あらすじ
カナダでがんになった。
あなたに、これを読んでほしいと思った。
これは、たったひとりの「あなた」への物語ーー
祈りと決意に満ちた、西加奈子初のノンフィクション
『くもをさがす』は、2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から寛解までの約8 ヶ月間を克明に描いたノンフィクション作品。
カナダでの闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――。
切なく、時に可笑しい、「あなた」に向けて綴られた、誰もが心を揺さぶられる傑作です。
● 『くもをさがす』へ寄せられた声
思い通りにならないことと、幸せでいることは同時に成り立つと改めて教わったよう。
――ジェーン・スーさん（コラムニスト）
読みながらずっと泣きそうで、でも一滴も泣かなかった。そこにはあまりにもまっすぐな精神と肉体と視線があって、私はその神々しさにただ圧倒され続けていた。
西さんの生きる世界に生きているだけで、彼女と出会う前から、私はずっと救われていたに違いない。
――金原ひとみさん（作家）
剥き出しなのにつややかで、奪われているわけじゃなくて与えられているものを知らせてくれて、眩しかったです。関西弁のカナダ人たちも最高でした。
――ヒコロヒーさん（お笑い芸人）
読み終わり、静かに本を閉じても心がわさわさと迷う。
がんの闘病記という枠にはとてもおさまらず、目指す先はまったく別にあることに気づかされた一冊。幸せいっぱいのときに、それを失う恐怖心が同時に存在するパラドックスに気づくと、上手くいったとしてもイマイチでも、自分なりに納得できる瞬間の積み重ねが人生なのだとあらためて知る。
――高尾美穂さん（産婦人科医）
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
異国の地カナダで、癌だと診断された作者の治療の経過と心の動きが描かれている。
現地の看護師さんの言葉が大阪弁で笑えた。ほんとにそんな勢いと雰囲気なんだろうな。
作中 ウイリアム・フォークナーの引用
「文学は、真夜中、荒野のまっただ中で擦るマッチと同じだ。マッチ1本では到底明るくならないが、1本のマッチは、周りにどれだけの闇があるのかを、私たちに気づかせてくれる」
本を読むことで物語を追体験できるが、それは現実に自分の身に起こった出来事ではない。せいぜい想像力という翼を鍛えて闇夜を無事に飛べるように祈るしかないのか。
西加奈子さんの弱さも含めた凛とした強さ
とても印象深い1冊になりました。
Posted by ブクログ
ガン闘病記である。お涙ちょうだいな感じでなく、淡々とでも進んでいく。それがリアルで読んでいて辛い部分もあった。なんでもないような日常が、実は幸せなんだとわからせてくれる本。
ガンの話ではなく、日本では広告など常に提供されて刺激が多いというのが、なるほどと思った。あと、日本人は食にかなり貪欲だというのも納得。食レポなんて独自の文化だろうなぁ。
Posted by ブクログ
この本では現在進行形で西さんがたんたんと事実を語っているように感じたが、結果としてそれが自分の背中を押してくれていて、肯定してくれていて西さんの偉大さを感じた。
西さんが抱えた感情の一つ一つを零すことなく、全てと向き合うことで、よりそう感じさせてくれていたのかもしれない。
SNSが発達する今、他人と比べることが多くなった環境で「私は私だ。」という当たり前の感情を失いつつあったので、何度も何度も読み返したいと心から強く感じた1冊だった！！！
Posted by ブクログ
生きる、息をしている。
西加奈子さんとは違った形で、ほぼ同時期に私も命と向き合う病と戦った。正確に言うとまだ進行形。
ものすごく力をもらった。
Posted by ブクログ
読んでよかった
病気の経過、バンクーバーの医療事情など
知らないことばかりの話だった
特にわたしに刺さったのが
家でテレビみていて流れてくる
内臓脂肪を減らすサプリのCMや
塾のCM
当たり前に見ていたCMや雑誌の広告など
これが日本人の価値観なんだと
知らされた
せっかくテレビ番組を楽しんでいたのに
CMがはじまるとなんだか心地よくないなと
感じる理由がこれだったんだ
2人目が産まれてから
もっぱら電車移動や外食が苦痛になった
旅行も車で行けるなら車で
食事もテイクアウトしてきてホテルの部屋で
食べる方が気が休まる
この子育てに対するストレスの根本は
日本人の価値観からだったんだ
子どもにしつけた親の方がエライ
