【感想・ネタバレ】母性(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。(解説・間室道子)

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Da

ネタバレ 購入済み

面白かった

自分が求めたものを我が子に捧げたいと思う気持ちが、母性なのではないだろうか。
その通りだなあって思った。
母かなり狂ってた。

1
2022年12月17日

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ネタバレ

 無償の愛を与えられた女と、無償の愛を求め続けた娘。二者による語りが描く現実の差異や、周囲の人間の惨さ、最後まで二人の名が明かされないことに不気味さを覚えた。しかし、宗教にたよったとしても、一度は夫が二人の元から逃げたとしても、最後は家族が集まり、娘が自らの望む母性により新しい家庭を築こうとする姿に感動した。

0
2026年01月08日

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ネタバレ

一気に読み終えた。
湊かなえ作品の中でかなり好き。

私に生まれつき母性が備わっていなかったらどうしよう。子どもに「無償の愛」を溢れるように浴びせたいと思うことで、かえってそれで無償の愛じゃなくなってしまうんじゃないかと、足元から崩される不安を感じた。

母も娘もどちらも「母に愛されたい」、そのせいで歪んでいるけど同じ方向に歪んでいるからこそ、すれ違ってしまうんだなと思った。

湊かなえ作品はラストの収束がシュルシュルっと早くて、異様なハッピーエンドに感じることがある。以前はそれを、尻切れトンボのように感じていたけど、あとがきを読んで、確かにこれが全部死にゆく娘の幻想だったらと思うとゾッとした。

読み手を裏切る展開が多い分、勘ぐりすぎないように、素直に騙されるつもりで読むと面白い。

個人的にはりっちゃんが水晶玉とか漢方薬を売りつける詐欺の親玉「先生」なのかなと思ったけど(見かけによらず利口、みたいな描写もあったし)、違うかな、うん。

そういえば人間、舌を噛んでも死ねないようにできていると救急隊か何かの漫画で読んだような…(そこはさして重要じゃないか。「お母さんが自殺した!」と思わせられたらいいわけなので。)

0
2026年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分が妊娠してるってわかったとき、1番に読まなきゃって思った本でした
なんでそう思ったのかはわからないけど、、

母と娘の記述の矛盾や伏線になっているのがおもしろく、どこに向かうのかわからないワクワクですぐ読めちゃいました
自分が本当の意味での母親になれるのかは自信ないなあ

0
2025年11月16日

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ネタバレ

多分何度も読んだはず、でも今の自分にフィットしすぎて辛くなった。【私】【母】【娘】三世代の話で、自分自身が【私】の立場とおなじでカウンセラーに通っていたときのことを思い出した。同じ事実も視点を変えれば違う話になる、まさにこれ。母に必要な子だと思われたくて褒められたくて頑張る、頑張れば愛してもらえる。なのに母からそう思われない。みんな一方通行の愛というより欲望。途中で【私】は【娘】が母からの愛を求める気持ちに気づき、相互通行になれたらよかったね…と思うが読んでる時期や立場により感じ方は異なるだろうな。永遠に解決しない母娘、近すぎても遠すぎてもうまくいかないし、私自身は娘を愛する気持ちに理由は無い。愛というか唯一無二の存在なので助けるのは娘以外にいない。でも、もしこの気持ちが自分自身が年老いたとき、娘に対して無くなったらどうしよう、と思った。本当に考えるほど難しく他の方の感想を読み、言語化うまいなあ…と。もちろん湊かなえが一番上手いのは言うまでもない。
ミステリーかどうかはわからないけど素晴らしい作品。また読みたい、その時の自分の感情が楽しみ。

0
2025年11月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

視点が変わることで答え合わせのような感覚で読める。

「さぞかし愛されて育ったんだな」「円満な家庭で育ったんだな」「可愛がられて育ったんだな」
他人に対してそういった印象を抱くことがある。決まって性格は真っ直ぐで素直。そこにいるだけで幸せを振り撒くような存在。
愛情いっぱいに育てることがそのような子を生み、理想的な育児だと考えていたが、そうではないことを知った。
母親が、母親をいつまでも崇拝していることが心苦しかった。なにがあっても世界の中心は「母と私」なのだと。娘の愛情がずっと空回りしているだけなのもつらい。報われてほしい、救ってあげたい…ただただその繰り返しで読んでた。

