【感想・ネタバレ】盲目的な恋と友情(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

タカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花(いちのせらんか)は自身の美貌に無自覚で、恋もまだ知らなかった。だが、大学のオーケストラに指揮者として迎えられた茂実星近(しげみほしちか)が、彼女の人生を一変させる。茂実との恋愛に溺れる蘭花だったが、やがて彼の裏切りを知る。五年間の激しい恋の衝撃的な終焉。蘭花の友人・留利絵(るりえ)の目からその歳月を見つめたとき、また別の真実が――。男女の、そして女友達の妄執を描き切る長編。

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Posted by ブクログ

本作は、壊れていく人間関係を描きながらも、その過程に一瞬だけ立ち上がる「関係性の美しさ」が強く印象に残る作品だった。登場人物たちは不器用で、視野が狭く、決して理想的な振る舞いはしない。しかしだからこそ、誰かを信じようとする気持ちや、同じ時間を共有してきた者同士にしか生まれない結びつきが、かすかに、しかし確かに輝いて見える。
恋と友情はしばしば対立するものとして描かれるが、本作ではそれらが絡まり合い、互いを侵食しながらも、簡単には切り離せない関係として存在している。その曖昧さの中で築かれてきた関係は、結果的に歪み、壊れてしまうとしても、そこに至るまでの感情の積み重ね自体は決して嘘ではない。その点に、この物語が持つ静かな美しさがあるように感じた。
誰かを大切に思った時間や、同じ方向を見ていた瞬間は、たとえ結末が悲しいものであっても無意味にはならない。盲目的であったからこそ生まれた強度の高い関係性が、読み手の心に複雑な余韻を残す作品だった。

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2026年01月30日

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ネタバレ

まさにタイトル通り、「盲目的」だな〜〜〜という感想!一章と二章のそれぞれの主人公、一人のことに没頭しすぎて周りの意見が何も聞けてない。でもある意味一番人間らしいのかなとも思う。

茂実は自殺と思わせて、こっちが殺したと思わせ、いややっぱりそっちが殺したんかい!と二転三転するのも面白い。

いや結婚式中に警察割り込む?とは思った笑

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2026年01月22日

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年末年始の旅行の移動で一気に読んだ
ラストは衝撃だった
恋って人を盲目にさせるんだなと。
友情については恋ほど友達と語り合わないのは、確かになあ、なんでだろ、て思った

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2026年01月09日

Posted by ブクログ

良い意味で読んでいて疲れる本だった。
恋を読み終えた時点で何度も何度も裏切られた気分になった。
恋人、友人との関係の難しさを感じられた。
とても良かった

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2026年01月05日

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ネタバレ

辻村美月先生の本の中では短い内容だったので一気読み。個人的にとても良かった。

良かった理由として、私も蘭花や茉莉絵のような経験をしたことがあり、めちゃくちゃ共感できたことが挙げられる。

自分が本当に恋している、この人以外考えられないとなると、周りが何を言っても頭の中にその意見が入ってこない。
も周囲の友人に別れた方が良い、と言われたが、何となくその理由が理解できたとしても、その時は「この人がいない生活なんて考えられない」と思ってしまう。恋というのは、病気だと思う。
結局その人とはあるきっかけで別れて別の人と付き合うことになったが、今思い返してもなぜその人に執着していたのか分からない。全く魅力を感じなくなってしまった。ただ、その時は病気だったので本当にその人がいないとダメだと思っていた。
その心境を辻村さんは見事に文章で再現していて、感情移入してしまった。
因みにその人は茂実ほどのクズではなかった。笑

茉莉絵の気持ちもわかるし、こんな子いるよな、という気持ちで読み進めていた。
幼い頃の環境がそのような考え方を生み出してしまったと思うと、可哀想だった。
私も小さい頃容姿がコンプレックスな部分もあり、ひたすらに周囲の子が羨ましいと思うことがあった。幸いにも友人に恵まれて全く気にすることはなくなったが、環境次第では茉莉絵のようになってしまうこともある、と思った。

盲目的な恋、というのは想像できるが、友情という視点はあまり想像できなかった。
ただ、茉莉絵をみているといかに蘭花に執着していたかが伝わり、盲目的な友情も怖いなと思った。

茂実も最初は好青年のような描写だったのに、どんどんクズ男に成り下がっていき、まさに人間味あふれるドロドロしたドラマだと思った。個人的にはドロドロ系がとても好きなので、また読みたい。笑

