【感想・ネタバレ】母性(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。(解説・間室道子)

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面白かった

自分が求めたものを我が子に捧げたいと思う気持ちが、母性なのではないだろうか。
その通りだなあって思った。
母かなり狂ってた。

1
2022年12月17日

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ネタバレ

自分が妊娠してるってわかったとき、1番に読まなきゃって思った本でした
なんでそう思ったのかはわからないけど、、

母と娘の記述の矛盾や伏線になっているのがおもしろく、どこに向かうのかわからないワクワクですぐ読めちゃいました
自分が本当の意味での母親になれるのかは自信ないなあ

0
2025年11月16日

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ネタバレ

多分何度も読んだはず、でも今の自分にフィットしすぎて辛くなった。【私】【母】【娘】三世代の話で、自分自身が【私】の立場とおなじでカウンセラーに通っていたときのことを思い出した。同じ事実も視点を変えれば違う話になる、まさにこれ。母に必要な子だと思われたくて褒められたくて頑張る、頑張れば愛してもらえる。なのに母からそう思われない。みんな一方通行の愛というより欲望。途中で【私】は【娘】が母からの愛を求める気持ちに気づき、相互通行になれたらよかったね…と思うが読んでる時期や立場により感じ方は異なるだろうな。永遠に解決しない母娘、近すぎても遠すぎてもうまくいかないし、私自身は娘を愛する気持ちに理由は無い。愛というか唯一無二の存在なので助けるのは娘以外にいない。でも、もしこの気持ちが自分自身が年老いたとき、娘に対して無くなったらどうしよう、と思った。本当に考えるほど難しく他の方の感想を読み、言語化うまいなあ…と。もちろん湊かなえが一番上手いのは言うまでもない。
ミステリーかどうかはわからないけど素晴らしい作品。また読みたい、その時の自分の感情が楽しみ。

0
2025年11月01日

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ネタバレ

視点が変わることで答え合わせのような感覚で読める。

「さぞかし愛されて育ったんだな」「円満な家庭で育ったんだな」「可愛がられて育ったんだな」
他人に対してそういった印象を抱くことがある。決まって性格は真っ直ぐで素直。そこにいるだけで幸せを振り撒くような存在。
愛情いっぱいに育てることがそのような子を生み、理想的な育児だと考えていたが、そうではないことを知った。
母親が、母親をいつまでも崇拝していることが心苦しかった。なにがあっても世界の中心は「母と私」なのだと。娘の愛情がずっと空回りしているだけなのもつらい。報われてほしい、救ってあげたい…ただただその繰り返しで読んでた。

母性を持つことが母親として当然なのか、それとも義務なのか、読む前よりも重い言葉に想える。

0
2025年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ


ずっと母親から愛され続けていたいと思い続けてる女が子供を産むと、こうもグロテスクな人生を歩むのかとゾッとさせられるストーリーでした。
火事の時に孫を助けろと言う母親に対して「子供なんてまた産めば良いじゃない!」と言い返してるところに絶句。
母親主観の時と娘主観の時のエピソードの違いにも心を潰されるような感じがする。
全部私が被害者だって感じの書き方が本当に気持ち悪くて、湊先生らしさが溢れ出てて引き込まれました。

1番許せないのが父親なんだけど、不倫相手と駆け落ちしたくせにひょっこり帰ってきてるの本当に気持ち悪い。
娘に親に暴力を振るわれた鬱屈を外にしか発散できなかった卑怯者と罵られててザマァミロ!

湊先生作品で1番好きかもしれないです。

マルクスの資本論は読まない方が良い?

0
2025年10月01日

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ネタバレ

飛び飛びで読んでしまって、叙述トリックがいまいち入ってこなかった、悔しい…。
解説読んでそういうことか!!てなった、自分でちゃんと気付けたらもっと面白かったなぁ。
りっちゃんは絶対律子だけども自分のいとこが飛び降り自殺した話聞きながらよくたこ焼き焼けるな…?て思っちゃったよ…。
母と娘の手記のすれ違うところがあって面白かったな。母の手記を読みながら「娘の手記ではどうえがかれるんだろう、、」てワクワク(ワクワクするような話ではないが)しながら読めた。
田所実家がまじで地獄すぎて、九州のいけんとこ詰め込んだみたいなとこやった。
娘(清佳)の気持ちになると苦しいなぁ、享と幸せになってくれよな。
あと仁美さんほんまにきもい、ワインボトルで死んどけやて思ったな。