母性を持つことが母親として当然なのか、それとも義務なのか、読む前よりも重い言葉に想える。

0
2025年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ


ずっと母親から愛され続けていたいと思い続けてる女が子供を産むと、こうもグロテスクな人生を歩むのかとゾッとさせられるストーリーでした。
火事の時に孫を助けろと言う母親に対して「子供なんてまた産めば良いじゃない!」と言い返してるところに絶句。
母親主観の時と娘主観の時のエピソードの違いにも心を潰されるような感じがする。
全部私が被害者だって感じの書き方が本当に気持ち悪くて、湊先生らしさが溢れ出てて引き込まれました。

1番許せないのが父親なんだけど、不倫相手と駆け落ちしたくせにひょっこり帰ってきてるの本当に気持ち悪い。
娘から、親に暴力を振るわれた鬱屈を外にしか発散できなかった卑怯者、と罵られててザマァミロ!

湊先生作品で1番好きかもしれないです。

マルクスの資本論は読まない方が良い?

0
2025年10月01日

購入済み

告白や贖罪、リバースなどの作品が好きな方は特に刺さると思います。湊かなえ特有の読んでて非常に嫌な気持ちになる情景描写が多数あるため、精神的に余裕があるときに読むことをおすすめします。

#怖い #ドロドロ #ダーク

0
2024年10月01日

QM

購入済み

母の手記と娘の回想がそれぞれ書かれ、読んでいくごとに母娘のそれぞれの認識の違いがでてきて、母子関係がおかしいとき特有の「ぞわっと」があった。依存しあう関係ってしんどい

0
2024年09月25日

Posted by ブクログ

母性というタイトルの通り、母親が思う娘への思いと娘が思う母への想いが描かれる。この本には主に母親と娘の2人の視点で物語が進む。その描写方法だからこそ2人の人間がそれぞれ感じ合うことは全く違っているし、親子のすれ違いがはっきりとわかるような物語になっている。

世の中の女の人には娘か、母かの2種類の女の人しかいないという言葉がでてくるが、そのまんまの意味というわけではなく、側から見たら親子でも母親は誰かの娘であるということである。母親になっても娘な女の人もいる。その典型的な例がこの本に出てくる母である。

母は思い通り育ってくれない娘に対して負の感情を募らせているが、私は共感できなかった。
母は娘に自分が娘だったら母親に対してもっと違う行動するのにという思いを抱くのだが、その2人は全く違う人間であるし、そもそも育てている親はあなたではないか?と問いかけたくなってしまった。
親と子は似るとは限らないと思う。外見などの遺伝はもちろん信じているが、内面は親との触れ合いにより構築されるものではないのだろうか。これはたまたまかもしれないけれど、仲のいい親子ほど似ているような気がする。

「愛能う限り育てていました」というセリフ。
本当にその通り育てていたらそんなセリフは出てこないんじゃないかというシーンには、共感した。
私は恋人に置き換えて考えたのだが、ほんとうに愛している人に愛してるということを伝える時に、取り繕ったセリフは言わないだろうなと考えたからである。
ただ、愛能う限りというワードはかなり好きで気に入った。

0
2026年01月02日

匿名

面白かった

とても面白かった。主人公は母を溺愛しているが、主人公の母こそ形は違う毒親なのではないかと思った。娘を自立出来ないまま育ててしまって。

#ダーク

0
2024年01月06日

購入済み

おもしろい!

映画を観た後、久しぶりに湊かなえさんの小説を読みたくなり。
流石イヤミスの女王。母と娘が交互に語る物語に引き込まれて家事育児で眠い目をこすりながら2日で読みました。他の作品もまた読もう。

#怖い #ドロドロ #ダーク

0
2023年04月15日

購入済み

心が震えました

初めての湊かなえ作品。
母娘の子育てや夫との関係に悩む自分にとって、カウンセリングを受けているような、神父の立場になり相談されているかのような、不思議な感覚で読み進め、読んだ後は心がなぜか軽くなった。みんな苦しみながら生きている。

0
2023年01月27日

購入済み

「母性」とは…?

