【感想・ネタバレ】半落ちのレビュー

あらすじ

「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの2日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは――。日本中が震えた、ベストセラー作家の代表作。2003年このミステリーがすごい! 2002年週刊文春ミステリーベスト10 第1位。(講談社文庫)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

あらすじで、すでに面白い。
そして、読んでも面白い。

視点が移り変わりながら、一つの事件の、人間の心の中身が明らかにされる。
結末も、感動した。

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

再読。横山秀夫の作品では「64」「クライマーズ・ハイ」と並ぶ三大傑作だと改めて実感した。
登場人物それぞれが組織の理論や自己保身、損得勘定などで動くが、その最たるものが警察と検察の関係だろう。担当検事の佐瀬は検察内の駆け引きに敗れ酒に溺れる辺りは情けないが、捜査一課指導官の志木は最後まで「空白の2日間」を負い続け真実に辿り着く。
初めて読んだ時も今回再読した時も最後の「空白の2日間」の理由については非常に感動したが、その点が2003年に直木賞候補に本作がなった際に北方謙三が指摘した「現実とは異なる」ために受賞を逃したのは皮肉としか言いようがない。そういう経緯はあれど、本作が傑作であることは間違いない。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

一つの事件を、1人の人間を、たくさんの役職の違う人間が追っていく構成。
「言えません」しか毎回ないんだが、追う人間にも苦しみや矜持があり、見え方が少しずつ違う。変に毎章事実が小出しされるということでもなく、渦の中にいるよう。
最終、ページの少なさが目立ってきたのでモヤモヤ終わりするかと思ったけど、大変よい終わりだった。全部納得できるし理解できるし感動的。誰かの解説も読みたかった。
今年のベスト3に入り得る、

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2025年08月04日

Posted by ブクログ

当たり前のことだが、各章ごとに視点が変わることで、登場人物の内情が深掘りされていき、共感(反感)しやすい。また、登場人物の人となりが伝わる描写がとても巧い。
嘱託殺人について非常に考えさせられた。

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2025年02月11日

購入済み

くやしい、泣かされた。

泣ける本特集とやらで見つけたのだが、同じ特集で薦められていた違う人の作品は、ぜんぜん泣けなかったのでそんなもんだろうと期待はしていませんでした。

でも最後の最後で、そんなことかよ、と突っ込みを入れたくなるネタばらしでしたが、泣けてしまいました。
人間嫌いの私ですら、「人間て捨てたものじゃないよな」という、希望を持たせる逸品。

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2017年06月10日

購入済み

感涙

名作です。全ての方に読んでほしいと思いました。

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2015年05月28日

Posted by 読むコレ

容疑者の強い信念が伝わってくる作品
言葉で書くと悪の信念?的なイメージしかないが、作品中ではそんなイメージは抱かず、容疑者扱いもできませんでした。

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2012年09月06日

Posted by ブクログ

警察・検察・弁護士を始めとした、各々の正義のもと日々奮闘する堅物たちが、妻を扼殺するという罪を犯した梶聡一郎に心を寄せてそっと見守る姿にグッときた。
最後の描写は涙を禁じえず、新たに生まれた絆がずっと続いていくよう願わずにはいられない、とても読後感の良い作品だった。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

2002年第15回「このミステリーがすごい!」
                 第1位。
2005年には寺尾聰主演で映画化。
第28回日本アカデミー賞優秀作品賞を受賞。

読んでいなかったかもしれません。
2003年の直木賞最終候補にも残りましたが、「リアリティの問題」が指摘されたと聞きます。
察組織を扱ったからこそ、小説であっても現実とのすり合わせが求められたのでしょうか。
当時そういう議論があったことも覚えておらず、どうやら“読んだつもり”だった一冊です。

警察官が妻を殺した。
そう聞けば、どうしても動機を求めたくなる。
けれどこの物語では、その動機は最初から明かされている。
刑事、検事、記者、弁護士、裁判官、刑務官と それぞれの立場から、寺尾聰…おっと間違い、梶聡一郎という男の真意を追う。
この事件に関わった誰もが、職務の中で彼を見つめ、同時に自分自身の信念を問う。

