あらすじ
だあれが殺したコック・ロビン? 「それは私」とスズメが言った――。四月のニューヨーク、マザー・グースの有名な一節を模したかのごとき不気味な殺人事件が勃発した。胸に矢を突き立てられた被害者の名はロビン。現場から立ち去った男の名はスパーリング――ドイツ語読みでシュペルリンク――スズメの意。そして“僧正”を名乗る者が、マザー・グース見立て殺人を示唆する手紙を送りつけてきた……。史上類を見ない陰惨で冷酷な連続殺人に、心理学的手法で挑むファイロ・ヴァンス。江戸川乱歩が称讃し、後世に多大な影響を与えた至高の一品。
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Posted by ブクログ
傑作探偵小説と名高いので名前だけを知っていました。てっきり僧院での殺人事件かと思っていました(^_^;)
マザー・グースの童謡に見立てるかのような殺人事件を素人探偵ファイロ・ヴァンスが解決する探偵小説で、犯人が「僧正」と名乗っているのでした。
私の年代(50代)だとマザーグースはある程度知っている気がする。子供向け番組で「ロンドン橋落ちた♪」「ワンリトル ツーリトル スリーリトル♪」は流れていたし(いまでも「十人の良い子♪」と歌われているみたい)、『不思議の国のアリス』で「ハンプディ・ダンプティ」は知っていたし、なんといっても『ポーの一族』と『パタリロ!』で「誰が殺したクックロビン」を知った人たちは多いはず(^○^)、アガサ・クリスティなどでもマザー・グースはお約束ですしね。
私は西洋の文学、美術を楽しむには「聖書」「シェークスピア」「マザーグース」をある程度でも知らないとわからないと思っていたのですが、こちらの本のあとがきでも「マザーグース由来の言葉がたくさんあり、英語圏に与えた影響は大きい」ということが書かれていました!
本書が「傑作」と言われるのは、マザーグースの見立殺人をしてそのあとに新聞社に手紙を送りつける犯人の「僧正」の異様生、殺害トリック、そして何と言っても殺人の動機でしょう。
連続殺人だと、遺産だとか恨みだとか、関係のある人が犯人だと想像がつくのですが、この「僧正」はそのようなものを全てぶち壊しております。
小説に出てくる人たちは大半が数学者、科学者、またはチェスに打ち込む人のように公式や論理を使う人。
ファイロ・ヴァンスはこの連続殺人を考えるにあたって「学者にとって、広大な宇宙、微小な元素こそが彼らの現実。考え続けると通常の人間の生活を乗り越えてしまう学者もいる」といいます。
つまり、頭の中の現実があまりにも途方もなさすぎて、現実の人間の命を軽んじて、しょうもない子供の遊びを具現化せざるを得なくなるってことで、それが今回の連続殺人の動機だと。それなら犯人判別は難しいですねえ。(小説なので登場人物内に犯人がいるので分かるけどさ)
ヴァン・ダインによるファイロ・ヴァンスシリーズは、作者による注も面白いですね。尾行したのは〇〇刑事、というところに注がついていて「この刑事は前の事件でファイロ・ヴァンスの手伝いをした」みたいに、その人物の豆知識のようなものが書かれています。
作中においてヴァン・ダインは「貴族ファイロ・ヴァンスの法律代理人で、友達で、記述者」なので事件のすべてを知っているんだけど、本当にただ見聞きしているだけ。書き手のヴァン・ダインが完璧に「傍観者」に徹しているので人物とか思考が見えない…。
ちょっと見えたのは「私のメモは完璧だ」と言っていたので、ちょっと厳しそうなファイロ・ヴァンスと仲良くやるだけあって、作中のヴァン・ダインもなかなか拘りの人なんだろうなあと思いました(^_^;)
Posted by ブクログ
ずっこい
新薬ずっこい!いや新薬て!おじいちゃん今は新しいお薬が出来てずいぶん楽になったわね〜か!だとしてもそんなに離れてないわ!( ゚д゚ )クワッ!!
