あらすじ
高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。
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・土地に狂わされた(あるいは狂わされたと思っている)人たちの話
・彩花の描写を読んでいると、タワマン文学のキャラ造形(特に麻布競馬場の)には湊かなえイズムが流れているように思う
・ピエロ的な立ち回りをする小島サトコを筆頭に、単一の価値観では一概に善悪を判断できないというか……その複雑さゆえに対立が生まれているんだろうけど、二項対立で生まれる分断とは毛色が違うとはっきり感じた。単純な対立の方が意外にも解決の糸口がないというか。
個人的な感想としては、彩花の暴力描写になるたびに胸がひゅっとした。腹が立って死にそうなときに思いきっきり物を投げれたら、と思ったことがあるけど、それを実行している人を見ると自分が理性を捨てなくてよかったと思えた。自分より狂ってる人を見ると落ち着くのは小説でも起こるらしい。
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死ぬほど読み返し過ぎて、何回読んだか記憶にないくらい読んでいます。私の学生時代の思い出。
この作品で湊かなえを好きになったし、
私の大好きな人がドラマに出演して、
オーディブルの朗読にまで、、、
作品をなぞり過ぎて、台詞を聞きながら覚えている自分にビビり倒したレベル。
結末よりもこの作品は過程が遥かに面白い。
なんなら2回目が一番おもしろい。大好き。
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ちょっと上流の住宅街にすむ、いくつかの家族が主人公群。
それぞれの立場から見ると、お互いの家族がこんなに違うものとは。
ある意味、登場人物みんな人間失格、人生失敗なんだけど、
根っこのところでは、まったくの悪人はいない。
いろいろうまくいかないところもありながら、
なんとか暮らしてきたそれぞれの家族。
でもある日破綻が始まってしまう。
このあと、それぞれの家族はどうなっていくのだろう。
お互いのかけがえのなさに気づいて、変わっていくのだろうか。
読みやすい
終わり方がモヤァァ;つД`) でもすごく読みやすかった。 どこかで手を施していたらどうにかなっていたのかも、、、なんで当事者じゃないから言えることなのかもしれない。 家族みんなで普通に暮らすって簡単なようでいて、実は脆くて危なっかしくて、家族であろうとお互いの気づかいがあって初めて成り立つのだな、と。 サクサク読めて面白かった。
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とっても嫌だった。
読んでる手が止まらない。読みやすくて、想像が容易くて嫌な気分になりながら読んでた。
こういう人いるよねとか、こういう状況あるよねとかこの人の気持ちもわかるよねとか……
さすが湊かなえ先生と言わざる負えない。最高だった
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父が母により殺されたエリート一家。
エリート一家(その子供たち)からの視点と近所の人視点が章ごとに変わり面白さを感じた。
家庭の事情は当事者しか分からないし、何処で相手の気持ちを逆撫でするか分からない…それを感じさせる本だった。
エリート一家の母が話にほぼでてこないのも興味深かった
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湊かなえさんの作品に出会ってから、読書の楽しさが再熱し、日々新しい本に出会うことで生活が改善されてきた。
告白を経て、この本を手に取る。
告白ほどのページを巡る手が止まらない作品ではなかったものの、人の心の闇が人の生活の日常にあることをまるで隣人として、
または内側から見てきたかのような描写や会話。
本当にすごい作家さん。
パートしながら子育てして、夫は無関心、周りに引け目を感じながらも
耐える母が可哀想に思った。
母の背中を見ろ
親の期待もあるが、
自分でもよく生き方を決めろ
と言いたかった
なんとなく、あのひとに重なる…とか自分の人間関係を見渡してしまう作品でした。
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昔小説を読んだ気がしたけど忘れてしまっていたので再読。
湊さんらしい人間描写で、人の醜い部分が複雑に絡まりあっていた。
終わり方も別に希望がある訳ではないけど、このままここで生きていくというメッセージを感じて好き。
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複雑な家庭環境について様々なパターンで書かれていて自分の家族についての思いを改めて考えさせられた。様々な登場人物がいるのに全員実在してそうなリアリティがあり、昼ドラ展開でとても読みやすい。中盤が派手だからかクライマックスが盛り上がりに欠ける。
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湊かなえの『夜行観覧車』を見終えて感じたのは、これは単なる高級住宅地の闇の物語じゃなくて、「誰の中にもある息苦しさ」の話なんだと思った。
坂道病って、結局は“人と比べることでしか自分を測れなくなる病”で、環境が違っても誰でもかかる可能性がある。
登場人物たちはそれぞれ、見栄や周囲の目、理想の家族像に縛られて、自分で自分の首を締めていた。
カップラーメンを隠れて食べなければいけないような夫婦関係――そんな小さな不自由が積もって、大きな悲劇を生む。
「もっと正直で、もっと弱さを見せられる関係」でいられたら、誰も壊れずに済んだのかもしれない。
子育てしている身としては、「明日は我が身」と感じる部分も多かった。
親の愛情って、どうしても“こうなってほしい”というエゴと紙一重で、
子どものためを思ってやったことが、実は子どもを傷つけることもある。
そしてその瞬間、親自身も同じくらいに傷ついている。
“正しさ”の中に潜む苦しさを描いた、静かで重くて、でもものすごくリアルな作品だった。
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『人の良い部分と汚い部分を見事に書き分けられた作品』
最後まで読見終わるまで、何度“モヤモヤ”とした気持ちを感じただろう?
