【感想・ネタバレ】汚れた手をそこで拭かないのレビュー

あらすじ

もうやめて……ミステリはここまで進化した!

第164回直木賞候補作。

ひたひたと忍び寄る恐怖。
ぬるりと変容する日常。

話題沸騰の「最恐」ミステリ、待望の文庫化。

閉鎖空間に監禁された
デスゲームの参加者のような切迫感。──彩瀬まる

平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、元不倫相手を見返したい料理研究家……。きっかけはほんの些細な秘密だった。

保身や油断、猜疑心や傲慢。
内部から毒に蝕まれ、
気がつけば取返しのつかない場所に立ち尽くしている自分に気づく。

凶器のように研ぎ澄まされた“取扱い注意”の傑作短編集。

解説=彩瀬まる

※この電子書籍は2020年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

星4.7

むかし、フジテレビでやっていたホラーオムニバスドラマ「トリハダ」
これが大好きで、毎回録画して観ていて、そこから派生した「ドクロゲキ」というオムニバスドラマがあって、それを思い出した。
個人的に、読後感がその感じ。

派手な事件や事故やトリックは無いし、凶悪な悪者が登場するわけではない。
ただ、悪意は存在するし、人は死ぬ。
その悪意もそうだし、そこに追い詰められる心理も、ごく身近に起こりうる範囲の話だということが素晴らしくイヤな気持ちにさせてくれる。

かつて「M-1グランプリ」で、かまいたちのお二人が披露した傑作漫才「ポイントカード」
この審査で松本人志さんが言っていた「寄り添った漫才」という評。
まさに、その、ミステリー版といったところ。
なんて、寄り添ったミステリーなのかと。
読者のすぐそば。そう、手をちょっと伸ばせば届く、ちょっと醤油取るくらいな近さにある不快からズルズルと逃げ出せないところへ引き摺り込まれていく感覚がたまらなくイヤでよかった。

汚れた手をそんなとこで拭くからー、ほうら、とれなくなっちゃうよー、って。
いいタイトル。最高でした。

全5編からなる短編集

「ただ、運が悪かっただけ」
オープニングとして、とてもよい物語。
病床に伏す妻に、夫がずっと心に抱えていた後悔を語る。

妻が辿り着き、夫に話した事件の真相が、果たして本当に真相なのかは誰にもわからない。

本当かはわからないが、理にかなっているその真相には確実にゾッとする中西の娘の思惑があり、それがとてもイヤな感じで、面白い。

夫には非がないということを伝えて、夫が背負う重荷を少し軽くして死んでいけたら、という妻の思いには愛がある。
愛があるのだが、その話を最後に妻と別れなくてはならない夫の気持ちを考えると、それもまたイヤな話と思えた。

いいオープニングです。


「埋め合わせ」
これぞまさに、汚れた手をそうやって拭いたばっかりに、という話。
タイトル、決まってる。

ミスを穏便に。波風立たせず、大事にせず。
誰にもバレず。何事もなく。
そんなこと、誰でも思ったことがあるのでは。
これぞ、寄り添ってる。寄り添うねぇ。
いちばん好きな話かもしれない。

ミスを最小限に、できるだけ丸く収めることは出来たはず。
ただ、これってタイミングだよな、と。

主人公がミスを隠蔽しようと画策するのだが、同僚の五木田による策略で、キャリアに大きな傷を負う大損害に発展してしまう、というラスト。
このラストにゾッとして、かつ、めちゃくちゃイヤな気持ちにさせられて最高なのだが
私がめちゃくちゃ面白いと思うのは、主人公がミスをしたキッカケから、早めに上司に打ち明ける選択を出来なかった、そのタイミングの問題、そこの描写が素晴らしい。

まず、旧友との電話によって、排水バルブを閉め忘れるというミスを犯したキッカケ。
本当にタイミングが悪い。同情する。
「なんで俺が」「なんでこのタイミングで」
って思ってしまうよなー、と。

さらに、上司である教頭に打ち明けようか、と思ったタイミングで、別の教員が教頭に話しかけたもんだから、その機会を逸する。
少しでも心に迷いが生じたものだから、ここで前に出られない、後ろめたさ、恐怖があって、ここでグッといけない、あの感覚。
気づいたら自席に戻ってしまっているっていう、あのビビってるとき、葛藤があるときの、視界が自分のものでなくなるような感じまで、自分の中で再現されて、うひゃーってなった。

