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Posted by ブクログ
▼高田屋嘉兵衛とその時代を描く第3巻。オモシロイ。江戸時代の真ん中というか後半というか。つまり1800年よりちょいと前なので、実は時代としては「剣客商売」の時代なんですね。その時代の物流と経済、日本の地理などが嘉兵衛の人生を通してじわじわと入ってくるような不思議な小説。
▼嘉兵衛は巨大な船を作り、念願の松前との貿易を始める。そういう意味では志もうなってしまったとも言えます。ところがこの3巻の終わりくらいから、「蝦夷地の政治との出会い」が始まりますね。嘉兵衛がやや政治的になってくる。あるいは、「高尚な志」を持ってくる。
▼ハングリーだった頃のほうがオモシロイ、というのが普通の小説なんですが、最早これは普通の小説ではないので、先が楽しみです。わくわく。
Posted by ブクログ
読んだきっかけ:古本屋で50円で買った。
かかった時間:7/2-7/22(21日くらい)
あらすじ: 蝦夷地の主・松前藩は、アイヌの人々を酷使して豊富な海産物を独占していたが、この内実を他に知られるのを恐れ、北辺に迫る大国ロシアの足音を聞きながら、それを隠し続けた。漸くにして嘉兵衛が巨船を作り上げ、憧れのかの地を踏んだころから、情勢は意外な展開を見せ始めた。幕府が東蝦夷地の経営に乗り出したのだ。(裏表紙より)
感想: 弟嘉蔵の結婚。そして、薬師丸・長慶丸二艘の船で、嘉兵衛はせっせと商いを続ける。無理な航海をしてでも動くのは、無論辰悦丸の支払いに充てるためである。こうして辰悦丸は竣工し、「高田屋」は営業を開始した。
兵庫の北風家との仲にいくぶんかのひびを抱えながら、彼らは同時に、行き急ぐように寛政丸、春日丸を竣工し、商いを始める。
それぞれの船を高田屋で担いつつ、嘉兵衛は辰悦丸で蝦夷地を目指した。
蝦夷地では、松前藩が幕府の目を欺きつつ、アイヌに過酷な労働をさせて利益をあげている。現在の幕府は、戦国時代から長い月日がたち、おいそれと戦争を行うことができない。そして各藩への遠慮ももっており、松前藩を簡単に指弾できない。
そんな中、嘉兵衛は蝦夷地で幕府の蝦夷地探索の幕臣たちに出会い、強く惹かれる。
この人たちの力になり、蝦夷地を本土と同じく開けた土地にしたい・・・。
幕臣たちも、嘉兵衛の、ただの商人以外の心持ちに期待し、彼に蝦夷地解放へ向けての援助を願う。
こうした状況の中、寛政11年(1799年)正月、幕府は東蝦夷地を、松前藩より7年租借することと直接経営を行うこと勧告した・・・。
(続く)
Posted by ブクログ
蝦夷地を松前藩で取り仕切っていたが、アイヌの民への虐待やロシヤからの進攻を江戸に伝えていなかったことなどから、幕府が蝦夷地を天領として松前藩から召し取ることになるのかが、嘉兵衛の見聞を通してその当時の様子が読み取れる。蝦夷地に魅力されてしまった嘉兵衛は叔父のサトニラさんに幕府のお抱え運搬船になることは、商売の儲けにならないことを何回も言われる。しかし、嘉兵衛はその忠告よりも蝦夷地の魅力と幕府の密偵の役人との関係の方を優先してしまう。
四巻目に嘉兵衛がどの流れに流れて行くのか、蝦夷地はどうなるのかが描かれると思うので、次巻を読むのが楽しみになる三巻目だった。
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