もう、どう読んでも寺尾聰しか浮かばない“敵役”なんですよ。
そして、どこが問題だったのか、私には結局わからない。
充分に楽しめました。

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

•空白の2日間の意味がわかった時、読んで良かったと思った。
•警察、検察、記者、弁護士、刑務官とそれぞれの職業での心理描写がすごかった。

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

各登場人物それぞれの立場と心理描写がとても良く書かれており、それが最後に繋がっていくことと、半落ちの結末が素晴らしい

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

認知症が悪化する妻。亡き息子の命日さえも忘れてしまうことに恐れを抱き、せめて母親として死なせてほしいと懇願する妻を絞殺する。2日後に自首するが、その2日間に何をしていたのか謎の空白。その空白の2日間をめぐる色々な人たちの視点からのオムニバス形式の小説。明らかにされたその2日間の話やその心情には心が熱くなり、何度も読み返した。

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

アルツハイマーを患う妻を殺害し、自首してきた警察官。ただ殺害から自首までの2日間は黙秘をしており、その真相を探るために警察官、検察官、新聞記者といった立場から話が進む。どの章でものめり込んで読めた。最後の数ページでは心に響いた。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

読み終わったらツーっと涙が流れていました。
歌舞伎町=黒い世界というイメージなだけに、何も知らない人からすると結局そういう男かよ、と思いがちなのに、関係者全員が梶に対する敬意を持ち、誰1人そうではないと思わせる瞳を持った梶は真の人徳者だったんだと思う。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミステリなのか警察小説に含まれるのか何とも言えない感じですが、とりあえずミステリのカテゴリで。

さすが映画化されただけあり、面白かったです。

次々と視点が替わり、それと共に時間が経過していくという書き方も読みやすい。

登場人物が多いけども、どの人物も内面がかなり丁寧に描かれており、感情移入しやすかったので、

そういった意味では、それぞれの行動に疑問を感じることも少なかったです。












----------ここからネタバレ----------
















一番気になったのは、

果たして立件に関係ない犯罪後の行動について、何人もの人がこんなにこだわることが本当にあり得るのか?という点です。

そこはやはりドラマ性が強調されていると感じます。

しかもみんな梶寄りになるし。

梶の人物像はちゃんと分かるけども、それでも、ちょっと会っただけの人間が目を見ただけで味方になるというのは、どんだけ聖人なんだ?という疑問は禁じ得ない。

警察と検察が取引して真相に触らなくしたように、

深掘りする必要ないことは深掘りしないというのがリアルなところではないかと感じますが、

みんなやたら「真実」を知りたがるし、謎の正義感?を出してくるなあ…という違和感がありました。

まだ純粋な好奇心とかの方が理解できたかもしれない。



あと、ラストの種明かしがあっさりしすぎて、消化不良です。

各人のその後を知りたかったし、突然登場した池上や、梶についても、もう少しページを割いて欲しかった。

特に梶は、最後に梶の章を設けてくれても良かったのに…と思います。

結局ほとんど語らないので。





警察と検察の関係性はあまりピンとこないですが、

両者の対立や取引、また警察と記者の取引なんかは、ハラハラしながら読みました。

硬直した組織の中で生きるというのは大変なことですね。

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

所轄叩き上げの県警警視、エリート検事、社会面スクープを追う中堅記者、落ちこぼれ弁護士、地方裁の判事、定年間近の刑務官という面々が、アルツハイマーの妻を殺して自首した警部と接し、その事件後2日の空白をめぐって奔走する話。彼が自殺しなかった理由、黙秘する理由を、泥臭い権力衝突を交えながら解き明かしていく
1つの純粋な意志に基づいて黙秘し続ける高潔な警部と、出世や保身に汚れた周囲の生々しい争いを対比して描いているように思える。結末はそう意外というほどではないが、描写がとても綺麗で素直に感動する。

