に上階への退避が必要とされる。そして切断された院長の首が見つかる。一体誰がー。
僻地で霧で死体が出て有毒ガスが漂い、どんどん追いつめられていく様が…読んでて怖い。冷静な城崎先生がいなかったら読み進められないって!
と、ビビりながらもページをめくるスピードが加速する。やっぱり面白い。
僻地医療や自然災害、進む過疎化、いつでも国内均一の医療提供を求められる現状。医療従事者の葛藤。今回のテーマはこの辺り。
後半は何となく「この人が犯人か、でも動機は?」と真相を知りたい気持ちが焦る。
何のために生まれて何のために助けるのか。どうせみんな死んでしまうのに。
人口減少も進み、医療の集約化をしていかないとマンパワーでカバーできる域を超えている。エンタメ作品を通してだけど、厳しい医療業界の世界を垣間見た。
Posted by ブクログ
クローズドサークルで起こる殺人事件。
さらにサークルは小さくなっていく、
という比較的ありがちな設定。
他のかたもおっしゃる通り、シリーズというには前作と全く関係ないので、ミステリーとしてはおもしろいお話なので、ここは全く別物として出してもよかったのでは。
自然現象がとても都合よく起こるのも気になりましたが、シリーズ次作があるなら読んでみようと思います
Posted by ブクログ
山奥の病院を舞台に、深い霧と地震、それによる硫化水素ガスの発生などゾッとするようなシチュエーション。深い霧のせいで病院がある山から麓へ降りることもできず、実質病院に閉じ込められた状態。そのなかで発生する殺人事件。
主人公はその病院に地域医療実習で向かうことになった春田芽衣と先輩医師の城崎響介。偶然にもその病院で働く九条環は春田が中学生の頃にお世話になったバスケのコーチだった。久しぶりに会える喜びで病院に向かったが、九条は遺体となって発見される。
病院を舞台に、謎の殺人、そして迫り来る硫化水素ガス。これは現実に起こったらパニックだなーと思いながらも、その中で懸命に患者の対応にあたる医療従事者の方々に改めて感謝しながら読んだ。途中までは次は何が起こってしまうのかハラハラしていたけど、最後はちょっとあっけない感じ。でも地域医療や医療ミスとかマスコミとかいろいろな問題が盛り込まれている一冊だった。
Posted by ブクログ
今回は北海道に舞台を移し、霧とガスに閉ざされた病院というとんでもない状況でのお話。
禁忌の子の続編ということで結構期待していたけど、前作とはかなり趣きの異なる内容だった。
続編という感じがしなくて、前作を呼んでいなくても楽しめるような気がする。
次作に期待したい。
Posted by ブクログ
トリックがいまいち。。禁忌の子が良かったからちょっと期待外れではあるが、過疎地域の医療問題の描写、医療従事者のリアルな心情はさすが現役のお医者さんって感じ。
Posted by ブクログ
更冠という地名がありそう~!とちょっとおかしなポイントでテンションあがりました。
僻地の病院、濃霧と地震、硫化水素と重なる災害によるクローズドサークル。
ミステリーではありますが、僻地医療の問題提起もあり。
前作が良かったので、期待値が高すぎた~。
Posted by ブクログ
※
霧と有毒ガスによって閉ざされた病院、
極限状態の状況で立て続けに起こる殺人。
閉ざされた環境のため、疑いの目は必然的に
身近な周囲に向き、疑心暗鬼に囚われる中で
刻々と迫るタイムリミット。
医療現場の緊迫さ、使命と感情の狭間、
切実さが溢れてます。
Posted by ブクログ
『禁忌の子』のシリーズと言われても特に印象に残るキャラクターがいなかったのだが、読んでみても特にシリーズらしい部分は感じなかった。
城崎が前作にも登場していたらしいが、いまいち人間味がなく魅力が感じられないキャラクター。
主人公の春田も、今時の若者というのか、あまり共感できる人物ではなかった。
舞台は、霧と硫化水素で閉ざされた山間の病院。
いかにもなクローズドサークルにときめいたが、どちらかというとトリックや謎解きよりもへき地医療の現実などのリアルな問題の方が興味深かった。
最後、「3回階段を通った」というめちゃくちゃ曖昧かつ主観的な証言を元に犯人を当てるのだが、細かいしややこしいしで正直どうでもよくなってしまった…ミステリ好きなのに。
ミステリと期待するよりむしろ医療ものと割り切って読んだ方が面白かったかもしれない。
へき地医療の厳しさみたいなものをすごく感じた。
ある意味ではみんなこの街を病院を守りたくて、そのために動いた結果だったのかも…と思うと複雑。
九条って、結局愛人関係にあって、そのためにありえない記事書いたというのは合ってる?
