小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白い。4作品とも趣向が異なり全部良かった。"オーバーラップナイフ、ナイフ"はとてもよく出来たタイムリープもので、結末が近づくにつれ悲しく痛々しいけど構成が本当に面白い。"湿地の愛"も好き。幽霊のムルとスプのやり取りが微笑ましく可愛らしい。壮大なラストで終わりのその先が気になるという感覚を久しぶりに感じた。訳者あとがきにある「ホラーの先にある爽快感と充足感」という言葉がぴったり。しっかり怖いですが、それも含めて良いなあ〜面白いなあという満足感の方が大きく読後が非常に良い。ただのホラーでなく、家族愛や友愛が描かれているので感情移入しやすく読みや
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Posted by ブクログ
いやー。ヤベー本に出会っちまったな。
まず最初に公式のこの「I」の紹介文を読んで欲しい。
「二つの章から成る物語。読む順番は自由。
あなたの選択で、結末が変わる。
「一冊の本」の概念を壊す道尾秀介、
(2025年11月現在)累計35万部突破『N』を凌ぐ衝撃。」
で、次に道尾秀介自身の紹介文
「本作は二つの章から成る物語です。読む順番は自由ですが、その選択により、結末は大きく変わります。どちらかの順番で読むと、二人の主人公を含め、多くの人が命を失います。別の順番で読むと、彼ら(彼女たち)は生き残ります。殺すか、救うか。あなたの選択が、人の生死を決定します。後戻りはできません。/著者より」
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Posted by ブクログ
ネタバレAudibleにて。
積読チャンネルにて紹介されて知った。
目まぐるしく変わる視点に振り落とされそうになりながらも、それぞれの言葉の立場で紡がれるおどろおどろしい心の内側は、ずっと怖いもの見たさを刺激し、消して短くはないが最後まで引っ張られた。
この語り口は芥川龍之介の藪の中をオマージュしているんだとおもうのだが、登場人物が多く、オーディオブックとの噛み合わせはあまりよくなかった。事前に積読チャンネルであらすじを知っていなければ、ついていけなかったとおもう。
40代男の自分は、元文芸雑誌編集長で、裏で文芸インポと揶揄されている木戸悠介に、一番心を重ねてしまうが、いかんせん辛すぎる。。。(他の登 -
Posted by ブクログ
グッチ一族で経営していたのがある事件をきっかけに一族の手を離れて他者によって運営されていく具体的な流れが10年かけて仕上げたこちらの本に細かく書かれています。
もともとブランドにはあまり興味はないですが、この本を読んだらLVMHの商品は敬遠してしまいます。
欲に目が眩んではいけないことがまざまざと描かれていて人生の教訓になりました。
あとがきに映画を制作する際にパトリツィア役にレディーガガが採用された事やパトリツィア本人には何の連絡もなく映画化した事に憤慨しているようで性格が何ら変わって無いように感じられます。
お金に執着心がある人はどうも好きになれません。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ良すぎた。
親子関係にぎこちなさを抱える幼い2人が偶然にも出会い、生まれた環境が全然違うのに妙に惹かれ合うところ。再会を果たすけど、まだ青々しさのある2人が上手くお互い接することができずに、でも少しずつ接点を増やしていくところ。不自由な大人になって二度目の再会をして、お互いの家族を巻き込みながら止まっていた時間が動き出すところ。
ずっと2人の中に、2人の幼い頃の記憶があって、それが2人とその人生を作ってた。そこが丁寧に描かれていていて、心の中を覗けるようだった。そしてこの方の心理描写は、自分自身の苦々しいところがズキっと痛みそうなくらい的確で主人公たちに感情移入しっぱなしだった。
友達じゃ