【感想・ネタバレ】1973年のピンボールのレビュー

あらすじ

「電灯のスイッチを切って扉を後ろ手に閉めるまでの長い時間、僕は後ろを振り向かなかった。一度も振り向かなかった」東京で友人と小さな翻訳事務所を経営する〈僕〉と、大学をやめ故郷の街で長い時間を過ごす〈鼠〉。二人は痛みを抱えながらも、それぞれの儀式で青春に別れを告げる。『風の歌を聴け』から3年後、ひとつの季節の終焉と始まりの予感。「初期三部作」第二作。

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Posted by ブクログ

こちらを読み終わり、すぐに「羊をめぐる冒険」に行こうと思う。

そう思っちゃうくらい、この世界観がたまらなく好き。

舞台が日本なんだけど、日本じゃないような雰囲気で、その曖昧さが何とも言えないハルキ特有の感じで良い。

アメリカとかヨーロッパの雰囲気が漂いながらも急に「熱い日本茶」が出てきたりするから、「日本だ」って安心感が戻ってきて、でもやっぱり日本文学の雰囲気とは違う、海外文学とも違う、独特のこの雰囲気がやっぱり私は好きなんだな〜。

ずっと静かに進むストーリーの中で、最後の方にはっきりとしたクライマックスが来る。

ピンボール・マシンが並ぶところ。
ぞくっとした。

ハルキの季節や情景の描写に出てくる比喩も好きだし、服装の描写も好きだし、美味しそうなパスタとかクッキー、熱いコーヒーや冷たいビールの登場の仕方も好きだし、何なら煙草や紙ねんどのようなパン、ぬるいビールさえもが美味しそうに思えてくる。

ただ毎度のことだけど、ハルキの小説で女性が担っている役目の部分がどうしてもモヤモヤ。

昔のピンボール•マシンに描かれていた女性たちを読んだところで、もしやハルキの小説の女性たちも、この描写が合うのでは…?と思ってしまった。

以下引用。

「誰もが素晴らしい乳房を誇らしげに突き出していた。あるものはボタンを腰まで外した薄いブラウスの下から、あるものはワンピースの水着の下から、あるものは先の尖ったブラジャーの下から…。彼女たちは永遠にその乳房の形を崩さぬまま、確実に色あせていった。」

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2025年08月29日

Posted by ブクログ


「僕」が双子と暮らし、ピンボールを見つけ出し綺麗に別れることで直子との過去も断ち切り、(ピンボール=直子)
鼠は「進歩や変化は破滅の過程に過ぎない」とのことを言っていたが、街をでる決心をし、現状を変えようとしていた(=破滅の道へ)

過去をたちきり前へ進む「僕」と、
変化を求め破滅とされる前へ進む
(同じ方向を向いてるようで2人は互いに逆方向へ)? 東と西に、右に左に、上に下に、

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2025年06月27日

Posted by ブクログ

テネシー・ウィリアムズがこう書いている。過去と現在についてはこのとおり。未来については「おそらく」である、と。
しかし僕たちが歩んできた暗闇を振り返る時、そこにあるものもやはり不確かな「おそらく」でしかないように思える。僕たちがはっきりと知覚し得るのは現在という瞬間に過ぎぬわけだが、それとて僕たちの体をただすり抜けていくだけのことだ。

