あらすじ
たとえ癒しがたい哀しみを抱えていても、傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷とともにその後を生きつづけること――。バリ島の寺院で、ブエノスアイレスの郊外で、冬の金沢で。旅のなかで思索をめぐらせた、トラウマ研究の第一人者による深く沁みとおるエッセイ。解説 天童荒太
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Posted by ブクログ
読みやすく、優しいエッセイだった。共感できる内容や、また改めて読み返したいところに、線を引きながら読んだ。
トラウマ研究者といえど、心に傷を抱えた人すべてを救うことはできず、また、職場を離れると一人の母親であり一人の生身の人間であり、苦しんでいる人を差し置いて生活していることへ後ろめたさというか葛藤があることなんか、それはそうだろうなぁと想像しながら共感できた。
みんな傷だらけで生きてるのかなぁと思いながら読んだ
Posted by ブクログ
人質になった母さんのお話がぐっときた。
医療人類学、というのはたぶん初めて聞いた。
第二部は、米国滞在記ということで、著者が1年間、フルブライト奨学金による研究員としてハーバード大学関連病院で勤務したときに書かれていた連載を本にしたとのこと。
アメリカではいろいろと競争社会の生々しさとかそれに対する違和感を感じる日々だったのかなーと思う。
それでも著者なりの希望を、思索の中で付け加えたり添えられていて、
わたしもそういうふうに考えられるようにしたいと思った。