 親離れ出来ていない母親と、母親の愛を求める娘。
 母親は、娘より自分の母親を愛し依存し、娘の母親を大切に想う気持ちに気づかないどころか、自分に起こる災いの原因が娘にあるとさえ思ってしまう。

 気持ちのすれ違いは、人と人が関われば多かれ少なかれ起こりうる事だと、自分の経験でも納得出来る。自分では正しい事でも、他人の目を通して見ると必ずしもそうではない。人にはそれぞれの考えがあり、理解されないのが常だ。
 この作品では、「母性」というものを改めて考えることになった。母親にとって、子供は何者にも代えがたい大切な存在だと思っていたが、そうでない母親もいることを知った。世間では、虐待したりする親もいるが、この母親はそうではなく、あまりにも自分の母親を愛し過ぎた。

 湊かなえさんの作品は、2作目の初心者。言葉では例えられない怖さを感じながらも、惹きつけられる魅力にハマりつつある。

0
2022年12月14日

hi

購入済み

とても読み応えのある本でした。

久しぶりに読みたいと思った湊かなえさんの本。
すれ違う母子の思いと、とにかく腹の立つ姑笑
語彙力がないのでうまく言えませんが、とにかく読み応えがあり面白かったです。

0
2022年09月11日

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ネタバレ

湊かなえさんの本は一時期ハマってたくさん読んだが、久々に読み同作者の中で結構好き。

どちらも「お母さんに愛されたい」という気持ちのすれ違いだと感じた。
ハッピーエンドなんだ〜、娘は彼氏と長く続いて幸せになれたのね!お母さんも許すのね、優しい…!と思ったら最後の解説を読み、恐ろしくなった…確かにこんなに上手く行く訳はないかとも考えられる。

子供欲しいと思っていたけど、自分に母性がきちんと芽生える(それともそもそも備わっている)のか不安になった…私もお母さんには一生愛されていたい…
もし自分が母親になったら、「無償の愛を自分なりに注げているのか」を振り返る機会としてもう一度読み直したい。その無償の愛も押し付けになっているのではないかという答えのない不安もあるけども…

0
2026年01月11日

Posted by ブクログ

2025年ラスト読書。
湊さんの作品読んだ後の感想あるある、「気持ち悪い物語すぎる〜」状態だった(褒め言葉でもあり湊さんへのリスペクトからきています)
贖罪を読んだときも同じ感想になったのをよく覚えている。
こんなこと現実世界であるわけない、絶対にあってほしくない…と猛烈に考えてしまう。

⚫︎母親の狂気、そんな母親に対してどこまでも愛情を求め続ける娘。
やっぱりそれは人間としての本能なのだろうと思った。

⚫︎愛能う限り〜が文中でも書かれていたように大袈裟なセリフに聞こえて静かな狂気を感じる。

0
2026年01月04日

Posted by ブクログ

やっと読みました、母性。
やっぱり湊かなえさん、じわじわと効いてきますね。

母の手記
自分のからだの中に生き物が存在する。その生き物はこれから、私の血や肉を奪いながら成長していく。そして、私のからだをつきやぶり、この世に出てくるのだ。そのとき、私は生きているのだろうか。新しい生き物にすべてを奪われ、私という人間の抜け殻だけが残るのではないだろうか。

確かに母親の胎内で細胞分裂が起こり、胎児は母親の分身のようにこの世に産まれてくる。生命の不思議ですね。
多分、おなかに初めて子供を宿した女性は彼女のような考えは持たないと思う。まだ全然母性が生まれていない。でも彼女は愛する母に諭され、こう思うようになる。

愛情を込めて、上質な作品を生み出す。母に喜んでもらうために。

彼女にとって、娘は作品だったのだろうか。読み進めるうちにずっとすれ違っていく母と娘が悲しい。お互い口に出せば少しは変わったかもしれないのに、そう出来なかった二人の積み重ねが辛いです。

終章で娘が今度は母になり、こう考える。
時は流れる。流れるからこそ、母への思いも変化する。それでも愛を求めようとするのが娘であり、自分が求めたものを我が子に捧げたいと思う気持ちが、母性なのではないだろうか。

これから変化した新しい母娘の関係が始まるのかなと、期待してしまいます。

国語教師のセリフに、
「おまえのいう母と娘とは、母性を持つ女と持たない女、ってことなんだな。それで、母親が微妙なコメントをしている自殺未遂娘に、万が一、運悪く母性を持たない女の娘として生まれてきたとしても、悲観せずにがんばれ、とでも言ってやりたいのか?」
というのが有りました。私も言ってあげたいです。母性を持たない女の娘として生まれてきた娘は、母性を持つ女として、これから生きていくのかもしれない。読み終えてそう感じました。

0
2026年01月04日

Posted by ブクログ

母親は子供にとっては唯一の存在で、好かれようと努力して100%受け入れられるものかと思うけど、どこかで歯車が狂ってしまうのかもしれない。
自分は母のようになれるのかわからないけど、時を重ねて母親になれればいいなと思う。