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2025年06月25日

Posted by ブクログ

1973年は私の生まれた年だ。
なのでつい、『風の歌を聴け』の前に読んでしまった。
まぁ先に『羊をめぐる冒険』読んじゃってるけどね。

初期の村上春樹作品はいいね。スラスラ読める。
読み心地もいい。
双子に配電盤の説明をするところと「彼ってすごいんだから」は吹いた。

鼠が別れに来た時に、ジェイが物分かり良い返答をした時の鼠の反応が好きだ。村上春樹作品に物分かりのいい読者に春樹さんがツッコミ入れたみたいな感覚がした。

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2025年05月15日

Posted by ブクログ

高校を三年に進級して、進路について差し迫った色々があった頃、僕は二ヶ月くらい学校をふけた。夏の蒸した部屋でカーテンが閉まっていた枕元にたくさんの本を積んで一日誰もいない家で五冊六冊読むといった生活をしていた。
生活というほどでもなかったかもしれない。
ノルウェイの森を読んだのがその始まりで、村上春樹に魅せられ、それから一年の間に村上春樹の長編のその過半数を読破した。その度いろいろ感ぜられる事はあったなれど、この作品が最も印象的に思えた。
「ねえ、誰かが言ったよ。ゆっくり歩け、そしてたっぷり水を飲めってね」ジェイのこの台詞に痺れ、僕は文庫本を常にポケットに忍ばせる様になった。

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2025年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

僕と鼠の、各々が持つ繰り返しの日常に対する感情が事細かに言語化されていて、何度も大きなため息をついてしまった。
村上春樹さんの本に登場する人物たちは皆物分かりが良く読んでいて気持ちがいい。
終盤に鼠が言っていた「なあ、ジェイ、だめだよ。みんながそんな風に問わず語らずに理解し合ったって何処にもいけやしないんだ。こんなこと言いたくないんだがね....、俺はどうも余りに長くそういった世界に留まりすぎたような気がするんだ。」というセリフには衝撃を受けた。僕は彼らのそう言った部分に良さを見出していたし、実際自分もそうやって生きていけたら楽なのかもしれないと思っていたからだ。
いつも物事に悩んだりした際には、彼らならどうするかと考えて行動するようにしている。

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2025年02月16日

購入済み

春樹ワールドから遠く遠く離れて

30年以上も前、初めて読んだ80年代の十代の自分と、そのもっと前の時代1970年代…言葉で表現出来ない思いが込み上げてくる。ずっとずっと昔、ハルキストなんて言葉がなかった時代に村上春樹を読んでいた人にもう一度読んで見て欲しいと思う。

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2018年04月22日

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村上春樹、再読。

レビューを読むとわたしと同じように「再読」と書かれている方がちょいちょいいて、ニヤニヤ。
読み返して確認してみたくなる作家さんなのかな。

二作目もたいしたことは起こらず。
けれど主人公たちの語られてはいない内面は深く暗い。
語られてはいないんだけど、過去に何かがかならずあっただろうと思わせる描き方で、
想像できないのにずしんと来る。

村上春樹の小説で好きなところはそういった部分と
あとは比喩が豊富なところ。
とてもユニークで、その場面やその時のにおいまでもが感じられるようなたとえが良い。
全体的に暗いストーリーの中、そこだけちょっと空気がほんわかして、明るい気分になれるところが好き。

話自体はすっかり忘れていたけど
終盤、タイトルにもなっているピンボールの登場シーンには圧倒された。
ほんとにすっかり忘れていて、
初めて読んだ気分だったけど。

再読は続く。

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

養鶏場の冷凍倉庫にずらりと並ぶピンボール台、やたらと印象に残ってる
諦観というか、諦めみたいな感情の言語化がうますぎる

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2025年07月30日

Posted by ブクログ

恐ろしく孤独に満ちた生活と、浸り続けたビール、促すようなレコード、そしてピンボール。囚われた者らが1種の脱走を図るのだと思った、何故かは彼ら、彼女にしか分からない。そこが居場所では無いのかもしれないし、そこが居場所では無くなったのかもしれないし、新たな居場所が現れたのかもしれない。僕自身も読破した瞬間双子のように手を振りたくなったよ。