勉強できる子の方がエライ
というような価値観に
日頃から追われてたんだな
40代の母ですがファッションが迷子になる
理由も若見え高見えの価値観に 惑わされて
いたから
お肌もカサつき身体も肥え緩み
そう簡単に若見え高見えする
似合う服に出会うわけないやんと
開き直れそうです
Posted by ブクログ
悲しい、、ばかりではない内容。
しっかり悩み、前に進んでいくこと、受け入れること。すごいなぁと思った。
もう一回しっかり読み直したい。
海外に行くと日本とはこんなにも医療制度が違うということに読んでいて驚いた。
今、元気に生きること、元気に生きるために健康診断行こうと思った。
Posted by ブクログ
最近、西さんのお元気な姿を拝見したばかりだった。この本の存在は知っていたけれど、読んでみると、書かれていることだけを取ってみても大変な出来事で、乗り越えた先に今の西さんがいるのだなと思うと感動してしまった。
いや、乗り越えたという言い方は正しくないのかもしれない。がんサバイバーとなった西さんは、がんに罹患する前には知らなかった恐怖や寂しさや生きることへの想いと付き合っていくことになったわけで、それはこの後の人生ずっと共に歩む感情なんだろうなと思う。理解はできるけど、私はまだ想像がつかない。
エキは今も元気なんだろうか。自分に余裕がなくて猫の不調に気づけなかったこと、肝臓の数値が悪くなって入院をしたこと、猫が久しぶりにカリカリをたべた音を聞いて泣いたこと、私の経験とまるっと同じだったから、西さんと一緒に泣いた。本当によかった。どうか健やかでありますように。
夫と息子、医療従事者の方、そしてたくさんの友人。皆優しくてユーモアを忘れておらず、西さんのことをたくさん助けてくれる。素敵な関係だなあと思った。絶対に英語なのに関西弁で記載されている会話文も大好き。
バンクーバーでの生活や価値観の話もとても興味深く、確かに住んでみたい街だなあと思う。どんな人も平等であるがゆえにお金を積んでも医療現場では優先してもらえない。重症でなければ半日近く待たされる。本当の平等は、お金でものごとを解決出来てきた人たちの反発を産む。それでも平等であることを選ぶあり方やシステムを、どれだけの国で実現できるんだろう。
子宮のがんを乗り越え今2児の母として元気に過ごしている幼なじみの顔が浮かぶ。彼女が苦しいとき、わたしは慣れない東京で慌ただしく働いていて、ろくに手を差し伸べてあげることができなかった。今、元気でいてくれるから良かったものの、そうじゃなかったら？と思うとゾッとする。数少ない家族や友人との出会い、時間をもっと大事にしようと改めて思った。
Posted by ブクログ
期待していた以上に良かったです。
作者の闘病日記？でもあり、カナダでの暮らし、カナダ人の考え方、日本人、日本での生活についてなどが書かれていますが興味深く読みました。
作者さんの作品を私は多分読んだ事はなくてこれを機会に探してみようと思います。
作品は読む前ですが作者さんの人柄は好きになりましたので、きっと面白いのだろうなと楽しみにしてます。
Posted by ブクログ
病気をテーマにしている話は普段あんまり好きじゃなくて、大好きな西加奈子さんの新刊にもかかわらず、ずっと読む勇気がなくて積読してしまっていましたが、
私自身もちょうどある病気が見つかったときに読み始めてみました。病気によりどんどん変化していく自分の身体と心。しんどくてどうしようもないときもありながら、病気を恨まず、病気をなくしてやろう！と気負うようなこともせず、ただありのままを受け入れ、周りの方々の優しさにも素直に甘え、感謝している西さんの心に私自身とても救われました。
カナダでの生活にもかかわらず、西加奈子さんならではの関西弁で会話が描かれていて、とてもポップに読めました。
終章の西加奈子さんから読者に向けての言葉には涙が溢れました。
やっぱり西加奈子さんは最高でした。
匿名
体験した人にしかわからない
ガンにかかった友達が何人かいる。友達は治療の辛さは詳しくは言わないけど、回復するまでの不安や、治療や副作用の辛さを垣間見ることができた気がする。
海外在住故、医療従事者のカジュアルさに驚いたり、怒ったり、救われたりというのも頷きながら読み進めた。
いつもの西さんの小説での情景やセリフも大好きですが、この作品では彼女の実体験からの感情をリアルに感じることができ、何度でも読めます。泣いたり笑ったり、忙しく、一気に読んでしまいました。
憧れる登場人物ばかりでした！