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2025年12月26日

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盲目的な恋の最中にいた蘭花の目線はよくある恋愛の一部始終という感覚だったけど、ずっと嘲笑されてきて人間不信な留利絵から見ると友情も十分盲目になって人に執着してしまうものなのだと感じた。留利絵の蘭花に対する独占欲とか、どんなに献身的に支えても結局は男の元に行ってしまうのだと悟って呆れるところとか少しわかる気がした。高校時代に、あまり理解できない行動をする友達がいたなぁと思い出した。黒幕は留利絵なのか、茂実なのか、茂実を操っていた女だったのか…。美波が一番世渡り上手でさっぱりしてて生きやすそう。想像以上の結末で恐ろしかった。留利絵のように被害妄想が強くて、異性から認めてもらえなかったトラウマを持ち、考えすぎてしまう人はどのようにしたらもっと軽く生きられて幸せになれるのだろうと思った。外見至上主義の世の中って良くないと思った。

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2025年12月21日

ネタバレ 購入済み

面白い

一気に読んでしまった。なんとなくこうかなと予想はついたけれどそれでも面白かった。女の執着がすごくリアルで文章に引き込まれてしまった。ザラザラした終わり方だがそれでも潔さを感じた。好きな人は好きな感じだと思う。

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2022年05月04日

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どうしても年代で、恋とかに夢中になってしまって、自分の理想やら、そういうのからかけ離れていく自分が不安になりながらも若さゆえ止めることが出来ない気持ちやらなんやら、色々思い出して怖くなる部分があった。
奈々子の存在にゾッとした。
いくつになっても、自分の手を汚さずに人を苦しめる絶対的な悪がいるよな、と思った。

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2026年01月24日

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ネタバレ

友達と自分と若い時の恋愛を思い出した。
10代とは違って友達は自然に離れたり、たまにあったりして付き合ってくものだと思ってるけど、恋愛に興味無い留利絵はこんなにも執着してしまうのかと思った。でも、こんなにも大きくなくても何となくそう感じてしまう気持ちも分かる。
主人公も激しい恋愛をしているし、良い子だと思った友達もだんだん押し付けがましい気持ちになって最後には大好きな友達のはずなのに歪んだ愛で足を引っ張ってるのが痛々しい。
周りの羨望の人からの信頼や繋がりを得るために自分を犠牲にしたくはないなと思った。

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2026年01月23日

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大学のオケ部の女子学生2人の視点から描かれる。
1人は容姿にも家庭にも恵まれた女子学生だが、破滅的な恋にのめり込んでいく。彼との恋愛が主テーマで相談相手として友達などが脇役的に登場する。
もう1人は真逆で容姿にコンプレックスがあり、家庭環境も複雑。恋愛経験も少ないが、友達関係を大事にしている。
それぞれ友人・仲間として同じ時を過ごし、同じ出来事を経験するが、各々の視点からみると異なった捉え方をしていることが浮き彫りになる。

単純におもしろかった。美人なのになぜ不幸になっていこうとしてしまうのか、一方、容姿にコンプレックスを抱き、それに卑屈にならないためにも友情を必要以上に執着する。
それぞれの独りよがりな考えをあからさまに描きつつ、自身にも思い当たるところがあり他人事ではない感じも受けた。

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2026年01月20日

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ネタバレ

「美しい人は、必ずしも幸福ではない。」

蘭花と茂実。
出会いは光のようで、でもその光は、眩しすぎて、痛かった。
恋と友情の境界線は曖昧で、どちらも盲目になる。
読み終えたあとに、胸の奥に残るのは「これって本当に“幸せ”だったの?」という疑問。
この三人の視点を行き来することで、
「人間って、誰もが自分だけの正しさを生きてる」
そんなことを思わされた。

辻村深月さんの描く“人間の奥深さ”にまたやられた。
読後感は重い。でも読む価値はある。
むしろ、誰かとこの本について話してみたい。

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2026年01月12日

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Xでバズってて気になったのと、実際に手に取ってみて帯にちゃぶ台返しって書いてあって興味が湧いて買ってみた。
主人公の目線と親友の目線で2部構成になっていてどちらも同じ時間軸で見比べて見るとそれぞれこういう気持ちだったのかあと後から点と点が繋がっていくのが聡明で心地よかった。

