あらすじ
ここにもある袴田事件、免田事件、財田川事件、足利事件の理不尽。
生きるということは、かくも哀しく美しいものか。照らし出される司法の闇、冤罪の虚構、人間の絆。作家の才能に嫉妬する。―堀川惠子(ノンフィクション作家・代表作『教誨師』)
突然、父親を奪われた少女に救いは訪れるのか? 事件の謎は戦前から令和まで引き継がれ、慟哭の結末は我々に生きる意味さえ問いかける、前代未聞かつ究極の「冤罪」ミステリー。世代を超えて社会の歪みと戦い続ける者たちの行き着く先とはいったい何なのか。
時代を超えて受け継がれる法律家の矜持に心が震えた。―五十嵐律人(作家・代表作『法廷遊戯』)
わたしはこれ以上のリーガルミステリを知らない。―染井為人(作家/代表作『正体』)
冤罪と冤罪で翻弄されたものたちが辿る刮目のドラマ。戦中、時局に媚びる社会情勢の中で苦悩する弁護士のギリギリの戦いは、本人が戦場に送られて戦争が終わってからも、正義を信じる弁護士や検事により引き継がれる。彼らが報われる日は来るのか? 社会のひずみを壮大なスケールで活写したリーガル・ミステリーの雄の渾身作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
初めての作家さん。
直木賞候補とのことで。
冒頭、時代や方言で読みにくいなと思ったのも束の間、どんどん引き込まれ、第一部と第三部、時代と共に文体も違ったテイストで、500ページ程の分厚さも、存分に楽しめた。
途方もなく長い年月。。当事者がどんどん亡くなる中、最後の最後まで、どこに終着するのか、ハラハラした。うーーん。まさか。。
何年もかけて追ううちに、真実よりも都合の良い結末を求めてしまったのだろうか。ここまで執着する意味とか、気付きながら引き返せなくなるほどに取り憑かれたように。
結果的に、全ての冤罪事件に関わる人たちの苦労が、泡になってしまうような結末、しかも、それはもっと前から隠されてきたことであり、誰かがどこかで断ち切らなきゃいけなかった。苦しい判断に、何が正解なのかと悶々となる読後感だった。
Posted by ブクログ
またしても激しく心揺さぶられる物語との出合いに感謝です。深い感動の後は、暫しその余韻に浸るべく言葉を上手く紡げません。冤罪をテーマとした重厚・骨太・壮絶な物語は、それほど価値ある読書体験となりました。
物語の舞台は、神が鎮座する「神都」と称される宇治山田市(現三重県伊勢市)。戦時中に、この聖地に似つかわしくない一家惨殺事件が起きます。当時8歳の少女の父が、逮捕・死刑判決を受けるも冤罪でした。少女は差別や偏見に負けず父を想い続け、熱意ある弁護士と出会って物語が動き出します。
昭和から令和にかけて、約80年にわたる冤罪との闘いです。司法の深い闇に、ただ一つの正義を求めて代替わりしながら挑み続ける弁護士たちの、執念の群像劇でした。法廷ミステリーというより壮大な人間ドラマの色が濃く、惹きつけられます。
戦時下で民衆の人権が無視され、国や司法の安定とメンツを守りたいが故に非道を行った検察側。時代に翻弄された理不尽すぎる運命は、家族にも社会的な死をもたらします。冤罪の恐ろしさと根深さをどこまでも突き付けられ、正義とは?と自問させられます。
伊勢神宮20年に一度の神事「お木曳き」の高揚感を効果的に挟みながら、人間の身勝手さや想いの深さ、命の儚さや愛おしさなど、奪われてはいけない尊いはずの人生を考えずにはいられませんでした。
こんな世の中ですが、諦めずに根気強く正していくのもまた人間なんですよね…。
折しも再審制度改正案が、法施行(1949)以来初の見直しで先月衆議院を通過しました。この改正案は、検察側による証拠の開示義務化や、再審開始決定に対する検察官の抗告の原則禁止などが柱で、果たして救済の実効性に確実につながるか、参議院での審議を見届けましょう。
昨年は、昭和100年・戦後80年に当たる年でした。相次いで発表された『神都の証人』(6.30発売)、『百年の時効』(8.20発売)、『デモクラシーのいろは』(10.2発売)は皆筆力ある傑作で、今読まれるべき作品揃いだと感じました。
Posted by ブクログ
直木賞の候補作。
これまでこの素晴らしい作品がノーマークだったが、ブク友の皆さんのおかげで、この本と巡り会えました。
冤罪がテーマで戦前から令和まで続くので、重苦しいし、ヤキモキする場面が多い。語り部は8歳で父親が強盗殺人の容疑で逮捕された谷口波子。
父親は死刑判決を受ける。
父親を支援する人達が長くて苦しい戦いを続けるのだが、父親の疑いは晴れるのか?
