あらすじ
『食堂かたつむり』で「食べること」を通して、『ライオンのおやつ』で「死にむかうこと」を通して「生きること」を描いた小川糸が描き出す、3つめの「生」の物語。愛することは、生きること――苦しい環境にあり、人を信頼することをあきらめ、自分の人生すらもあきらめていた主人公が、かけがえのない人たちと出逢うことで自らの心と体を取り戻していく。勇気を出してお弁当屋さんのドアを開けたことが彼女の人生を変えていく。
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Posted by ブクログ
初めは、かなり重く読み進めるのが苦しかったのですが、少し楽しくなって来たと思ったら、最後急展開に涙が…
その後、コジマさんとの出会いで小鳥は幸せになり最終、穏やかな気持ちで読み終える事が出来て、1冊の中に色々な感情が感じられる本でした。
私には凄くよかったです。
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親から愛をもらえず、酷い思いをして育った主人公。その体験で魂は損なわれず、捨て鉢にならず生きているうち、この星に生まれってよかったと思うまでになる。親の心ない行いは子供のせいではなく、傷ついても魂は損なわれない。その力で自分で自分を必死に守ってこれた。
きっと私にも、その力があったから今日がある。そんな魂を与えてもらったことに感謝。恵まれなかったことは多く悲しく悔しくて辛かったけれど、培われたものも確かにある。そういうプラスに感謝し、日々の少しずつの幸せを積み重ねて、これからの人生自分で舵をとって生きていきたい。
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自分と他人は実は一緒で、地球、宇宙レベルで考えたら全て一体…そんな風に考えたら、人の悩みなんて取るに足らない。
どんな不幸な境遇であっても素粒子レベルで考えたら幸せになれそう。
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性被害に遭い続けてきた人が、それを乗り越えて本当に愛される人と幸せになる話。
近年の傾向でこういう話題は取り上げられがちなのだろうが、表紙や内容からはイメージしづらく面食らった。
小川糸さんならきっと幸せにしてくれる、と信じて読めた。
心の葛藤が手に取るように理解できて、涙が出た。
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いつもながら凄いテーマに挑んでいる。序盤はとにかく救いようの無い暗い環境から、明るく立ち上がっていくその生き様と応援してくれる人々との繋がりに、読者も救われます。良くも悪くもドキドキが止まらない作品でした。
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読んでいて、少し苦しいお話だった。性的搾取は何故起こってしまうんだろう。小鳥は大事にしてくれる人と出会えて良かったけど、救われないまま、苦しいままの人も現実にはいるだろうな。
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前半は小鳥が体験したことが、悲惨な出来事ばかりで、読み進めるのが辛かった。
その後、コジマさんに出会い人生が変わっていく。コジマさんとの別れがあり、理夢人と出会うことに…。
愛が溢れる物語。
愛することで日常が報われる。
愛することは、生きることの意味がわかった。
小百合さんの何気ない一言が心に沁みた。
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悲惨な出来事や経験も、この作者はまあるく包んで読者に差し出す。どぎつくない読みやすい形にして、明日への希望も載せて。
登場人物が所々でいいセリフを言う。頭での情報処理ばかりしないで身体を通じて自然の一部になるという生き方が、いいなと思って私には沁みた。
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個人的ベスト本だと思っている「ライオンのおやつ」が、系列に入る3部作目。美味しそうなお弁当屋さんがあらすじにあったので、きっと食べている描写も多いだろうと期待して読んでみました(*´ڡ`●)
あっという間の情事展開で、若干びっくりしましたが、主人公が再び孤独にならないように、食べ物からでも彩りあざやかに暮らしていってほしい。
『炊きたての白いご飯の上に海苔を散らし、理夢人がその上に一口大に切ったステーキ肉をのせてくれる。上に、ちょこんとおろしたてのワサビが添えられた。…朝ご飯にステーキを食べるなんて、私の人生には無かったことだ。-第四章モーニングステーキ-』
朝のステーキはちょっと重いよね…となりつつも、案外ワサビが一緒ならいけるかもと思い直し、しっかり胃袋をつかまれてしまいました(〃ω〃)
2025.10
Posted by ブクログ
温かな気持ちになれる物語。
タイトルの意味を知った時、より一層感動した。
そういうことだったのか、って。
主人公がひとつひとつ前に進んでいく
様子も応援したくなる。
落ち込んでいる時こそ読みたくなる小説だ。
