【感想・ネタバレ】傷を愛せるか 増補新版のレビュー

あらすじ

たとえ癒しがたい哀しみを抱えていても、傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷とともにその後を生きつづけること――。バリ島の寺院で、ブエノスアイレスの郊外で、冬の金沢で。旅のなかで思索をめぐらせた、トラウマ研究の第一人者による深く沁みとおるエッセイ。解説 天童荒太

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p53のぐっときたところから引用。

“長いあいだ追いやられてきた孤独の闇から抜け出すには、自分の幸せを祈ってくれる「だれか」がかならず必要である。”

“幸せを心から祈ってくれる「だれか」がいれば、被害者自身も幸せになりたいと願いつづける勇気、なれるかもしれないという希望を取り戻すことができる。

私も、幸せを心から祈りたいと思う人がいる。
きっとその人も、私の幸せを祈ってくれると思う。
そういう人とのつながりを大切にしながら、私も今負っている傷を愛していきたいと思った。

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2025年12月28日

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トラウマの研究者も私と変わらない人間であること。(カウンセラーとしてもあるかもしれないけど)1人の人から幸せを祈ってもらうのは温かい気持ちになる。

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2025年11月30日

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「張りつく薄い寂しさ」を克服したい。丁寧に世界を見て、自分の感覚に耳を澄ませ、手を合わせて「わたしたちは大丈夫」と祈ろうと思う。

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2025年11月03日

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心の傷やトラウマは極めて主観的なもので、決して他者のことは理解することはできず、それぞれの地獄がある。そんな地獄をそれぞれが抱えていることを認め、見つめていけるまなざしを持っていたい。

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2025年11月03日

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精神医学者で人文学系の大学で教鞭をとら社会学的な研究もされている先生のエッセイ。難しい専門用語もなく平易な言葉で、日常の生活で感じられたこと、アメリカ留学での同性愛者との交わり、ベトナム戦争のアメリカの後遺症を鎮魂した記念碑の話などを語っている。
 日常でのもやもやの捉え方、学者としてこういう切り込み方があるのかといなってしまう。

 生きづらい社会がタイパだのコスパなとますます進むだろうけど、悲観せず立ち向かおうとわれわれにエールを送っているさわやかな気持ちと元気をくれる本です。

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2025年10月23日

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優しい文章。トラウマの研究に携わってきたというのは正直本当に辛い部分もあったのだろうなと思う。読んでいてしんどいところもあった。それでも、大なり小なり様々な傷をかかえながら生きていく人生。
そんな傷を愛しながら生きていきたい。

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2025年10月17日

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今を生きてないなあ(後悔とか未来への不安とか)って感じる時に、リセットするために読んでる。そんな内容の本ではないんだけども。

読むとなんか落ち着ける一冊。

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2025年10月12日

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傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。
過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷と共にその後を生き続けること。

トラウマ研究の第一人者による
深い思索が心に沁みとおるエッセイ。

ホスピタリティについて、と、ヴァルネラビリティについての部分が特に沁みた。

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2025年10月11日

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出来事をフレームではなくて自分の意識で捉えていることに自覚的だなとおもった。

世界を澄み、濁った瞳で見ていること、その客観視、それでも自分に、患者への欺瞞を許すこと、人の営みの息遣い、自己と非日常の邂逅が生む眩暈、
今ここにいる人、風の匂いのわかる人の書く文章だった。

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2025年10月03日

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(メモ)
・大人になっても忘れたくないのは、悩みとは人それぞれで、その重さは違わない。
・世界でトップクラスの頭脳が集まっても、行われるのは競争。最先端の研究が積み重なっても、社会には活かされていない印象。もっと世の中が良くならないかと、学べば学ぶほど自分の無力さを知る。
・右脳と左脳、右利きと左利
右脳は五感、一体化
左脳は言語化、感覚、個人
・vulnerability。弱いまま自分を愛すること。
・上に関連して、包帯クラブ

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2026年01月25日

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帯に書かれていた『弱いまま強くあると言う事』という言葉に惹かれ、手に取った一冊。

精神科医である著者が、旅先で、臨床現場で、傷ついた人たちの心に触れながら綴った温かい物語だ。

傷を愛することはむずかしい。傷は醜い。傷はみじめである。ただ、傷をなかったことには、しないでいたい――。(エッセイより)
 
自分には難しそうだ…。



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2026年01月20日

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これまで読んだエッセイの中でも結構好きな部類!
心がスッと満たされるような、やさしくて、包み込まれるわけではないけどそっと寄り添ってくれるような、そんな文章

