あらすじ
念願かなって海外旅行の添乗員になった遥。風光明媚なアイスランド、スロベニア、食べ物がおいしいパリ、北京……
異国の地でツアー参加客の特別な瞬間に寄り添い、ひとり奮闘しながら旅を続ける。
そんな仕事の醍醐味を知り始めたころ、思わぬ事態が訪れて――。
ままならない人生の転機や旅立ちを誠実な筆致で描く、ウェルメイドな連作短編集。
解説/藤田香織
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
新人添乗員が旅行する話で、読みやすく、あっという間に完読。
行ったことがある国は、自分が旅した時の記憶が蘇ってきて、この国はツアーで行ったなぁ。この国は個人で行ったなぁ。とか、そこ行った行った!なんて思いながら読めて楽しかった。
ツアーでも個人でも旅行するけど、添乗員のバックグラウンドを考えたことがなく、新人が担当することもあるし、なんなら行ったことがない国にも行かされることを知ってビックリ!
行ったことがない国に、個人で行くならまだしも、見ず知らずの他人を団体で連れて行くなんて、凄いことだと思った。自分が喋れない言語の国なら尚のこと。
色んな参加者がいて、参加者同士のことも考えて、気を配ったり、トラブルの対応もしなくちゃいけないし、自由行動の日も気が抜けないしで、かなりハードな仕事。そんな対応までするの?!それとも作り話?!と疑問に思ったところもちらほら。
私がツアーで海外へ行ったのは、近場の中国だけで、あとの国は個人手配ばかりだけど、旅行会社から送られてくるパンフレットを見ては、旅行中何度もホテルが変わって、一日毎にホテルが変わるプランもザラにあって、常にパッキングパッキングで休まらないし、日数も7日とか長いし、色々制限もあって(例えば、飛行機の座席指定不可とか)、疲れるから無理だろうと、参加したことはなかった。
客として参加しても、なかなかハードそうなのに、海外旅行添乗員なんて、体力がないと務まらないよ。
それなのに正社員じゃないなんて、、、
クロアチアとスロベニアへ行く回は、コロナ前に行ってみたいと思っていた国だったので、読んでて行きたくなり、ツアーを調べてみると、2◯万円というのが出てきた。
コロナ前は、ツアーで15万円ほどで行けたけど、今は10万ほど値上がりしていて、あの時行けばよかった後悔。
アイスランドへ行く回は、服装の準備の大切さを知った。私も初夏のイギリスへ行った際、薄手のダウンやマフラーがいるくらいの寒さに驚いて、それ以来、寒さ対策は気をつけてるけど、ガチな場所(笑)へ行く時は、ちゃんとした高性能な物を持っていくのが大事なんだと思った。あと着替えとか。事前学習って大事。
とても読みやすく、軽い話で、気分転換にもってこいの本
Posted by ブクログ
だいぶ前に友人にお勧めされた一冊。軽やかな読み心地でありつつも、胸に刺さる部分もあり、ずっと本棚にさしておきたいと思った。
主人公・遥は、新人の旅行添乗員。海外の地でツアー客の安全を守るポジションなのに、派遣社員であるという事実に驚く。物語では一章ごとに現場をかさねていくのだが、ツアー客がなんというか、現代人の坩堝で遥の悩みに心底同情する。困った人にため息をつきつつも、その裏側も知ることで印象が変化することもあり。旅に出て「知らなかった側面を知る」というハッとする場面が、人間模様にも当てはまって、遥と一緒に成長していく気分にさせられるのだ。
この、「無知を知る」っていうこと、とても大事なのに現実ではなかなか難しい。だからこそ、柔らかく示してくれるこの作品が、胸にしみたんだろうなあ。
最終章は少し前の現実の大きな壁にぶち当たった遥を描いている。苦しい気持ちを共有しつつも、未来への明るさをはらませて着地する終わり方はとても清々しかった。
アイスランドにスロベニア……いつか行ってみたいなあ、いつになるかなあ。
Posted by ブクログ
わたしも海外旅行が大好きだから添乗員の仕事にとても憧れた
でも好きなことを仕事にするということは、好きなことの中に痛みや後悔が降り積もるもなのだ。
好きなことを、好きなだけではいられないということなのだ。
という文章にてとても考えさせられた
Posted by ブクログ
主人公を応援しながら読みました。続編希望です。近藤史恵さんの小説は哀しく辛くなることもありますがとても温かいなとしみじみ感じます。
主人公が優しく、人として分別があり、人を思いやる心を持っているところが好き。それゆえに大変な思いもするけれど。図々しくいられたら楽かもしれないけど、そんな人にはなりたくないですよね(笑)。
好きなことを仕事にするのは難しいなと考えさせられます。
海外の描写も詳しく一緒に旅しているような気分。いろいろ勉強にもなりました。
Posted by ブクログ
新人添乗員の遥と一緒にアイスランドから沖縄まで五つの旅物語。ツアー中に起こる様々なトラブルやハプニングを通して成長する遥の姿に元気をもらえる。
ツアー客とのやりとりにもうならされた。望んだものがそのまま手に入ることなんて、ほぼほぼ無い。それでも、思いもよらぬギフトがあるから、旅も人生も面白い。
J'ai envie de partir en escapade.
