あらすじ
「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴(ざくろ)」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。
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Posted by ブクログ
ミステリーを初めて読んだが滅茶苦茶面白かった。
飽き性な自分でも読めるくらい1話が短く、かつ内容も程よく濃いので楽しめた。
いい本に出会えました。
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ミステリーというか不思議なオチがある短編集。どの話も面白かった。出だしから状況がつかめて、静かなトーンながら迫力ある描写が続き、最後は意外な方向へ。スリルもありますが、話自体に惹きつける力があり没頭させられる。誰かの願いが完全に叶う。だから満願。大好き度❤️❤️
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再読。
何度読んでも好きな短編集。独立短編集でもこんなに粒ぞろいで面白いものってなかなかないかも(特にミステリーでは)。
好きなのは「万灯」、うなったのは「夜警」、ぞくぞくしたのは「柘榴」、ぞわぞわしたのは「死人宿」「関守」。表題作「満願」は、いちばん正統派ミステリーっぽいなという感じ(もちろん面白い)。
版元が新潮社ということもあってか『儚い羊たちの祝宴』にも通じる雰囲気が全体に漂っていて好み。
山本周五郎賞受賞作。
万灯が傑作
心を掴まれるミステリ全6短編。特に「万灯」は傑作。仕事で若さを費やし、その仕事への情熱の余り、中年となって道を踏み外した男の物語は、とても他人事とは思えなかった。🪔なお、東野圭吾は事実関係に照らして「万灯」はミステリとして不成立という旨の批判をしているが、この批判に疑問を呈し、米澤はギリギリのところでミステリを成立させている旨の反論もある。🪔東野は精緻なトリックが得意で、米澤はトリックを通じて叙情豊かに人間を描くことが得意だ。東野は作風の異なる米澤に狭量過ぎないか。渡辺淳一と同じ轍を踏んでどうするのだ(笑)🪔
良質なミステリーの連続
友人のススメで拝読しました。
表題作「満願」だけでなく、全ての短編に共通した人間の心理描写に惹き込まれました。謎が解けていくに従い、登場人物の息遣いすら聞こえて来るほどのリアリティが迫る良作。あっという間に読み終えてしまう、貴重な体験でした。
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最近は研修で忙しく、久しぶりに読書の時間がとれた。大切な時間に何を読むかかなり悩んだ。久しぶりの読書が長編だとハードルが高く感じたので、短編で探すことに。そして目に入った短編三冠の帯。これは期待が高まる。
面白いの一言。これに尽きる。
特に「死人宿」は自分の好きなタイプの小説で良かった。イヤミス好きならお勧めです。
謎解きもありつつ、後半にかけて焦燥駆られる気持ちで読み進め、頁を捲る速度が早くなる感じ。最後も良かった。
その他には、「柘榴」の終わり方が印象的だった。
後半になるにつれて、段々と雲行きが怪しくなってくる感じが怖かった。
父親目線で語らなかったのが、あえて良かったのかも知れない。
全てを虜にする魅力かぁ。娘をも狂わせるとは。
親権について勉強して、作戦を立て、自らの体を傷つけて母親をも欺く。それほどまでに父親を奪い自分のものにしたかった。
やってやろうという覚悟が凄いですよね。愛というか、魅了されて洗脳に近い気がするような。
匿名
どれもざらつく読後感でオチに一癖あって良かったです。
個人的には万灯が一番面白かったです。最初は取っ付き難い内容だなと苦手に思っていましたが、読み進めてみるとオチがどれよりも好きでした。
逆に評価の高い柘榴と関守は途中でオチが読めてしまって個人的には響かなかったかな…。
この本が好きなら同作者の「儚い羊たちの祝宴」にも好きな話が見つかるんじゃないでしょうか。
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世界線が繋がっていない完全な短編集。どことなく仄暗い作品という共通項はありつつも、異なる世界観・テイストが楽しめる6つの作品がおさめられている。
著者の作品は、「可燃物」「儚い羊たちの祝宴」「黒牢城」を読んだことがあり、世界観を深掘りするのに秀でた作家だなと思っていたが、連作短編ではない短編作品でこれだけ物語の厚みを出せるのは素晴らしいと思ったし、著者の幅の広さを思い知らされた。
「儚い羊たちの祝宴」はサイコホラー重視の作品、「満願」はストーリー性重視の作品という感じ。
どの作品もそれぞれの良さがあって甲乙つけ難いが、結末の意外性が尾を引いたので「柘榴」「万灯」が推し作品。
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短編集
『夜警』『死人宿』『柘榴』『万灯』『関守』『満願』
どれも予想外の展開が待ち受けていて面白かった。