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2026年01月11日

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恋愛を優先して、友情を疎かにしてしまった過去
彼氏のいない親友が 彼氏がほしいと嘆いているのを聞いてもやもやしてるいま
色々なところに重なった
(今の気持ちはわたしが結婚して恋愛から通さがったから思えるのかもしれない)
るりえは、蘭花が好きなのではなく蘭花のステータス、蘭花と一緒にいる自分が好きだっただけ
みんな自分のことしか考えてない世界。
今となっては恋愛も友情も別として大切に思えるし、友情はなににも変え難いものだと思えるけどやはり世間的には、友情は恋愛に勝てないのかな

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2026年01月08日

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人は何に惹かれるのかなと思った。
みんな自分がかわいい人ばかり。人に優しくしても、まず自分のことを考えている。

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2026年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感想が蘭花視点の「恋」編でなく、瑠利絵視点「友情」編に沢山の感想が溢れてきたのは私が瑠利絵側だからなんだろうな。

辻村深月さんの本を読むと、人間への観察眼が鋭すぎてどうしてこんなにも人間は"自分の物語"が強いのかと思ってしまう。
例えば瑠利絵がチケットを茂実経由で用意してもらったことにその価値以上に自分というフィルターを通した価値を付随させて大喜びしていた。
けど、蘭花視点だと『私は確かに星近の知り合いに頼んだけど、公開練習は普通に新聞とかでも観覧募集があるし」あまり知られていないだけで、注意していれば、募集の記事はよく見かける。しかし、感極まった様子の瑠利絵〜』と他愛もないことのひとつでしかない。

でも蘭花にも強い自分の物語があるわけで、
瑠利絵が男だったらいいのにと言う一方で蘭花は
かつての友人たちがパートナーを平凡だと評し、『茂実より美しく、私に合う魅力を持った相手』かどうかを常にジャッジしている。
もし瑠利絵が男だったとして、いくら蘭花と趣味が合って蘭花に優しくしたとしても蘭花は瑠利絵と付き合わないと思ってしまう。蘭花は誰もが羨むような彼との恋を他とは違う"特別"な恋だと思っているから。そんな彼女が瑠利絵を選ぶはずがない。

⭐︎

瑠利絵のされてきたことが日常にごろごろ転がっているのは酷いことだし、一部心当たりがあるものもある。直接四宮のように接してくる人は少なくても、ふとした折に線を引かれていると自覚させられる瞬間はあってしまうと思う。
でもだから自分も誰かに無意識に線を引いてることもたくさんある。
学芸員さんが仕事で1番大変なのは浮腫んでしまうことだと言って周りが笑っているのに瑠利絵だけ笑わなかったシーンみたいに。多分私は自分は何も考えず笑ってしまう。瑠利絵みたいに浮腫む体質だったらどう感じるかなんて考える隙もなく。

⭐︎

タイトルに盲目的とついているくらいで、この小説は恋/友情編どちらにも執着がどろどろ渦巻いている。
蘭花が茂実に(の容姿や将来有望な指揮者で初恋であること)、瑠利絵が蘭花に(自分を選んでくれる美しい親友であること)、茂実が菜々子に(世界的に認められていて自分を可愛がってくれている恩師の美しい妻が密かに自分と関係を持っていること)、菜々子が茂実に(将来有望で旦那を慕う美しい若者が自分に支配されていること)。
蘭花と元タカラジェンヌの母親との関係も少し違和感がある。

また瑠利絵は蘭花に『私と、平穏に暮らすのでは、ダメなのか。』と思うシーンがあるけれど、瑠利絵が蘭花のどんなところが好きなのかを語るシーンはない。
これは蘭花が茂実に抱く執着と似ていると思った。
その執着のきっかけが自身の容姿を乏しめられたことなのか、元々恵まれた生まれたために自分に釣り合うものを求めるのか様々だと思うけど。
自分では執着のきっかけを選べないのに、以降の人生それに振り回され続けることにやるせなく感じる。

私はどうしたら認められたと思うのか、
つまり何に執着しているのか、
そのきっかけはなんだったのか。
自分を掘り下げたいけどとても怖くなる面白い小説だった。

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2026年01月06日

Posted by ブクログ

すごく人間らしくて面白かった。みんな口には出さないけれど、人と関わる中できっと静かに色々な感情が揺れ動いているんだろう。目には見えない部分が辻村さんの見事な表現力で文字にされていてのめり込まれた。2回読んだ。