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

警察官の男がアルツハイマーの妻を殺害。動機も経過も素直に自白するも、自首までの2日間の行動だけは明かさない。何もかも失っているはずの男が何を守ろうとしているのか。
これは予想できない真相。致命的欠陥が指摘され話題になったが、それでも胸を打つ作品には違いない。

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2025年05月13日

Posted by ブクログ

読んでいて好みが分かれそうなだというのが第一印象。容疑者の行動が善行となるかどうか、難しい作品だなと感じた。

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2025年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

梶総一郎の善性に心動かされるお話でした。(善性という一言で表せるものでは無いですが…)
立場もバックグラウンドも違う登場人物が悩みや苦悩と葛藤している中で、梶の優しさを信じた人たちが見えない絆で繋がっている感じも痺れました。
優しさは、周りに回って自分に返ってくるものですね。

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

確か大学生の頃に一度読んで、ものすごく胸に残って良かった!という記憶だけがずっとあった。
それから十数年経って再読したわけだけれど…あの頃はピュアだったんだなぁと 笑
今の私には、いい話でしょ!の圧が重すぎて。

2000年代初め頃はまだまだ介護に対する考え方等が違っていたとはいえ、そうは言ってももう少し現実的な試行錯誤もできたんじゃないかと思うし、骨髄提供した後に名乗らないにしても会いに行くのも自分勝手すぎる気がする。
きれいな感動作だから表面だけ読んでいるといいのかもしれないけど、いろいろ考えると「うーん」と思ってしまうことがあった。

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2025年03月15日

Posted by ブクログ

4.2/5.0

警察小説であり、ミステリ小説とも言える作品だけど根っこのテーマは別のところにある。
優しさの殺人は存在するのか、生きていることが善で、死は悪、それは本当に正しいのか。命の重みや、価値について考えさせられる作品だった。

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2025年03月01日

Posted by ブクログ

いくつかの人物にスポットを当てた章で構成されたひとつの話。
各主人公たちは全員人を想える良い人ばかり、良い人なだけでは成り立たない複雑な社会に身を投じている登場人物、悔しさや苛立ちを抱えながら犯人のひとりを想う姿に良い意味でやきもきさせられる。

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2024年11月13日

Posted by ブクログ

現職警官の嘱託殺人
事件を担当した
敏腕刑事、敏腕検事、中途採用の成り上がりたい記者、都落ちした居候弁護士、アルツハイマーの父を持つ裁判官、定年間際の波風起こしたくない刑務官目線の6章からなるが、犯人目線の描写はない。
犯人の隠す空白の二日間を追うが、辿り着けない。

最後に種明かしはあるものの、思ってた感じでは無かったかなと。

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2024年11月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アルツハイマーに苦しむ妻に頼まれて殺人を犯した元県警の警察官。自首するまでの空白の2日間をめぐり、県警、地検、マスコミ、弁護士、裁判官の視点で物語は展開する。刑が確定し服役中の男に、刑事はある人を会わせ、男の覚悟が明らかになった。
「クライマーズ・ハイ」のように、苦悩を背負う登場人物の描写をするためにギスギスした人間関係による職場が多く、読んでいると途中で心苦しくなる。

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

 生きる意味を与えられることは、救いなのかな。意味があるから生き続けてという呪いと紙一重な気がする。どちらにせよ、救いだろうと呪いだろうと信念であろうと、縋れるものがないと動けない。

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2025年08月06日

Posted by ブクログ

■サマリー
・殺人を犯しても、清い心でいられるのか
・半落ちの真実を知ると主人公のやさしさがわかる
・語りは、主人公に関係する人の目線で進められる

■所感
 現職警察官が、アルツハイマーの妻から頼まれ、嘱託殺人を犯すも、その後自首するまでの空白の2日間が、最後の最後まで分からないまま物語はどんどん進んでいく。
こういう結末か、もしくはああいう結末かと何パターンも想像しながら読んだが全部外れた。
外れた方向が、いい方に傾いた。
終わりが、自分的には非常に良かった作品である。
主人公の梶聡一郎は、非常に心の優しい人である。
物語の真実が見えると、そのことがよくわかる。
自分に置き換えたとき、同じことができるかと問われたら、100%無理である。
殺人を犯して、生き恥をさらしても自殺せず、それでも生きようと考えた本当の理由がわかったとき、心がとても洗われます。
ただ、本作品の欠点としては、ところどころ急に登場人物が出てくるところである。
よくよく読解をしないと、こいつ誰やねんとツッコミみたくなるところがある。
登場人物は必要最小限にすることが、読者を悩ませないことにつながる。