特に、『万灯』と『関守』が好みだった。
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全ての短編が心にドロっと余韻が残る、好みの話ばかりで良かった。すべてのエピソードで各々が守りたい何かがあり、そのために人を殺したり嘘をついたりする切実さが印象に残った。
夜警
拳銃を使いたいから警官になったという動機と、都合が悪いことを隠したがる気の小さい性格が引き起こした事故が最悪の結末を引き起こすという出来事の流れがきれいで好き。
死人宿
ヒントが散りばめられており、推理小説として面白い。オチの救いのなさ、人の死は他人にはどうにもできないというどうしようもなさが虚しい。
柘榴
長女怖すぎ。男を自分のものにできる確信があるところが、母の血を引いてて怖かった。次女もいずれ同じ思想になるのだろうか。母の気持ちを考えると後味は悪い。
万灯
昭和のエネルギー開発という社会的なテーマがいい。仕事が全てという典型的な昭和の男丸出しの主人公が殺人を犯すまでに仕事に盲目になり、病気という思わぬものに足を掬われる流れがきれい。オチまでの伏線もあらゆるところに張られていてよかった。
関守
一番ホラー感があってゾクゾクした。おばあさんがキーパーソンっぽいのは始めから何となくわかるが、事故の被害者がまさかそうやって繋がってくるとは。
満願
殺人の目的が襲われそうになったことによる自己防衛などではなく、掛軸に血をつけて押収されるのを防ぐことだったというのは、驚きと同時に感心した。掛軸を守ることは、先祖や自分の行いに対する誇りを守ることだったのだという切実さが良かった。キーアイテムとしての達磨の使われ方も良かった。
Posted by ブクログ
米澤穂信の『満願』を読んで、短編集なのに一つひとつの物語がとても濃く、重厚な作品だと感じた。それぞれ内容や舞台は異なっているのに、登場人物の心情がしっかりと伝わってきて、どの作品にも強く引き込まれた。
この作品には全体的に、少しホラーのような不気味さがある。ただ、怖がらせるような「きゃー」という恐怖ではなく、読んでいるうちにじわじわと感じる「ゾクゾクする」怖さだった。その正体は、幽霊や怪物ではなく、人間そのものなのだと思う。
特に印象に残ったのは「関守」だった。物語が思いもよらない方向へ転換していくたびに、「ここでそうくるのか」と驚かされ、その展開の不気味さが強く残った。「柘榴」も、どんでん返しに「えっ……まじか」と驚かされるだけでなく、人間の執着の怖さが印象に残った。「死人宿」は程よく張られた伏線と、人の死があまりにも軽く扱われているような感覚が怖く、読後の余韻も深かった。「万灯」からは、人生が破滅へ向かっていく階段を一段ずつ降りていくような怖さを感じ、「夜警」では田原の人間としての異常性や、若さゆえの危うさが怖かった。そして表題作の「満願」では、物語の見え方が覆っていく面白さを感じた。
どの作品にも共通しているのは、登場人物のどこかが歪んでいることだと思う。執着や欲望、正義感、願いなど、人間なら誰もが持っている感情が少しずつ歪んでいき、「人間はそこまでいってしまうのか」と思わせられる。その「そこまでいってしまう」という感覚こそが、この作品の一番の怖さなのだと思う。
短編でありながら、一話ごとに異なる物語と怖さを楽しむことができ、読み終えた後にもそれぞれの作品が心に残った。特に「関守」と「柘榴」が強く印象に残り、『満願』はミステリーとしてだけでなく、人間の心の歪みや怖さを描いた作品として、とても素敵な短編集だった
Posted by ブクログ
タイトルである「満願」を含む、異なる6つの短編ミステリーという構成でした。それぞれの物語が短編であるため内容を圧縮して作成されていました。
それぞれの内容に思いは違えども、全てに共通するものは「願い」だと気づきました。
計6編の各人生における「願いを達成させたい」という思いが必死さが伝わってきました。
それぞれの短編の中で、文章の横に点て表示されている内容がキーワードになり、ゾクッとする場面もありました。
全編が「満願」=「願いが叶うこと」を意図しているのかと感じました。
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どの短編も読みやすく、すぐに読み終えました。
ぞくっとしたり、うなずいたり、驚いたりとどの話も読みごたえのあるものでした。
「柘榴」がいちばん印象が強く記憶に残りました。
Posted by ブクログ
とても読みやすい短編集だった。
一見すると理解できない行動や選択も、その背景にある感情や事情を知るとまったく違って見えてくる。登場人物たちの複雑な心理を、わずかなページ数の中で鮮やかに描き切る作者の力量に圧倒された。
Posted by ブクログ
短編でサクサク読めて面白かった。ジャンルとしてはミステリーだが、どの話にも人の怖さというよりは人間の信念の強さのようなものが感じられて良かった。
個人的には「夜警」「柘榴」「関守」が好きかもしれない。