0
2025年12月25日

Posted by ブクログ

母性とは、「女性が、自分の生んだ子を守り育てようとする、母親としての本能的性質」
母娘の母親「私」、母娘の娘「わたし」、高校の教員の3人が語り手
「私」は自分の母親に褒められるように「わたし」を操作する
最初の1ページが罠だった

0
2025年12月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

母とその母の関係性に狂気を感じました。
子供が出来たからといって自動的に「母」になるのではなく、あくまでも母は母の「娘」でしかなかったのだと思います。そんな母にとっての娘は母に褒めてもらうための道具のようなものであり、娘が求めている心からの愛情、「母」としての愛情は無かったのだろうと思います。娘と引き換えに母を喪ってからは特に…。

この物語中に娘の名前は全然出て来ませんが、首を吊った娘に触れ初めて娘の名前を呼ぶ場面こそが、母が母の「娘」ではなく、娘の「母」になった瞬間なのだと思いました。

0
2025年12月21日

Posted by ブクログ

相も変わらず、文章がぞくぞくしてすぐに読むことができた。
物語としては、フィクションと言うよりも日本のどこかに現実としてありそうな気味の悪い事例を見ているようでした。

0
2025年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

飛び飛びで読んでしまって、叙述トリックがいまいち入ってこなかった、悔しい…。
解説読んでそういうことか!!てなった、自分でちゃんと気付けたらもっと面白かったなぁ。
りっちゃんは絶対律子だけども自分のいとこが飛び降り自殺した話聞きながらよくたこ焼き焼けるな…?て思っちゃったよ…。
母と娘の手記のすれ違うところがあって面白かったな。母の手記を読みながら「娘の手記ではどうえがかれるんだろう、、」てワクワク(ワクワクするような話ではないが)しながら読めた。
田所実家がまじで地獄すぎて、九州のいけんとこ詰め込んだみたいなとこやった。
娘(清佳)の気持ちになると苦しいなぁ、享と幸せになってくれよな。
あと仁美さんほんまにきもい、ワインボトルで死んどけやて思ったな。

0
2025年11月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【歪む母子間愛を見守ることしかできない本】

母親にしか愛されていないと思っている女性の独白から始まる。神父に向かって綴る今までの行いとその想い。自殺か事故か原因不明で意識不明の自分の娘に対しての懺悔と、自分の行いが正しかったか、ひとつひとつ確認していく。

物語は母親と娘の群像劇で進んでいく。

母親はひとり親の母に愛されて育った。その母は台風の土砂災害が原因で、自己犠牲の精神で孫を助ける。世界に一人だけの味方を失った母親は、義母の家で散々な仕打ちを受け、自分の夫にも、娘にも味方されないと感じ続ける。

一方、娘は台風で祖母を失った後、義祖母にいびられる母親を守らなければと気丈に振る舞い、成長するに伴って義祖母に楯突くことも増えていく。

屋敷と言われた家で起こる事件の中で、母親と娘のすれ違いが生まれ、家族の中で大きな溝となっていく。

火事の中で亡くなったと思われていた祖母が、自分の娘(孫)を守らせるために、舌を噛み切って自殺した事実を知った孫は、赦してと一筆書いて、桜の木で自害しようとする。意識が混濁する中で呼ばれた清佳という自分の名前を、久し振りに聞いた。

エピローグでは10年経った今、過去を振り返って冷静に俯瞰する孫、清佳。母への思いは幼少期、壮年期、現在と移ろいでゆき、烈火の感情は生まれなくなった。

母性とは、自分が娘として求めようとした愛を、我が子に捧げたいという想いなのではないだろうか。

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Nのために、告白、以来、湊かなえ作品に触れたのは三度目。

母親と娘の独白による文章の美しさ、その独白の偏りが群像劇でよく表されていた。独白者を信じているからこそのミスリードを面白く感じた。

特に、母親(ルミ子)と娘(清佳)の気持ちのすれ違いが痛ましい。

お互いが大切に思っているからこそ、胸の中に秘めた思いを伝えられずにいる。夫婦間も同じことが言えるだろう。その感謝や謝罪のひと言があるだけで、状況は変わっていく一方で、余計な一言がなければこうも悪展開にならないのに、という気持ちもある。

人間関係のもどかしくも、難しい模様に、生々しさを感じた。

母を守るために気丈に、時として反抗していく娘には特に感情移入した。

逆に母親には苛立ちを隠せない場面も多かった。過保護にされた生い立ち、娘への愛の注ぎ方、周囲への歪んだ見地、自分が我慢して消化しようとする根暗な性根。様々な軋轢を自分の中で抱え込んでしまう人には、共感する部分が大きいのかもしれないと思う。