(今はまだ)がんサバイバーではない私にも、置き換えられる感情やケースがあり、涙ぐみながら読むページもあれば、かっこよさで鳥肌が立つページもあり、かと思えば口角が自然と上がっているようなページもあり、読み終えた今、感情を整理することと、インプットしておきたいことで溢れています。
とても愛と情を感じました。
Posted by ブクログ
2025.11.29 ★4.0
↓↓↓内容↓↓↓
カナダでがんになった。
あなたに、これを読んでほしいと思った。
これは、たったひとりの「あなた」への物語ーー
祈りと決意に満ちた、西加奈子初のノンフィクション
『くもをさがす』は、2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から寛解までの約8 ヶ月間を克明に描いたノンフィクション作品。
カナダでの闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――。
切なく、時に可笑しい、「あなた」に向けて綴られた、誰もが心を揺さぶられる傑作です。
Posted by ブクログ
カナダの看護師が関西弁で最高でした。当たり前だけど、病気でも、笑ったり食べたり腹たったり感動したり、するよな。当たり前だけど、病気でも自分らしくいろんなことを感じながら、人生は続いていくよな。って思いました。共感しまくり、面白くてツッコミどころがあって、不憫で肩に手を置いてあげたくなったりして、勝手に西さんを親友みたいに思ってしまった。
Posted by ブクログ
作者はガンを「共にある」ものとして向き合い、治療されていた。それまで病気は闘うものだと思っていたけど、この本を読んで考え方が大きく変わった。作者の強さに心を打たれ、勇気をもらえた。小説として残してくれて感謝。
Posted by ブクログ
カナダの人たちとのやりとりが目にうかびました。関西弁でのつっこみがないとやってられない陽気といい加減さ、明るさ。暗く沈みがちな日々に次々と起こるアクシデント。今なら笑って思い出せるのかもしれない。
生きて、物語が私たちに届いて、よかった
Posted by ブクログ
初の西加奈子さん。前にチラッと読みかけた本があったのだけど、関西弁の文章にちょっと腰がひけて（？）、やめてしまった。オードリーの番組に朝井リョウさんと出てるのを見て、朝井さん目当てで見てて、バラエティとして純粋に楽しみながらも、西さんって、すごいパワーと愛情深い人だなぁと感じて、もう1回読んでみようと思い、手に取ってみた。コロナ禍、癌に罹患し異国で小さい子供がいる環境で、治療する、どんなに辛く厳しい闘病だったのか、想像すら出来ない。でも、読んだ後、辛さではなく、清々しい前に進む感情がいただけた、すてきなあたたかいお話だった。西さんの他の作品も読んでみよう。
Posted by ブクログ
しなやかでいて、力強い。読み終えた時、そんな印象をもった。
人生は選択の連続だ。もし〇〇でなかったら、と考えることはたくさんある。その中でも、病気にまつわる諸選択はまさに人生の岐路といってもよい。
後悔のない人生はない。けれど、自分の選択こそは、より後悔や不安の少ないものであってほしいと願うのは人間らしいだろう。一種の防衛本能で、自分を俯瞰して見ているような感覚があるという部分があり、共感した。どことなく自分事ではないと思うような現実に直面した時、逃げ出したくても逃げられない時、まるで自分をもう一人の自分が見ているような感覚にかられる時がある。そういった時は、やはり冷静ではないのだろう。筆者も、ある時その張り詰めていた何かが不意に崩れて自身を取り戻す瞬間が来る。
どのくらいの人が自分をきちんと生きているのだろうか。周りの人を大切に思い、大切にしていることをちゃんと表現できているだろうか。不意に目に入る情報を追うばかり、誰かのことを羨んで受動的に、蔑ろにして生きてはいないか。そんなことを痛いくらい強く感じた。他でもない「わたし」という一人の存在を大事にして生きるのは自分だけなのだ。そのことをもっと大切にしていきながら日々生きていきたいと思う。
Posted by ブクログ
『あなたに会いたい』を読んで、これは絶対読みたいと思って手に取った。
自分のことも、周りの大好きな人たちのことも、その周りの人のことも、愛しいきもちになれるエッセイ。ゆっくり時間をかけて読みたい。
関西弁で訳されるナース達が一人一人個性的で愛らしい。日本にはこういうイメージないなぁ。
豊かさの話、おもしろい
日本は狭い 部屋の広さも時間的な狭さも、納得した。
カナダの豊かさとは違う。自分にとっての本当の豊かさってなんだろう