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2026年01月05日

Posted by ブクログ

盲目的な女の子二人、一部では、恋に盲目的な女子、らんか、二部では、友情に盲目的なるりえ

このふたりが語り手となり、同じ出来事を語っていく。
読んでてここまで[こういう子いるよなぁ]ってなる本ないと思う。
理由は、辻村先生のキャラって、そのキャラがその性格になる理由ずけがきちんと丁寧にされてるから、リアルさを感じやすいからだと思う、小中高の学校生活、家族関係、経済面、文化レベル、容姿とか、[こういう子]が育ちそうな背景、環境作りが上手いからこそリアル感があって、ヒリヒリする女の子を書いてるなぁと思った。


大学生になる前に予防接種としてこの本を読むのもありだし、結婚式とか同窓会とかの折に
学生時代に苦さや気まずさ、友人とのモヤモヤさを抱えてる時に読むとドンピシャだなぁと思う。
自分の人生経験とかによって、恋と友情ターン、どちらに共感するかは変わってくる作品だと思う。



多分、この作品で1番幸せでまともな女の子は美波で、サッパリしてて、自分のやりたいことやってて、その時その時の経験を最大限してることで経験値も客観性も1番持ってる人なんだなぁと。
この作品は盲目的な女の子二人が主軸だから、その盲目的な場所からいちばん遠い女の子(音楽とか演劇とか見た目とかの美とか自分の恋愛とかよりも人とか他人を見てる人)を登場させてるのが上手だなぁと思った。、 [美しさ]ってとっても主観的な盲目的なものだと思っていて、何を美しく思うのか、価値を感じるのかって、個人の盲目的な判断でしかないと思ってる。美しさにこだわりがある、らんかとるりえは、本当に全てに対して主観的で自己中心的で読んでいて、オモロとなる一方で、主観的な世界で行き過ぎると自分も生きずらいし、周りも傷つけるなぁと思いました。

みなの言葉で食らったのが、るりえに対して[自分のコンプレックス優先させる方が大事??]は本当に染みた。
性被害を受けた子に[私だったらそんなことされなかったね、ごめんね]は[私なんか]と自分を卑下する行為は、周りに気を使わせるし、
[私は選ばれない側ですよ、男にそういうふうに見られない側ですよ]という、
男に選ばれる側にいる女の子を妬む気持ちも根底にある気がした。この子は、性被害は別にどうでも良くて、その[女として魅力的だと思われた]の方に意識が行ってそうなのが気持ち悪いなぁと思いました。多分るりえは、無意識だけど。
ナンパされた、に対して、[なに??モテ自慢??]と返す並の気持ち悪さがあるなと感じた。

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2026年01月02日

Posted by ブクログ


買った日のうちに一気読みしてしまった。
一人で冊子と向き合い、その世界に浸りながら時間が溶けていく、この感じ。好きだなぁ〜( ´ ` )

必死の思いで言ったことが、あの彼女にはこれっぽっちも届かない。あの彼女に、自分の言動で感情の揺れはなく、揺れるのは彼のこと。
人間とは、こうも考え方・捉え方・生き方が違うのかと思った。だからこそ、本当におもしろい。

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2025年12月30日

Posted by ブクログ

友達のためにしてあげていることが、全て自分のためで、自分に都合がよいようにしているのにもかかわらず、感謝の気持ちがない、どれだけやってあげてると思っているのかと相手批判ばかりしてしまうことに、気付かずにいることが、どれだけ恐ろしいことなのかと、かなり、考えさせられた作品です。
自分以外の友達を親友って言ってほしくないとか
親友と聞くたびに傷ついているとか
1番の親友に選ばれたいとか
心の中で、常にそう思われていたら、怖くて付き合えないとゾッとしました、
でも、そう考えちゃうよね。と、わかる部分もあるだけに、本当に3日くらい、自分はどうなのか?と色々頭から離れませんでした。

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2025年12月28日

Posted by ブクログ

辻村先生の作品は朝が来るしか読んだことがなかったがこちらの方が圧倒的に好み。

2人のヒロインが恋パートと友情パートに別れて主観で描かれている。
二人とも、盲目的で何かに異常に執着しているという点では同じ。

しかし、蘭花は不毛な恋愛であるにしても自分の人生を歩み続けているのに対して、るりえは異常なまでに蘭花が人生の大部分を締めている。

過去のトラウマが呪縛のように彼女に纏わりついているせいで、恋愛も友情も歪な形でしか形成できず、周囲から孤立している。

プライドがとてつもなく高く、それがコンプレックスと混ざり合って満たされない、満たされたい。
どこまでも精神的に未熟な人間だなと感じた。

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2025年12月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