新訳です(わかっとるわ!)
はい、ね
「多重解決」の元祖バークレーの『毒入りチョコレート事件』に続き、「見立て殺人」の元祖ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』です
ボロクソ面白かった!
ぜんぜん今でも通用するよこれ
そして、たぶんわい中一とかそのくらいに一回読んでるんよね
そんで、当時もっと難しかった気がするんよ
で、今回読んだら凄い分かりやすかった
これはもう新訳効果ですよ完全に
大人になって理解力が上がったとかじゃないと思うんですよ
むしろそこはあんま変わってないと思うんですね
なんかごめんなさい中一で成長止まってしまってなんかごめんなさい
ほんと、今の子はうらやましいわ〜
こんな分かりやすい訳でヴァン・ダイン読めるなんてさ
おぼっちゃまか!( ゚д゚ )クワッ!!
じいやに手取り足取りか!( ゚д゚ )クワッ!!
はぁ〜、しかし困ったな
海外古典ミステリー…新訳で全部再読したくなってきた
Posted by ブクログ
あの衝撃的な一言で僕がその存在を知ることになったヴァン・ダイン。いつか読みたいと思いながら5年以上経ってしまった。マザーグースの歌に見立てた連続殺人、警察を嘲笑うかのように郵送されるマザーグースの歌、と古典ミステリーを煮詰めたかのようなお話。怪しいと思われた登場人物は次の章に殺され、また新たな容疑者も次の章に殺されを繰り返し犯人の自殺で片がつく。かと思いきや事件はまだ終わっていない。犯人の最後の犠牲者を救出し、真犯人を追い詰めた、と思いきや本当の真犯人は別にいた…、急展開のオンパレードのようなお話。特に終盤の盛り上がりは本当にドキドキした。途中までは彼かなぁとか思ってたけど終盤にアーネッソンに変えてしまった。まぁ犯人当てを狙う作品ではないとはいえ、してやられた気分。
古典的名作の捉え方について。エラリー・クイーンもヴァン・ダインも、ディクスン・カーも、書き方に癖があって読むのは疲れる。話の内容も「言うほど面白いか?」と思うものも多い。そんな古典的名作とどのように向き合えば良いか?「歴史を知る」ってのがその答えかなと思う。僧正殺人事件は江戸川乱歩や横溝正史に影響を与えた。ドイルもクリスティもエラリーもヴァンもカーも、彼らの存在があるからこそ今現在も推理小説というものは存在している。僕は推理小説全てを好きでいたい。自分の考える面白いと古典的名作の面白さが違っても、古典的名作も面白いと思えるようになりたい。そのために必要なのは感受性かなと思う。作中の登場人物のようになりきれれば、彼らと同じようにドキドキできる。もっと、もっと、感受性を高めたい。
Posted by ブクログ
劇的にどんでん返しがあるとかではないが探偵役ヴァンスの知識量がえげつない。
つまり作者本人の知識量がえげつない。
ヴァンスの頭の良さをこれでもかと説得力たっぷりにえがいてくれる。
Posted by ブクログ
古典ミステリを読もう企画
かなり面白かった。
なんとなくヴァンダインは堅そうなイメージがあったが、キャラもコミカルで読みやすかった。
見立て殺人の傑作として、マザーグースの詩になぞらえる不気味さとスリルが続きを読みたくさせる。
警察陣と一緒に犯人はこいつか、いやこいつか…と最後まで振り回された。
アーネッソン気に入ってたから良かった。
古い本格にありがちな犯人自殺はあまり好きではないのだが、まぁ仕方ないね…自殺擁護の話をして納得させようとしてるのか…と思ってたらの結末!
ヴァンス好きだなぁ。
注訳も登場人物のヴァンが書いてる風なのもちょっと好き。
Posted by ブクログ
うーん、控えめに言ってめちゃくちゃ凄いのでは?