途中で語られるりっちゃん食堂での第三者目線の会話において、語り手がまさか女性で清佳だとは思わず、ミスリードさせられた。

思春期から大人になるにつれて、母への見方が変わっていく。良い意味でも悪い意味も許容と諦めが生まれる。

作品の最後に括られた、母性は母親から自分が注がれた愛を娘に注ぐもの、という言葉には意図的な歪みを感じる。自分の中では腑に落ちるものではなかった。

逆に、母性を持った人間と、そうでない人間に分かれる、という言葉は胸に刻まれた。これから母親になる清佳は一体どの道を進むのだろうか。

0
2025年11月08日

Posted by ブクログ

映画を見てから文庫版を読んだ。
映画版では視点の入れ替わりが激しくて結局誰が真なのか分からなかったけど、文庫版は比較的視点の入れ替わりが分かりやすかった。あと文庫版の方が怖さが増してて良かった。

0
2025年11月06日

Posted by ブクログ

相手を思うからこその、すれ違い。
言えばいいというものではないけれど、言葉に出さなければ伝わらない事もある。

私も母と側から見れば仲良し親子だが、人には言えない思いがたくさんある。

色々考えさせられた作品。

0
2025年10月30日

Posted by ブクログ

先が気になりすいすい読めました!母と娘の視点が重なりあうことはなく、あまりにひどいと思わせることもあり。でも一番の悪は私は母の夫であり娘の父でもあるこの男だと思います。母の母(娘にとっては祖母)の視点も覗き見たいかも。でもラストは肩透かしでした。それでもこの作品は面白糸思います!

0
2025年10月16日

匿名

購入済み

娘を持って読みたいと思っていた作品をようやく。
自分がなれる、なるものだと思っていた母親像。実際母親になってみたら全然違う感覚。20歳ってすごく大人だと思ってたのに自分がなってみたら全然大人じゃない、みたいな。
母はきっとあれが精一杯。あそこでこうしていれば…とかは不可能だったと思う。
あとがきの信用できない語り手は本当にその通りで、自分がやっていること、思っていることのおかしさ、記憶の曖昧さは自分じゃわからない。わざとじゃない。
だからこそ田所になんとかしてほしかった。

#深い #ドロドロ #じれったい

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2025年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 『告白』が湊かなえの代表作であれば、この本は"金戸美苗の1番の代表作"とも言えるのではないかと思った。著者自身が母親であり、自伝的な側面もあるのではないかと思った。言葉の在り方についても思考を巡らせる一幕があり、語を操る小説家としての思いも込められているようだった。母と娘の感情の機微、すれ違いを描く上手さは流石。親子関係だけでなく、姉妹関係に対する見方の違いも深みをもたらしてくれている。
(清佳はルミ子を守ろうとするように"母性"を顕現させている人物であり、また春奈との交流から"姉"となることへの憧れも芽生えていた。
一方のルミ子はいつまでも母に執着する"子"であり、敏子との交流から"妹"でありたい気持ちもあったのではないかと感じさせられる。)
 どんでん返しの衝撃も効いている。まんまと勘違いしていた。冒頭で述べられているのは清佳の自殺未遂ではなく全くの別事件であり(清佳が過ごした田所家は一軒家であり2階建て。4階は存在しない。)、その新聞記事を追っている教員こそ、夢(?)を叶えた清佳その人…(ということで合っているはず)だということに合点がいった時は巧みな筆運びに拍手を送らずにいられないと感動した。
 また、独特の"イヤ味"もあった。今作はミステリー感が強くないとは思うが、登場人物(主に清佳とルミ子)の感情や考えが時系列を追って濃密に描かれており、ダイレクトに思いが伝わりやすかった。結局、子を産んだだけでは"母"になりきれなかったルミ子が大好きな母を自殺させる結果となってしまったこと(実際母が死亡することで母性は顕現したと思う。だから桜には"母"としての慈愛があったはず)や、それでも結局最後には孫の誕生に際し、自分ではなく母の意見を代弁するかのようなことしか言えなかった残念さは「人って簡単に変われないな。」とも思い、呆れると同時に悔しさ・後味の悪さもあった。
……が、他作品と比べてもスッキリした終わりだとは思う。何よりこの作品においては"被害者"とも言える清佳が生存しており、家庭を築き次のステップに進められるような締め方だったため希望は見出せた。