眉目秀麗な蘭花と容姿にコンプレックスを持つ留利絵。
前半と後半に分かれてそれぞれの視点で進む物語。
自分にとっては人生を大きく揺るがすような重大な出来事であったとしても、相手からすると些細で小さな出来事だったりする。
自己肯定感やプライドは傷ついた経験や称賛された経験によって構築されていき、それが客観視できないまま増幅していくと執着となっていつしか抜け出せなくなる。
留利絵が容姿を貶されてきたトラウマから、自己防衛のために曲解した受け取り方しかできなくなってしまっているのが痛々しかった。
被害妄想という言葉だけで片付けてはいけないような、哀れで残酷な心情。
もしそういうトラウマがなければ、留利絵は蘭花に固執することもなかったのかもしれない。
前半の蘭花視点のお話では留利絵はすごく友達思いで優しい人だったのに、後半の留利絵視点で一気に覆された。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

その気持ちわかる〜となる文章が、蘭花と瑠璃絵、両方の章に多数。(少し前の、恋人ができる前の自分であったならば、蘭花の方には全く共感できなかったであろう。)

中高女子校育ちで、大学から共学に入り、男性から恋愛対象に見られないということがいかに惨めなことかがよくわかった。そのくせ、性行為には興味があったりしたので、瑠璃絵の大塚に対する行動にも共感した。
社会人になってから、不倫男やヒモ男に振り回され、こちらに相談するくせに、一向にアドバイスは聞かず振り回され続ける女友達たちにどれほど悲しい思いをしたことか。なぜ女の幸せは、結局は異性なしに完成しないんだろう?なんで女友達だけじゃダメなの?って、本気で思ってた。

でも、数ヶ月前に恋人ができて、恋人ができたのは初めてではなかったけど、こんなに好きになったのははじめてで、恋に狂ってしまうということがよくわかった。蘭花の「恋愛というのは、彼女がしている、あんなありきたりなことではなく、わたしと茂実のような、特別なかけがえのないのとだ。わたしの身に起こったのは、そういうことだ。」という考えは、自分かと思った。彼氏の愚痴を言って、彼氏自身を否定されるのは違うんだよね。わかるよ〜

瑠璃絵の「私は、男はいないけど、平気だ。そんな無駄なものを背負い込むことはないのに、何故、多くの女は男がいなければダメだと思い込むのか。わたしと、平穏に暮らすのでは、ダメなのか。女友達はどうして男に、敵わないのか。」というセリフに、わたしが長年考えてきたことすぎて、涙が出た。本当になんでなんだろうね。


ただし、本屋のpopや帯で宣伝されている大どんでん返し!というのは、ちょっと納得いかなかった。膝を打つような伏線でもないし…。
ただ、瑠璃絵も蘭花も、その気持ちわかるよ、って、抱きしめたくなるような本でした。

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

これな、なかなか面白かった。
前半、元タカラジェンヌを母に持ち、大学のオケで第一バイオリンをつとめる美しい娘・蘭花の、将来を嘱望される指揮者の卵・茂実に対する「盲目的な恋」のお話。
少女マンガのようでもあり通俗的でドロッドロのお話をグイグイ読ませてしまう。
後半、背が高くて細くて猫背でニキビで悩んでいて自意識過剰な留利絵の、蘭花に対する「盲目的な友情」について。
同じ時間の同じ出来事を留利絵の側から見てみると、その時の言葉やイベントの持つ意味がこうも違うかと思い知らされ、コンプレックスに苛まされる彼女にとって一筋の光である蘭花を自分のものにするために行う行為が狂おしい。
どのような結末になるのか、ベタな恋愛ものから一転、サスペンスに溢れたダークさがぞっとする怖さ。
巻末、山本文緒さんの解説が的確。

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2026年01月20日

Posted by ブクログ

後半のるりえのコンプレックスというか異性とか友人からの何気ない線の引かれ方、マジわかる〜〜といった感じで読み進めていたけど、徐々に、、、みたいになる話でした
ちゃぶ台返しって煽りに釣られて買ったけど、驚きとか爽快感とかよりもあ〜そうなるかぁって感じが強かったように思いました