父親が冤罪なら、犯人は誰なのか?
500ページ弱の大作で、電車で立ちながら読むのは辛かったが、時間を忘れてしまうほどのめり込んだ。
Posted by ブクログ
この小説の発端の事件は昭和の戦時中なので、強引な取り調べとか酷いけれどあったんだろうなと思えますが、一度冤罪を認めてしまったら終わりというのは今も変わらないような...。昭和、平成、令和と続くスケールが大きい冤罪ミステリーです。冤罪に翻弄された主人公の八十余年に渡る闘いの日々。赤の他人なのにあそこまで信じてくれた人たちがいた事が救いです。500ページの大作ですが本当に読んで良かったです。
Posted by ブクログ
三世代に亘る冤罪と再審請求の闘いの一大サーガ。そもそもが戦時中の事件だからあり得ない杜撰な捜査と裁判だか、再審請求の即時抗告のシステムは今も変わらず。再審制度の見直しがやっと動き出した今、タイムリーな1冊。主人公となる各章の3人も誠実な1人目、破天荒な2人目、非エリート側の3人目とお決まりな流れでなく面白い。流石の直木賞ノミネート作品でした
Posted by ブクログ
良かったデス。面白い作品でした。
ちょうど少し前に、「袴田さんの」袴田さんとお姉さんのドキュメンタリーをテレビで見ていた頃でした。
胸が苦しくなる作品でした。
あまりにも長い、しかも戻って来ない貴重な年月の物語です。読み手もどこへぶつけて良いのかわからない憤りや、不条理に悶々としました。
これは物語であって、フィクションなのですが、
現実に起きている事件もあるので、戦慄しています。
冤罪が無実になって良かった良かった?だけでは終わらない物語になっていると思います。
その先の問題提起も孕ませていると思います。
いったいなぜこんなことが起こるのか?
いまも起きるのは何故なのか?
あの時どうすれば良かったのか?
この先の未来はどうすればよいのか?
それを阻むものの正体は何なのか?
作者の慟哭が聞こえるような気がしました。
今まさに国会でも審理中のニュースをよく目にします。
Posted by ブクログ
受賞はしなかったが、直木賞候補5作の中では一番読み応えあり響いた。重たいテーマだけど、引き込まれながらも魅力的な登場人物のおかげですらすら読めた。最後が少し混乱。戦中の非常時が冤罪を生み出した訳ではなく、人間の弱さが理不尽な現実を作り出す…でも自分がその場にいたら…無理だな…「その場しのぎで別のひずみが生じ、手に負えない巨大なものへ膨れ上がっていく。誰もが自分やその周りのことだけ考えて生きている。手の届く範囲の同情、自分が傷つかない程度の正義」「化物はとてつもない悪が産み落とすのではなく、むしろ普通の人間によって生を受けるのだ。…僕らのようなちっぽけな人の中に蠢いている」
Posted by ブクログ
大門剛明さん初読みでした✨
ブク友さんのレビューに読書欲を刺激され
手に取りましたが、ボリュームと表紙デザインの重々しさに、気合いが入りました。
読み始めるとアッという間にストーリーに引きずりこまれ、時を忘れてページがめくらさる。
長時間同じ体勢でいるのが苦痛になり、何度か体勢を変えたとて、軽めのストレッチが必要になるくらいの没入度…(*´ー`*)
最後の最後まで気を抜けない展開で、大満足の読書体験でした✨✨
各章のくくりで、波子さんは誰に語りかけているのかな…凪沙ちゃん?それとも…(-ω- ?)