「表面上では『周囲から評判が良く、羨望の目を向けられる』ような家族でも必ず裏に隠されたものがある」、そんなことを言わさせてしまう作品だ。
そして、最後の最後には「これで本当によかったのか・・?」と感じてしまうのも本作の魅力なのではなんて感じている。
本作は、高級住宅街であるひばりヶ丘に立つ一家・高橋家で起こった殺人事件をきっかけに物語が始まる。
医学部や有名私立へ通う子供をもつ高橋家と、その向かいに住む癇癪持ちの娘・彩花をもつ遠藤家の変化が400ページ近くにわたって描かれている。
まず、読み始めた時に感じる高橋家の表面上の第一印象は、『非常に優秀な子供をもつ家庭で、完璧で理想的な家族像』であった。
そんな家族に本当に殺人事件なんて起きるのか?なんて感じてしまった程である。
そして、その高橋家を比較するような立場に置かれている遠藤家。名門中学の受験に失敗し、大声で暴れる彩花の癇癪により近隣住民から噂を立てられている。
高級住宅街という場所であることも相まり、理想的な家族である高橋家の崩壊は非常に残酷なものである。
また、その崩壊を見届けるかのように描かれる遠藤家を含めた『自分の身のみを案じる姿勢』には呆れてしまう一方で、自身が同じ状況になったとき、果たしてその人達と違う行動ができるか?と筆者に問われている気がしている。
本作は先にも書いたように、理想的な家族の表面と裏を垣間見ることができる。
そんな家族の崩壊から再開の一歩までを見届けたいという人には手に取って欲しい一作である。
また、本作はドラマ化をされており、そちらは異なる高橋家と遠藤家の姿を見ることができる。
原作、ドラマの2つもあわせて楽しんでみて欲しい
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ちょっと重かったけど、面白かった。どこかに小さな違和感、亀裂をもち理想と現実が分からなくなって引き下がれなくなってしまった家族の崩壊と再生のお話。高級住宅街の中の話だからこそ、カップラーメンやポテチ、ファミレスが相対的に安心を象徴していたような気がした。高級住宅地に家を買うこと、息子を医者にすること、高級住宅街の地位を守ること。「傲慢」という言葉で片付けて仕舞えばそれまでだが、それは彼女らにとっては理想であり、人生をかけて手に入れたいもの。
タイトルが「夜行観覧車」なのはなぜだろうか。夜に進む崩壊と再生の輪廻を表しているのかなと思った。
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ミステリー要素は控えめです。
私は湊かなえ作品には余りミステリーを求めないので読みやすく気に入りました。
ちなみに他に気に入っている作品は母性で、ミステリー要素が強い少女や落日などは好みではありません。
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やっぱり湊かなえはの描く毒女は本当に目が離せなくなる。
もちろんそういう人たちの心情を覗きながら読んでいくのも楽しいんだけど、語る側として登場しない高橋家の父や母については想像ばかり掻き立てられて面白い。
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坂の上の高級住宅地で起きた殺人事件。幸福そうに見えた家庭でなぜ事件が起きたのか?