どうしても仕事を頑張ること＝時間費やすこと、っていう意識が消えないし、休んでばかりいると怠けてる、って自分でも思っちゃう。
バンクーバーに行ってみたい、少しだけ住んでみたい。国によってまるっきり文化が違っているんだって当たり前のようだけど体で感じたい。
エッセイの時間かけてゆっくり読めるところ。
思いを馳せる余白があるところが好きだと思った。
心にのこったメモ
「自分が歳を重ねておばさんになった今、何を怖がっていたんだろう、と思う。誰が私たちを脅していたんだろう。おばさんになったからといって、自分の喜びにリミットをつける必要はない。」
「病気に罹らなくても、いずれこの寂しさと、私たちは対峙しなければならない。老いていくとはそういうことだ。昨日まで出来ていたことができなくなる」
LOCAL Public Eatery 「世界のどこかは午後5時」
いつでも飲み始めていい、ということだ。
ウィリアム・フォークナー
「文字は、真夜中、荒野のまっただ中で擦るマッチと同じだ。マッチ一本では到底明るくならないが、一本のマッチは、周りにどれだけの闇があるのかを、私たちに気づかせてくれる。」
「身体的な特徴で、自分のジェンダーや、自分が何者であるかを他人に決められる謂れはない。
私は私だ。「見え」は関係がない。自分が自分自身をどう思うかが大切なのだ。
私は、私だ。私は女性で、そして最高だ。」
「カナダに来て、いろんな人とハグするうち、ああ、私はハグがしたかったのだと思い至った。大好きな人に会ったとき、笑って挨拶するだけでは、そして、改札前で「また会おう」と手を振るだけでは、どこか足りないような気がしていた。私は、大好きな人を抱きしめ、抱きしめられたかった。」
Posted by ブクログ
西さんが、コロナ禍にバンクーバーで乳がんを宣告され、乳房を失うまでの闘病記。西さんの小説も、ご本人の明るいお人柄も好きで、世に出た作品はほぼ読んでいると思うが、西さんが好きだからこそ、読んでいると、どんなフィクションの作品よりも辛くなってしまい、早く読み終わりたくて、急いで読んだ。
どんなに苦しい状況でも、西さんはありがとうが多い。この状況の中で、これだけの研ぎ澄まされた感受性で周りに感謝を伝えられることに敬服する。苦しいけども、読む価値は絶対にあるエッセイ。
Posted by ブクログ
自身の病気が発覚する少し前に話題になっていた本。でもリアルすぎて当時はあまり読む気にはなれなかったのだけど、自身の治療が一段落して何となく読んでみようと思えた。
端的には病気日記みたいなものと言えるが、読みながら確かに当時の私もそんなことを感じていたなぁと記憶を反芻。私も日記というほどではないが治療期間に食べた物とその日に感じたことを書き殴ったノートがあり、それを引っ張り出して読み返してみたり。ポジティブ過ぎずネガティブ過ぎずの文体で読みやすい。改めて周りへの感謝と思いやりを大事に生きていかねばと思った。
Posted by ブクログ
いつか読んでみたいと思っていたので。カナダで暮らす中で、乳がんを患い、闘病の日々を綴ったエッセイ。著者の作品を読むのは初めてだったが、病気で揺れ動く心情と丁寧に向き合い、言葉に落とし込んでいることを感じた。あとがきに書かれていた、美しい瞬間は自分だけのもの、という考え方には拍手を送りたくなるほど、とても共感した。
Posted by ブクログ
異国の地で闘病をするのは心細かったりうまくいかずに大変だったりすることも多かったと思うが、エッセイを通してバンクーバーと日本での病気への価値観の違いが非常に表れていて、視野が広がった。医者に対しても自分の不満や意見をしっかりと言うというのは、医者を「先生」と自然と呼んで上限関係があり一方的になりがちな関係が自分の中で普通だったため、新鮮だった。病人としてではなく一個人として患者を扱っているところが印象的だった。特に、「がん患者だからって喜びを奪われるべきじゃない」という言葉が印象に残った。
読みながら、困ったことは人に助けを求めよう、と思ったし、同時に自分もできるようにしたい、と思った。本文でも触れられていたが、情と愛の違いが日本とカナダであり、自分も情で動いてしまいそうだなあと思った。何が違いとして根底にあるのか。
日本では余裕がない、というところになるほどなあと思った。普段の私生活に余裕がないために食事を楽しみとしてこだわっていたり、働く時間が長くプライベート時間が少なかったり。海外の価値観に触れると、今の自分の常識を捉えなおしてもう少し手を抜けるかもしれない場所を見つけられるから、刺激をもらえる。