0
2025年11月28日

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ネタバレ

【歪む母子間愛を見守ることしかできない本】

母親にしか愛されていないと思っている女性の独白から始まる。神父に向かって綴る今までの行いとその想い。自殺か事故か原因不明で意識不明の自分の娘に対しての懺悔と、自分の行いが正しかったか、ひとつひとつ確認していく。

物語は母親と娘の群像劇で進んでいく。

母親はひとり親の母に愛されて育った。その母は台風の土砂災害が原因で、自己犠牲の精神で孫を助ける。世界に一人だけの味方を失った母親は、義母の家で散々な仕打ちを受け、自分の夫にも、娘にも味方されないと感じ続ける。

一方、娘は台風で祖母を失った後、義祖母にいびられる母親を守らなければと気丈に振る舞い、成長するに伴って義祖母に楯突くことも増えていく。

屋敷と言われた家で起こる事件の中で、母親と娘のすれ違いが生まれ、家族の中で大きな溝となっていく。

火事の中で亡くなったと思われていた祖母が、自分の娘(孫)を守らせるために、舌を噛み切って自殺した事実を知った孫は、赦してと一筆書いて、桜の木で自害しようとする。意識が混濁する中で呼ばれた清佳という自分の名前を、久し振りに聞いた。

エピローグでは10年経った今、過去を振り返って冷静に俯瞰する孫、清佳。母への思いは幼少期、壮年期、現在と移ろいでゆき、烈火の感情は生まれなくなった。

母性とは、自分が娘として求めようとした愛を、我が子に捧げたいという想いなのではないだろうか。

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Nのために、告白、以来、湊かなえ作品に触れたのは三度目。

母親と娘の独白による文章の美しさ、その独白の偏りが群像劇でよく表されていた。独白者を信じているからこそのミスリードを面白く感じた。

特に、母親(ルミ子)と娘(清佳)の気持ちのすれ違いが痛ましい。

お互いが大切に思っているからこそ、胸の中に秘めた思いを伝えられずにいる。夫婦間も同じことが言えるだろう。その感謝や謝罪のひと言があるだけで、状況は変わっていく一方で、余計な一言がなければこうも悪展開にならないのに、という気持ちもある。

人間関係のもどかしくも、難しい模様に、生々しさを感じた。

母を守るために気丈に、時として反抗していく娘には特に感情移入した。

逆に母親には苛立ちを隠せない場面も多かった。過保護にされた生い立ち、娘への愛の注ぎ方、周囲への歪んだ見地、自分が我慢して消化しようとする根暗な性根。様々な軋轢を自分の中で抱え込んでしまう人には、共感する部分が大きいのかもしれないと思う。

途中で語られるりっちゃん食堂での第三者目線の会話において、語り手がまさか女性で清佳だとは思わず、ミスリードさせられた。

思春期から大人になるにつれて、母への見方が変わっていく。良い意味でも悪い意味も許容と諦めが生まれる。

作品の最後に括られた、母性は母親から自分が注がれた愛を娘に注ぐもの、という言葉には意図的な歪みを感じる。自分の中では腑に落ちるものではなかった。

逆に、母性を持った人間と、そうでない人間に分かれる、という言葉は胸に刻まれた。これから母親になる清佳は一体どの道を進むのだろうか。

0
2025年11月08日

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ネタバレ

愛とか母性とか結局何のためにあるのかと考えさせられる作品。
娘は祖母が亡くなってから「無償の愛」を与えてくれる人を探し、母の目に留まるように必死に努力していたのに、それがすべて裏目に出て、余計に恨まれる結果になるのは読んでいて辛かった。

0
2025年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いつもの、母と娘で話がずれている。
母の、娘の感情を分かってあげない、愛されたがり、母だけが大事、親になるべき人間ではない(手記には書いてないけど娘を殴ってる!触れられたいと言いつつ自分で避けてる!)は予想通りだけど、田所、義父母、姉妹もクソ。流産の話はむなくそ…

可哀想な子を大事にすれば母に好かれる、が娘に受け継がれてるのが嫌。母方の祖母はいい人だったのだろうけど、何でも褒めすぎは良くないのかな。

祖母が死んだ火事で祖母が自殺して、娘を助けたのは駆けつけた父だった、がオチ。

0
2025年10月23日

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ネタバレ

冒頭に出てくる「女子高生の記事の真相は?」という点以外は、これはミステリーなのか?というのが正直な感想。母目線と娘目線で描かれているが、途中の日常がどちらにとっても苦痛な日々で、読んでいてしんどかった。最終的には気になっていたことは全て解き明かされるが、スッキリはしない。

0
2025年09月22日

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