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舞台は日本。主人公は 小鳥(ことり)。幼い頃から家庭環境に恵まれず、母親は依存症を抱え、不安定な生活を送っていたため、小鳥は孤独と傷を抱えて育つ。
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18歳になる頃には住む場所も生きる術も失いかけていたが、あるとき “コジマさん” と名乗る人物が小鳥に介護の仕事を依頼してきて、小鳥はその人物の介護をすることで生活をつなぐようになる。
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コジマさんは、のちに小鳥が “父親” と感じる人物でもあった。ただし、コジマさん自身も病を抱えており、次第に衰えていき、コミュニケーションが難しくなる。
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そんなある日、コジマさんは “眠るように” 亡くなってしまう。
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その帰り道、小鳥はいつも気になっていたお弁当屋の匂いに引き寄せられ、そのお店のドアを初めて開けることになる。
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そこで出会ったのが 理夢人(リムジン)。彼は、小鳥のペースを尊重しながら、ゆっくりと彼女の心に寄り添っていく人。
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リムジンとの交流を通じて、小鳥はこれまで封じてきた過去の記憶やトラウマと向き合い、徐々に心と体を取り戻していく。
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物語の中では、小鳥の過去の出来事(虐待、施設での体験、親友との別れなど)が断片的に描かれ、それが小鳥の現在の閉ざされた心にどのようにつながっているかが明らかになっていく。
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リムジン自身にも複雑なバックグラウンドがあり、互いに傷を抱えながらも、信頼と時間をかけて関係を深めていく。
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最終的には、小鳥が “自分を取り戻す” 道のり、リムジンとの関係、小鳥が抱えてきた過去とどう和解するかが描かれる。痛みや苦しみ、葛藤、そして再生と希望が織り交ざった物語である。
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どんな人生でも会うべき人に運命の人っているってこと!そう思うと家族だったり同僚だったり周りの人達が愛おしく思えて感謝感謝
過去があるから今がある。今が幸せなのは過去のおかげってことかな?
母親のことや親友のこと、小島さん、施設の出来事、色々重い過去やったけど、全てを包み込んでくれるリムジンに出会えてよかったね小鳥
Posted by ブクログ
小鳥の前半の人生は信じられないほど過酷だ。子どもには何が起こっているかわからないことだらけな世界。小鳥の友だちの美船も望まない性暴力を受けて過酷。二人の心は惹かれ合うのは同じ年齢では誰にも理解してもらえない気持ちが通じ合ったのだろう。こんな許せないことから、悲劇が起こる。
小鳥は父と名乗るコジマさんと出会い、心の傷が気がつかないうちに少し癒されていく。
コジマさんのお世話が必要なくなった時、リムジンさん出会う。小鳥の心も体も解放されて本当の幸せを理解する。良かったなぁと思える読後感。
Posted by ブクログ
小鳥に早く幸せな出来事が起こってほしいと願いながら読んだ
幼少期の話は想像できないくらい辛く、絶対にあってはならないことで
読んでいて感情移入してしまい、怖かった
個人的にご飯の描写がすごく好きだから、もっとそういうところを読みたかったなぁ
将来誰かにお弁当を作るってなったら、蓋を開けた時に嬉しくなるお弁当が作りたいと思った
きっと大変だろうけど、日常が彩れたらいいな
所々飛ばして読みたくなる部分が多かった
Posted by ブクログ
子供の頃の数々のトラウマから、人を心から信頼できなくなっていた小鳥。でもおおらかで優しいリムジンと出会って、「愛」を知っていく物語。
本当に辛かったね、頑張ったね、もう一人じゃないよ、って小鳥をギュッと抱きしめてあげたい。その代わりにリムジンが沢山小鳥を愛してあげて欲しい。
自分だけが大変な目に合っていると思っていたら、周りも結構大変だった。でも私だって辛い。その辛い気持ちに優劣なんてないし、みんな幸せになって欲しいなと思う。
あとお弁当おいしそうすぎる。
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前半は良かったんだけど、後半のリムジンの語り(スピリチュアル寄りなところとか、おしゃべりなところとか)と、小鳥がすぐに警戒を解いてしまって、リムジンに溺れていってるところがなんかもう、え?って感じで、大丈夫なのかと心配だった。
小鳥がようやく甘えられる場所を見つけられたのは良かったのだけど、小鳥の甘ったれたセリフがあまり好きではなかった。依存してない?大丈夫なの?