 以上が星4評価について述べたところだが、この作品を評価する上ではやはり、展開やトリックに嵌ってしまいそうな構造について書きたかったためネタバレは避けられなかった。
展開に関して言えば、私はスピリチュアルなネタが好きなので、中峰さんの件は個人的に読んでいて楽しかった。"オルグ"とか実際に言っている団体もありそうで凄い。

以下は、この小説から考えさせられたことや得た学び・登場人物についての雑感↓
・"母性"が持つ責任について
家庭においては母親の力が父親よりも大きい方が上手くいくのは本当なのかもしれないと思った。それは"母性"には家庭をコントロールする程の力があり、母親にはそれを行使する権利と責任があるのではないかと感じたからだ。
 こんな書き方をすると、私の嫌いな性別による役割分担を支持しているようにも見えて嫌だが、どうしても子供にとって母親の存在はあまりに大きく、母親からの愛情が子供を如何様にも変容させてしまいかねないことは否定できないだろう。それには父親も影響を受けるのではないだろうか。実際、ルミ子の半端な"母性"によって娘が苦しんでいた側面があったからこそ田所は逃げ場を求めた訳だし、田所家に関しても母親より父親が強かったせいで破綻していた面もあったと思う。"母性"は言葉から連想できるような偉大な加護にもなるし、イメージとは裏腹に凶悪な魔の手にもなり得るのだと感じさせられた。

・親子関係と本能について
今作では"異なる"視点を担っていた清佳とルミ子だが、根っこの部分では普遍性のある本能のようなもので繋がっており、共通している部分も大きいと思った。
 私が本能のようだと思ったのは「母親に愛されたい。」という欲求である。2人に限った話ではなく、今作に登場する人物は皆、少なからず誰かしらの愛情を求めていたように見える。ただ、清佳とルミ子の場合は「母からの愛」を求めている点で共通しており、そのアプローチも「母に理解してもらう→母と同一となる」ようなもので似通っている気がした。ルミ子の殆どが彼女の母親を通して行われるように、清佳の殆ども彼女の母親であるルミ子を通して行われるよう期待されていた。しかし実際そうはいかず、そのすれ違いが悲惨な結果をもたらしてしまったのだろう。
 すれ違いに関して言えば、"お嬢様"と呼ばれながらもよくできた人間に見えるルミ子。彼女の恐ろしさについて記しておきたい。私はこの人物が怖い。湊かなえ作品には(私の感覚で)おかしな母親が複数登場するが、ルミ子は中でもトップクラスの恐ろしさを持っていると思う。出産前の娘に対する憎悪(に似た感情)から、(究極の状態だったとは言え)「子どもはまた産めばいい」などと本人を前に言えてしまうところなど、随所に"母親になってはいけない"と思える要素を窺わせていた。いつか暴発するのではないかという底知れなさで、ドキドキしながらページをめくっていた。
 このキャラクターはとことん自分勝手なのだと思う。他者の気持ちを察し、相手が望む通りに動けるのは素晴らしいが、それも母の教えによるもので、「母に褒められたい」という子としての自分の気持ちを1番に考えているからなのではないだろうか。周囲に気を配っているようには見えるが、実のところ彼女の矢印は本当は自分1人にしか向いていなくて、「素敵な母の子として褒められる自分」「立派な娘の母として評価される自分」自分 自分……ではないだろうか。