傷は誰にでもあるし、治り切ることってないんだよね
人に優しく自分にも優しくありたい

宮地尚子さんの文章をもっと読みたい

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2026年01月13日

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最初読み始めたときは、なんて読みづらいんだろう…と思いながら一生懸命読みました。でもだんだんだんだん惹き込まれていって、いっきに読みました。
印象に残るフレーズもたくさん。
ハッとさせられることもありました。

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2026年01月09日

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トラウマ研究の第一人者、宮地先生のエッセイ。
あちこちに寄稿されたものを収録しつつ、傷を抱えて生きることをテーマに書き下ろしも数篇加えてまとめられている。

昨今は正しさへの希求が強く、特に若い人たちに「正解」を求める風潮があるときく。どうすれば間違えずに済むか、効率が良いのは何か、正解のやり方は何か。
人生そんな枠に当てはまるものはほぼないと言ってもいいのに、正しさを求めて、皆が右往左往する。その際たるものがAIなのかなとも思うが。

対人援助をしていると、ほぼ正解には辿り着けない。著者も言っているが、なんとかしたいと思っても、どうすることもできないことが山ほどある。仕方なく一線を引いて少し距離をとって、さも専門職としてそれなりの判断をした結果だと言わんばかりの不遜な態度(をしているつもりはないが、そう見えても仕方がない態度)をそれらしくしてみせる。そして自己嫌悪に陥り、罪悪感に苛まれ、自分の無力さを思い知る。対人援助の経験がある人ならわかるだろう。
だけれど、どうにもならないことがあるんだという事実を、丸ごと受け止めつつ、それでも心を寄り添わせる。見守る。見届ける。それこそが、誰かのためにできる唯一のことなのかもしれない。
本書で言及される「弱いまま、強くあるということ」「なにもできなくても、その人を見ているということ」「その誰かが幸せになりますようにと祈ること」そのことが誰かのためにいることであり、愛の本当の形なのかもしれない。

ネガティブなことをネガティブなまま抱えて生きること、そういう生き方ができる人が、実は一番強い。
現代人に足りないのはそこだし、そういう弱さを認められる人でありたいとつくづく思う。

書き下ろしされた「だれかが自分のために祈ってくれるということ」「予言・約束・夢」が秀逸すぎて泣けた。

追記
著者が研究のため米国留学した際の受け入れはジュディス・ハーマンだったんだって。うわー、すごい。

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2026年01月02日

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「傷を愛せるか」表題になっている最後の一編がやはり一番ぐっときた。
傷って本当は人に見せられないくらいえぐいものであることもある。そんな傷をさらけ出して生きていくのが必ずしもいいとは思わないけど、でもできるなら治してあげたいと思うし、傷痕が残っても気にならなくなるくらいになって欲しいと思う。
カウンセラーさんのストレスも計り知れないと思う。何もしてあげられないことの方が多い、してあげられないからストレスになるというのは本当に大変な仕事だと思う。

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2025年12月08日

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ネタバレ

読みやすく、優しいエッセイだった。共感できる内容や、また改めて読み返したいところに、線を引きながら読んだ。
トラウマ研究者といえど、心に傷を抱えた人すべてを救うことはできず、また、職場を離れると一人の母親であり一人の生身の人間であり、苦しんでいる人を差し置いて生活していることへ後ろめたさというか葛藤があることなんか、それはそうだろうなぁと想像しながら共感できた。
みんな傷だらけで生きてるのかなぁと思いながら読んだ

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2025年11月30日

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淡々と文章が沁みてくる。
レジリエンスだなんだと打たれ強さを求められてる気がして肩に力が入っていたんだな、と気づいた。
私はまだまだ傷を愛するどころか、向き合うことすらできずにいるけど、いつか自分の傷を愛おしく撫でることができたらいいなと思う。

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2025年11月15日

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一度ついた傷は消えないし、無かったことにもできない。だから時間が経っても痛いし、いつまで痛いんだろうと嫌になる。
だけどその傷を無かったことにしようとしたり、痛いのに痛くないふりをしていると、本当は痛いのに、痛いままなのに麻痺してきて分からなくなる。醜い痛々しい傷を受け入れることはものすごく大変だから、見えないふりした方がその時は楽かもしれない。だけど痛みが分からなくなる方がずっと大変なんだと思う。
しんどいけれど傷を受け入れて、抱えて生きていく強さを持ち続けたいと思う。

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2025年10月15日

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傷はみじめで、醜い。とあっさり言い切られたのがちょっと衝撃的。ベトナム戦争戦没者慰霊碑が土に埋められていくというイメージも、今の状況では現実にならないとも言い切れないのかなあと思ったり

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2025年10月10日

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温かいエッセイのような、でもとても人生において大切なことが書いてあるような、そんな本だった。
すごい経験をされている著者のわりに、内容や文体はどこか楽しみのある感覚で、読んでいてすーっと心に入っていくような感じだった。
この本にある「傷」って、何だろう。私はまたその答えを何となく見出せていない気がする。