Posted by ブクログ
好きなことを仕事にすることは賛否両論あるが、並大抵でない覚悟が必要なのだと改めて感じた。
添乗員というと、旅行好きな人にとってはうってつけなようにも見えるが、厄介な客の対応に悩まされることもしばしば。。
そんな中でも覚悟を持って業務を全うすることがいかに難しいことか、、
物事を色んな観点から見る大切さも感じた。
また、アイスランドやスロベニアなど、海外旅行としてはメジャーではない国も取り上げられているため、ガイドブックを読んでるかのようなワクワク感もあって楽しかった。
いつか足を運んでみたい。
Posted by ブクログ
私は海外に行ったことがないので、読みながらとてもワクワクした。好きなことを仕事にするのはとても大変なことだと思う。好きだから仕事にしたのにその仕事のせいで嫌いになってしまうこともある。でも遥は嫌なことがあっても続けていてすごいなと思った。
Posted by ブクログ
旅が好きでツアー添乗員の契約社員として働くことになった遥。
初めてのツアーであるアイスランドの添乗中に、この世界に入るきっかけとなった憧れのツアー添乗員の宮城に遭遇します。そのことを伝えると宮城は、好きなことを仕事にした遥に対して、どこか嘲笑するような言葉をかけます。
本書は新米添乗員が各観光地で奮闘するお仕事小説です。
毎回トラブルの処理で心が疲弊していき、「好きなこと」を仕事にすることに痛みや後悔が伴うことを痛感する遥。参加者に楽しんでもらうことを一番に考えていたはずなのに、トラブルに遭遇せず早く終わることしか考えなくなっている自分に嫌気がさすーーそんな遙の心情描写に胸が苦しくなりました。
確かに好きなことを仕事にすることで、かえってつらくなってしまう場面もあると思います。それでも「好き」という気持ちが活力になってくれると信じたいです。遙がベテラン添乗員を装いつつ、美しい街並みや美味しい料理にに感動しているシーンから、そんな希望を感じます。
添乗員付きのツアーは割高ですが、外国という不安な土地で効率よく観光地が回れる安心感があります。特に旅行初心者には心強い存在だと改めて感じ。添乗員付きツアーへの興味が高まりました。本書にも登場したスロベニアや、アイスランドなどのちょっとマニアックな土地に旅行に行きたくなりました。
Posted by ブクログ
この作品、大好きです!