春田がすごく慕っていただけに何かしらあるのか?と思いきや結局ただの悪者で終わってて、私の解釈違い…?みたいな、そこだけ消化不良。
Posted by ブクログ
とうとう読めた〜!
「禁忌の子」の続編ということで、ずっと読みたかった一冊です。
あらすじを読んだ段階では「?」となる部分もあったのですが、実際に読んでみると納得の展開。
密室のつくり方が本当に上手い。
霧と毒ガス――この手があったか、と思わず唸りました。
物理的に感じられない恐怖というんでしょうか。
鍵が開かないとか、断崖絶壁に立たされているとかなら、まだ諦めもつく。
でも、目に見えない分、希望が生まれてしまう。
その希望がじわじわと恐怖に変わっていく……新感覚の怖さを味わいました。
それにしても、一つのミステリにこれでもかというほど多くのテーマを盛り込んでいます。
①地方の病院の経営状況
②人手不足による医師の過重労働
③震災経験者のフラッシュバック
④緊急時の医師としての在り方
⑤子が親の犠牲になった時――
ざっと5項目ほど思いつきますが、これらを不自然でない形でミステリに仕立て上げているんです。
だからこそ、読んでいて飽きない。
そして何より気になるのは、春田先生と九条環の空白の年月。
この空白を埋めることこそが、事件解決のキーとなっています。
もう先が気になって止まらない!
著者の山口さん自身が医師ということもあり、病院のリアルが細部まで描かれています。
患者や医者の姿はもちろん、病院関係者同士の人間関係がとにかく生々しい。
(このあたりは著者のみぞ知る…ですが)
そして、地方病院の経営危機という現実。
ミステリとしても完成度が高い一方で、現代医療が抱える問題をも鋭く突いてくる。
「白魔の檻」は、単なる謎解きではなく、医療の“今”をも照らす物語でした。
Posted by ブクログ
研修医の春田芽衣は先輩医師の城崎響介とともに北海道の山奥にある病院を訪れる。春田の知人でもある九条環に案内を頼もうとしていたが、院内で彼女が遺体で見つかる。病院一体は濃霧に覆われて、麓に降りることも叶わない。加えて翌朝大地震が起こり、病院内を硫化水素ガスが迫る状況で、新たな事件が…
こんなクローズド•サークルがあったのか!
殺人に加えて、濃霧と地震と毒ガスが迫るクローズド•サークル×パニックサスペンス。火事とか洪水が迫るケースは読んだことあるけど、毒ガスが迫るケースは初めてかも。さすがデビュー作でいきなり本屋大賞にノミネートされただけあり、独創性が素晴らしい。膝を打つタイトルも秀逸。
謎解きはどうか?
いかんせん情報量が多い(患者含む多数の登場人物、3F建てかつ新旧館2層構造の大病院)ので、謎解きを理解しようにも複雑さに頭がついていかない。フーダニットの犯人特定ロジックもわかりにくく、私の脳内の霧は晴れなかった。
一方、ホワイダニットは刮目に値する。
本格ミステリでありながら、僻地医療の問題を提起する社会派ミステリの側面もある。本業医師作家だからこそ書ける医療現場のリアルが生々しい。医療従事者としていかなる状況でも職務を全うする姿勢にリスペクト。
《医師•城崎響介のケースファイル》シリーズ
1.禁忌の子
2.白魔の檻