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2025年06月14日

Posted by ブクログ

中編にここまで時間をかけたのはいつぶりか
初めて本を手にしたそんな時のような読書の方法で読んだのは最近の生活が忙しかったからだ

パン屋再襲撃という短編集で,消えた双子の謎 という短編を読んだが,それはこの1973年のピンボールの続編だったのか

風の歌を聞けで別れた2人を平行して描く本作.
何かを求め続けたものと,何かを諦めたもの
二人の中にある哀愁と,二人の中に秘めた思い出のような煌めきはとても虚しい

時より語られる2人の話はまるで遠い過去のように聞こえる

とにかく比喩が多く,全ての表現に村上春樹の哲学が詰まっているように思えた

ピンボールとの会話.それはピンボールではなくてもいいのだろう.自分自身のそこの深く,(村上春樹でいうなら井戸だろうか)との会話だ.自分自身が見る本質的な自分との会話は人間にとって連続的だと思える時の非連続性を思い出させた.
悲しそうに笑った練習をする(していただろう),鼠の愛人.彼女のことが本当になんで言ったらいいのかわからないほど切ない.
鼠という人間にとっても,彼女にとっても二人の関係は曖昧で言語的でなくそれはまるで双子と僕のように賞味期限付きのものであったのだろう.

秘書といい,僕といい,彼女といい,鼠といい,とにかくどこかに雨が降り注ぐかの如く急に心に現れる焦燥感や悲壮感が若者特有のもので素晴らしい.
そんなものを言語化せずにただシャワーを浴びたがり,ただ眠たがり,ただ話したがる.
そんなことを繰り返してこそ飽きてしまってこそ人間という形がより正確に形成されていくのだろう

海の音を聞きに行く鼠,自分自身の位置を確認するように双子と過ごす僕,彼らはやはり似たもの同士であり,それでも本質的に異なる二人の村上春樹なのであろう

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2025年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「僕」と「鼠」の話が交互に描かれるが、本作は鼠が逡巡し故郷をあとにする流れが深く残った。僕も含めて街から人がいなくなり、かつ彼自身は金持ちの家にうまれていることから生活上の切迫感もない中で、何かに突き動かされるように鼠は街を出ていく(結局、ジェイにはっきりと別れを告げることもなく)。
捉えどころのない焦り、無力感、不安等…二十代なりに抱える何かが描写されている

特に印象に残った箇所は以下
・多かれ少なかれ、誰もが自分のシステムに従って生き始めていた。それが僕のと違いすぎると腹が立つし、似すぎていると悲しくなる。それだけのことだ(p.63)
・卒論の指導教授がうまいことを言う。文章はいい、論旨も明確だ、だがテーマがない、と(p.87)
・さあ考えろ、と鼠は自らに言いきかせる、逃げてないで考えろよ、二十五歳……、少しは考えてもいい歳だ。十二歳の男の子が二人寄った歳だぜ、お前にそれだけの値打があるかい?ないね、一人分だってない。ピックルスの空瓶につめこまれた蟻の巣ほどの値打もない。……よせよ、下らないメタフォルはもう沢山だ。何の役にも立たない。考えろ、お前は何処かで間違ったんだ。思い出せよ。……わかるもんか(p.117)
・テネシー・ウィリアムズがこう書いている。過去と現在についてはこのとおり。未来については「おそらく」である、と。しかし僕たちが歩んできた暗闇を振り返る時、そこにあるものもやはり不確かな「おそらく」でしかないように思える。僕たちがはっきりと知覚し得るものは現在という瞬間に過ぎぬわけだが、それとても僕たちの体をただすり抜けていくだけのことだ(p.181)

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2025年06月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

哀愁漂う作品。ピンボールと再会するシーンはなんといも言えない、長すぎず簡潔にそして冷たい表現は素晴らしい。この作品はrubber soulと相性が抜群だ。

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2025年05月25日

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「ピンボールって何…?」と、まず思った21世紀生まれ。
ググッたら出てきた。少女だった頃、ひいおばあちゃんの家で遊んだおもちゃに似ているものが笑

それでも村上春樹を読みたくなる。「僕」と「鼠」それぞれの道が、女と別れ、大人になっていく2人が気になる。

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2025年05月09日

Posted by ブクログ

僕と鼠それぞれの話が並行しながら進んでいく。
前作の「風の歌を聞け」は爽やかでお洒落な雰囲気が漂う作品だった。今作は打って変わって心の闇や影の部分が前面に出ている。僕と鼠が前に進もうと葛藤しているところが書かれていて、心にグッとくるものがあり凄く良かった。
特に鼠のパートが雰囲気で出てて好きだった。悲しみや苦しみ、友情や愛情などが複雑に絡み合いながらも見事に表現されていて引き込まれた。思わず唸るセンス抜群のワードチョイスやフレーズも相変わらずで名言の嵐。
今作も暗喩が多いので読み解くには難解であるが、前作よりは読みやすくなっていて置いてけぼりにならなかった点も良かった。
風→ピンボールの順で読むのは必須かと。羊をめぐる冒険にも期待。