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

本編はもちろん解説が心に残った
どうして女性の幸せは同性同士の友情だけでなく異性との恋愛が必要不可欠なんだろうか。

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

四日ほどで読んだ。年始1冊目。
リアルにかける部分が気になったが、誰かに認められたい、誰かの特別に選ばれたいと思ったことはみんな少なからずあると思う。自分自身小中高そんな子供だった。努力をして誰かの親友ポジションになろうとする、その姿を誰かに見せつける。結局他者からの肯定って満たされないから虚しい。瑠璃絵は美波にずっと勝ちたかった。容姿や性格にコンプレックを持ちながらでも、ひとつの席を奪い取ることで存在意義を得たかったんだと思う。しかしどこまで経っても微笑に怯えてしまう。いくら瑠璃絵が親友ポジションになろうとも、誰かに選ばれようとも、幸せにはなれなかっただろう。

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2026年01月07日

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美貌のヒロイン・蘭花の「恋」パートと、彼女に執着する留利絵による「友情」パートで構成。恋も友情も拗らせてしまえば、行き着く先は愚かで残酷なものなのかも。軽薄に見えた美波が一番マトモなのでは?
山本文緒さんによる解説も秀逸で、モヤモヤが腑に落ちました。

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分たちはもちろん、周囲のすべてをも喰らい尽くしてしまうような。煮えたぎるように熱く、底なし沼のように暗くて冷たい、盲目的な、恋と友情の話。

とにかく留利絵視点がグロテスクすぎる。自己肯定感が低すぎるあまり肥大化した自己愛や、自他境界の曖昧さ、重度の愛着障害、見捨てられ不安が純粋培養された病的な依存と妄執、どれも直視できなかった。痛々しい、気持ちが悪いと憎悪すらしてしまうのは、私もまた留利絵と同じ種類の人間だからなのだろう。つまりはただの同族嫌悪なのだ。

自分を守るために目を閉ざし、耳を塞ぎ、自分にも他人にも嘘をつき、どんどん認識の中で事実が捻じ曲げられていくさまに、背筋が凍った。「あんなに正当化しないと痛みを認められないなんて」という美波の言葉は深い傷となり、これから先も私にじくじくと痛みを与え続けてくるのだろう。

恋とは、友情とは、愛とは何なのだろうと考える。私は、恋慕も友愛も依存も執着も、すべてを引っ括めて"愛"だと思う。"愛"はどれも均一ではなく、その人や時と場合によって、色も形も大きさも変わるものだ。ただ、その"愛"と向き合い、突き詰めた先の1番最後に、自分がいるのか、それとも相手がいるのかで、盲目的か、献身的なのかが分かれるのではないだろうか。

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2025年12月31日

Posted by ブクログ

1つの物語を「恋」と「友情」2つの視点から読むのはとても面白かったです。
盲目的に夢中になれるというのは素晴らしくもあり、それと同時に醜く恐ろしいものでもあるということを知りました。

私にとって、依存・盲目・執着で最初に連想されるものといえばやはり恋愛なのですが、友情というものも拗らせてしまえば恋愛に匹敵するほど恐ろしいものに変わってしまうのかと驚きました。

「恋人」「親友」という特別感のある立場に固執し、徐々に狂っていく人間の姿が繊細に描かれており
読み応えのある内容でした。辻村深月先生の文才がひしひしと伝わってきました。

『友情』の章の途中から結末を想像していたのですが、その上をいく結末でした。
山本文緒さんの解説も的を得ていて、よりこの本に対する理解を深めることができました。

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2025年12月16日

Posted by ブクログ

人間の愚かさ、弱さ、執着心、嫉妬、おぞましさがこの1冊にあります。
女同士って本当に面倒なことが多い。
群れてワーキャー言っている女子って幸せものだと思う。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

誰しも一度は経験したことのある激しくて、黒い感情。

自分自身にも思い当たる瞬間が多々あって、「あのときの自分もこうだったかもしれない」と思う場面が何度もあり、正直苦しくなるほどでした。
恋や友情が濁ってしまう瞬間、相手を大切に思う気持ちと自分の弱さがぶつかり合う瞬間――そのどれもが痛いほど伝わってきます。

読み終えて振り返ると、“他人事ではない物語”だったからこそ、深く刺さるのだと感じました。

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2025年12月12日

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