【感想・ネタバレ】傷を愛せるか 増補新版のレビュー

あらすじ

たとえ癒しがたい哀しみを抱えていても、傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷とともにその後を生きつづけること――。バリ島の寺院で、ブエノスアイレスの郊外で、冬の金沢で。旅のなかで思索をめぐらせた、トラウマ研究の第一人者による深く沁みとおるエッセイ。解説 天童荒太

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ネタバレ

本当に実力がある人は、競争に勝とうと思ってやっているのではなくて、やりないことを自分のスピードに合わせてやっていたら、いつの間にか勝っているのかもしれない

ブルーオーシャンを探す方法は、
ランダムな組み合わせ。二つのテーマやキーワードをランダムに組み合わせる。

全ての人生のコツは、無駄な力を抜くこと

人の価値が下がっている

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2026年08月08日

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やばい、かなり好きかも。
ものすごく正直な言葉で、だからこそすっと奥まで入ってくる。

そしてもの静かで温もりがあって安心できるような余韻がある。

何かに似てると思えば、教会みたいな感じだ。祈りと慈愛と、時間をかけて醸成されるあの独特の空気。
本を読んでこんな感覚を覚えたのは初めてかも。なんでだろう。恣意がなく、自然で、少し濁ってるような。

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2026年07月27日

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学生時代に『環状島』モデルで知ったことを思い出しながら購入。ノウハウではなくあくまでエッセイという形で、傷に真摯に向き合う筆者のスタンスが通底している文章だった。

あまり本筋とは関係がないが、怒りが他者に対する羨望でもあるという記述が興味深かった。

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2026年07月11日

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傷を愛せるか。
文庫本の背表紙を読んだ時ちょっと泣いた。
過去の失敗をいつまでも引きずったり、人と比べて落ち込んで自己嫌悪になったりと感情に振り回されやすい自分を肯定してもらった気分。

傷ついた心やトラウマの乗り越え方が書いてある訳ではないけれど作者自身の嫌だと思ったことトラウマを深く考えていくことで私自身も解れていく。

正しさや完璧さ強さに憧れて不安に押しつぶされそうになるときに弱いままで何もできない自分を受け入れ愛してあげたい。
弱いまま強く生きていきたい。

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2026年06月21日

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筆者の心の奥底の正直な部分が書かれており、とても深みがある。「記憶の淵から」の章は特に心の奥底に染み渡り、表題の「傷を愛せるか」は深い愛に触れる感じがする。長く手元に置いておきたい一冊

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2026年06月18日

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優秀だからこそ「よい人」でありたいと思う人も多いが、
人の痛みへの共感は自分をも傷つけかねない。

頭を使い、心を込め、気を配り続ける事は、
脳神経系の「体力」を激しく消耗する。

肉体の過労はわかりやすいが、
頭や心の過労は見えにくい。

肉体は動きを止めれば休養できるが、
頭や心は職場を出てもすぐにスイッチを切れない。

『傷を愛せるか』 / 宮地尚子

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トラウマ研究の第一人者、宮地尚子さんのエッセイ。
恋人が記念日にプレゼントしてくれた大切な本。

傷の大きさはそれぞれだけど、みんな心に傷を負って生きてる。
いつか血が止まり、かさぶたになって、痛みはなくなっても、
傷あとはずっと残り続ける。

心の傷は完全には癒えないし、脆く壊れやすくもなる。
ただ、その弱さを受け入れる強さも身につけていきたい。

#宮地尚子 さん #傷を愛せるか
#読書記録 #読書感想文

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2026年05月24日

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著者の水の表現がとても好きだった。
海は怖いけど、プールの中から見える外の光のきらめきが好きだったのを思い出した。

明日の出会いの前の静けさ

誰かに非常に腹が立つときは自分がやりたいのにできないでいることをその人がしているから

包帯クラブ読みたくなった

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2026年05月04日

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正直で、誠実な優しさに溢れた本だと思いました。特に弱さを抱えたままの強さでは、自分の弱さは敵ではなく、自分そのものであり、それらを認めて力を抜くことで自分らしさみたいなものが見出せると感じました。着飾ったり、見栄を張ったり、隠そうとする部分も少し外に置くことで違う見え方や感じ方、新たな発見につながっていくのかなと思いました。この本に出会えてよかったです。

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2026年04月14日

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素直な文章ですっと入ってくる。
他者を、自分を、他者の傷を、自分の傷を愛せるか。
著者の様々な経験を通じた発見や考察を通じて、考えることができた。

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2026年07月29日

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傷を人に見せ、表現できる人を羨ましく思う。
それと同時に、ヘラヘラしてごまかす自分と相手に対しても苛立ちや否定の言葉が出てくる。
自分の情けなさを読んでて感じた。
著者のような向き合い続ける、逃げる時もそれはあるかもしれないが、その姿勢に力をもらう。
人の傷を見ることもとても気力のいることだけど、目を離し続けてはいけないと思う。

