【感想・ネタバレ】満願(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴(ざくろ)」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

全ての短編が心にドロっと余韻が残る、好みの話ばかりで良かった。すべてのエピソードで各々が守りたい何かがあり、そのために人を殺したり嘘をついたりする切実さが印象に残った。

夜警
拳銃を使いたいから警官になったという動機と、都合が悪いことを隠したがる気の小さい性格が引き起こした事故が最悪の結末を引き起こすという出来事の流れがきれいで好き。

死人宿
ヒントが散りばめられており、推理小説として面白い。オチの救いのなさ、人の死は他人にはどうにもできないというどうしようもなさが虚しい。

柘榴
長女怖すぎ。男を自分のものにできる確信があるところが、母の血を引いてて怖かった。次女もいずれ同じ思想になるのだろうか。母の気持ちを考えると後味は悪い。

万灯
昭和のエネルギー開発という社会的なテーマがいい。仕事が全てという典型的な昭和の男丸出しの主人公が殺人を犯すまでに仕事に盲目になり、病気という思わぬものに足を掬われる流れがきれい。オチまでの伏線もあらゆるところに張られていてよかった。

関守
一番ホラー感があってゾクゾクした。おばあさんがキーパーソンっぽいのは始めから何となくわかるが、事故の被害者がまさかそうやって繋がってくるとは。

満願
殺人の目的が襲われそうになったことによる自己防衛などではなく、掛軸に血をつけて押収されるのを防ぐことだったというのは、驚きと同時に感心した。掛軸を守ることは、先祖や自分の行いに対する誇りを守ることだったのだという切実さが良かった。キーアイテムとしての達磨の使われ方も良かった。

0
2026年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

関守の、主人公が眠くなるにつれて真相が明らかになっていく絶望感が印象的。
どの話も面白かったですが、個人的に儚い羊たちの祝宴のほうが好みでしたので少し物足りなさを感じました

0
2026年05月04日

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