大きな権力の前では真実や正義、人の思いは理不尽な理由で簡単にねじ伏せられてしまう。
それは現実に身近なところでも起こりうるが、
その中でも自分の信じる正しさを見失わないことって大切だよなぁ…と思わさった一冊✨
Posted by ブクログ
読み応えのある本であった。
最初は昔の話からはじまったので読み進められるかな、と思ったがあっという間にすすんだ。
戦時中から現代まで時を超えて1つの事件を再審無罪にしようと尽力していく様子を描く。
舞台は三重、伊勢神宮があることから神都といわれた。
谷口事件の真相は最後の最後、まさかと思ったが、
冤罪事件の周りの人は人生を大きく変えられてしまうと感じた。波子が逃げ出したくなる気持ちがよく伝わってきたし、もう一度向き合おうとしたタイミングでのタツが殺されてしまうのは心が痛んだが、それでも花田や伊藤太一など支える人がいたことは心強く思った。
Posted by ブクログ
これはすごい。
睡眠を削り、この2日の生活を破綻させ、読破した。続きが気になり過ぎて止まらない。
幼い子供から超高齢者まであらゆる人間の選択が、正しいのか誤っているのか天秤にかけられていた。
正義と嘘と保身と罪悪感といろいろな人間心理が試される。
最近、「正義」という名の行動に、闇を感じることが多々あるなと思っていたところ、この『神都の証人』を読むことで、さらに「正義とは?」と考えさせられた。
権力を持った時にこそ人間力が現れる。
だから、私は権力を持たない生き方を選択して生きているような気がする。自分の醜さが露見するのが怖いから。
Posted by ブクログ
分厚さに比例する重厚感。
サラッと読めないその深さ。
はじめはページをめくる手が重く、ああ、読みにくい、と断念しそうになりましたが、各章(部)の読み終わりは自然と目から涙がこぼれ落ちていました。
あっさり読めないのでうかつに手を出すと危険!なので、じっくり読める時間を持てるひとに手にとってもらいたいなと思いました…!
Posted by ブクログ
冤罪を晴らすまでの長い長い戦い...
読者は神視点だからこそ全部の物語を見られるけれど、途中で命尽きた人たちの無念さが沁みます...
そして衝撃の真実!
読み応えがあるのに読みやすく、とても良かった。
Posted by ブクログ
戦時中から令和まで、
実に80年に渡る冤罪との闘い。
ニュースなどでは見たことはあるが
再審請求とはこんなにも長期間かかるんですね。
一体司法とは、正義とは何なのか。
これは!という証言や証拠が出てきても
何度も何度も跳ね除けられる。
第一章 吾妻太一(弁護士)
第二章 本郷辰治(検事)
第三部 伊藤太一(弁護士)
第一部も第二部も
最後に「えええ」と私が絶望して
挫けそうになった。
第三部は最後のどんでん返しに
声が出るほどびっくり。
そんな(涙)、、。真実は想像以上の衝撃でした、、。
吾妻さんに憧れて
弁護士になった伊藤捨次郎。
父を信じ、息子にその憧れの人の名前を託して、活動していたんだなぁ。
本郷の話が一番面白かった。
そして波子と幸せな時間を
もっともっと過ごして欲しかった。
Posted by ブクログ
冤罪を晴らす王道のストーリーかと思いきや、想像をはるかに超える壮大なスケールで展開していく作品。
一部、やや強引に感じる急展開もあったが、ラストに待ち受ける「正義とは何か」という問いかけには、前段の重厚なストーリーの積み重ねがあってこその、圧倒的な説得力と深さがある。
Posted by ブクログ
冤罪事件に真っ向から立ち向かった弁護士たちと検察官の物語。国家権力の非道さと見捨てられていく人々、やりきれない思いもあるが、真実を求める少なくない人々に希望を感じた。骨太の読み応えのある物語。
Posted by ブクログ
は〜すごかった〜おもしろかった〜
冤罪がテーマの戦中から約90年にわたる話。
3冊ぐらい読んだ感じがする。
最後は好みが分かれるかな?無理やりどんでん返しにしなくてもとも思ったけど、作家としてはそういうわけにいかんのやろね。
Posted by ブクログ
賑やかな関西弁の場面から入り、物語に入りやすい。テンポよく進む話は数十年の歴史を描く。