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丁寧な筆致に好感が持てる作品で、派手さはないものの十分に楽しめました。オチや仕掛けを意識しすぎると、もしかしたら肩透かしをくらうかもしれませんね。
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人はなぜ人を殺め、なぜ欺くのか——動機の様はさまざまで、読むほどに人の心の奥行きの測りがたさを思い知らされる。
とりわけ『柘榴』は、私の想像のおよそ及ばぬところに理由が据えられていた。
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結末は言い切らず読者にゾッとした悪寒を与えて終える6編の短編集。
時代や背景、年齢も異なるそれぞれの登場人物が全く異なる角度からミステリーの世界に誘い、伏線が回収される中で不気味ながらも心地良く感じられる文体が秀逸だった。
Posted by ブクログ
⭐️4
どの作品も面白かったけど、「死人宿」と「万灯」が特に好きかな。
「関守」はもはや『世にも奇妙な物語』ですね。
グイグイ引き込まれる文章のうまさがすごい。
儚い羊たちの祝宴が好きな人は
米澤穂信さんの"儚い羊たちの祝宴"が本当に大好きなので、気になってこちらも読みました。どの主人公も間抜けじゃないのがいい。短編だから読みやすくて、どこか上品な感じが本当に良い。タイトルにもなってる"満願"は構成や雰囲気が1番"儚い羊たちの祝宴"に近いと思う。面白いと思ったのは夜警と万灯。柘榴は綺麗な文章だなと思った。
夜警、死人宿、柘榴、万灯、関守、満願の6つの短編集です。個人的には、死人宿と満願が後に残りました。その他の4篇も標準以上です。
米澤さんの作品は、古典部シリーズしか読んでいませんが、短編も味があると思います。
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出所から始まる
弁護側(衝動的犯行)と検察側(計画的犯行)の意見は真逆に分かれるが、果たして犯行理由は……
細く繊細な描写が妙にリアリティがあり、その理由で犯行に及ぶのか!!となるのだか、だるまや家宝の掛け軸など本人や家族の中で大切な守るべきものは、他人には知る由もない
2023/11/4
Posted by ブクログ
それぞれイヤミスというか読んでスッキリという訳でなく、もしかしたらこうだったかもという若干の嫌な気持ちが残る短編集だった。
名探偵がいなければ現実もこういう感じだと思うが、何故か最初の刑事がずっと主人公の話だと思っていたため、いきなり主人公が変わってしまってびっくりした。
峠の話が印象的だった。
今みたいに犯罪は悪!なのは当たり前だが、色んなことが合理的に行われた時代ってのもあるんだと思った。
なんだか全編、この先は想像にお任せしますというような内容が多かったが、想像力の乏しい私は結末まで読みたいなと思う気持ちが強かった。
Posted by ブクログ
6編の短編集。どれも読み終わった時にスッキリとしない後口の悪さが残る。
個人的には夜警が一番面白かった。次点死人宿。
夜警は最初、交番長である主人公に対してもっと新人に教えてあげても良いのではと思ったものだが、新人が書類箱のやらかしを隠蔽しようとしたあたりで「あ、ダメなやつだ」と嘆息した。このタイプは警察だけでなく組織人には向かないなと。恐らく普通の会社勤めでも報連相が出来なくて怒られるタイプだ。上司である主人公の心労を慮ったが、主人公は良くも悪くも数歩引いて見ていたので、心配には及ばないようだ。しかしこの新人の斜め上を行く突飛な行動が最後に明らかにされた時は書類箱の件以上に面食らった。こんな部下絶対に嫌だ…。作家の手腕で読み応えのあるミステリに仕上がっているが、現実ならヤベェ奴として長らく語り草になりそうだ。
死人宿は遺書の内容からよくあれだけ意図を解明出来たなと驚いた。下心ありきな主人公だったけれども、変わったことを証明したいと行動で見せようとするのは立派ではある。全編を通して前向きに頑張る主人公がほとんどいなかったので、振り返ってみると応援したくなるような主人公はこの死人宿の主人公だけだったかも知れない。
Posted by ブクログ
米澤穂信さんの作品なので間違いはないと思って読み始めました。短編集であっという間の一気読み。どちらかというとイヤミス系でしたね。個人的には「万灯」が一番好きかな。また時間をあけて再読したい作品です。
Posted by ブクログ
初の米澤穂信さん
読書初心者の自分からすると、読み方を理解していないためか「あー、なるほど」と読み直してから理解できる面白さと「…ん?」と思う物語があった。
個人的に好きな話は、関守、満願、柘榴、死人宿。
少しホラーテイストな話と、
ヒトコワな話と、うわー、気持ちが悪る…、
って感じのが好みだと再確認できた本。笑
ミステリーの面白さを理解してからまた読みたい。
ので、今の自分レベルでの評価は3
Posted by ブクログ
どの作品も後味の悪い短編集。私はハッピーエンドが好きなので好みに合わない事は分かっていても、先が気になって読めた。特に「万灯」の伏線回収された時の絶望感は印象的だった。勢いで悪い事はしない方が良い…