坂の上の住人への羨望、妬み、坂の上から転がり落ちかねない(無自覚な)危機意識、同調圧力が、次第に夫婦、親子関係を歪めていく。
追い求める価値感や幸福がすれ違い、相手が見えなくなってしまう。
どん底の中でもともに食べ笑いあえるところに救いがあった。
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周囲からは幸せそうに見えていた家庭で起きた殺人事件とその家族。そしてその近所に住む住民の家庭の話。湊かなえ作品で味わえる胸糞悪い人物がこの話でも出てきて、イライラしつつなんだかんだ楽しんでしまった。その家庭のことはその家庭にしかわからないし、外から見たらなんて事ないことや会話でも、当事者からすれば違うよねっていう話。
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誰の立場かによって登場人物のイメージがガラリと変わりました。読み進めやすいですが結末がはっきりしているわけではないので私はモヤモヤが残りました。
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殺人事件が起こった高橋家の近所に住む人たちとその家族の心情や交流を描いた小説。読みやすい書かれ方でどんどん読み進められた一方で、最後まで読んだときにあまり満足感がなかった。ただ、どの登場人物に対しても親近感がもてたり、身近にあるような感覚が残った
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家族の物語。色々な人目線で書かれていて、その人の目線で読んでいる時には相手に対して強い嫌悪感を抱くが、別の人目線で読むと立場が逆転し、その人の気持ちも理解できる。作品の中にあった、積もっていたものが何かがきっかけで突然弾けるというのが、なるほどなと納得した。ミステリーで真相に迫るというよりは、各家庭の事情と、これからどう家族として生きて行くかが描かれた作品だった。
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父親が買ったものが家にあったので読んだ。
結末は思ったよりも薄く、若干消化不良だが、登場人物全員が「自分の正しさ」を信じて疑わず、全て他責にしているところから、自分を俯瞰で見ることの大切さを痛感させられた。しかし、この小説を読んでなぜ父親はあんなに「自分の正しさ」を押し付けてくるのだろうか、と疑問が残った。
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最初は遠藤家の娘の癇癪がひどすぎて読んでてイライラしてた。読み進めていくうちに彼女の視点になり,何故この癇癪が始まったのかわかる。この物語を通してひばりヶ丘の住人達が自分優先というか自己中で、気に入らないことがあったら他人にぶつかったり,逃げたりして誰も向き合おうとしていなかった。最初は遠藤家の娘だけそのように書かれているが,視点が変わっていくごとに全員が自己中であるとわかる。鈴木家はまともだったことから,ひばりヶ丘に住んでる人だけがこの自己中になっていってるのだと思う。最後の週刊誌に掲載された文も加害者遺族としての3人より,被害者遺族の3人であるように世間で見られるがための立ち回りで結局は自分たちのことしか考えてないんだろう。湊かなえの作品で最後に驚くような展開があるかと思ったが、案外すっきり終わってしまって逆にモヤモヤする。
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家族のあり方
他人事ではない温度感で、ゆっくり締め上げられるのを感じながら読んだ。
良い作品だと思うが、想像できるリアルさでエンタメ要素は無いのでちょっと疲れた。でも良い作品。
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安定の湊かなえらしいドロドロさ加減。
各々の視点でそれはこう見えているのか ということは割と想像がしやすい方だったと思う。
結局マーくんとは何者だったのか…。
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劣等感、焦り、嫉妬、他者と比較した自分の立ち位置への底知れぬ不安、諦め、虚栄心、自己満足からの自慢…見て見ぬふりをしたい誰しもが持つネガティブな感情が色んな登場人物の心境に乗ってぐるぐると回っていた。タイトル、なんと言い得て妙なことか。
Posted by ブクログ
幸せそうに見える家族での殺人事件、という点に焦点があたっている。私達が普段暮らしている街にも狂気は潜んでいるし、自分の家にも潜んでいるということだと思う。その一見すると見えない狂気は、他の人からすると小さなトリガーで表面化し、殺人にまで繋がってしまう……。面白いテーマで読む手が止まらなかったが、共感できず心は動かされなかった。
Posted by ブクログ
・ガーっと読めたし、「人間社会」「ご近所」「エリート家庭」としてとてもリアルな、うわあ...な描写がおもしろかった。
・どこの地域でもあり得てしまう気がした。学生時代はなんとも思わなかったけど、自分の小学生以降の人生と周りの親子を思い出して色々感じさせられた。親が自分の子供に求めるスペックと、それを実現させるためにどのくらい勉強等を強制させるかってそれぞれの家庭で色々な加減があったなあと。自分は将来どんな子育ての仕方をする親になるだろう。
・小学生のとき「お金持ちだしお母様も美人だし、子供にめちゃお金かけてひたすら毎日遊ばせず受験勉強させてるけど、子供本人の学力がどうしてもあまり伸びない子」を沢山見た。それを思い出してしまった。これを描写してしまうのは本当にリアルだと思う。
・湊かなえさんの白ゆき姫のもだけど、報道とかクラスとか、世間が思い込んでる情報はいくらでも事実と異なりうると思った。周りからどう見られてても自分たちだけが事実を知っていれば充分ってことも多々あるのでネットや報道を見ない・気にしないメンタルも大切だなと。また、本人にしか分からない「どうしても嫌なこと」ってあるよなと
・「!?」となる展開はあまりないように感じた
・あ、終わり方はそんな感じかあとなった。観覧車についてもう少し深掘りしたかったかもしれない
私では理解できませんでした
湊かなえ先生の作品を初めて拝読しましたが、下記のような印象を受けました。
①登場人物の設定と言動のミスマッチさ
→学生が複数人登場しますが、言動が達観しすぎていてもはや恐怖、気持ち悪さを覚えます。
②現実味のなさすぎる展開
→読み進めている中ではリアリティを重視されているように感じたため、幾度とある突拍子もない展開に違和感を覚えました。
③登場人物の理解不能な思考回路
→そこで納得するの?そこでそう考えるの?そこでそう諭すの?そこでそう行動するの?という場面が何度もありました。
上記が湊先生の良さということであれば、私はそれを楽しめるレベルには達していません。
ファンの方が見ると不快に感じられるかもしれませんが、率直なレビューをさせていただきました。失礼しました。