人情や各人の個性が繊細に表現され、多方面から筋の通った冤罪というテーマを掘り下げていく。
ボリュームはあるものの飽きずに読み進められる冤罪ミステリー。
また、モチーフとなった事件が存在するのも興味深い。
法律は人権や基本的な営みを道徳の観点から守ってくれるものと理解しているが、ひとたび頭のいい人がそれを保身や武器に使おうと試みるなら、法律ほど残酷なものはないと思った。また、法律は不備や欠陥があると危険なものだと、改めて思う。
ぜひ最後まで読んでほしい。
Posted by ブクログ
意外と壮大な物語だった。
時代や世代が移り変わって物語は進んでいくけれど、読み終えてみると大事なことは序盤に出てくる「正義とは何なのか」ということに尽きる話だったように思う。
Posted by ブクログ
冤罪で死刑判決を受けた父。
そして、8歳でたったひとり残されてしまった娘。
昭和から令和へ――80年という途方もない歳月をかけ、「無実」を証明しようとする人々の執念と祈りに、何度も胸を揺さぶられた。
人を裁くことの重さ。
一度下された判決を覆すことの絶望的な難しさ。
正義を信じるだけでは越えられない現実の壁にぶつかりながら、それでも希望を手放さずに進み続ける姿が、深く心に残る。
ニュースを見ていて、「判決まで慎重すぎるのでは」「死刑執行まで長すぎるのでは」と感じたことは少なくなかった。
けれど、この物語を読んだ今は、簡単に答えを出せなくなった。
もし、ほんのわずかでも冤罪の可能性があるのなら――その“重み”を、どこまで背負えるのか。
読後、すぐには感想を書ききれなかった。
それほどまでに、「正義とは何か」を静かに、そして重く問いかけてくる作品だった。 ★4.0
Posted by ブクログ
一度“冤罪”の烙印を押されると 無罪を勝ち取ることの なんて困難な!
そんな酷い無念な人生を送らされてしまった人々は どれくらいいたのでしょうか?
この物語のように 無罪を勝ち取ることができても 気の遠くなるような年月が経過してしまっている。
何の為に生まれてきたのか、自分の人生は何だったのか。“冤罪”の怖さを改めて思う。
Posted by ブクログ
読み応えのある一冊でした。長い長ーい気の遠くなるようなはなし。冤罪のはなしではあるが、その時代の事情なども入ってやるせない感が胸にくる。
ネタバレになってしまうが、本すじとは少しずれるが、池内の最期の場面はこの話の本当に言いたかったことがギュッと詰まっていた。
最後まで結末が読めなかった。本郷の無念さには、涙が溢れてきた。幸せになってほしかった。本郷が結末を知ったら、どう思うだろう。無実が、わかればそれだけでいいとは、やはり思えない。その影にはやはり犯人がいるわけで、どんな真実でも知りたいと思う。
Posted by ブクログ
昭和18年、三重県伊勢市で一家三人が殺害される殺人が発生。事件当時、谷口喜介は娘の波子とお木曳を見に行ってたのにも関わらず逮捕され、死刑判決を受ける。弁護士の吾妻太一は谷口喜介の冤罪を証明するために奔走するが…
大河小説が好きだ。
Wikipediaによると、大河小説とは“一個人の生涯、あるいは一族の数世代にわたる歴史を、社会的・時代的背景とともに広範囲に描いた長編小説“。時代の移り変わりと共に、登場人物達が成長しつつ世代交代していく人間ドラマに魅了される。既読の大河小説では、『赤朽葉家の伝説』、『檜垣澤家の炎上』、『百年の時効』が非常に面白かった。私の本棚で“大河小説”でタグ付けしているので、興味のある方は是非ご覧下さい。ちなみに大河映画だと『ゴッドファーザー』シリーズも好き。
話がそれたが、本書は「冤罪」をテーマとしたリーガルミステリかつ大河小説。冤罪を疑い真実を追い求めて奔走する検事や弁護士らが、時代を紡ぎながら信念を受け継いでいく。およそ80年の時を経て、事件はどう着地するのか。若干作為的な展開が目につくが、読みやすくて読み応えも充分。登場人物の中では本郷辰治が好漢。「法的安定性」について語るくだりが印象に残った。