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2026年07月25日

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大学の教授なのに(今はもう名誉教授になられている...!)、けっこうふつうな人だなぁという印象。ふつうってなんやねんやけど。私と感覚が似てるかもとも思った。

本のタイトルだけ見ると、心の傷に対峙し愛す方法が書いてあるのかと思ったけど、著者の方が日々を過ごす中で出会ったり感じたことが印象的でした。

凹んでいたんだけど、ドンピシャで今の私に合うお話が書かれてあって、思わず拝んでしまった。おかげで元気になりました!誠実な良い本だった。

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2026年07月25日

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ネタバレ

これは完全に自責なんだけど、もっと具体的にトラウマや傷のことについて書いてるかなって期待してたらやっぱりエッセイなのでそんなことはなかった。
でも最終章ら辺はよりその辺に触れられてた感じはしたな。というか、やっぱり最後に持ってくるだけあってこのタイトルの核心たる"傷"に触れてる話にはなるよね。
深く傷ついた人や奥底まで沈みこんで独りきりになった人はこの考えにたどり着くんだろうけど、精神科医でカウンセリングもしたりして、なこの人はそりゃあ思い至るよなぁ。
一端の人間程度に世界も制度も変えられなくて、そもそも自分以外のことを変えられるなんて到底できやしない。その手助けはできるかもしれなくて、それがあくまで臨床医であることなわけで。

精神科医というか、専門家、お医者さんとしての俯瞰した視点もありつつ、どこか至ったような諦観が感じられる文章だった。こうだから、ああだから、で話を展開させていくんじゃなくて、哲学的にふむふむするのは精神科医の性だったりするのかな。
でも、冷静だけど、俯瞰して物事を考えてはいるけれど、どこか根底に「どうしようもない」という無力感を築いているけれど、傷ついた人間が、疲れ果てた誰かが、掬いあげられることを求めずにはいられない。そうしてたどり着いたのが「幸せを祈ること」なのかもしれない。

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2026年07月23日

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素敵な言葉が紡がれてる

入院当初に読んだせいで
気分が鬱々としてて内容が頭に入ってくるのに
かなり時間がかかった

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2026年07月19日

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SNSで話題で気になってた本。
トラウマ研究を専門とする精神科医であり医学博士、臨床でカウンセリングも行う著者。専門家だからって、傷つかないわけではない。ストレスを感じないわけではない。落ち込んだり、無力感や罪悪感に苛まれることもある。
“専門家”というフィルターを通すと、私たちはどうしてもその事実を忘れてしまいがちであることに気づいた。プロであっても一人の人間。そんな反応が起こることは当然のはずなのに。

傷を負った人に対して、できないこともある。解決できない問題もある。けれど、ただ見守るという形で寄り添うことはできる。その辛さを、問題を、一緒に見つめる。それだけで癒しになることもある。こう書けばありきたりだけど、本音や本心を見せられる相手がいる、受け止めてくれる人がいることは、弱さを抱えた人々にとって大きな救いになるはず。

“傷として名づけること。手当てされた風景を残すこと。それでも「何にもならないこと」もあるという事実を認め、その「証」を残すこと。”(222頁)

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2026年07月15日

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p.69 競争と幸せ
p.91 宿命論と因果論
p.114 弱さを抱えたままの強さ
P.159 人生の軌跡
が好きでした

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2026年05月13日

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あまり集中して読めなかった。
「ときが経つといろんなことが変化する。→わたし自身の受けとめ方のほうが変化していることもあるだろう。何年も経ってようやく気づくこともあるだろう。」
再読して味わってみたい。

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2026年04月19日

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(メモ)
・大人になっても忘れたくないのは、悩みとは人それぞれで、その重さは違わない。
・世界でトップクラスの頭脳が集まっても、行われるのは競争。最先端の研究が積み重なっても、社会には活かされていない印象。もっと世の中が良くならないかと、学べば学ぶほど自分の無力さを知る。
・右脳と左脳、右利きと左利
右脳は五感、一体化
左脳は言語化、感覚、個人
・vulnerability。弱いまま自分を愛すること。
・上に関連して、包帯クラブ

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2026年01月25日

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現在を生きている医療人のエッセイ。専門用語が飛び交うが解説があるので理解はできている。筆者の考え方や生き方が斬新で合理的であった。医者という立場から人の人生を背負う覚悟がどこかあるのだろうとそして人を救いたいという気持ちの上で働いているのがひしひしと伝わってきた。

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2026年08月03日

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本の雑誌・ロングセラー特集から。前から気になっていた本でもあったし、ってことで。なるほど~、って感じ。

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2026年07月27日

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初めて読んだエッセイ本。タイトルが気になり購入。
今の私にはあまり響かない話が多かったが、知らない世界の話、違う視点で見た時にどう感じるのかをしれて、面白いと感じた。
エッセイ自体は自分に合っているジャンルな気がする。
時間を置いてまた読んでみたい。

