踏切の幽霊

踏切の幽霊

800円 (税込)

4pt

いつまでも深く胸に残る哀切な幽霊譚

その踏切で撮られた写真には、写るはずのない人影が記録されていた。
大都市の片隅で起こった怪異。
最愛の妻を亡くし、絶望の淵にいる記者が突き止めた真実とは?

哀しみ、怒り、恐怖――読む者の心に様々な感情を喚起する、ホラーを超えた新たな幽霊小説の誕生。
迫真の筆致で描かれた、生と死についての物語。

第169回直木賞候補作

解説・朝宮運河

単行本 2022年10月 文藝春秋刊
文庫版 2025年11月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。

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踏切の幽霊 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

     大都会の片隅で起きる「踏切に度々現れる奇妙な人影」の怪異と妻を亡くし絶望の淵にいる記者が交錯するホラー×社会派ミステリーで、怪談話と社会問題という一見合わないであろう二つの要素の鮮やかな融合とエンタメの枠を越えた生と死の物語の側面が胸が締め付けられるも読む側を引き付けて止まない作品に仕上がっていた

    0
    2025年11月17日

    Posted by ブクログ

    高野和明『踏切の幽霊』文春文庫。

    『ジェノサイド』以来の久し振りの高野和明。単行本の刊行時から気になっていた作品である。

    何とも切なく遣る瀬ない結末のホラー・ミステリー小説であった。

    単なる幽霊譚ではなく、大都会の中で、過去の傷を引き摺りながら独り生き続けることの苦しさが見事なまでに表現されて

    0
    2025年11月10日

    Posted by ブクログ

    下北沢にある踏切には女の幽霊が現れる。
    そんな嘘か誠かわからない話を雑誌のネタとして追うことになったのは元新聞記者の男。
     
    その男は妻との死別を機に生きる気力をなくしてしまっており、新聞社を辞めた後に拾ってもらった女性雑誌でも熱が入らず、この取材で熱意が戻らねば辞めてもらうと暗に仄めかされていた。

    0
    2025年11月29日

    Posted by ブクログ

    踏切に現れだした幽霊の身元を探っていくうちに様々な真実が明らかになっていき、幽霊の存在がゾッとする怖さと哀しみから一人の壮絶な人生を感じた。

    0
    2025年11月28日

    Posted by ブクログ

    この小説において大きな嘘は「幽霊がいる」という一点のみであり、その周囲を徹底的に現実の社会描写で埋め尽くすことで、幽霊小説でありながらリアリティレベルの高い作品になっている。全体的に物哀しい孤独感にあふれた作品だが、「踏切の幽霊」という文字通り雲を掴むような話から、地道な取材を通してやがて巨大な疑惑

    0
    2025年11月21日

    Posted by ブクログ

    大きな事件に巻き込まれて死んでしまった女性の身元を追いかける記者の話だった。
    悲しい物語だったが、人が亡くなるということをあらためて自分の中で見つめ直す事が出来る作品。
    誰か1人でも自分の死を悼んでくれるのであれば救われる。そうであってほしいと願います。

    0
    2025年11月30日

    Posted by ブクログ

    幽霊譚にして骨太な社会派ミステリ。踏切に現れる髪の長い痩せた幽霊は、惨殺された身元不明の女性なのか。記者の取材により徐々に明らかになっていくのは、社会によって「幽霊」とされた一人の女性の人生。物語は至極シンプルで、諸々少し物足りない感はあるが、それが逆にリアリティを生む。午前1時3分… 線路の向こう

    0
    2025年11月11日

    Posted by ブクログ

    【2025年136冊目】
    病気で妻を亡くした松田は事件記者から、婦人向け雑誌の担当になり、うだつのあがらない日々を過ごしていた。契約終了まで残り2ヶ月になり、心霊特集を担当することになった松田が出会ったのが踏切での事故だった。いつしか亡くなった女の正体を追いかけるようになったが――。

    作家さん買

    0
    2025年11月10日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ホラーではありながらも現実味があり、一人の記者と、一人の女性の人生が詰まっていた。
    面白く扱われるような心霊ネタから始まったものが、失望の中にいた記者の心を動かし、人生をかけて一人の人間と向き合う仕事をして、誇りを持って仕事を終える。その中で、胸が苦しくなる場面は数え切れないほどあった。笑い方を知ら

    0
    2025年11月11日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    すっごい久しぶりの高野和明さんの作品で楽しみでした。ジェノサイド以来かな。
    まず、感想として作品の舞台がそうだからなんだけど、めちゃくちゃ昭和の小説を読んでる気分にもなりました。時代背景という部分だけでなく、なんか当時に書いた感溢れてました。解説読んで少し納得かな。

    作品のジャンルとしては、何だろ

    0
    2025年11月29日

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