Posted by ブクログ
タイトルから想定出来ない内容になっていました。
性描写がリアルに描かれ過ぎていて、少し気分が悪くなったのも事実ですが、それ以上に良い作品だと思う。私も"愛なんだぜ"って最後に言えるような人生にしたいなって思いましたょ。
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他の方も言うように、表現が結構生々しくてびっくり。読む場所選ぶかな。
理夢人と小鳥が巡り会えて本当によかった。ずっと誰にも話せなかった話を理夢人に話せて、それを受け止めてくれて。
人のお弁当を作るのも幸せだし、誰かが作ってくれたお弁当を開くのも、食べるのも、本当に幸せなことだよね^^お弁当の蓋を開いたときどんな顔するかな?ってワクワクする。誰かのことを想ったり思いやって動けることが、愛だよね。
私もオジバみたいに「愛なんだぜ」って最後に言って亡くなるような生き方したいな。。
Posted by ブクログ
装画:くのまりさん
装丁:大久保伸子さん
コジマさんと美船ちゃんが前フリに思えて、いつリムジンがいなくなるか(亡くなるか出奔するか全部嘘だったか人たらしで小鳥ちゃんみたいな人が他にもいるか)、2人の関係が親密になるにつれヒヤヒヤした。
そういう話じゃなかったので、そうだ私は小川さんの作品を読んでいるのだと思い出した。
リムジンは何故あんなに要素の多い人物だったのだろう…山伏て…
Posted by ブクログ
小鳥とリムジンに幸あれ
リムジン弁当の店構えや雰囲気が頭に浮かんでぽかぽかした
男女の睦事を通して愛することとは何か?を感覚的に考えたり感じるストーリー
Posted by ブクログ
うーん…
あまり登場人物に共感できない…というのもありますし、ちょっと生々しい部分の表現が受け付けなくて読んでいてつらかった。
話の前半と後半の繋がりも強くは感じず、一つの小説としてのまとまりをあまり感じませんでした。
ライオンのおやつがとても好きなお話だったので期待値が上がってしまっていました
Posted by ブクログ
主人公の小鳥ちゃんが子どもの頃に受けていた、母親や男性からの静かな性的虐待に胸が苦しくなる。
コジマさんからの手紙も、最初は「実の父だから介護してほしい」なんて、自分勝手なお願いだと思っていたけれど、小鳥にとっては人生が良い方に変わっていくきっかけになったから良かったんだなと思い直す。
小鳥ちゃんが、コジマさんの穏やかで誠実な生き方を見ることができて良かった。
理夢人という、本当に愛せる人と出会えて良かった。
Posted by ブクログ
んーー、微妙っ。でも悪いわけではないから☆3。
親友が死ぬとこまでは面白かったのにその後が…悲しい境遇の人が優しい気持ちで理想のようなものを掲げて語り合う話、よくあるけど全部つまらなく感じる
最初の香りの下りとか結構気に入って読んでたのもあって惜しい気持ち
なのにこの本のせいですごいお弁当とフォトンのことを考えている私がいる。お弁当箱持参のお弁当屋さん最高だよね
Posted by ブクログ
小川糸さんらしい、優しい物語。
過酷な人生を必死に生き抜いてきた主人公が、ある男性と出会って魂が救われていく過程を柔らかく描いている。ただ、主人公の身の上が本当に過酷なので、急に人生が好転したのが少し拍子抜けしたのが正直なところではある。
第四章のフォトンの話がとても好き。
Posted by ブクログ
生まれて生き抜いて、それを繋げていく。どんな事が起こっても悪い事ばかりではなくいい事もあるだろう。今まで生きてきた最悪な事から、取り戻すきっかけになった出会い。色々な描写も出てくるが、小川糸さんらしい言葉だと思った。