■心に残った個所
その手に妻の冷たさを感じた時、梶は何を思ったろう。慟哭。絶望。死の決意。そんな時だったからこそ、梶は心の奥に仕舞い込んであった「絆」を見つめた。
すべての近親者を失った梶にとって、それは至上の宝に思えたに違いない。自死する前に触れたかった。感じたかった。ほんの一瞬でいい、自分はまだ誰かと繋がっているのだと確認したかった。だから、梶は歌舞伎町へ向かった。

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2025年06月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うーん、そっか。

別の犯人が出てくるかと思ったけど、そうじゃない。検事や弁護士が中途半端なところで諦めたかのように討論を辞めるのは、梶がなぜ歌舞伎町に行ったか分かったから?なの?

登場人物も多くて、名前が覚えられない!警察と検察と裁判官や刑務所の違いが分かって勉強になった。
最後のオチがー。うーん、そっかw
AMLって悲しい結末になりがちだけど、この話では生きる希望になっていて良かった。そういえば51歳までだったよねって思い出した。

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

各章こどとに視点が変わる登場人物。
刑事、検事、裁判官、弁護士、犯人の視点で
空白の2日間を追う。
めちゃくちゃ面白かった!

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2025年05月16日

Posted by ブクログ

刑事ものは映像で見るのは好きだが、文字で登場人物が増えると誰がどの立場か追うのに少し疲れてしまうことが多い。

今作もそれも陥りそうな部分は正直あったが、章毎に語り手が変わることで、自分の目線を変えるタイミングが分かりやすかった。

さらに語り手それぞれの仕事に対する考えや、生き様の描写が見事で心が熱くなった。

その上、語り手は変わっても時系列はそのまま進んでいくので読みやすい。

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2025年05月14日

Posted by ブクログ

アルツハイマーを患う妻を殺したことは認めるが、自白までの2日間は語りたがらない。
その裏には切実な想いがあった。
数年前に買って積本になっていたので、読んでみたら案外面白かった。話題になっただけはあるなと感じた。完落ちいたしました。

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2025年05月03日

Posted by ブクログ

それぞれの職業の男達が、それぞれの立場で同じ事件に関わる。

色々な視点から一つの事件の真相を暴こうとする。

面白い。どの話にも真実味があり、嘘っぽくない。

グイグイ読ませる。グイグイきてる。

限りなく星4つに近いといったところか。

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2025年04月06日

Posted by ブクログ

刑事、検事、記者、裁判官…。
語り手が次々と変わりながら、「空白の2日間」を追っていく。
読み進めるほどに謎が深まり、最後にスッキリ解決!という形ではなく、1つの結論に向けて話が進む中で、色々な人の視点を通して、じっくりと物語が進んでいくといった形の作品でした。
謎やトリックの面白さというよりは、登場人物一人ひとりの人物像や正義感、葛藤と言ったものに焦点が当てられている感じ。
星3は、私の好みの問題です。

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2024年12月05日

Posted by ブクログ

取り調べ警察官や検事、記者、裁判官などの視点で嘱託殺人で妻を殺した現役警察官の被告を見ていく話。犯行後の足取りは。

どちらかというとその事件を取り巻く人たちの思惑や立場の責任、思いなどの方が強い印象。もちろん最後には明らかにされるが、思っていたのと違ったかも。

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2024年12月01日

Posted by 読むコレ

何でこれ読み始めたのか思い出せないんだけど、とても面白かった。横山秀夫さんの情景描写が深い文章好きかも。間違って映像作品を先に観てしまわないように気をつけよう。

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2013年08月12日

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