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

村上春樹の作品は他にもいくつか読んできたものの、風の歌を聴けをしっかり読み込むことでようやく喪失感をテーマにした村上春樹の良さが分かり、ピンボールで完全に馴染んできた気がします。
羊楽しみです。
自分の中で群像劇は勝手に視点が繋がるものかと思っていたのですが、こういうのもいいですね

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2025年01月20日

匿名

購入済み

 村上春樹の2作目の小説。この小説において村上春樹の文体はほぼ完成している。ピンボールに再会する場面が村上春樹独特の文体がよく出ている。

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2019年11月27日

Posted by ブクログ

処女作『風の歌を聴け』の続編。生きるため、新しい一歩をふみだすために清算された過去の残骸。生きることの難しさが、哀しいほどにユーモアたっぷりの軽妙な文体で描かれています。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

初期三部作の2作目。
まだ村上春樹感は薄め、というかこの頃は色々模索しながら書いていたような感覚を受ける。

正直面白い、面白くない、意味が分かる、分からない、という評価をすること自体がナンセンスな気がする。
この文体(リズム)を楽しむものなのだと思う。音楽のようにこのリズムが合わない人は一定数いて当然だと思うが、この作品以降、村上春樹っぽさはどんどん強くなる。個人的にはそれが好きなんだけど。

あと前作もそうだったけど70年代って当たり前だったの?というほど飲酒運転のシーンが出てくるのでちょっとモヤモヤする…

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

初期3部作2部目、個人的には1のが好きだったかな〜概念すぎて後半ちょっと冷めた、あと転がり込んだ双子という設定がどうも好きじゃない
やっぱり春樹は個人的にただ読んでる時間を楽しむ系、比喩がめちゃくちゃで読んでて楽しくて何度か笑った
後半いまいちだな〜置いてかれた笑

『多かれ少なかれ、誰もが自分のシステムに従って生き始めていた。それが僕のと違いすぎると腹が立つし、似すぎていると悲しくなる。それだけのことだ』
私は違いすぎると悲しくなるし、似すぎたら腹立つタイプ

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

青春三部作の2作品目。
「風の歌を聴け」のほうが好きだったけど、特に序盤と終盤は「すげえ」と呟いてしまうほどの描写だった。

田舎町の駅と犬、双子のシリアルナンバー、配電盤の葬式、ピンボールのスペースシップとの会話、鼠とジェイの会話、耳鼻科が好きだった。

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

全体を通して、読みやすいスタイリッシュな文体で読み始めて最後まで一気に読み終わってしまった。
20代前半の将来に対する不安、新たな出会いと別れ、読み終わった時に秋の夕暮れ時のどこか寂しい哀愁を感じさせるような作品だった。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

振り返ってみたら鼠三部作(というか四部作?)を読むのは10年ぶりらしい。...新鮮な気持ちで読みました。笑

それぞれの方法で過去を清算して、未来へ進む直前の話。手放し方も立ち直る方法も人それぞれ。
あと鼠って25歳だったのか、もっと年上のイメージだった。

読みながらこの時代に生きていたらもっとこの本を興味深く読めたんだろうなぁとどうしようもないことを思ったり...。次回作にどう繋がっていくのか楽しみ。

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2025年08月27日

Posted by ブクログ

初期は特に物語に流れも感じられずかなり読みにくい…!
うーんしかも三部作の2と3を読んでしまったからなおさら頭混乱して難しかったなあ。
なんかやはり作品を書き続けるにつれ進化・深化していくというのはあるんじゃないか。

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

何十年振りだろう?再読。
確かに、20から30にかけて、自由は奪われ、セックスは自分の遺伝子のコピーを作る儀式となる。
しかし、長い年月を経れば自由はまた戻って来る。
妻への責任というちょっとした荷物は残るが、悪くない荷物だ。それに、人の世に生きていれば、完全な自由は無い。

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2025年07月10日

Posted by ブクログ

I barely understood what was going on.
Apparently, this book is considered one of Haruki Murakami’s “failures.”
But honestly, life itself feels like chaos when you just string together random words like “wedding, public bath, reply, job change, Asakusabashi, fake plants.”