もう、これはしんどかった。
だから、最高。


「忘却」
自分のせいで隣人を死なせてしまったのかもしれない、という疑念に悩まされる物語。

これは、タイトルと結末が秀逸。

間違ってうちに届いていた電気代の督促を隣人に渡すのを忘れていた主人公。
当たり前のように日々、電気をつかい、エアコンをつかっていたからこそ、盗電という悪事をはたらいていることを忘れていた隣人。
大事なことを忘れている、そんな気がしているが、まだらボケの症状が出ているゆえに、忘れたり思い出したり、思い出してもハッキリとそれが何かは思い出せず、また忘れる主人公の妻。

ラスト、生きていく上では、忘れることも仕方がないことだ、と自身を納得させる主人公と、ラスト1行で「何か忘れてることがなかったかしら」という妻の一言で終わる結末。

妻は、きっとこの先もこの言葉を主人公に投げかけつづけるだろう。
そして、その度に隣人のことを思い出すことになる、決して完全に忘却へ、とはならない事件になる、という結末とタイトルが素晴らしい読後感。


「お蔵入り」
なんとしてでもこの映画をお蔵入りさせるわけにはいかない。
主人公の、その執着がすべて裏目裏目へと、面白いように悪い方へと転がっていく。
面白い、とは傍目からだから言えるが、この主人公の思考と、その裏目裏目という展開には共感せざるをえなかった。

執着しているものごとに問題が生じた時、ジタバタすればするほど、冷静さを欠いて悪手悪手へと突き進んでしまう。
そして、他人が自分の思惑通りには動いてくれないということを痛感させられる。痛い目をみることになる。

悪手が悪手だったと気づいたとき、その、もうダメだと力が抜けていく感覚が、めちゃくちゃキレイに決まってるんだよなぁ。
ラスト、主人公の握りしめた拳が、力無く緩む描写


「数秒して、拳が花開くようにほどけていった」

ここが、よい。
共感マックスで読んでいた私も、力が抜けた。


「ミモザ」
かつて、自分より立場が上で、無知だった自分の上に常に立っていた不倫相手。
数年の時を経て、自分がマウントをとれる立場になったことで、軽い気持ちで逆襲をしようとしたが、返り討ちにあう話。

返り討ちにあう、と書いたが、ひたすらに気持ちが悪い男だった。
すべて男の狙い通りで、誘い水に乗ってしまった主人公が、もう戻れない領域まで嵌められてしまったような話ではあるが。

気持ち悪いっす、この男。
とにかく相手が悪かった、という印象。

ただ、本当に怖いのは、主人公の旦那は、この元不倫相手が誰なのかわかっていないながら、家に知らない男がいる、ということをわかっていて。
妻が隠し事をしているというのもわかっていて。
それを知ってて何も追求してこない、むしろどうでもいいと思っているのか?
と、そこはハッキリしないのだが、そう思わせる描写を残して終わるところ。
これが気味悪い。

主人公は、この先もこの元不倫相手に粘着されるし、旦那は何考えてるのかわからないし。
この物語以降の行く末を思うと、とてもイヤな気持ちです。

これをラストに置く構成も素晴らしい。
イヤな気持ち、しばらく引きずるじゃんか。



と、いうわけで。
かなり面白かった。一気読みでしょう。

短編集は、そんなに読んでいないけれど、全体のテーマ性と、順番、配置、ここも面白さのポイントになるな、とつくづく感じました。

あと、私の中で、映画もそうなのですが、尺と重さのバランスが重要視されていて。
短いのに重たい、は、やっぱりすごいことだと思うわけです。
そう考えると、この作品はすごい。
一編一編が、とにかく重たい。
ズーンと心に残してくれる重たさ。

なのに、とにかく短い。
これはすごいこと。

コスパの高さ、というべきか。

しんどい。キツい。イヤな気持ち。
そして寄り添ってる。近くにある。
もう、近づいてきてるかもしれない悪意。
そこにいるかもしれない落とし穴。

最高のミステリーだと思いました。

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どれもリアルにありそうな些細な嘘や誤魔化しから展開する胸糞悪い短編集。※褒め言葉です
私は「お蔵入り」が特に好き。殺人者をこんなに自分と近く感じたのは初めてかもしれない。
本書が好きな人は、米澤穂信さんの『満願』も絶対ハマります。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