なにより見立て殺人の動機が原点にして頂点でしょこれ。容疑の押し付けの方ではなくて、無意味な童謡と殺人を結びつけることで、有意味だったはずの地上的な人間生活とやらを根本から破壊するという壮大なユーモアの方。犯人の造形からも説得力あるし、原点からこんなにぶっ飛んだの用意してるとは思ってなかったよ、すげえなヴァン・ダイン。今や忘れ去られてオタクしか読んでない作家らしいけど、またいつか長編制覇します…いつかね…
本格としては『グリーン家』には劣るけれど、童謡見立て殺人(大好き!)の元祖という偉大さから評価は甘めに。『そして誰もいなくなった』はこれがなくても生まれてただろうけど、『悪魔の手毬唄』や『山魔の如き嗤うもの』はひょっとするとなかったかもネ… という感謝も込めて。
Posted by ブクログ
「僧正」とはよくわからないけど、チェスのビショップのことらしい。
登場人物は、数理物理学者、数学の准教授、科学者など理系揃い。
学者さん達が専門的なことを語りだすと、もう何言ってんのかさっぱりわからない(^_^;)
この作品は童謡見立て殺人の原点らしい。
この作品の10年後にクリスティーの『そして誰もいなくなった』が出版されたとのこと。
マザー・グースが日本では馴染みがないので、見立て殺人はあまりピンとこない。
日本で例えると「はないちもんめ」「ずいずいずっころばし」「あんたがたどこさ」みたいなものかな?
それなら子どもの時によく遊んだから、懐かしい思い出の中に殺人が紛れ込んできた恐ろしさみたいな感覚は確かにわかる気がする。
ということで、チェス、理数系、マザー・グースと3つ揃って自分の馴染みのない分野だったので、面白かったけど読むのに苦労した。
もし1冊目にこの本を読んでいたらヴァン・ダインの2冊目以降は読まなかった。
1冊目に読んだ『グリーン家殺人事件』はすごく面白かったので、特に初読みの作家の場合に有名だからではなくて自分の好きなテーマかどうかで選ぶのはすごく大事だと思った。
※ここから『僧正殺人事件』と『Yの悲劇』の2つの作品の完全ネタバレしてます。
ラストまで読んで驚いた。
ラストの解決方法が『Yの悲劇』と同じだったから。
シチュエーションは『グリーン家』と似ていて、ラストは『僧正』と同じとは…。
『Yの悲劇』の探偵ドルリー・レーンはあんなに苦悩して決断したのに、『僧正』の探偵ファイロ・ヴァンスは、思いつきで悪びれもなくあっさりとやってしまう…( ゚д゚)
『グリーン家』(1928年)+『僧正』(1929年)の良いとこ取りして更に練り上げたのが『Yの悲劇』(1932年)のように感じた。
エラリー・クイーンの『Yの悲劇』を読んで、ヴァン・ダインはどう思ったのか気になるところಠಿ_ಠ
Posted by ブクログ
非常にウィットに富んだ古典ミステリーの名作。 本作を読み終わった時、これと同じ犯罪手法を描いた作品がいくつも思い浮かんだ。名作とは、そういう作品のことを指すのだろう。
Posted by ブクログ
騙された。やや地理的な面やアリバイなどに関する時系列がややこしいので、解きにかかったわけではなかったが、まんまとトリックにかかった感じ。
しかしヴァンスが探偵としてさほど有名でないのは、やはり異彩を放つ魅力のような点ではホームズやポワロたちに一歩劣るからかなと失礼ながら考えた。
骨組みやトリックの完成度には文句のつけようもない素晴らしさがあるが、その肉付けの部分にもう少し味わいが欲しかったかも。
しかしそれでも、本格ミステリのファンは満足できる1冊であると思う。
Posted by ブクログ