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

引き続き、僕には評価が難しい作品だった。
別れ、喪失の物語。相変わらず主人公の心情が綺麗に、丁寧に表現されている。

まったく嫌いじゃないけど、ちょっと登場人物みんなが達観しすぎていて、本当に20代の話?ってなったのもあるし、いまいち個性が分かれてないのではという気持ちにもなったり。

こういう文体が特徴なら、村上春樹の作品を続けて読むのはよくないかもしれない。

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2025年05月20日

Posted by ブクログ

淡々と物語は始まり、進み、終わる。

悪くない。

楽しいとかつまらないとかではない。
なんとなく、いい。

村上春樹はたまに読みたくなるから不思議だ。
別に好きじゃないのだが。

「砂漠に水を撒くような仕事です」
こんなセリフを言われた日にゃ、苦笑いしか出ない。
感心して肯くことなど、無理だ。器が違う。

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2025年04月07日

Posted by ブクログ

「またいつか会おう」

出会いと別れ。

読後は心の中にぽっかりと喪失感がありました。

直子の死、双子との別れ、スペースシップを直子に重ねていたのかのかも。

雰囲気は決して明るくはありませんが、重苦しい感じはなくさらさらと読めました。

9-11月という寂寥感もありました。

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2025年03月01日

Posted by ブクログ

土瓶さんが読んだ“パン屋再襲撃”が本棚に見つからず aoiさんがお片付け中に見つけてしまった
“ピンボール”を見つけてしまいました

手元にあるのは、もちろん文庫ではありませが
バーコードもありませんので、文庫登録

井上ひさし氏の 新鋭の知的で爽やかな‘80年代の文学という文芸評が当時の私達の気持ちを代弁しているのかな

登録してみると最近も多くの方が読んでいて
驚きとともに皆さん懐かしいのかなと

私は、この“風の歌”からの三冊を
“羊をめぐる”が発刊された後 まとめて
従姉妹にもらったんです
ですから、三部作を一気に読んだんです
そこは重要だったと思います
このピンボールまでだと ストーリーは
あってないような流れなので
つまずいたかもしれません

直子との別れ ピンボールマシンとの別れ
双子少女との別れ 
多くの物を喪って 僕は羊をめぐるぼうけんへ
悲しいかな覚えてないけど

さて 本は断捨離でしょうね

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

「風の歌を聴け」からハードボイルドさが少し抜け、ほのかなファンタジーが加わったような印象を受けた。
世の中には数え切れないくらいの考え方があって、殆ど誰とも友達になんかなれない。だから、友達になれたら奇跡。というのは、とても重い。だからこそ、そういう関係になった友人は大切にしないといけない。
ロストボールを換金する会話のくだりとか、懐かしい。

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2025年01月24日

Posted by ブクログ

『風の歌を聴け』の続編に位置づく作品だったでしょうか。村上さんの初期の作品のスケールの小ささが、その作品の優劣を決めないにしても、僕にはちょっと物足りなく思えてしまいます。作家という商売抜きに書いたものだとすると、良いものなのかなぁと思ったりするのですが。

村上春樹さんの第二作目の小説。
デビュー作の『風の歌を聴け』に出てくる「鼠」とジェイズ・バーが
またこの小説にも登場します。
かといって、内容が続いているかといえばそうではないわけで。
内容は不思議な感じで、村上節とでもいうのでしょうかね、そんな感じ。
最近の作品に比べると、より文章が分散しているように思えます。
しかし、これ、30歳くらいで書いたようですがすごいですね。文章力も知識量も。
しょっぱなから大物だったんだなぁ。

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2025年06月06日

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