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Posted by ブクログ
商品経済の発展した江戸時代後期。農耕民族とは違った海洋民族も日本人のルーツの一つ。淡路島に生まれた高田屋嘉兵衛の壮大な冒険が今はじまる。
司馬遼太郎の代表作の一つだろう。武士など農業が日本の歴史の主たる流れだろう。もう一つ南海道の方には海洋民族として日本人のルーツがある。
江戸時代も後期となれば鎖国しつつも海運が大きく発達。元々はコメを大阪に回遊するためのものだが、やがて商品経済が発展し幕藩体制を蝕んでいく。
そんな流れの中、高田屋嘉兵衛という船乗り、商人を主役とした作品。貧家に生まれ厳しい境遇。なんとも切ない出だしから。その分、淡路から海を渡り西宮で樽廻船に乗るあたりから急に展望が開けてくる。
「峠」「花神」と同様、頑固で不器用、無骨な男が主役。全六巻の始まりです。
Posted by ブクログ
普段,ほとんど小説を読まない私が,あるラジオ番組(武田鉄矢の今朝の三枚下ろし)に触発されて手に取ってみた司馬遼太郎の作品。わたしが読んでいるのは,文藝春秋社から出ていた昔の単行本(昭和56年発行)である。
本の最後に作者の「あとがき」があったのには,ビックリ。この作品は,小説と言っても,その内容がほとんどノンフィクションっぽいからこそ,作者自らがこういう解説をつけるんだろうな。
文章の中にも,小説の流れの一部ではなくて,わたしたちの学習のために…というような知識の解説が随所にあり,物語を意味が分からないまま,時代背景が分からないまま読んでいくよりもとても分かりやすい。でも,こういう解説もまた,わたしがこれまで読んできた小説にはなかったことなので,司馬遼太郎の作品の特徴なのかもしれない。こうして作品中でいろいろ解説されると,歴史的な知識も増えるだろう。おそらくそういう意味でも,歴史好きな人は司馬さんの作品が好きなのかもなと思った。間違っていたらすんません。
たとえば,本文中に苗字についてのこんな件がある。
苗字という習慣は、平安中期ごろにおこったのであろう。その前に、氏があった。古代の氏族の氏はさておき、平安期になると、京の貴族グループの血縁的なわけ方として源、平、藤原、橘という四つの姓が氏の代表的なものになった。
おなじ藤原氏でも幾つかの本流から多くの分流にわかれたために、その住まいの所在地を呼称することでまぎれないようにした。一條に屋敷をもつ家を一條家というふうにである。近衛、九條、三條、三條西というように呼称された。氏は藤原氏で苗字が近衛というかたちになる。
やがてそれでも分類しきれなくなると、官職の一文字をとって呼称したりする。たとえば藤原氏本流からみると遠い分流の者で加賀介という地方官をつとめた者が一家をたてたとき加藤という苗字がおこり、似たような遠い系譜を称する者が伊勢に住むと伊藤とよばれたりして、その苗字が興る。(単行本のp.230~231)
もうこうなると,小説なのか,歴史解説書なのか分からない。とても勉強になる小説だわ。
あ,小説の内容については,みなさんのレビューをご覧下さいな。
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