日常のどこかにありそうな手を汚してしまう瞬間。その時に生まれる、焦りや戸惑いや恐れ、といって様々な感情を鋭く切り出すことで、読んでいる者の感情を揺さぶっていく。どの作品も短いながらも完成度が高く、筆者の力量を感じざるを得ない。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

かなり話題だったので、読んだら短編集でした(あまり好きじゃない)

また、色んな人がイヤミスだと書かれていて、オヤスミの仲間かなと思っていたら『嫌なミステリー』の略。

なるほど。

内容はかなり濃いものばかりでしたし、話の続きがどうなったか気になるイヤミスでした(すぐアウトプットするスタイル)

他の作品も読んでみたい。オヤスミ。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

汚れた手をどこで拭けばよかったんだろう。

彩瀬まるさんの解説にうんうんと…
醜く汚れたのはいつなのか
ミスを表沙汰にしないようにと足掻くけれど、あれよあれよと最悪な状況に。

あの時、あの瞬間に『ごめんなさい』と出来ていたら…

絶望感凄くて、しんどい
でも面白い!

最悪で最高♡
(つい先日ユニバ行ってきました笑)

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2025年11月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

元々芹沢さんの作品は好きだったのですが、今回のは終わり方が絶妙に嫌ぁな感じで、相変わらず凄く好みのお話しでした!言い方が合ってるかは分からないですが、清々しいほどの絶望感を味わえて良いですね!しかも、想像がつく、実際身近に起こってもおかしくないレベルの話しだから、余計に良かったのかなと思いました。
「お蔵入り」では、あの時もそう言ってましたよね、の所ででそうくるかぁ!!ってなって盛り上がり、「ミモザ」の最後の旦那さんが見て見ぬふりしてたって分かった時はゾクッとして、好きでしたねー。あれ、靴は?って思ってたからなおさら。解説でも書いてましたが、悪いことをしたから悪いことが起きるとは限らないんだよ、で地獄に叩き落とされる感じ、もう元には戻れない絶望感が凄く良かった(*^_^*)
で、その解説もとっても的確で、言いたいこと全部言ってくれてるなぁと思えて、この方の本が読みたくなりました!
久しぶりに楽しめました。ありがとうございました!(´▽`)

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

イヤミスっぽい小説を初めて読んだ。
これは癖になる。

ボタンを掛け違えたら私にも起こりそうなことばかり。

隣の人がクーラーも入れず孤独死したのに、自分の家にお隣の電気代滞納の葉書が紛れ込んでいたお話が1番好き(ネタバレではなく、この先に物語がある)。

芦沢先生他にも読みたい。

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

芦沢央さんの作品、audibleでは聴いたことありましたが、文字で読むのは初になります!

短編集ですが、面白かったです。

『汚れた手をそこで拭かない』というタイトルが秀逸です。

全ての物語に「あゝ、そこで拭いちゃったか」とダメな方へと思考が回ってしまって結果、最悪になる。

人間だから誤魔化したいし、怒られるのとか責任取るのとか嫌だけど、多分正直に言っちゃうのが1番いい結果になりそう。

人怖、イヤミスでした!

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

結末がどうなるのか、早く続きが読みたい!と思える短編集。どれも設定が面白かった。身近でありそうな、でも自分は巻き込まれたくない、逃げたくなるような話ばかりだった。まさに汚れた手をどこで拭けばいいの?と困惑してしまう。面白かったので、この著者の他の作品も読んでみたい。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

すべての物語において、途中読み飛ばしてしまいたくなるような、罪悪感?焦り?そういった『嫌だ〜!』な気持ちを感じてしまいました。
芦沢先生は、どうしようもない人間の習性を描くのが、本当に上手だと思います。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

良質なミステリー短編集でした。
どの作品もラストにぞっとさせられますが、「忘却」「ミモザ」の2作品、文字だけで映像が出てくる感じです。このまま2時間枠ドラマ化できそうなくらい、上手すぎる出来でした。
「ミモザ」は、もしかすると「えっ、これで終わり?」と思われる読者もいらっしゃるでしょうが、その後を想像するとゾッとします。
心理的にがつんとくるミステリーばかりで、ホラーのような恐怖感ではなく、まさに日常、誰にでも起こりうるであろう怖さです。