海外を旅行した気分にもなれて、かつそれぞれの旅でのお話も面白かったです。
主人公は女性で、海外担当の新人添乗員さん。
私自身旅行が好きで今まで何度か海外に行きました。
添乗員さんにも何度もお世話になりましたが、添乗員さんの雇用形態や働き方事情を考えた事はなかったなぁ。
主人公には「ちょっと自意識過剰・ネガティヴすぎない?」とイライラする所がありましたが、
よく知らない土地(しかも海外)に複数人をまとめて案内するとなると、余裕がなくなって当たり前なのかも、と思い直しました。
しかも初めていく国を担当することもザラだなんて。
てっきり最初は他の添乗員に同行してその土地を予習してから担当するのかと思っていました。
行った事のない場所に人を案内して、トラブルが発生しないよう何日も過ごすなんて大変だなぁ。
また、主人公の年齢が自分と近く、悶々としている内容がなんとなく自分に重なるものもありました。30近くなるとなんだか色々と考えて少し心が敏感になりますよね。
本読んだりなど、リラックスしながら日々過ごしたいものです。
Posted by ブクログ
添乗員として客を引率するゲームが思い浮かんだ。旅先で起きる予想外の事態、クレームに次々対処していく、というような。
海外という非日常で浮き彫りになる個人の価値観。いろいろなバックグラウンドの人が集まったときに起きるトラブル。
主人公は価値観も性格もバラバラな客に対して、あるときは共感し、あるときは憤慨しながらも心を込めて対応しており、とても好感が持てた。
文化による分断、性別や年齢による分断、職業格差による分断など、さまざまな形での分断が描かれていたように思う。
その分断の谷を飛び越えて別のカテゴリーの人にコミュニケーションを図るとき、別の世界が見える。そんなふうに受け取った。
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新米添乗員の話。海外旅行の添乗員はいつも海外旅行へ行けていいなぁと思っていたけれども、色々ワガママな客が多くて大変そう!特に老人になると、勝手な事ばかり言う。日本に住んでると、何でも自由に手に入る。海外へ行くとそれがわからないから、慣れてない人は添乗員へ文句を言うのだろう。常に気を配ってなきゃいけない、大変な仕事だと思う。
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まず、出てくる旅行の土地がどれも興味を引く。特にスロベニアのリュブリャナとアイスランド。北京だって作者の手に掛かれば魅力的な都市に見えてくる。こんなツアー客居たら最悪だなぁ、と思うけれど、きっといるんだ。自分の思い通りにならない人が取る言動は、何て浅はかなのだろう。添乗員という仕事について考えたことが無かったが、とても大変な仕事だ。主人公のキャラクターが個人的にとても好きだ。一生懸命自分の気持ちに向き合って生きている。自分軸。リュブリャナ、行ってみたい!
Posted by ブクログ
ちょうど海外に旅行に行く予定があったので気になってた本を購入。旅関連の短編集って以外とついていけなくて置いていかれることも多いけど、主人公が新人添乗員ということもあって親近感を持てた。リュブリャナや若いうちにしか行けなさそうな土地に行ってみたくなった。
Posted by ブクログ
海外旅行の新人添乗員、遥が主人公。
行ったこともない、興味もない国へのツアーでは、よく知ってますよ感を出すために必死で勉強。場を乱す失礼な参加者や、おにぎりを食べたいという無茶振り、万里の長城にパンプスや革靴で来る人にも、真摯な対応を心がける。ロストバゲッジにも遭い、参加者からの非難も受け止める。本当に大変な仕事だな〜と思う。
遙が仕事で訪れるアイスランド、クロアチアとスロベニア、パリ、北京。風景や食べ物の描写が丁寧で、感心する。行ってみたい!と思わせてくれて、旅行ガイドのような側面もある。
遙の添乗員としてのツアーごとの短編が4話続いたあと、5話目では突然、コロナ禍に仕事を失った遙が、沖縄で寮付きのコールセンターの仕事をしている。えー??
いや確かに現実世界であったことだけど…。全編、添乗員としての話だと思ってたから、意表を突かれた。ラストは、一応前向きになれる終わり方ではあったけど、なんとなく、放り出された感じがして⭐︎1個減。続編があるなら、また添乗員の仕事をしている遙を見てみたい。
Posted by ブクログ
近藤史恵さんの旅ものはやっぱり面白い!
