あらすじ
火事で家族を失った大学生の水城朔実(みずき・さくみ)は、自らを育ててくれた恩人に頼まれ、「幻堂設計事務所」、通称「まぼろし堂」を訪れる。あるじの幻堂風彦(げんどう・かざひこ)が案内してくれたのは、館内に迷路のように広がる部屋の数々。この「まぼろし堂」には、「あかずの間」を貸し出すというもう一つの顔があり、さらには訳ありげな下宿人たちを受け入れてもいて……。「秘密」を閉じ込める、金木犀香る北鎌倉の古い洋館を舞台に繰り広げられる、心あたたまるファンタジック・ミステリー。
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Posted by ブクログ
本作では「あかずの扉」と表現していますが、いわゆる開かずの間に関するミステリーです。開かずの間に隠された物、それを隠した人の想いなどがテーマになります。が、中盤以降は主な舞台となる「まぼろし堂」と呼ばれる館に隠されたものを探す話になっていきます。
もし次回作があったら、あかずの扉についてのエピソードをもっと読みたいです。
Posted by ブクログ
開かずの間と聞くと、怖いイメージを抱く。
しかし、この本を読んでそんな考えも変わった。
各章で顕になる住民の抱える謎、全編を通して進行する香りはするが姿の見えない金木犀の謎…
これらの謎が解き明かされたとき、見えてくる思いやりの心であったり愛情
ここから、開かずの扉は決して負の感情の溜まり場ではなく、大切にしたい・守りたいという思いの結晶なのだと感じた
Posted by ブクログ
風彦さんが物静かだけれど、とても頼り甲斐があり格好よく感じた。
不思議な話と思って読んでいたら、説明がつく話だった。が、複雑すぎて頭の中で家の間取りを考えても良く分からないままだった。
Posted by ブクログ
開かずの扉を貸してくれる洋館、
そこに隠すように、大切にれるようにしまわれているものを鍵として進行していく中編5章で成り立ったお話
ファンタジーでありミステリーでありハートフルでもある
オチは少し弱いけどおもしろかったです
Posted by ブクログ
【収録作品】
一章 開けっぱなしの密室
二章 地下室の向こうへ
三章 天の鍵穴
四章 いつかオルゴールが鳴る日
五章 木犀の香に眠る
高校生のときに、火事で家族を失った朔実は、引き取ってくれた遠縁の不二代に頼まれ、幻堂設計事務所、通称「まぼろし堂」を訪れる。
そこは、下宿を営むと共に、「あかずの扉」を貸し出しているところだった。
様々な事情から隠れ住まねばならない人たちがいる。安心して休める場所があることはよいが、下宿するのは簡単そうで危機管理が甘い。
ささやかなコミュニティに共感する。