小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ドラマ化を聞いて、上巻を読んでからの期待しての下巻。
裏切りませんでした。
その場の雰囲気、登場人物の心情や人間模様、グッとお話の中に引き込まれました。
お話を読んでいると疾走感というのでしょうか⋯そんな空気が感じられました。
それは走っている場面はもちろん、放送する側、選手側、指導者等それぞれの立場、それぞれの気持ち、それぞれの状況⋯。
上巻と同じく、没入出来てこちらの感情に訴えかける何かがあり、特にそれぞれの選手の場面ではその情景が思い浮かんで、ビックリする位泣きました。
最初に手元に来た時に、この分厚い本を読めるのだろうか⋯と思った気持ちはすっかりなくなり、本当に読んで良かったと思 -
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死を前にした人間がワガママになるのは、いけないことなのか。
すごく"死"とは正反対のバイタリティを感じた。
謝辞にあるように、きっと事あるごとに私はジェットの強さを思い出すだろう。
自らの死をカウントダウンするなんて、どんな気持ちなんだろうか
最悪が更新されていくなんて、どんな気分なんだろうか
『死にたくない』どんな想いで発したんだろうか
節々で、涙がとまらなかった。
人間関係が複雑に絡み合っていて、何を信じたらいいか分からなくなってしまう本作だった。
ホリー・ジャクソン著の翻訳済み作品は全て読んできたけれど
そういった表面上に現れないような澱みを書くのがうまいなあ、と -
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Posted by ブクログ
ネタバレ児童書から哲学までの多ジャンル、古代から現代までの作者別書評。本の紹介のほか、次に読むべき本も紹介。
浩瀚すぎてカラー刷大型本で枕にするにも大きすぎ。翻訳された本のうち2割弱は既読だが、死ぬまでに読む本が見つかった。
・ベスト&ブライテスト→輝ける嘘
・異星の客→猫のゆりかご
・ブルックリン横丁
・精霊たちの家
・真空ダイヤグラム
・高慢と偏見、高慢と偏見、そして殺人
・バーブル・ナーマ ムガル帝国創設者の回想録
・2666年 R.ボラーニョ
・地中海 ブローデル
・抱擁 A.S.バイアット
・大いなる眠り チャンドラー
・彼らの最良の時 チャーチル
・ノヴァ S.R.ディレニ
・薔薇の名前 -
Posted by ブクログ
1944年、ナチス政権下のドイツ。父を密告によって処刑され、孤独に生きる16歳の少年ヴェルナーは、ナチスに反抗する少年少女のグループ「エーデルヴァイス海賊団」と出会う。ヒトラー・ユーゲントに抵抗しながら、束の間の自由を求めて活動した海賊団の物語。
「同志少女よ、敵を撃て」、「ブレイクショットの軌跡」に、続いて逢坂冬馬の作品を読むのは3作目。
毎度のことだが、歴史や社会構造への造詣が深い。そこに裏打ちされた物語がどれだけ面白いか皆さんにも読んでほしい。
三作とも「歴史や社会の大きな流れの中で埋もれてしまう個人の声を拾い上げ、その人が「どう生きるか」を描く」そんな作品になっている。次回作も楽し -
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┏━━━ 感想 ━━━┓
大家の家に行った話がうけた。
ほんとうの意味で国や文化を超えて時計を合わせるのは難しいのかもしれない、というのが、フムフムという感じでした。
筆者が「わたしにもなにかできることが、あるのだろうか。」と考える姿に、しっかりした子だなと、とても感心しました。
わたしも、なにができるかを考え、弱きものへの意識をもって、行動したいと思います。
┏━━━ あらすじ ━━━┓
筆者がお父さんの仕事の転勤に伴い、インドで過ごした日々の記録を語っていきます。
┏━━ 主な登場人物 ━━┓
熊谷さんファミリー
インドの大家 火の神
ブミちゃん 家政婦
モ -
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これは傑作!芥川賞なのに珍しく面白い!
