【感想・ネタバレ】禁忌の子のレビュー

あらすじ

【第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作】【デビュー作にして2025年本屋大賞ノミネート!】救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第34回鮎川哲也賞受賞作。/第34回鮎川哲也賞選考経過、選評=青崎有吾 東川篤哉 麻耶雄嵩

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Posted by ブクログ

ネタバレ

鮎川賞を受賞した超話題作。自分に瓜二つの死体が現れ、そこから知られざる真実が主人公に襲いかかる。今までにない感じの始まりでこれからどうなるんだろう、タイトルをどう回収するんだろうと読んでいたらとんでもないラストで本当にびっくりした。そういう意味での禁忌の子かーってなった。物凄いオチが来たなあ。特殊な医療用語がいくつも出て来るけれど、割と分かりやすいので読むのに躓かないのが良かった。ただ展開は結構おつらいので、軽い気持ちで読んだらいけないかもしれない。それから濃厚なミステリという感じではないかな。でも探偵役の城崎のキャラが凄く良かった。次の話も彼が主役みたいなので読んでみたい。

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2026年02月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小出しされる出来事に胸が苦しくなる。登場人物たちの心に鬼が宿る瞬間は同情と恐怖を感じずにいられなかった。一転していく過程は武田の精神が心配になるレベルで、よく保っていられるなと思った。
でも、だからこそ、『それはそれとして』ができる城崎に武田は試されたのだと思う。そんな同情よりもこれから生まれる禁忌の子のために生きられるのかと。城崎の洞察力を通しても『いい人』の武田の本質が試され、変わらなかった武田を城崎は信用したのだと感じた。
京子先生がマーカーを引いた言葉、それがこの小説の答えな気がする。
中弛みがなく、重厚ながら読みやすさがあり、個人的にはとても完成された本。こういう出会いがあるから小説を読むのは楽しい。
城崎が優しい恒温動物でよかった。彼は本当に信じていたのだ思う。

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2026年02月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

医療系の単語も、分かりやすく書かれていてとても読みやすかった。同じ遺伝子でも育ちによって全然異なる成長を遂げることがリアルに書かれていたし、犯人も予想できなかった。生殖医療はやはり生まれてくる子供のためであるべきだと思った。

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2026年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本作は本職が医師である山口美桜さんの医療ミステリーであり、描写が専門的でありながらも過度に難解に傾くことなく丁寧に描写されているため、医療の素養を持っていなくとも情景が浮かび上がる。

物語は序盤からテンポよく展開し、その都度わかりやすく提示される謎を一つずつ辿りながら進行していく構成のため、随所に明確な山場が用意されており、緊張感が途絶えない。

また、同じ肉体を持つ人間であっても置かれた環境によって人格が変容し得ること、さらには不妊治療とは親のためだけでなく、生まれてくる子供の未来をも見据えた行為であるという、著者の一貫した問題意識がメッセージとして表れている。

そして何より、「禁忌の子」というタイトルのミスリードが鮮やかで、本作を象徴する巧みな仕掛けとして強く印象づけられた。

今年読んだミステリー小説でNo.1の作品。

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2026年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

禁忌の子ってそういう意味かと最後にアッとなる物語だった。倫理的な面でも知らない知識が多かった。8日ほどで読めて面白かった。

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2026年02月09日

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ネタバレ

続きが気になる本だった。
論理的に推理していく箇所を読んでいるときは、頭が疲れた。私、ミステリーって嫌いではないけどそこまですごく好きではないのかも、と思った。
論理的に、AかBかCのパターンしかありえない。Aは〇〇だから違う、Bも〇〇だから違う、みたいな考え方できないなぁ、と思ったし、少し難しくて何度も読み返して、理解できなかったら一気につまらなくなるので、頑張って理解した。

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2026年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

終盤の意外な展開。「禁忌」という不穏なワードの意味がここでやっと明かされるのか。設定に若干の無理ががあるように感じたものの、ミステリーはすぐに犯人を推察できるようなものではつまらないから、誰もをえっ!と思わせる展開が秀逸なのだと思う。
人工授精は子に恵まれない夫婦のためにではなく「産まれてくる子供のため」にある…というフレーズに強く惹かれた。単に犯人探しを楽しむミステリーではなく、著者が医療従事者であるからこその現場の倫理的、道徳的、尊厳的視点から見えてくる本来医療のあるべき方向性について考えさせられた。

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2026年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冒頭のあらすじで『一次元の挿し木』と同じテーマなんだろうと思い至った。

さて、話は変わるが、
昨年下半期はこれでもかと言うくらいホラーを読んだし、映画も観た。
中には読み終えて辺りを見回すほどに真に迫った悍ましいものもあったが、

怪異の源を辿れば、直ちにそして確かに分かる…
げに恐ろしきは人間である。

ひとの身には似つかわしくも無い程の高度な文明を持ちながら、権力者とそれを支持する者達の行動は石器時代とほぼ変わらない…
結局のところ、戦争という名の殺し合いだ。

冗談では無く、この星の人間こそ今この時点で、国民的漫画で語られるところの戦闘民族なのだ(彼の天才漫画家がこの言葉を造語したのはアイロニーなんだろう)

今作も倫理を逸脱した科学行為がのちのち悲劇を巻き起こし、結果そこから深いダメージを負うのは、其れらの行為に何ら責を問われない全く無辜の被験者たちだ。

人間は常に間違える。
それは致し方ない事の様に思える。
『失敗を恐れないで』という美辞麗句があるが、
いや、いつまでも人間間違え過ぎだろ。

今、世界は一部の、しかし強大な権力者達の手に依って累進的に怨嗟に侵されつつある。

近い将来、仮に世界が壊滅的で不可逆なダメージを負った時に、先の美辞は輝きを失わないのだろうか?

決して寛容であってはならない失敗もあるのだ。

規模は違えど、この作品で行われた一連の出来事もその類いの間違いだと思われる。

ただ、それでも主人公夫妻が最後に下した決断を私は間違っていないと思えるし、思いたい。




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2026年02月01日

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