小学生の頃から知っていたのにようやく読んだ見立て殺人の元祖。登場人物を覚えるまで読みにくかったが、事件が次々と起こるうちにのめり込んでいった。結末のヴァンスの行動は、コナン君で育った私にとって度肝を抜く展開。それアリなの?当時のアメリカ人の感覚ってこんなもの?と疑問符がいっぱい飛び交う。動機が理解できなかったり、現代の感覚ではあり得ない展開だったり色々とツッコミ所はあるものの、全体的には面白かった。古典ミステリの名作を読めた達成感が大きい。
Posted by ブクログ
苦手そうと思いつつ手に取ってみたのがちょうど4月で、小説の舞台と一致する時期に読むのが好きなのでページをめくり始めたら意外にすらすら進めて一気に終わった。推理力がないのに、それなりに古典ミステリーを読み溜めてしまったために、第一の殺人の時点で犯人と動機が思い浮かんでしまい(一番連想したのは映画のローラ殺人事件だったが)、怪しい人物が出てくるたびにやっぱり自分間違ってたのかな、と揺さぶられつつ結果は予定調和…まっさらな気分で堪能できないのは残念だが雰囲気が好きで楽しめた。
後輩エラリークイーンよりもっとペダンティックな探偵と言われるので腰が引けてたけれど、初期EQで免疫ができていた+蘊蓄の内容に必然性があるというかストーリーに馴染んでいる(端折ってしまうと「数学者は殺人に抵抗を持たなくなる」とか現実的には荒唐無稽な暴論ながら小説の中で説得力のある意見として機能させるために一見冗長な学識データが生きているところなど)。衝撃の結末?も、こちらを本歌取りしたようなYの悲劇では「え… (だめじゃない?)」だったけど、元祖は(犯人の年齢もあるかもしれない)ワイングラス入れ替え時のとってつけた「チェリーニの飾り板」発言が、探偵の衒学キャラクターの効果で妙に鮮やかに決まっていて、種明かし時に不謹慎ながら笑ってしまった。法の執行者に咎められる場面から直接最後の1ページで大人の判断になったんだなとわかる終わり方自体大人な感じ。透明人間なナレーターとその原注もなんだか斬新。
Posted by ブクログ
全ての伏線が見事に回収される。名作古典の力を思い知る作品。
古今東西の探偵が出てくる話において私個人としては法律に則らず探偵自身が裁きを下すことについては受け入れられない感情はある。けど洗練されていて気持ちよく読み進めた。
家政婦や使用人が普通にいる話が何となくイギリスとかヨーロッパを思わせるんだけど地名がでてきて、そうだ、昔のアメリカなんだ、そういえばこの時代のアメリカの探偵小説を読むの初めてだなあ、と気づいた。
ヴァン.ダイン、今更ながら好きになりました。
他作もじっくり読んでいきます。
Posted by ブクログ
見立て殺人。探偵役のヴァンスの深い(何をいっているのか分からないくらいに専門的といってもいいくらいには)知識。「そうくるか!?」のような感動はありませんでしたが、全体的にまとまっていて読みやすく、事件の不気味な雰囲気、探偵の魅力ともに後年のミステリーに大きな影響を与えたことが分かる作品でした。
Posted by ブクログ
最後まで引っ掻き回されたが、しっかり終わった。数学のパートは全くわからなかったが別に分からなくても読める。分かるべきところはちゃんと明言されている。だから数学パートは読み飛ばしても大丈夫だ、安心して読め。
誰目線の物語か最初はわからなかったが、特筆して書くようなことでもない。この作品の鍵となるヴァンスのセリフが心に残る。
Posted by ブクログ
マザーグースを多少知ってると、話の面白さがわかる。「おぞましく、狂気に満ちた」と書かれているけどずいぶんこじつけのようで、しかもトリックも簡単なわりに有名な本だと思ったら、どうやら初の見立て推理小説らしい。トリックや推理に主眼をおかず、読み物として殺人の方法に趣向を凝らすタイプの。