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2026年07月03日

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想像していた本とは少し違ったけれど、ほんわかというのとは違う、でも心が穏やかになるような一冊だった。
ベトナム戦没者慰霊碑など学びになるところも多かった。

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2026年06月23日

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JIRIKOさんという方が動画で紹介していて
気になって読んでみた久々のエッセイ。

「弱いまま、強くあるということ」という素敵な帯。
正直内容よりもここに1番励まされた気がする。
いつもより字は滑る、
でも合間合間にあるモノクロ写真に癒され、
傷に関して著者が話しているところは必死に読んで、
でも励ましのようには感じない……
きっと読むタイミングが悪かったんだと思う。

全体的には素敵なエッセイに変わりないからこそ
また違った自分の時に読み直したい。

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2026年06月11日

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ネタバレ

タイトル通り、さまざまな形をしている傷に対して、精神科医である宮地さんならではのさまざまなアプローチで考える。

この本の大きなテーマは、「トラウマや心の傷は、無理に消そうとしたり、乗り越えようとしたりしなくていい」ということだと思う。

一気読みとか、速読とかで読むのではなく、何となく傷ついた時、モヤッとした時に手にとって、数ページ読んで、また本棚に戻す。そんな読み方が合ってる気がする本だった。

エッセイなので、ストーリーでもないし、どの章から読んでも問題ない。

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2026年06月11日

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作者が、着飾らない根明な方のように感じました。
否定されないので心地よく読み進められる。
私が未熟なので意味が理解できない節もありました。

傷を負ったままでいい、傷を愛せなくてもいい、ただ、傷がある自分を認めてあげたい。

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2026年05月23日

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Xでバズってて読んだらちょっと印象と違った。どう傷と向き合うか、答えが見つかると思って期待して読んだけど作者のことがよくわかるエッセイだったなという感じ。

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2026年05月23日

Posted by ブクログ

1年以上掛けて、少しずつ読み進めたけれど、思っていた内容と違った。もう少し心理学的な内容かと思ったら、政治であったり、社会学の領域に近いような気がした。
知的で良い文章だとは思う。筆者はとても賢く思慮深く、真っすぐに生きている方なのだと伝わってきた。けれど、あまり共感できることはなかった。筆者が医師で研究者というエリートであることもそうだが、明るく健康的な考え方が眩しすぎて、少し距離を感じてしまった。
それでもいろいろなことを学べたので読んでよかったと思える一冊だった。

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2026年05月22日

Posted by ブクログ

初手の話が興味深いと思った

あと、
辛いこと壁にぶち当たることがあっても
人生という長い目でみたらなんとでも無い大したことじゃ無い。っていう考え方
これから大事にしていきたい。

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2026年05月17日

Posted by ブクログ

この人は本当のところを書いている。本を読むのは本当のことを知りたいからで、本当のことを言いたいから。もうきれいな外側の話では1ミリも動かない。求めていた本。
言葉もかっこうつけていなくて、きれい。

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2026年04月11日

Posted by ブクログ

 傷の存在を肯定してくれて、それを愛してもいいんだと言ってくれる人がいるという事実は、人を救ってくれる、と思う。

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

薄曇りの下で波打ち際に座って誰かに(何かに)思いを馳せるような、静かな祈りの息吹を感じることができた。
私の人生のバイブルである少女漫画「フルーツバスケット」が持つ優しさや柔らかさにも通ずる部分があると思う。

自分は幸運にも、トラウマになるほどの心の傷や深い悲しみを負ったことはない。だからこそ、誰かが悲しい・辛い経験(トラウマになるほどではないにしても)をしている時に、どう声を掛ければいいのか、どう振る舞うのが相手のためになるのかがわからず、無力感を覚える。

トラウマを持つ人が元の生活を取り戻す際に重要なのが、「エンパワメント」と呼ばれる心の自己再生能力らしい。その力を発揮するには、その人の幸せを祈る「だれか」とのつながりが重要になるそうだ。

心の傷や悲しみを抱える人を前に無力さを感じる自分を責める必要はなくて、ただ見つめているだけでもいい。祈るだけでもいい。そういう存在がいるという事実だけでも、相手にとっては希望になる。

そんなメッセージもあり、この本は私のような罪悪感や無力感を抱く人の心も、少し軽くしてくれるように思えた。

ところで、解説の天童荒太さんが「正直な文章だと感じ入った」と述べていて、まさに私の第一印象と同じだった。
「トラウマ研究の第一人者による」とあったので、患者さんとのエピソードや専門知識を駆使し、悲しみや心の傷を癒す方法を示すような講義的なエッセイなのだと思っていた。ところが読み進めてみると、「専門家でもこういうことを考えるんだな、同じようなことを気にするんだな」と親しみを持てるエピソードが多い。

こういう部分があるからこそ、文庫化になるほど多くの人に評価されているのだろうと感じた。

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2026年05月04日

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