新米添乗員が世界各地を添乗するものがたり。
アイスランド、パリ、北京、沖縄と様々な場所へ連れて行ってもらえる
執筆がコロナ中だったのかな?最後がちと残念だったので★マイナス1
Posted by ブクログ
海外ツアー旅行の添乗員のお話。
確かに、全世界取り扱うツアー会社だったら、ベテランでも初めて行く国のこともあるよなぁと…言葉だって通じないところもあるだろうし、毎回ドキドキする仕事だろうなぁと、初めて思いを巡らした。
コロナでキャンセルしたヨーロッパ旅行。ツアーではなかったけれど、一部のチケットは会社が潰れてしまい返金に一年近くもかかって、関係者はきっととても大変だったろう。
その後、泊まる予定だったホテルからは素敵なメルマガが届くようになっていて、まさに本書の最終話のように「いつかまた」という思いが込められているのだろうと、この話から思い至る。
いまや、逆にオーバーツーリズムの方が問題かもしれないから、旅行先を決めるのは迷ってしまいそうだけど、また海外旅行がしたいなぁ。
Posted by ブクログ
海外旅行の添乗員の主人公のお話。
海外旅行はしたことはないですが、読んでいるだけでそこに行ったような楽しい気分になれました。
日本では無い所で様々な出来事に対応していく添乗員さんという仕事の大変さがわかりました。
世界は広い。
様々な環境、人種、価値観、選択肢が溢れている。
そういうものに触れることで、自分の視野がどんどん広がっていくんだろうなと思いました。
作中で、「私は自分で選んでここにいる」という所が印象に残りました。
溢れる選択肢の中から、きちんと自分で選んだことに自信と誇りを持って進んでいく強さを感じます。
実際に世界を見に行くことは私には簡単に出来ませんが、最後の章「沖縄のキツネ」でもあったように、世界と繋がる方法は現地に行く以外もあります。
私も自分なりに様々な世界、価値観を見て、視野を広げて行きたいなと思いました。
Posted by ブクログ
スマホでいろいろな国の観光名所や街並みを検索しながら読み進めました。中国の伝統的な建築様式の四合院、路地にはあちこちに椅子が置いてあり、住人は時間があると家から出てきて、近所の人とお喋りを楽しむのだとか。そんないい意味でのゆるさ、羨ましいと思いました。
“望んだものが、そのまま手に入ることなんて、たぶん簡単じゃない。だが、望んでいなくても、素敵なことは転がり込んでくるかもしれないのだ“このフレーズ刺さります。
後半、コロナで海外旅行が容易でなくなった時に、沖縄で新たにできた友人と共に、東京の親友やその同僚に動画配信で沖縄の美しい景色をリモートでプレゼントする。自分の置かれた境遇に悲観してばかりいるのではなく、新しいアイデアで人が喜ぶことを発信する。主人公の強さだと思いました。
Posted by ブクログ
アイスランド。ますます魅惑の国になりつつある。
椎名誠さんの本に登場した治安のいい国、オーロラの国、アイスランド。最近、知り合いもアイスランドを堪能してきたという。
この話は旅行者のアイスランドではない。添乗員目線のアイスランドだ。
私自身も旅行が好きなので旅行会社や添乗員には憧れたことがある。でも、行動力、語学力、人とのコミュニケーション力が必要なんだろうなと思うと、添乗員はハードルが高かった。何より旅を楽しめない。
小説の中の主人公「遙」は添乗員にデビューしたばかり。トラブル対応、好き勝手言うお客様対応などで心が折れそうになる。初めて訪ねる土地でも、ツアー参加者を案内し、健康状態や気分まで気を配る。本当に大変な仕事だ。
そのうえ、添乗員は契約社員が多く、妊活や育児のために仕事を離れざるを得ないことも知った。
アイスランド、スロベニア、パリ、西安、北京、そして沖縄へ。あれ?沖縄は日本じゃないか。
そう、コロナの影響で沖縄へは添乗員として行ったのではない。つらいこともあったはずなのに、添乗員生活が懐かしくなり、戻りたい気持ちが膨らんでいく。
初めての近藤史恵作品、面白くて、さくさく読めた。でも、、、
小説にコロナが出てくると、正直目をつぶりたくなってしまう。沖縄編が必要だったんだろうけど。
私自身は、2回コロナにかかった。仕事にも多大な影響があった。早く抜け出したかった。負の影響は現在も残っている、きっと。
Posted by ブクログ
新人添乗員が世界各国へ巡る旅行小説。新人らしくトラブルの対処にてんやわんやする。
でも何かその国に行ってる気分になった。普段旅行なんてしないけど、なんか楽しい。
ワガママを言う客達、ホントに腹が立つな。金を払っていたら何を言ってもいいのと思ってるのか。