 ルミ子と清佳は一人っ子同士という点でも共通しているのだが、ルミ子は大切に育てられた結果、自我意識が肥大化した甘えん坊となったのではないだろうか。その甘えの対象は両親(特に母)であり、2人が他界してからは心の支えを失うようでありながらも懸命に頑張っていた。ところがこれは「母に見られている。」というある種の呪縛がそうさせているのであって、やはり「母に褒められたい。甘えたい。」という意識が常にあったのだろう。この人物の恐ろしさはここにもあって、とことん自分勝手なだけなら私も人のことは言えないのだが、呪縛を呪縛とも思わない/思えないほどの幸せを手にしてしまっているところがあると思う。母と一体となり、「母の子」であることに何よりの悦楽を見出しているルミ子であるため、自分が自分のルールで縛られていることにも気付かない。これについては、母親の愛情がルミ子を壊してしまったのだとも思う。とにかく、縛られていることに幸福を感じているルミ子はそれを悪いことだと思うはずがない。むしろ良いことだと信じて疑わず、結局はそれを娘にも求めてしまっている。ここが問題なのだ。親子と言えど異なる人間なのだから、考え方や感覚は違っていて当然だろうに、ルミ子にとっては母と娘が同じことが幸せであるから矯正しようとしたのだろう。"娘の為を思って"。エゴによる強要である。
 一方の清佳は、田所家の人間に振り回されて疲弊し自分のことを見る余裕もない母親、頼りなく思える父親の中で育った結果、自立心の芽生えが早く"しっかりした"子になったと思う。兄弟がいれば依存して助け合うようなことも1人でこなせるような子に育ったが、母親からの愛情に飢えているため奥底では幼稚なのだろう。母親以外の人物に対する行動は稚拙な面も目立つ。
この作品において被害者と言えば清佳であり、先述した通りルミ子(加害者とも言える)に対して恐怖を感じていれば清佳を擁護したい面が多い。……が、清佳を被害者たらしめ、またルミ子を加害者たらしめている最大の要因は清佳にあるのではないかとも感じる。彼女は"親思いのしっかりした子"に成長したあまり感情を隠すようになって、愛される子としての性質を喪失してしまったように見える。本人はそれも母のためを思っており、最終的に褒められるためのことだったのかもしれないが、ルミ子はそれを陰気で気味の悪いもののように受け取ってしまい、悲しいボタンの掛け違えが起きていた。
 親子と言えど異なる人間である。だからこそ対話はきちんとするべきで、思考もひた隠しにするべきものではないと思う。「受け入れてもらえるか」という猜疑心を少しでも捨てて感情を発露していれば、ルミ子が清佳に歩み寄る余地もあったのではないだろうか。そう思わずにはいられない。



0
2026年01月09日

購入済み

後半からのハラハラ感がすごい

母と娘、2つの視点と第三者の解釈で物語は進んでいく。
一方の視点から想像していたものが、もう一方から見ると全く違っていたり。

そんな食い違いの積み重ねで親子関係も大きく変化していくのだと感じさせられた。

個人的には自分も育児に悩む母親として非常に共感できる部分があり、なんともモヤっとした気分になった。

0
2023年02月09日

購入済み

母性

母として娘としてぐっと引き込まれました。
映画も観て見たいと思います。

#切ない #ダーク

0
2022年11月22日

購入済み

一気読み

湊かなえ独特のメトロノームのような一定リズムは変わらず、
一瞬で引き込まれ一気に読み終えてしまった。
必読です。

0
2022年07月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

愛能う限りというほとんど使わない言い回しにより、マンションから落ちた女子高生を「母の手記」「娘の回想」に紐付けるような叙述トリックは流石だなと思いました。
ただそこを除いては、あまり大きな展開などもなく、母と娘の確執についても、あそこまで深く語られていたのに、最後は自殺未遂を経て解放されたとだけ簡潔に表現されていました。
もちろんトリックに対しての潔さはあるのですが、それにしてはトリックへの驚きも薄く、母娘の物語としても中途半端になってしまったので、少し残念に感じました。

0
2026年01月03日

Posted by ブクログ


母親の手記と娘の回想で物語が進行する。

母親は自分の母から授かったような愛情を注ぐのだが、娘にはそれが充分に伝わっていないと感じ、絶望感に陥る。
娘は母親から愛されていないと感じ、自分に愛情を向けてもらうように努力する。
しかし、お互い不器用で真逆な受け取り方をしてしまい、溝は深まっていく。

「母性」とは何かと考えたとき、言葉の定義はわかるものの、男には説明し得ない概念だと感じた。

子育てをしているお母さんと思春期の娘さんが読むとより共感できるのではないだろうか。

悪者として書かれていた義母視点があっても良かったと思う。
義母の実の娘達への甘さもまた母性だからだ。

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2025年12月24日

Posted by ブクログ

湊かなえ氏の作品の中でかなり好きな方。それぞれの視点で描いていくのがいつも特徴的だが、個人的にこの作品はよりそれを楽しめた。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

著者の作品を読むのはこれで六回目となるのだが、この方はどうも人間の厭な部分とか歪んだ部分を少しだけ引き伸ばして滅茶苦茶気持ち悪く描写するのが特に上手い。今作は中でもマタニティ・母子愛を題材に採ることで、その能力が遺憾無く発揮されていると見え、狂った母性と狂った承認欲求によって織り成される地獄の家庭環境を見事に描いている。折しも最近大学の兼ね合いで少年法・少年犯罪について考える機会が多く、より感心を持って臨めた側面がある。非行少年の過半が小児期逆境経験を経ている事実を認識しながら、一方で(普通に)恵まれた家庭で生まれ育った自分には余り実感として理解し切れない部分があったが、なるほどこうして、家庭という閉鎖的かつ絶対的な生育環境の中で、自分は歪んでいるとも知らず歪んでいき、最悪の方向へ進んでいって仕舞うのかと、創作ながらその一端を覗くことが出来たような気がする。子育てというのはその正解が何処にもない、極めて難しく極めて多忙な仕事であるのに、何の資格も必要ない、誰でも成ることが出来る、その上その真正性は夫々の持ち合わせる母性だとか愛だとか漠然とした感情的ななにかに委ねられているという時点で、半ば破綻しているのかもしれない。