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2025年10月07日

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宮地尚子さん。
失礼ながらこの本を読むまでは存じ上げなかったのですが、精神科医、大学教授、ハーバード大学研究員など、ものすごい肩書きをたくさんお持ちの方のようで、肩書きだけ見たらご本人も文中に書かれているように「この人、なんか偉そう!」と思って本書を手に取ることはなかったかもしれません。
でも読んでみると誠実なお人柄を感じさせる文章で、仕事や人間関係でくたびれたときに読むと優しい言葉に癒され、心にスッと沁みました。
なんというか頭の良い人が私のような並の人間にもわかりやすいように世界観や考えを共有してくれたような一冊でした。

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2025年10月03日

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文庫本です。海と水の透明さを感じさせる紀行文でもあり、グイグイ引き込まれます。著者は「トラウマ研究の第一人者」。赦しを求めて祈る。それで良い。医師ならではの達観と、力の抜き方を感じさせます。

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2025年09月21日

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100分で名著に出演していたことで著者を知り、手に取った作品。静かだけど確かに意思のある文章。
「Ⅲ 記憶の淵から」の章は印象深いエピソードと文章が多かった。

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2025年09月07日

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著者の眼から通した世界が、読者や傷を負った人たちのシンパシーに展開する。著者自身の経験に忠実な表現が知的正直さを表す。挿絵によりチル・ムードも体験できる。

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2025年09月03日

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 確認不足でしかないけど新書系の本かと思って購入して読み始めたらエッセイで驚いた。

 著者自身の経験に関する話をしているが、それに伴う創作物・歴史的事実・学術的知識の話が主に語られており、「研究者(専門家)」らしい文章、という印象を受けた。学びの多い本で勉強になったが、一般的な「エッセイ」と聞いて期待するものとはちょっと違う気がした。だからこそ、著者自身の傷の話をもう少し聞きたかったかも。(母に関する話や〈手当てされた風景〉という節は面白かった。)
 あとは本文中では否定されてたけど、結局著者ってエリートなんだよなあ……と思いながら読んじゃった。「傷や欠陥を愛する」ってすごく大切なことだけど、自分より目上の人に言われると憐れみのように思えて惨めになってしまうし、逆に弱い立場の人同士で言い合ったら傷の舐め合いみたいになってしまうから難しい。
 でも、傷の存在を肯定してくれて、それを愛してもいいんだと言ってくれる人がいるという事実は、人を救ってくれる、と思う。

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

目に見える傷も痛いけれど、目に見えない傷はもっと痛いのかもしれない。目に見えない分、どう対処すればいいのか自分の傷でも、他人の傷ならもっと分からない。
弱さも認め合って、声を掛け合って生きていきたい。

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2026年01月10日

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ネタバレ

人質になった母さんのお話がぐっときた。

医療人類学、というのはたぶん初めて聞いた。

第二部は、米国滞在記ということで、著者が1年間、フルブライト奨学金による研究員としてハーバード大学関連病院で勤務したときに書かれていた連載を本にしたとのこと。

アメリカではいろいろと競争社会の生々しさとかそれに対する違和感を感じる日々だったのかなーと思う。

それでも著者なりの希望を、思索の中で付け加えたり添えられていて、

わたしもそういうふうに考えられるようにしたいと思った。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

トラウマ研究を専門とする精神科医のエッセイ。
(知らなかったけど大学の先輩でした)

「自分はなんでも知っている」感がなく、人間の不完全さや弱さとと向き合ってるところがよかった。

心に傷を作らない強さや、傷ができても気にしなくなる鈍感さを求められるわけではないところがとても優しい。

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2025年10月11日

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トラウマ研究者、精神科医の視点から、トラウマ体験や希死念慮について考察しているが、宮地先生自身の体験や映画などからエピソードを引き出しているので、エッセイとしてとても読みやすいし面白かった。学術本として読むと物足りなく感じるかもしれない。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

傷を愛せるか、というテーマについては後半部に書かれていました。そこに至るまでは、筆者の人柄が分かる日常の記録となっており、個人的にはあまり興味が持てませんでした。とはいえ、精神科医の思考や感覚について知ることなんて普段はできないので、頭の良い人はこんな風に物事を捉えているんだ、と新たな発見になりました。肝心の傷に関する部分ですが、筆者の経験をベースに優しい言葉で書かれており、非常に学びになりました。一冊の中でその部分を更に膨らませて書いてくれれば良いのにと思ったため⭐︎3としましたが、読みやすく、自傷や自殺に関連する領域で働く方にはおすすめできます。

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2025年10月04日

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