Posted by ブクログ
ヴァンダインの代表作の一つに挙げられることが多い作品なので読んでみた。文学や数学についての肉付けが多くやや疲れるが、事件の進み方、解決パートについては全く古さを感じない優れた作品だと感じた。教授が罪をなすりつけたのはなるほどそういうことか、と。
ワインを入れ替えるくだりは『バイバイ、エンジェル』を彷彿とさせる。あの作品もかっこよかったなぁ。
Posted by ブクログ
学術的な話や芸術作品の話が合間にちょくちょく出てくるので難しく、最初は読み進めるのに苦労したけど後半は一気に読んでしまった。
確かにこれはミステリを読む上で読んでおかないといけない一冊、という感じ。
そして最後のダークな終わり方が後味良すぎなくてよい。
なるほど乱歩が絶賛した理由も分かるかも。
解説に後世のサイコ・サスペンスにも影響を与えていることが言及されていたけど、確かに映画のセブンとかも見立て殺人だもんね。ふむふむ。
本作を読んでいて、読書をする上での自分の知識不足をとても感じた。
注釈が書いてあっても全然分からない、、
アリアドネは阿刀田さんの「ギリシア神話を知っていますか」を読んでいたのでかろうじて分かったけど、、
あとはアベンジャーズからのロキ 笑。
とりあえず欧米の作品を読むのに世界史とギリシア神話は知っておきたい。
Posted by ブクログ
「ファイロ・ヴァンス」シリーズ第4作。見立て殺人の嚆矢として知られる作品ですが、確かに異様な不気味さを作り出しているものの、マザー・グースの詩に見立てなければならない理由は特に見当たらず、やや不満が残ります。
それでも、教授同士の心理戦、犯人の動機、ラストのどんでん返しなど見どころ盛り沢山で、ミステリー史に残る名作と謳われているのも頷けます。
Posted by ブクログ
「見立て殺人」の始祖的作品ということで読んだ。マザーグースの歌になぞらえて殺人が行われる。
登場人物がかなり死んだのもあり、最終的に容疑者が教授、その弟子筋にあたる数学者の男性、教授の姪くらいしかいなかった。この弟子の数学者男が犯人かと思わせておいて(作中でもヴァンスがその体で話を進めていて)最後の問答をしているところで教授がワインを飲み死ぬ。教授が数学者男を犯人にするために仕立て上げた犯罪だったと判明する、という流れ。
序盤から捜査に顔を挟んできた数学者男が犯人かと思ってたら教授だったので驚いた。ひとつひとつの殺人はマザーグースの見立てがあるだけで、どの殺人も容疑者達なら可能な内容だった。タイプライターなどの証拠も家にあったし。
一番驚いたのはヴァンスが青酸カリが入ったワインに気づいていて、気づいた上でそれを数学者男のものとすりかえて教授に飲ませたことだ。教授が数学者男を自殺に見せかけて殺すつもりで入れた青酸カリで、教授自身が死んだ。そのワイングラスをすり替えたのはヴァンスという事実に驚いた。死なせてもいいかとヴァンスは思ったのだろうが、名探偵がそんな選択していいんだ、と驚いた。
Posted by ブクログ
マザーグースと数学者
結びつきそうにない二つが、殺人事件という現実で出会う。
そもそも童謡にはホラーが潜んでいる。
ミステリーには合理的な結末が求められる。
意外にもこのふたつは相性が良いらしく、ミステリー小説の連続殺人事件の演出に、まま使われている。
この小説はその原点のひとつらしい。
そんな目で見て、読んでみるのも楽しみのうちかも……
Posted by ブクログ
再読
のはずだけど、ぜんぜん覚えていない。実は読んだという記憶すら怪しい。
見立て殺人の嚆矢となる作品なんだそうだ。マザーグースに見立てた作品は多いけど、残念ながらマザーグースに詳しくないので、どうにもピンと来ない。ちょっと苦しい。