Posted by ブクログ
著者の自伝記。癌による闘病生活、医療関係者や仲間の支え。大切なものが文章から零れ落ちてくるようだった。大変な苦労をしながらもユーモアやポジティブさを持ち続けたことに敬服。おすすめの一冊となりました。
Posted by ブクログ
まだ、治療中だった私は、「そんなん、ただ生きてるだけでええんちゃうん？」そう言ったが、
「なんか、目標が欲しいねん。生きる目標が。」と、コニーは言った。
「出来ひんかったことが、少しづつできるようになるのが嬉しいねん。」
そしてもう一つ、彼女が始めたことがあった。書くことだ。
「小説を書きたいと思ってるんやけど、今はどうしていいか分からんから、とにかく毎日何かを書くことを自分に課してるねん。」
それは、すごくいいと思う、思わず私は言った。
私自身、治療中もずっと書いていた。小説、エッセイ、日記。書くことで頭の中を整理出来ていたし、書くことで自分がこんなことを思っていたんだと、思いがけない発見をすることがあった。
まさに今の自分に当てはまる。まずは、毎日の日記から始めよう。
Posted by ブクログ
カナダでの乳がんの闘病エッセイ。
色んな本の引用が出てきて、辛い時でもふとした時でも本の一説が西加奈子さんの中に生きてる事がわかる。
乳がんで胸を全摘した自分の体を本当に美しく思う彼女に、その光に憧れ、きっと私が何か病に伏した時、この本の事を思うのだろう
今読んでよかった
とても明るい闘病の記録です。明るく思えるだけだと思います。大変な苦労があったことは間違いありません。でも元気をもらえました。関西弁が効果的でした。私自身をそのまま受け入れることの大切さを学びました。読んでよかった。
Posted by ブクログ
今まで英語圏の国には興味がなかったが、読んでバンクーバーに行ってみたくなった。特に薬物を使わざるを得ない人生を歩んでいる他人を差別しない、というのが良かった。
作者の力強さと他者から分け与えられてみなぎるパワーが伝わってくる一冊。
Posted by ブクログ
★★★☆☆星3西さんは眩しくて本当に素敵だ。乳がん治療後？の坊主頭が本当に似合ってて素敵でびっくりした！たくさんの友人知人に囲まれて助けられていた。コロナ禍で慣れないカナダで乳がん治療、不安と恐怖でいっぱいだっただろう。同じ病に悩む人たちにどれだけ勇気と希望を与えるだろう。
Posted by ブクログ
ノンフィクション小説が読みたくなって、
高評価だったので読んでみました。
自分や身近な人が病気だと刺さるのでしょうが、
そうではないのでそれほど刺さりませんでした。
まだ読むタイミングではなかったのかもしれません。
Posted by ブクログ
闘病記の合間に、作者が心に響いた詩や歌がのっていた。医療体制は日本の方がいいが、それ以外の部分ではカナダに憧れた。以下心に残ったことのメモ↓
日本人には情があり、カナダ人には愛がある
日本は異常に食にこだわる 一人一人のスペースがせまいから狭く深く物事を味わおうとする精神がある
がんが完治して、その後来るのは幸せが失われるのではないかという恐怖 それでも光をただ見つめていくしかない
ハグ大事
Posted by ブクログ
久々に読みにくい文体。
筆者の体験をほぼ現在進行形で書いているからか、言葉が読みにくいからなのか。
闘病しているが、それは自分とは切り離された何か。正体はわからないが、その感覚はなんとなく分かる。
カナダは移民の国で寛容な感じ、日本は狭い感じ、、。人間関係の暖かさ、外国で心細いからこそ、人の愛を感じる本。
Posted by ブクログ
西さんの闘病記。西さんに同化して西さん目線で読めたらもっと大事な作品になっただろうと思う。
僕はただもう、自分は日本でしか生きられないかも、と強く思った。
日本人的感覚の当たり前さというか、仕事に対する姿勢とか責任感とか、何が正しいとかじゃなくて、病院の職員は！頼むから！と思ってしまう。
西さん、たくさん本読んで、たくさんインプットしてるんだなという感想も。
いちばん印象深い引用を。
「ヴァージニア・ウルフは本を読むことについて、こんな風に言っている。『それはまるで、暗い部屋に入って、ランプを手に掲げるようなことだ。光はそこに既にあったものを照らす。』
似たようなことを、ウィリアム・フォークナーも言っている。
『文学は、真夜中、荒野のまっただ中で擦るマッチと同じだ。マッチ1本では到底明るくならないが、1本のマッチは、周りにどれだけの闇があるのかを、私たちに気づかせてくれる。』」
外国の方がみんな大阪弁なの最高。