終わり方がコロナ禍という制限を食らったことで尻切れ蜻蛉な感じで物足らない感じがあった。残念。
その後の遥とまた疑似旅行に行きたいな。他の国編の続編希望。
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新米添乗員が主人公の連作短編集。
新米が添乗するツアーはいやだな、こんな協調性のない客と一緒に旅行するのは嫌だなという思いが先に立った。だけど、コロナで添乗することができなくなって、時間の余裕ができて自分を見つめ直す余裕ができ、成長する主人公をみて、ほっとできてよかった。
Posted by ブクログ
読む前も読んだ後も
添乗員のお仕事って素敵だなと思った。
純粋に憧れる。
コロナ禍の時代は、どこを切り取っても
大変な時代だったなぁと振り返った。
知らない食べ物、生き物、景色が
たくさん出てきて一つずつ調べながら読んだ。
本を読むだけで知識が広がっていくっていうのは、まさしくこの事だと思った。
5つの中で、パリ症候群が1番好き。
「気持ちさえ変われば、世界はまるで違うように見えるのだ。」
意識的なものでも良いから改めてみようと思った。
解説を読んでみて著者の他の作品も面白そうだと思ったので、読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
私も海外旅行への憧れから、就職活動中に大手旅行会社の説明会なんて行ってたな〜なんて昔を思い出しました。好きなことを仕事にするって一筋縄ではいかないですね。失礼なツアー客に対して笑顔で対応したりなんてきっとできない、主人公は葛藤しながらもがんばっていてすごいなとたまごちゃんの新人を応援する気持ちで読みました。スロベニア、行ってみたいな〜
Posted by ブクログ
旅×お仕事小説として気になったので購入。まだまだ一人前とは言い切れない主人公。自信も経験も不十分ながら、懸命にやり切ろうと彼女なりに奮闘する姿に好感を持って読み進めました。
Posted by ブクログ
Audibleで。
歩きながら聴きながら旅の本。旅してる気分でサイコーでした。各トリップ毎にどんな処か調べるのも楽しかった~
メジャーでないところもあって、知らない処とかってやけに、ウキウキする。
と、それよりも新米添乗員さんがクレーマーだったり、曰くありだったりするお客様に奮闘すし、解決に導くところも面白い。
私自身が職業柄(ちょっとサービス系)だったりするからお客様に寄り添う気持ちや、理不尽極まりないのに笑顔で対応するとか(笑)、わかるなあと。
最後の章はコロナ禍だったからちょっと旅とはちがったから、これはコロナ禍の人々を別の物語で読みたかったかな。
さりとて、近藤さんの旅物語は面白い
Posted by ブクログ
表紙が可愛いくて購入。
主人公、堀田遥は新人添乗員。海外旅行の添乗員ということで、各国の旅行の楽しい出来事、トラブル、失敗談の話かと思って読み始めたのだけど、少し違った。もちろん綺麗な風景、美味しい食べ物、その土地の文化なども書かれているので、「いいな〜、私も行きたいな〜」と羨ましいかった。
でも私は旅行の話よりツアーの参加者の気持ちの方が印象に残った。参加者も色々な人がいる。良い人、宜しくない人。その宜しくない人の相手を新人添乗員の遥はよくやっていると思う。心の中では怒ってても、お客さんにいい思い出を作ってほしくて奮闘する。その宜しくないお客さんと話すことにより、その人の背景が見えてきて、寄り添ってあげる。本当に遥は頑張っている。
私も見習わないといけないなぁと思った。私も同じ様な場面に仕事でよく直面する。毎回帰る時に嫌味を言って帰る人がいる。その他にもよく怒る人など嫌な気分にする人たちがいる。で、この作品を読み考え方を変えてみようかなと思った。その人たちをよく見て、考えて接してみよう。そうすればその人の印象が変わるかも⁇と考えてみたけど、結局長年の嫌な思いの蓄積がそうはさせてくれなかった。そんな私は心が狭いのかな?、てな感じで仕事に対する姿勢を考えさせられる作品でした。
添乗員さんの仕事は旅行に行けていいな、と軽く考えてだけど、とても大変なお仕事だと分かりました。
Posted by ブクログ
新米ツアコンが一癖も二癖もあるお客さん達に揉まれながら成長していく奮闘記。嫌な感じの年配の方が沢山出てきたり、生まれた時代や性別のせいで辛い目に合う方も多く物語中結構挫折しそうに
派遣だから、女だから、年配の方に職場で多少なりとも苦労した人はちょっと読んでる時に心が辛くなるかも
それでも頑張ってる主人公が最後報われるかと思いきや……タルトタタンの近藤史恵さんの作品とは少し違うちょっと現実的なお話