Posted by ブクログ
今作は見立て殺人の原点らしい。
コックロビンを模した殺人、その後もすずめなど、犯人もマザーグースを意識して展開していく。
終盤は犯人を引っ掛けてから推理披露まであっという間の展開で面白かったのだが、そこに辿り着くまでが長かった。序盤はコックロビンの歌の話でまだ読みやすいのだが、中盤は登場人物の会話が飛び交いながら、チェスや数学の話であまり頭に入ってこず。なんとなく読み進めていたら矢が女性用のものであるとか、追加で殺人が起きたとか、何かしら判明したり起こってはいるのだが。
ラストは予想外に呆気なく死んでいったというか、ヴァンスが見殺しにした形ではあったが、犯人が捻くれていて結構面白かったので序盤と終盤だけなら★4。
原注・訳注にて、マザーグースの歌が色々と紹介されている。馴染みのあるものもあれば(ジャックホーナーぼうやなど)知らないものもあり、マザーグース解説本を読みたくなる。
Posted by ブクログ
マザーグースに殺すとか鉄砲であたま吹っ飛ばすとか、そういう歌があるってことが一番驚き。ヴァンスの蘊蓄はダルくて読みとばしちゃった。なんか、なんでそこで苛つくの?喧嘩になるの?って思う場面が多かったな。
犯人は理解したけど色んな登場人物の情緒が分かりませんでした。
Posted by ブクログ
見立て殺人の元祖、ということでかなり期待して読んだのだが、殺人の動機があまりピンと来ず、そんなには楽しめなかった。
ラストのグラスの入替も、「そんなんあり?」というのが素直な感想。
Posted by ブクログ
見立て殺人を扱った小説の元祖ということで読んでみた。マザー・グースの歌に見立てて殺人が行われていくが、動機やトリックのようなものが、数学者的な理由からということで、方程式やら法則やらなんやらと探偵ヴァンスは説明してくれるが、「ほう!そうか!」とはならず、少し消化不良。ただ、色々な見立て殺人の大元になった作品というこという点では、読んでよかった。
Posted by ブクログ
世界初の見立て殺人。
見立て殺人というジャンヌを開拓したのは非常に素晴らしい話だとは思うが、その一方、なんのために見立て殺人で色々な人を殺したのか、の部分が弱いと感じたのも事実。
Posted by ブクログ
エラリー•クイーンの作品から続いてヴァン・ダインの作品へ。100年ほど前の推理小説でも古さはそんなに感じない。この作品から読んでしまったので登場人物の今までの関係性は深く理解していなかったかも。犯人逮捕までなかなか進展せずに、ほぼ全ての人が犯人になり得る可能性を秘めたまま、ラストのラストで大どんでん返し!
Posted by ブクログ
ヴァン・ダインの代表作と呼ばれる作品。
これから読まれる方はグリーン家殺人事件を先に読んでからの方がいいかも。
見立て殺人はどちらかというと猟奇的な部分のみが目立ちがちだが、
ヴァンスの心理的観点からの推理や、特徴的なキャラクター達も相まってよかった。
Posted by ブクログ
マザーグースの詩の内容通りに起こる連続殺人事件。怪しい人ばかりで容疑者だらけな感じから始まります。
マザーグースってちょっと薄気味悪さを感じるトコロもあって、それと殺人事件とかナイスなタッグでした。
プラウザで読めない
SS、スチームシップ、ヴァンダイン。
6本くらいが著作数ではベストと言いつつ、12本くらい書いている。
グリーン家と並んで評価が高い本作品。
何故かプラウザで読めない設定になっていることに対する評価であって
中身とは関係ないです。
中身はクロフツの樽並みに面白い。クイーンさんよりは、やっぱし上。
Wアイリッシュとかもでないのかな、
お好みで。