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

どれも短編で読みやすく、わかりやすく、人間が一度は陥ったことのあるだろう感情を抉ってくる感じ。面白かった。

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

人は生まれながらに醜いのか、それとも生きていく中で醜くなっていくのか。あらゆる人間の汚さを拭うためにはどこでどうすれば良かったのか。
負のスパイラルから抜け出す瞬間はいくらでもあったのに、あったはずなのにどうしてそこで違う選択をしてしまうのか。日常の中にある人間の汚さを知っていたとしても、どうしてもそこで汚れた手を拭きたくなってしまうのだ。それこそがにんげんの醜さたる所以なのかもしれない。

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

イヤミス
読後の後味が悪い
けど、他の話もまた読みたい
そんな短編5話

読み終わってから
無性に内容を人に語りたくなった

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

良い意味でイライラする内容だったー!笑
どうしてこうしないの!って思うけど実際自分も同じ目にあった時に同じことするんだろうな笑笑

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

イヤミスの好きな人にはおすすめです。心が元気な時に読んだ方がいい作品。追い詰められる恐怖、理不尽な流れはクセになるかも。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1話目から芦沢さんらしいゾワッが始まったなぁと思ったら2話目にハラハラと焦りとゾクゾクが混ざり合い初めて変な感覚に襲われました。そしてまた3話の電気事件や4話の自業自得さはゾワッとさせられ、いつもの流れだなと思っているところにまたまた最終話でハラハラさせられ考えさせられる終わり方となりました。

イトルの汚れた手をそこで拭かないというお話が入っていなくて読み終えてから何気なく考えていたらまたゾワッとしました(。ŏ_ŏ。)

オモテの話に実はウラが隠されている書き方がお好きな方は、是非一度読んでみて欲しいです。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

どの短編も、引き込まれる作品。
「これ絶対ろくな事ならんやつ……」と続きが気になりハラハラしながら楽しめました。
特にミモザがしんどかったです。
帯にも書いてあった「悪い事をしたから悪いことが起きるとは限らないんだよ」というセリフが、あまりにも理不尽で、でも現実世界もそうだよなと……

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

短編集にしてはどれも読みごたえのある心が焦ったりざわつく感じのものばかり。
どんどん読み進めたくなる感じも良い。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

芦沢央さんの怖い世界。
短編集である今作は「人間の怖さ」がテーマ。
どの話も怖かったけど、「忘却」が特にゾワゾワした。

アパートの隣室に住む高齢男性が亡くなった。
電気代未払いで通電ストップされたことが死因。
亡くなった男性は、隣室の高齢夫婦に親切にしてくれていた。
でも…その男性は…亡くなった本当の理由とは…

あの世とか幽霊とかよりいちばん怖いのって人間なんじゃないかしら。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

人の心の弱さや不安定さが原因で些細なきっかけから登場人物の日常が崩れる、もしくは小さな事件の裏によく見ると人の心の暗い部分が見え隠れするような短編が5つ。
読んでいて楽しいわけではないけれど、自分の中で共感できてしまう部分もあり、読んでしまう。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

読む手が止まらないを実感できる本。怖すぎるのに面白くて恐ろしくてどんどん深いところまで探りたくなってしまう。汚れた手はすぐに洗おう。

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2025年09月27日

ネタバレ 購入済み

読みやすいけど

短編だから読みやすいけど素晴らしい起承転結が詰め込まれているかと言うとそこまでではない。ただ、埋め合わせは面白かった。今後、どこかの教員がプールの水を出しっぱなしにしたニュースを見る度に思い出すと思う。

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2025年05月03日

Posted by ブクログ

悪い事って隠せない。選択を迫られる瞬間、保身のために人は嘘をつきたくなる。汚れた手をそこで拭きたいから。その手を拭いた場所どうやって綺麗にしよう。他の物で拭くから…汚れは頑固になって後悔するんだ。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

何気ない日常の中で起きた、取るに足らない人の失敗と後悔。そして挽回を図ろうと右往左往する人の不安定な感情の波。毎回、うまいなぁと思わせられる著者ならではのイヤモヤミステリー。
まぁ、自分が考えてる事は他人も似たような事を考えてると思えば、小手先な事はボロが出るよねw