「なあなあ、あんた」から始まる伊勢弁の語り口も情緒があって良い。私自身、三重県には少しだけ住んだことがあって、本書に登場する伊勢弁「〜やに」とか「ケッタ」とかなつかしかった。伊勢神宮にはまだ行ったことが無い。“神都“と呼ばれる三重県伊勢市山田。いつか行ってみたくなった。
山田風太郎賞 授賞
Posted by ブクログ
敗因は、第三部かなぁ…。
第一部、第二部と順当に来て、第三部になっていきなりジェフリー·ディーヴァー張りの連続ツイストを極めようとしたけど、捻り過ぎて途中で捩じ切れちゃったような、なんとも残念極まりない感じ
Posted by ブクログ
ものすごく面白かった。
吾妻太一で1冊走り抜けるのかと思いきや、あっさり早逝していく。その後の人物もしかり。
テーマとなる冤罪事件が、戦時日本の圧政による影響を大きく反映している中において、こうした命の儚さ、軽さがより一層、蓋し当時の惨憺な状況を色濃く印象付けてくる。
ここに化物がいる。主権が天皇から国民に移ろうが、ずっとこの世を支配し続けている気色の悪い塊や───
たとえ生活が豊かになっても、暗黙の社会通念として根を張って朽ちることのない化物と、それに挑む不屈の正義との長い戦いを描いた一冊。
Posted by ブクログ
(とても良)初めて読む作家さんです。戦時中の冤罪、死刑との80年にも及ぶ戦い。徐々に熱が上がってきたところで吾妻先生の急な幕引きによりさらにその後の展開がわからなくなり、グッと引き込まれました。不良少年タツやんが惚れた女のために猛勉強をして検事になるなんて。そしてあのタイミングで伏線回収するなんて。ラストは知りたくなかった残酷な現実が待っていた、、。読み応えがありました。再審請求の法整備は進んでいるのだろうか。
Posted by ブクログ
始まりは昭和18年。
本の厚さからして、これは吾妻太一の長きにわたる戦いの物語かと覚悟を決めて読んでいたら…
あぁ。
第二部で弁護士が「捨次郎」と名乗ったときには、しんみりと熱くなった。
時代や状況がどんどん変わっていくなかで、
うまく行きそうになるとまさかの展開となり、正義を貫くことがこんなにも困難なのかと私の方が挫けそうになった。
自分やその周りを守りたいという思い。多少の犠牲は止むを得ないと切り捨てる心が化物を生み出すのなら、阻止することは難しいかもしれない。そんなふうに感じてしまうこと自体、間違った正義だと
「法的的安定性?あほちゃうか」
「自分が傷つかない程度の正義、もうそんなのは嫌だ」
の言葉に気付かされた。
Posted by ブクログ
やきもきしながら数日で一息に読んだ。
戦時中なんて遠い昔と思っていたけど、令和まで続くこの事件の顛末を読んでいると、地続きなんだと実感する。そしていかに再審が難しいかということも。
とても面白かったのだけど、最後の大どんでん返しだけはさすがにやりすぎな気がした。そこまでの波乱万丈で十分だったのに。それがないと本当に描きたかったテーマがぶれてしまうのかもしれないけど…。
偶然財布が落ちていたというのもなんだかモヤっとする。
あいまに挿入される語りかけの手法もあまり好きではなかった。
とはいえ、久しぶりに夢中になれた大河小説だった。
どうにか谷口の冤罪を晴らそうと人生を懸ける各章の主人公たちの中では、やはり本郷辰治がいちばん魅力的だった。あと吾妻編で出てきた法医学の先生がかっこよすぎる。
Posted by ブクログ
昭和18年の事件の判決に対し、冤罪を証明する為に弁護士やその家族が奔走する。司法が下した判決を覆す為の努力や弁護士が変わってもバトンを繋いで粘り強く訴えかけ続ける過程に一日でも早く決着が着くように、と願ってしまいました。
Posted by ブクログ
昭和18年、まだ戦争があったときの話。弁護士の吾妻太一は、1人の少女と出会う。谷口波子という少女の父親は殺人の容疑で捕まった死刑囚だった。しかし波子は「お父ちゃんは無罪や」と主張する。警察による尋問での暴力などが横行し、無実の人々が有罪になる世の中で、弁護士として何ができるのか苦悩する吾妻。谷口の無罪を証明するために、立ち上がる。昭和、平成、令和と時代を超えて弁護士たちが戦う物語。
超大作!長かった〜途中集中力が続かなかった…最後の裁判の結果には驚いた!波子の思いがどんどん時代を超えて繋がっていくのがとても良かった〜