あらすじ
世界有数の頭脳スポーツ・チェスと出会い、その面白さに魅入られた4人の若者――難病のため小児病棟に入院している透。夢と現実の間で揺れる名門進学校に通う晴紀。母親と折り合いの悪い全盲の少女・冴理。少年院を出たのち、アメリカにわたった天涯孤独な青年・釣崎。彼らは己のすべてをかけて、チェスプレイヤー日本一を決めるチェスワングランプリに挑む。全選考委員の絶賛を集めた、第12回ポプラ社小説新人賞受賞作!
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Posted by ブクログ
面白い!
本屋さんで煌びやかな表紙に惹かれて購入。チェスは国境を越える。
小児病棟でチェスをきっかけに出会い切磋琢磨した仲間。チェスに生きる楽しみを見出した盲目の少女。アウトローながらチェスだけに人生を賭ける男性。チェスに熱量を注ぐ人たちの出会いと別れを描く。
Posted by ブクログ
「チェスと命と、どっちが大事かわからないの?」終盤のこの質問に対する答えがこのお話の全てだと思う。この人物が出てくる意味ある?とかこのシーン、このセリフ必要?みたいに思うところがあったが、読後、全てが必要だったことがわかる。楽しかった。
Posted by ブクログ
チェスに魅了され、チェスに人生をかける登場人物達の物語。
チェスの知識はまったくないけど、登場人物達の心情の描写がとても丁寧で、気付いたら感情移入するようにのめり込んで、読み進める手が止まらず。終盤はほぼ息を止めて読んでいたような。
どの登場人物も魅力あるキャラだっので、チェスプレイヤー以外の目線のスピンオフなんかも読んでみたいかも。
Posted by ブクログ
チェスを通して
様々困難を乗り越えつつ
戦友が生まれる
スポーツで言うノーサイド精神が胸熱
そしてお前いい奴じゃんと
ラストもしかしてのうるうる
チェスゲーム覚えて再読しよ
Posted by ブクログ
なんたって櫛木さん読後の本ですから、本来秘めていた爽やかさが5割り増し。「読んで良かった」感、満開。幼い頃の読書体験思い出すことしきりなひと時でした、ごちそうさま。
Posted by ブクログ
チェスのルールが文面だけだと、正直難しかったけど、チェスに狂わされた人間模様が新人賞受賞作には思えないくらい鮮やかに描かれていた。スポーツ漫画のような熱を感じた。映像化も面白そうな作品だと感じました。
Posted by ブクログ
SNSで見掛けて、ずっと気になっていた作品。
文庫化を機に手に取った。
文庫の装画が箔押しでキラキラしていて、とっても素敵(*ˊ ˋ*)
世界有数の頭脳スポーツ・チェスと出会い、その面白さに魅入られた、4人の若者。己のすべてをかけてチェスプレイヤー日本一を決める大会に挑む彼らの勝負の行方はー…?
本書の題材は「チェス」。
…なのですが、チェスについて全然知らなくても楽しく読めた。
チェスの奥深さ、美しさが文章から伝わってきたし、時折語られるチェスプレイヤーの名言、プレイの手法など興味深かった。
本書の飾り罫が全部チェスの駒で、駒の種類や数が少しずつ違うので、なにか意図がありそう…!(と思いつつ、掴めていない)
4人それぞれの人生がチェスを通じて少しずつ繋がっていく展開が面白く、ワクワクしたし、それぞれのチェスを続ける理由、GMを目指す理由に心を打たれた。
そして、彼らがチェスに夢中になっている姿は、眩しくもあり、羨ましくもあった。
人生の全てを賭けてもいいと思えるほど夢中になれること(もの)に出会えることって、とっても素晴らしくて、素敵なことだなぁ。
どんなに辛い毎日を送っていても、それが自分の拠り所になってくれる。
私はそこまで夢中になれることに出会えていないので、将来子どもにはこれ!っていうものを見つけてほしいし、見つけるためのサポートを全力でしていきたいなぁと思った。
チェスワングランプリの場面はドキドキハラハラ、時には涙しながら勝負の行方を見守り、ラストシーンでも涙が…( ・ ・̥ )
これは映像化してもよさそう!
✎︎____________
治るって信じなきゃ、失礼だよ(p.31)
「勝ったら治る、じゃなくてさ」
(中略)
「勝つために治せよ、絶対に」(p.58)
ぼくは、ぼくの体を肯定する。
生き残った駒は、死んだ駒の命を背負うのだから。(p.64)
勉強とチェスは似ている。
運に左右されず、論理と記憶が力となり、パターンを覚えるたびに能力が高まる。時として啓示のようなひらめきが降りてくる。
そしてチェスには、予定された答えはない。求められるのは、僕だけの解法。
気の弱い僕が自らを主張できる場所、表現できる場所が、ボードの上だ。(p.116)
熱心さは時として、子供の心を圧する凶器になる。(p.137)
本当に好きなもんは気づいたら好きになってるんだよ(p.204)
栄誉や賞金は、重要ではない。
私にとって唯一大事なのは、最高の対局をすることだ。(p.255)
ピアノの曲に美しい調べを感じるように、駒の動きや並びにも美しさがある。(p.264)