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2025年12月11日

Posted by ブクログ

ちょっとタイミングがずれていたら、こんなことにはならなかったのに──
自分の些細な行動のせいでピンチに陥る主人公たち。
読み終わった後にじっとり残る、なんとも言えないいやーなモヤモヤを味わいました。
「お蔵入り」、「ミモザ」の2話が好きでした。

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

じわじわと首を絞められてる感覚になる。
現実味のない激ヤバホラーより、こういう身近な場面で起こり得そうな話の方が断然怖い。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

6つの短編集。
どれもなーんか嫌な気分になったり、どうしようもなくやるせない気分にさせられる。
忘却とお蔵入りが好きです。
最後のミモザには主人公に共感できず、終始心がザワザワした。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編5集
【ただ、運が悪かっただけ】
余命宣告されている妻と夫の物語。夫が後悔している過去の出来事。貸した脚立で死んだ人。それはあなたのせいではないよ、死にゆく娘から試されたんだからと理由づける妻。 ★★★

【埋め合わせ】
プールの水を大量に流してしまった先生が自分のミスを隠蔽する為に疾走する物語
嘘をついて騙そうとしてる先生に、さらにそのミスを利用しようとしている同僚だった。
同僚は不気味で恐怖だった。ラストのどんでん返しは見事だった。★★★★

【忘却】
隣人が熱中症で亡くなった。数日前に間違ってポストに入ってた隣人の電気利用停止警告の手紙。
亡くなった理由が手紙の渡し忘れかと思ったら、隣人が盗電していて当宅のブレーカーが落ちたことでエアコンのスイッチが切れ亡くなった。
忘れっぽくなってる妻と、手紙の渡し忘れ、そのこと自体忘れていくだろうという話。
★★★★

【お蔵入り】
映画監督の大崎。その映画に出演している俳優が薬物疑惑。
映画のお蔵入りだけは避けたい大崎は、話し合いの途中で殺してしまう。
それでもお蔵入りだけは避けたい大崎は墓穴を掘ってしまう。
★★★

【ミモザ】
人気料理家が元不倫相手と再会してお金を貸す。
エスカレートしてしまう。
夫と暮らす家にまで押しかけてきた元不倫相手を必死に隠すが…
夫の「何考えててもいいけど、ちゃんとしてよ」という一言は不倫相手が家にいることに気付いていて平然としている夫は、脅迫してくる元不倫相手より更に恐怖
★★★

嘘はバレますね。嘘はダメですね。
人を騙そうとしても必ず自分に返ってきます。
そんな5章でした。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

あまりにも身近というか日常すぎて
ものすごい嫌な気持ちになれる。
短編で読みやすい。
素直にごめんなさいしよう。

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2025年10月17日

匿名

購入済み

突然迫られる選択、少しの判断ミスで自分自信を苦しめる事になる。人からするとそんな事?と、思うような事で、なんで素直に正しい選択をしなかったんだろ?と後から思う事も沢山あった。そんな誰にでも起きる話しでした。

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2024年02月10日

Posted by ブクログ

シンプルなミステリー。
芦沢央さんは久しぶりに読んだけど、人間の醜くてしょうもない部分が何の救いもなく淡々と書かれていて好み!
解説の後半がよかった!
最後の話は、主人公に決定的な非がないのに理不尽すぎないかと苦々しい思いをしながら読んでいたけど、解説を読んで胸にストンと落ちるものがあった。

以下、解説から

不正を働くことは「わからないでもなかった」し、喉元を過ぎればそれすら「忘れたのではないか」。さりげない表現だ。さりげなさ過ぎて、とても怖い。生身の人間のいびつさ、不完全さへの鋭い理解と諦念、そして諦念から来る受容がある。

生きている間に、ほんのわずかな不運で、油断で、過ちで、傲慢で、手に吸いつく汚れ。洗う場所のない汚れ。

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2025年10月12日

匿名

購入済み

面白かった

3つ目の話が特に好き。まさかそんなことしてたの?って感じで、、
どこかで体験したような気がするお話ばかりで、読んでいてとても共感できました。

#怖い #共感する

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2023年11月26日

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