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2025年11月29日

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歪な母娘の関係性。母性とは何かを考えさせられた。
心の中がドロドロとした嫌な気持ちでいっぱいになった。

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2025年11月22日

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ネタバレ

愛とか母性とか結局何のためにあるのかと考えさせられる作品。
娘は祖母が亡くなってから「無償の愛」を与えてくれる人を探し、母の目に留まるように必死に努力していたのに、それがすべて裏目に出て、余計に恨まれる結果になるのは読んでいて辛かった。

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2025年11月14日

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ネタバレ

いつもの、母と娘で話がずれている。
母の、娘の感情を分かってあげない、愛されたがり、母だけが大事、親になるべき人間ではない(手記には書いてないけど娘を殴ってる!触れられたいと言いつつ自分で避けてる!)は予想通りだけど、田所、義父母、姉妹もクソ。流産の話はむなくそ…

可哀想な子を大事にすれば母に好かれる、が娘に受け継がれてるのが嫌。母方の祖母はいい人だったのだろうけど、何でも褒めすぎは良くないのかな。

祖母が死んだ火事で祖母が自殺して、娘を助けたのは駆けつけた父だった、がオチ。

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2025年10月23日

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冒頭 17歳の女子高生の自殺か事故かわからない転落事件記事から始まる。
しかし本編の登場人物と直接関わりがあるわけではない。ただその母親が言った『愛能う限り』が一つのキーワードになる。
本書は各章ごとに「母性について」「母の手記」「娘の回想」 この三つで構成されている。


「母の手記」には自分の母親がどんなに素晴らしいか そして自分がどれだけ愛情をもって育てられたか そして娘が生まれてからは誰からも愛されるように 母が自分にしてくれたように能う限りの愛情を注いで育ててきたとしきりに書かれていた。

そして「娘の回想」には〝愛されるためには正しいことを、喜ばれることをしなければならない〟〝母から注がれていたのは無償の愛ではない〟〝わたしは誰からも愛されない〟〝母に嫌われる自分が嫌いだった〟〝拳を繰り返し振り下ろされる〟などという言葉が書かれていた。

各章で度々見受けられるこの双方の受け止め方の違いはいったい何なのか?

読みながら 母親になれない母親だなぁと思っていた。

娘が求めていたのは飾り立てた美しい言葉などではなくもっと簡単なものだったのだと思う。

第六章で成長した娘が職場の先輩相手に「…………女には二種類あることを伝えたい………母と娘です」
「子どもを産んだ女が全員、母親になれるわけではありません。母性なんて、女なら誰にでも備わっているものじゃないし、備わってなくても、子どもは産めるんです。……」と語っている場面がある。娘にこんなことを言わせてしまう母親は残酷だと思うがこれは真理だ。

この作品は意図的にだと思うが母と娘の名前がほとんど出てこないのが印象的だった。終盤まで読んで 思ったのは誰かに名前を呼ばれるということはその人に自分の役割でなく存在を認めてもらえたということになるのだろうか… 。ということだった。

終章はそれまでのことを思うと随分アッサリしているように感じた。個人的には本当にこれでいいの?と思わないでもなかったが母娘の関係というのはこんな感じで収まるのが理想的と言えば理想的なのかもしれない。
でも物足りないと言えば物足りない。




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2025年08月08日

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母性を求める母 メインは、主人公の女性が、
母親との別れ、娘への愛情の持ち方の難しさへの悩みで進んでいく。
母親視点、娘視点で進むが、
まずは義母の性格の悪さが全体の嫌な雰囲気を作っている。
また、それに関せずという男性のだらしなさ。

娘がかわいそうで、読んでいて気持ちの良いものではなかった。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

陣痛来ながら読んだ。愛情のすれ違い。
私は全く共感できなくて知らない感情で興味深かった。
子どもが産まれても女は母か娘らしい。私は娘にはなれなかったけど母にはなりたい。
完璧なおばあちゃんの内面が気になる。

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2025年10月18日

購入済み

さすが

湊かなえっていう名前だけで読むしかない小説。
面白かった。

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2023年02月21日

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