AIとかVRのような今風なモチーフを扱いながらも、現代の労働観や社会のあり様を正面から問うている骨太の作品だと感じた。四半世紀後に成長し大人になった『千と千尋』が伊藤計劃に出会ったとでも言おうか。全体としてトーンはディストピアだし、ゾンビだし、陰々滅々としそうな要素のてんこ盛りなのだが、細部にユーモアを織り込むセンスがあって一気に読めた。
AIの時代の労働の固有性とは何なのか、あるいは労働が人工知能に代替されるとは裏を返すと人間が人工知能を代替する状況も成立し得ることになるのではないか、などこの時代ならではの重層的な問が設定されているだけでなく、後期近代 -
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北海道浦河町で競走馬の生産牧場を営む三上収、三上徹の親子。
パリ・ロンシャン競馬場で開催される世界最高峰のレース「凱旋門賞」の舞台で力を発揮できるのは、ステイゴールドの血統に違いない――と確信していた。
そう結論づけた収はその産駒であり、かつて凱旋門賞で二着となったナカヤマフェスタの種付けを続けていた。そうして収が自信を持って作り出した仔馬は、調教師・児玉健司の目に留まり、将来の可能性を信じた馬主の小森達之助に引き取られることに。
二歳となりカムナビと名付けられたかつての仔馬は、美浦の児玉厩舎に引き取られ、その気性の荒さから厩務員である小田島雅彦らに手を焼かせていた。
一進一退しながらも着々と -
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子供たち(利一、慎司、悦子、清孝、宏樹、劉生)がみな生き生きとしていて、「こんな子いたなあ」と不思議な懐かしさに浸ってしまった。
特に、貧しい環境の清孝君の健気さと強さを読んで、「小学校の同級生だったあの子は今頃どうしているだろうか」と気になった。
「ポックリ」先生のマネをする慎司の場面では、顔がニヤけた。他にも利一による描写が、いちいちツボに嵌り、数ページ置きに吹き出した。
子供の頃の大冒険を、その中のひとりが後に「作家」として書き記す、という構成は、スティーブン・キングの「スタンド・バイ・ミー」を思い出させる。
大林宣彦さんの解説を読むまで、冒頭の扉の1頁に隠されたメッセージを理解 -
Posted by ブクログ
テンポの良いキレッキレの文章でつづられる由衣の暴れっぷりや俊貴のオロオロっぷりがとにかく面白く、電車で笑いをこらえるのに困るほど。
こうありたいと思う自分をイメージして髪型やメイク、ファッションを寄せてみたりという経験のある人は自分を含めていると思うけど、ここまでする人は今までお目にかかったことがない。
でも、この社会に起こっている理不尽なことたちに真剣に抗おうと思ったら、ここまでやらないと難しいのかもとちょっと思ったり。
由衣と、天地がひっくり返るようレベルのパートナーの変化に食らいついて共に歩む俊貴にあっぱれ。
このファミリーの今後の姿もみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ謎の料理店の店主が謎解きや人探しをして欲しいという裏注文に、配達人を雇って証拠探しや手がかりを探すことで探偵のようなことをする。でもその探偵業務がどれも的をいているものの『客が満足のいく答え』を探しているだけ。『客が欲しいのは真実でなくていい』というなんとも薄気味悪いことを言う……。
そんなことを言う店主の正体を明かそうとした配達人のひとりが…配達を通じ仲良くなった店と結託して店主のいわば『手足』になって働く人や、店主自身をつけていたところ…電車の来るホームで背中を押され………なんとも怖い話もあった。『知らぬが仏』という合言葉で配達人たちが、消えた配達人を店主に探させようとしたところ『俺が殺し -
Posted by ブクログ
ネタバレ朝起きたら、自分が虫になっていた。
これほど異常な始まりなのに、本当に恐ろしいのは虫になったことではない。
グレゴールが働けなくなった瞬間から、家族の中で少しずつ「不要なもの」になっていくことだ。
彼はそれまで家族を養い、自分を犠牲にして働いていた。
だからこそ、役に立てなくなったあとの扱いがひどい。
最初は心配していた家族も、やがて彼を厄介者として見るようになる。そしてグレゴール自身も、その視線を受け入れるようにだんだん小さくなっていく。
これは虫の話ではないと分かってしまうから、読んでいて苦しくなる。
病気になったとき、仕事を失ったとき、誰かの期待に応えられなくなったとき。
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